12 / 37
王都
13 最初にすること
しおりを挟む
「他にご質問等はございませんか?」
「う~~ん、あ、ちなみに露店の場所っていつぐらいに借りれますか?」
「事前予約が必要になりますが三日ほど前にご連絡いただければ大抵の場合はお貸出しできますね」
「大抵の場合は」
「大抵の場合は」
つまり不測の事態や別の商人がねじ込んできたりして貸せない時もあると。
「じゃあ一月後にここで」
机の上に置いてある大広場の見取り図で大道芸のコーナーからは遠く、声が通りやすそうで、かつ先ほどまで見回していた様子では旅の人間が多そうなコーナーを指さす。
「一月後でよろしいんですか?」
「今のところ、とりあえず拠点変更に来ただけなので、特にこれといって商材を持ってきていないんです」
場所だけとってもそこが空きスペースと思われて人が来なくなるよりは前日までだれかが使っててくれた方が後釜に誰が入ったのか気になってもらえるかなという下心もある。
お姉さんには、商人なんだからいつでも商材持ってないと商機を逃しますよ? とクスっと笑ってたしなめられた。
「ん~、せっかく種になれたので降格しないよう頑張ります」
「そこはお客様なら“ケーキ級になりたい”って言った方が微笑ましくて受けがよいと思います」
ケーキじゃなくてクルアの花の種でも送りましょうか? と、とんでもねー求人倍率を抜けてきたのだろう麗しの猛者といった容貌をニマニマ崩しているおねえさんがとても可愛い。
「でも王都の道を途切れさせるような大金なんて稼げると思えないし、そらあの本棚の維持費用を常時捻出できるギルドなら出来るんでしょうけど」
ははは、言外に上は目指しませんとせんげんしてと笑って顔を上げると、さっきまで愛らしかったお姉さんがヌテラァと粘っこい効果音が付きそうな笑顔でにっこりこちらを観察していた。怖い。
「―――……わたくし、商業ギルド受付課総括・クロエと申します。次回からご用向きの際は是非わたくしをご指名くださいませ」
いったいなんの琴線に触れたの!? めっちゃこわい、蛇に巻き憑かれてる幻想が頭にこびりついて離れない。撤退! 撤退ぃぃい!!
「そ、それじゃあ俺いろいろ見てみたいんで失礼します!」
「ふふふ、またのお越しをお待ちしております」
商業ギルドこわひ。もう王都の大人が総じて怖いレベル。
なんなの? ドノバンさんといいクロエさんといい、王都のギルドには必ず笑顔で怖いことをいう人を就任させなくちゃならない決まりでもあるの?
しくしく泣きマネしながら病院の待合室みたいに長椅子が並べてあるスペースで腰掛ける。そうしてぼーっと順番待ちをしているふりをしながら、俺が相談スペースにいる間にすっかり増えた人たちの声に聞き耳を立てた。
「そういえばガロンのどこ経営厳しいんだって? やっぱあんな坊主拾わなきゃよかったのに」
「東の鉱山では宝石の産出量が少なくって来てるそうだ。俺の知り合いも撤退するってぼやいてたよ」
「行商やってると荷物が多くてかなわねぇ。荷馬車で行けるところはいいんだが、山奥の村に顔つなぎで行くともうテントや飯盒が邪魔で邪魔で」
「パティスリーカルロの新作が凄いってみんな騒いでるが、アレは流行りなだけで、いうほどうまくねぇよ。個人商店とはいえやっぱりパティスリーならエドメだろ」
「ハインリヒは今出張中だったか? あいつのところは代表者のくせにあいつがいなくとも問題なく回るから何時いないのかさっぱりわからん」
洪水のように押し寄せる情報の中から必要なものだけを頭の中で選別していく。ここは王都の商いの中心地、商業ギルド。人々の生活にかかわる全て商人が様々なジャンルの情報をここへ持ち帰ってくるのだ。
風が吹けば桶屋が儲かるじゃないけど、どこでどんな情報が商売につながるかわからない。聞いておいて損はない。少なくとも二月で50万は稼がないと仕事の幅がせばまるんだからどんな情報だって今は聞きたい。
それから様々なことを話している商人たちの話をそっと流し聞いていると、すっと隣に誰かが座った。
ちらっとそっちに目をやると色素薄げで、なんだか眠そうな目でいまいち何考えてるのかわからない無表情な男と目が合った。
「こんにちは」
「……こんにちは」
目をそらさずにじっと見つめられても困るのだけど……
あいさつされたので一応返したけど何がしたいのか、いまいちよくわからない。男は自分の袖口を引っ張って遊んでいる。
「……何か面白い話は聞けた?」
「えっ」
「ボーっとしてるふりしてる割には肩に力が入ってるから」
「えーっと……」
マジで? と一瞬焦ったけど、いやギルドそこまでのんべんだらりんとはしなくない? しないよね? このぐらいがベストだよね?
「……君面白いね」
「えっはぁ」
えっまだ二、三言しか喋ってないのに彼に一体何を見極められたというの? こんなにおかしなことを平然と言い放っているのにお兄さんはいまだに自分のすそをいじっているし。
「……なにか聞きたいことある?」
「えっ」
何この人、ホントに意味わかんない。こちらがはてなマークを大量生産している間もおにーさんは自分の袖をまくったりして遊んでるし、この人にすこぶる興味がないんだけど、何か質問しなくちゃダメ? おれもう、えっしか言ってないよ。
「あっ、じゃあ王都ってかまど掃除ってどうなってるのか教えてもらっても?」
「……掃除人さん?」
小首をかしげて不思議そうに俺を指をさすお兄さん。人を指さすんじゃありません。ホントにこの人、成人してるよな? 背丈だけで言えばそう見えるけど本当は違うのか?
「いえ、俺じゃなくて掃除人さんに用があるですけど……」
植物紙で本を作ってみたいからすすと草木灰が欲しい。かまどに代わる魔道具とかあって王都だと使ってないとかそういうことがあったら困るから聞きたかっただけなんだけど。
「それならハンネスとエルナがいいよ。あの二人ならいつもピカピカ」
「ハンネスとエレナ?」
「南の橋のあたりにいる可愛い子たち」
「いや、それで個人特定は難しいです」
「……モルガンはそれでわかってくれるのに少年は厳しい」
成人男性がむうとか言っても可愛くないです。モルガン誰ですか。
「丸くて可愛いのがエレナでツンツンして可愛いのがハンネス」
「区別はつきます判別は難しいです」
「濃い金色で可愛いのがエレナで薄い金色で可愛いのがハンネス」
「もう一声」
「ペリドットみたいに可愛いのがエレナでアメジストみたいに可愛いのがハンネス」
「もうちょっと」
「二人とも僕の腰より小さくてかわいいよ」
か わ い い し か い っ て な い 。
「薄い色の金髪で目が紫のツンツンした男の子と、濃い色の金髪で目が緑の可愛い女の子のセットを探せばいんですね」
「おお~、それそれ」
そこ、ぱちぱち手をならさない。それより簡潔な説明を心掛けるように。
「ちなみに南の橋は交通ギルドの脇に掛かってる橋であってます?」
「せ~かぁ~い」
ぽへっとしてる成人男性(仮)になんとか正しい情報を聞き出せたところでホッとしていると、周りざわめいているのに気が付いた。
「おい、あれサブギルマスじゃないか?」
「あの目を付けたものがすべて売れると噂の……?」
「あの意思疎通が難しすぎてギルマスに就任できなかったと言われいる」
「いつもは日向で昼寝しているらしいがなんで起きてるんだ?」
「あの一緒にいるの見たことあるやつか?」
おっ、とぉ・・・?? これはよろしくない、よろしくないぞ。俺は妖精さんの国()を立ち上げるんだぞ。こんなところで目立っている場合じゃないぞ
「じゃあおにいさん! ありがとうございました!」
精一杯子供っぽい声を出してパタパタと逃げるように駆け出した。
「なんだ、子供と遊んでただけか」
セーフ! セーフ!
「行っちゃった」
「サブマスター、こんなところで何してるんです?」
「クロちゃんがお名前教えてたから見に来た」
「ああ、ユーラス様ですか。彼可愛いですわね。ちょっと経歴に気になるところがございますが、あの頭の回転なら騙されているのではなく本人の意向でしょうから、何をしてくれるのか楽しみにしてるんですの」
「……泳がせて丸呑み?」
「あら? わたくしだって金の卵を産む鶏が生まれるかもしれない卵は丸呑みいたしませんわよ」
「クロちゃんならお腹で飼えそうだね」
「ふふふ、それも一興かもしれませんわね」
「う~~ん、あ、ちなみに露店の場所っていつぐらいに借りれますか?」
「事前予約が必要になりますが三日ほど前にご連絡いただければ大抵の場合はお貸出しできますね」
「大抵の場合は」
「大抵の場合は」
つまり不測の事態や別の商人がねじ込んできたりして貸せない時もあると。
「じゃあ一月後にここで」
机の上に置いてある大広場の見取り図で大道芸のコーナーからは遠く、声が通りやすそうで、かつ先ほどまで見回していた様子では旅の人間が多そうなコーナーを指さす。
「一月後でよろしいんですか?」
「今のところ、とりあえず拠点変更に来ただけなので、特にこれといって商材を持ってきていないんです」
場所だけとってもそこが空きスペースと思われて人が来なくなるよりは前日までだれかが使っててくれた方が後釜に誰が入ったのか気になってもらえるかなという下心もある。
お姉さんには、商人なんだからいつでも商材持ってないと商機を逃しますよ? とクスっと笑ってたしなめられた。
「ん~、せっかく種になれたので降格しないよう頑張ります」
「そこはお客様なら“ケーキ級になりたい”って言った方が微笑ましくて受けがよいと思います」
ケーキじゃなくてクルアの花の種でも送りましょうか? と、とんでもねー求人倍率を抜けてきたのだろう麗しの猛者といった容貌をニマニマ崩しているおねえさんがとても可愛い。
「でも王都の道を途切れさせるような大金なんて稼げると思えないし、そらあの本棚の維持費用を常時捻出できるギルドなら出来るんでしょうけど」
ははは、言外に上は目指しませんとせんげんしてと笑って顔を上げると、さっきまで愛らしかったお姉さんがヌテラァと粘っこい効果音が付きそうな笑顔でにっこりこちらを観察していた。怖い。
「―――……わたくし、商業ギルド受付課総括・クロエと申します。次回からご用向きの際は是非わたくしをご指名くださいませ」
いったいなんの琴線に触れたの!? めっちゃこわい、蛇に巻き憑かれてる幻想が頭にこびりついて離れない。撤退! 撤退ぃぃい!!
「そ、それじゃあ俺いろいろ見てみたいんで失礼します!」
「ふふふ、またのお越しをお待ちしております」
商業ギルドこわひ。もう王都の大人が総じて怖いレベル。
なんなの? ドノバンさんといいクロエさんといい、王都のギルドには必ず笑顔で怖いことをいう人を就任させなくちゃならない決まりでもあるの?
しくしく泣きマネしながら病院の待合室みたいに長椅子が並べてあるスペースで腰掛ける。そうしてぼーっと順番待ちをしているふりをしながら、俺が相談スペースにいる間にすっかり増えた人たちの声に聞き耳を立てた。
「そういえばガロンのどこ経営厳しいんだって? やっぱあんな坊主拾わなきゃよかったのに」
「東の鉱山では宝石の産出量が少なくって来てるそうだ。俺の知り合いも撤退するってぼやいてたよ」
「行商やってると荷物が多くてかなわねぇ。荷馬車で行けるところはいいんだが、山奥の村に顔つなぎで行くともうテントや飯盒が邪魔で邪魔で」
「パティスリーカルロの新作が凄いってみんな騒いでるが、アレは流行りなだけで、いうほどうまくねぇよ。個人商店とはいえやっぱりパティスリーならエドメだろ」
「ハインリヒは今出張中だったか? あいつのところは代表者のくせにあいつがいなくとも問題なく回るから何時いないのかさっぱりわからん」
洪水のように押し寄せる情報の中から必要なものだけを頭の中で選別していく。ここは王都の商いの中心地、商業ギルド。人々の生活にかかわる全て商人が様々なジャンルの情報をここへ持ち帰ってくるのだ。
風が吹けば桶屋が儲かるじゃないけど、どこでどんな情報が商売につながるかわからない。聞いておいて損はない。少なくとも二月で50万は稼がないと仕事の幅がせばまるんだからどんな情報だって今は聞きたい。
それから様々なことを話している商人たちの話をそっと流し聞いていると、すっと隣に誰かが座った。
ちらっとそっちに目をやると色素薄げで、なんだか眠そうな目でいまいち何考えてるのかわからない無表情な男と目が合った。
「こんにちは」
「……こんにちは」
目をそらさずにじっと見つめられても困るのだけど……
あいさつされたので一応返したけど何がしたいのか、いまいちよくわからない。男は自分の袖口を引っ張って遊んでいる。
「……何か面白い話は聞けた?」
「えっ」
「ボーっとしてるふりしてる割には肩に力が入ってるから」
「えーっと……」
マジで? と一瞬焦ったけど、いやギルドそこまでのんべんだらりんとはしなくない? しないよね? このぐらいがベストだよね?
「……君面白いね」
「えっはぁ」
えっまだ二、三言しか喋ってないのに彼に一体何を見極められたというの? こんなにおかしなことを平然と言い放っているのにお兄さんはいまだに自分のすそをいじっているし。
「……なにか聞きたいことある?」
「えっ」
何この人、ホントに意味わかんない。こちらがはてなマークを大量生産している間もおにーさんは自分の袖をまくったりして遊んでるし、この人にすこぶる興味がないんだけど、何か質問しなくちゃダメ? おれもう、えっしか言ってないよ。
「あっ、じゃあ王都ってかまど掃除ってどうなってるのか教えてもらっても?」
「……掃除人さん?」
小首をかしげて不思議そうに俺を指をさすお兄さん。人を指さすんじゃありません。ホントにこの人、成人してるよな? 背丈だけで言えばそう見えるけど本当は違うのか?
「いえ、俺じゃなくて掃除人さんに用があるですけど……」
植物紙で本を作ってみたいからすすと草木灰が欲しい。かまどに代わる魔道具とかあって王都だと使ってないとかそういうことがあったら困るから聞きたかっただけなんだけど。
「それならハンネスとエルナがいいよ。あの二人ならいつもピカピカ」
「ハンネスとエレナ?」
「南の橋のあたりにいる可愛い子たち」
「いや、それで個人特定は難しいです」
「……モルガンはそれでわかってくれるのに少年は厳しい」
成人男性がむうとか言っても可愛くないです。モルガン誰ですか。
「丸くて可愛いのがエレナでツンツンして可愛いのがハンネス」
「区別はつきます判別は難しいです」
「濃い金色で可愛いのがエレナで薄い金色で可愛いのがハンネス」
「もう一声」
「ペリドットみたいに可愛いのがエレナでアメジストみたいに可愛いのがハンネス」
「もうちょっと」
「二人とも僕の腰より小さくてかわいいよ」
か わ い い し か い っ て な い 。
「薄い色の金髪で目が紫のツンツンした男の子と、濃い色の金髪で目が緑の可愛い女の子のセットを探せばいんですね」
「おお~、それそれ」
そこ、ぱちぱち手をならさない。それより簡潔な説明を心掛けるように。
「ちなみに南の橋は交通ギルドの脇に掛かってる橋であってます?」
「せ~かぁ~い」
ぽへっとしてる成人男性(仮)になんとか正しい情報を聞き出せたところでホッとしていると、周りざわめいているのに気が付いた。
「おい、あれサブギルマスじゃないか?」
「あの目を付けたものがすべて売れると噂の……?」
「あの意思疎通が難しすぎてギルマスに就任できなかったと言われいる」
「いつもは日向で昼寝しているらしいがなんで起きてるんだ?」
「あの一緒にいるの見たことあるやつか?」
おっ、とぉ・・・?? これはよろしくない、よろしくないぞ。俺は妖精さんの国()を立ち上げるんだぞ。こんなところで目立っている場合じゃないぞ
「じゃあおにいさん! ありがとうございました!」
精一杯子供っぽい声を出してパタパタと逃げるように駆け出した。
「なんだ、子供と遊んでただけか」
セーフ! セーフ!
「行っちゃった」
「サブマスター、こんなところで何してるんです?」
「クロちゃんがお名前教えてたから見に来た」
「ああ、ユーラス様ですか。彼可愛いですわね。ちょっと経歴に気になるところがございますが、あの頭の回転なら騙されているのではなく本人の意向でしょうから、何をしてくれるのか楽しみにしてるんですの」
「……泳がせて丸呑み?」
「あら? わたくしだって金の卵を産む鶏が生まれるかもしれない卵は丸呑みいたしませんわよ」
「クロちゃんならお腹で飼えそうだね」
「ふふふ、それも一興かもしれませんわね」
0
お気に入りに追加
275
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
不遇の天才幻獣テイマー(笑)にざまぁされたほうのパーティリーダーですが、あいつがいなくなったあと別の意味で大変なことになっているんだが?!
あまね
ファンタジー
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
足手まといだからとハシタ金を投げつけられてパーティをクビになった僕は、いらない子扱いされたチビドラゴンを連れてひとり旅に出ました。
そのチビドラゴンはどうやら神龍の子供だったとかで、今は世界に数人しかいない幻獣テイマーとして三食昼寝付きの宮仕えの身です。
ちなみに元のパーティは、僕が置いてきた超低レベルの幻獣すら扱いきれず建物を半壊させて牢屋にブチ込まれたそうですよ?
ヤレヤレʅ(◞‿◟)ʃ
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
――――というあらすじにでもなるのだろう。
俺、ライアンが解雇を告げたデンスに語らせれば。
しかし残された俺たちからしたらとんでもない。
幻獣テイマーだというのが自称に過ぎないというのは薄々気づいていたが……
ただでさえ金のかかるやつだったのに、離脱後に報奨金の私的流用が発覚!
あいつが勝手に残していった幻獣が暴れたことの責任を被らされ!!
しかもその幻獣は弱って死にかかっている?!!!
おい、無責任にもほどがあるだろ!!!!!!!!!!!!!!!!
無双ものんびり生活もほど遠い堅実派の俺たちだが、このマンダちゃん(※サラマンダー)の命にかけて、お前のざまぁに物申す!
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる