8 / 52
一章:子供を拾う
閑話:保護者の裏の活動
しおりを挟む
※次話、リリィ成長しちゃうので、リリィ十歳の閑話をお楽しみください。
「おいチビ!!」
「リリィはチビって名前じゃないわよ」
「うるさい、男女は黙ってろ!」
「なんですって!!」
正義感の強いミアは、目の前の少年ビリーと口論をしている。リリィはあのパーティーからミアとエリと仲良くなり、遊ぶことも多くなった。今日はミアの十歳の誕生日なのだが親の付き合いで子爵家のビリーも呼ばなければならなかったそうだ。ビリーはミアの嗜めも効かず、それでもリリィにちょっかいを出した。
「お前、兵器に拾われた捨て子なんだろ」
「・・・ヴィーは兵器じゃないもん!」
「捨て子の癖に生意気な!!」
ビリーはリリィの髪の毛を引っ張った。リリィは涙をうっすら浮かべたのだが、我慢しているようだ。キッとリリィはビリーを睨みながら「ヴィーは兵器じゃないもん」と言って抵抗した。リリィは基本大人しいのだが、ヴィンセントが兵器と呼ばれることが一番嫌なのだ。
「もう兵器って呼ばないって誓って!!」
「分かった、分かったよ。もう言わないから」
ビリーがどんなにリリィを突き飛ばしたりしても、リリィは諦めず抵抗した。ビリーはその執念に、最終的に降参したのだ。
「ふん、頑固なやつ」
+
+
+
「あれ、リリィ膝に怪我してるじゃないか」
「うん、リリィ走ってたら転んじゃった」
「危ないから走ったりしたらダメだぞ」
「うん、ごめんなさいヴィー」
リリィはヴィンセントに謝った。リリィはヴィンセントに本当のことは言わなかった。これはリリィとビリーの問題であり、ヴィンセントには迷惑をかけたくなかったからだ。
+
+
+
「最近あのビリーって男の子来ないね」
「ああ、あの子、ドルフの騎士学校に行ったみたいよ」
「ドルフっていったら校則が超厳しい上に毎日しごかれるって有名な、あの?」
「なんか悪いことして親に連れてかれたんじゃない?」
「そっかー、まあうちらは平和になったし、いいんじゃない?」
リリィ、ミア、エリは何事もなかったかのように、あや取りをして遊んだ。
+
+
+
《その裏側》
「うちのリリィに手を出すなぞ、大人であったら、死んでいたぞ。子供であったことに感謝するのだな」
「う、うちの息子が・・・申し訳ありませんでした!!ほら、お前も謝らんか!!」
「もももも申し訳ありませんでした」
──ガクガクブルブル──
(子供相手に少し脅かしすぎたか)
ビリーと呼ばれる少年は魔王のようなヴィンセントの出で立ちに恐れ戦き、少しチビっていたようだった。彼をドルフの騎士学校に転校させ、卒業まで王都に帰さないよう誓わせた。
(ああ・・・俺のために勇敢に立ち向かう姿・・・うちのリリィは性格まで天使だ)
「おかえりリリィ」
「ただいまヴィー!!」
「今日も楽しかったか?」
「うん、楽しかった!!今日はエリちゃんに好きな人教えてもらったんだよ!!ヴィーにも名前は言えないんだけどね」
(好きな・・・人?)
(なんと、もう好きな人ができる年代なのか。もしかしてリリィにも・・・)
──ガーン──
ショックで青ざめるヴィンセントに、リリィがヴィンセントに内緒話のように口をヴィンセントの耳元に近づけた。
「リリィはね、ヴィーが一番大好き」
「リリィっ!!」
ヴィンセントはリリィをぎゅーぎゅーと抱き締める。
「俺もリリィが一番、いや、世界で一番好きだ」
ヴィンセントの親バカは、リリィが成長するまで続くのであった。
「おいチビ!!」
「リリィはチビって名前じゃないわよ」
「うるさい、男女は黙ってろ!」
「なんですって!!」
正義感の強いミアは、目の前の少年ビリーと口論をしている。リリィはあのパーティーからミアとエリと仲良くなり、遊ぶことも多くなった。今日はミアの十歳の誕生日なのだが親の付き合いで子爵家のビリーも呼ばなければならなかったそうだ。ビリーはミアの嗜めも効かず、それでもリリィにちょっかいを出した。
「お前、兵器に拾われた捨て子なんだろ」
「・・・ヴィーは兵器じゃないもん!」
「捨て子の癖に生意気な!!」
ビリーはリリィの髪の毛を引っ張った。リリィは涙をうっすら浮かべたのだが、我慢しているようだ。キッとリリィはビリーを睨みながら「ヴィーは兵器じゃないもん」と言って抵抗した。リリィは基本大人しいのだが、ヴィンセントが兵器と呼ばれることが一番嫌なのだ。
「もう兵器って呼ばないって誓って!!」
「分かった、分かったよ。もう言わないから」
ビリーがどんなにリリィを突き飛ばしたりしても、リリィは諦めず抵抗した。ビリーはその執念に、最終的に降参したのだ。
「ふん、頑固なやつ」
+
+
+
「あれ、リリィ膝に怪我してるじゃないか」
「うん、リリィ走ってたら転んじゃった」
「危ないから走ったりしたらダメだぞ」
「うん、ごめんなさいヴィー」
リリィはヴィンセントに謝った。リリィはヴィンセントに本当のことは言わなかった。これはリリィとビリーの問題であり、ヴィンセントには迷惑をかけたくなかったからだ。
+
+
+
「最近あのビリーって男の子来ないね」
「ああ、あの子、ドルフの騎士学校に行ったみたいよ」
「ドルフっていったら校則が超厳しい上に毎日しごかれるって有名な、あの?」
「なんか悪いことして親に連れてかれたんじゃない?」
「そっかー、まあうちらは平和になったし、いいんじゃない?」
リリィ、ミア、エリは何事もなかったかのように、あや取りをして遊んだ。
+
+
+
《その裏側》
「うちのリリィに手を出すなぞ、大人であったら、死んでいたぞ。子供であったことに感謝するのだな」
「う、うちの息子が・・・申し訳ありませんでした!!ほら、お前も謝らんか!!」
「もももも申し訳ありませんでした」
──ガクガクブルブル──
(子供相手に少し脅かしすぎたか)
ビリーと呼ばれる少年は魔王のようなヴィンセントの出で立ちに恐れ戦き、少しチビっていたようだった。彼をドルフの騎士学校に転校させ、卒業まで王都に帰さないよう誓わせた。
(ああ・・・俺のために勇敢に立ち向かう姿・・・うちのリリィは性格まで天使だ)
「おかえりリリィ」
「ただいまヴィー!!」
「今日も楽しかったか?」
「うん、楽しかった!!今日はエリちゃんに好きな人教えてもらったんだよ!!ヴィーにも名前は言えないんだけどね」
(好きな・・・人?)
(なんと、もう好きな人ができる年代なのか。もしかしてリリィにも・・・)
──ガーン──
ショックで青ざめるヴィンセントに、リリィがヴィンセントに内緒話のように口をヴィンセントの耳元に近づけた。
「リリィはね、ヴィーが一番大好き」
「リリィっ!!」
ヴィンセントはリリィをぎゅーぎゅーと抱き締める。
「俺もリリィが一番、いや、世界で一番好きだ」
ヴィンセントの親バカは、リリィが成長するまで続くのであった。
10
お気に入りに追加
574
あなたにおすすめの小説
【R18】幼馴染な陛下は、わたくしのおっぱいお好きですか?💕
月極まろん
恋愛
幼なじみの陛下に告白したら、両思いだと分かったので、甘々な毎日になりました。
でも陛下、本当にわたくしに御不満はございませんか?
ひたすら癒されたいと思っていたら、めちゃくちゃイケメンな癒し系男子が来てくれましたが、予想よりかなりエッチで一途でした
灰兎
恋愛
「今夜、君の隣に居てもいい?」
勤続五年のクレアはその日、もう自分で自分のご機嫌なんて取れない!と思う程にストレスも疲れも溜まっていた。そんな時、たまたま貰った魔法のアロマキャンドルを使ってみたら、ものすごく癒してくれるイケメン、リヒトが現れて添い寝をする事に……おとぎ話に出てくる王子様並みにかっこいいと思ったら、中身はちょっとワンコで時々狼、実は王族で、イチャイチャするのが大好きだった件。
両思いな二人のまったり激甘な日常のお話ですm(_ _)m
大事な姫様の性教育のために、姫様の御前で殿方と実演することになってしまいました。
水鏡あかり
恋愛
姫様に「あの人との初夜で粗相をしてしまうのが不安だから、貴女のを見せて」とお願いされた、姫様至上主義の侍女・真砂《まさご》。自分の拙い閨の経験では参考にならないと思いつつ、大事な姫様に懇願されて、引き受けることに。
真砂には気になる相手・檜佐木《ひさぎ》がいたものの、過去に一度、檜佐木の誘いを断ってしまっていたため、いまさら言えず、姫様の提案で、相手役は姫の夫である若様に選んでいただくことになる。
しかし、実演の当夜に閨に現れたのは、檜佐木で。どうも怒っているようなのだがーー。
主君至上主義な従者同士の恋愛が大好きなので書いてみました! ちょっと言葉責めもあるかも。
隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
グルブランソン国ヘドマン辺境伯の娘であるアルベティーナ。幼い頃から私兵団の訓練に紛れ込んでいた彼女は、王国騎士団の女性騎士に抜擢される。だが、なぜかグルブランソン国の王太子が彼女を婚約者候補にと指名した。婚約者候補から外れたいアルベティーナは、騎士団団長であるルドルフに純潔をもらってくれと言い出す。王族に嫁ぐには処女性が求められるため、それを失えば婚約者候補から外れるだろうと安易に考えたのだ。ルドルフとは何度か仕事を一緒にこなしているため、アルベティーナが家族以外に心を許せる唯一の男性だったのだが――
【R18】愛するつもりはないと言われましても
レイラ
恋愛
「悪いが君を愛するつもりはない」結婚式の直後、馬車の中でそう告げられてしまった妻のミラベル。そんなことを言われましても、わたくしはしゅきぴのために頑張りますわ!年上の旦那様を籠絡すべく策を巡らせるが、夫のグレンには誰にも言えない秘密があって─?
※この作品は、個人企画『女の子だって溺愛企画』参加作品です。
※ムーンライトノベルズにも投稿しています。
【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》
異世界転移したら、推しのガチムチ騎士団長様の性癖が止まりません
冬見 六花
恋愛
旧題:ロングヘア=美人の世界にショートカットの私が転移したら推しのガチムチ騎士団長様の性癖が開花した件
異世界転移したアユミが行き着いた世界は、ロングヘアが美人とされている世界だった。
ショートカットのために醜女&珍獣扱いされたアユミを助けてくれたのはガチムチの騎士団長のウィルフレッド。
「…え、ちょっと待って。騎士団長めちゃくちゃドタイプなんですけど!」
でもこの世界ではとんでもないほどのブスの私を好きになってくれるわけない…。
それならイケメン騎士団長様の推し活に専念しますか!
―――――【筋肉フェチの推し活充女アユミ × アユミが現れて突如として自分の性癖が目覚めてしまったガチムチ騎士団長様】
そんな2人の山なし谷なしイチャイチャエッチラブコメ。
●ムーンライトノベルズで掲載していたものをより糖度高めに改稿してます。
●11/6本編完結しました。番外編はゆっくり投稿します。
●11/12番外編もすべて完結しました!
●ノーチェブックス様より書籍化します!
そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。
しげむろ ゆうき
恋愛
男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない
そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった
全五話
※ホラー無し
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる