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4-3:妻と買い物に行きまして……
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俺たちは、店内にカートを持って入っていった。
「よし。とりあえずまずは美鈴のお肉を買いに行く……か?」
周りを見渡すと、既に美鈴の姿は無い。
「え、花音。ママは?」
「いる……よ? あれ、ママ!」
はい、いきなり危険モードに突入しました。
もう、役目果たせてないですよ花音さん。
こんな早くにいなくなることあります?
「ちょ、ママを急いで探さないと!」
俺はカートを押しながら走った。
花音は俺の後についてきていた。
おそらく、朝食材を探していたから場所はすぐにわかる。
俺たちは精肉コーナーに向かった。
そこには、美鈴が生肉をまさに食べようとしていた。
「は~い! そこまでです、ママ!」
俺は間一髪間に合い、美鈴が生肉を食うのを阻止した。
「うぅ~! あぁ~!」
美鈴は余程食べたかったのか、突然暴れだす。
ほら、言わんこっちゃない!
「おい、花音! ここからは花音の役目だぞ!」
花音はやっとこさ追いついて息を切らしながら美鈴にしがみついた。
「わかってるって! 早くとりあえずお肉買ってきて!」
「え~っと、美鈴が食べたかったのは、なるほど黒毛和牛のリブロース3000円ね……って高っ!」
凄い贅沢するじゃない、美鈴さん!
あまり買わないよ、こんなの。
しかも、横に割引シール張ってるのに、しっかりそれ避けてる。
本能でいい肉を見分けてんのか?
「こんないい肉買えるわけが……」
「うぅぅぅぅ!」
美鈴は俺を睨んでいる。
「もう、はやく買いに行ってよ! ママの力強いんだから!」
花音はそろそろ抑えるのに限界が来ているようだ。
俺は手に持っている黒毛和牛と美鈴を交互に見続けた。
「う~ん、はい、買ってきます!」
俺はダッシュでお肉を買いにレジに向かった。
「花音! とりあえずどこか人目のつかない場所に移動しよう!」
「う、うん。わかった! ママほらこっちに来て」
「あぁー!」
周りからの目が気になる。
「……今、Ryutube撮ってますんで、気にしないでください!」
いや、俺どんな嘘ついてんだよ!
大声でレジに走りながら向かう変な人だよ。
俺は会計を済ませて、人が少ないイートインコーナーに3人で移動して、
美鈴にお肉を渡した。
「がっ、がっ!」
美鈴は無我夢中でお肉を貪った。
俺と花音は椅子に座って頭を抱えた。
「はぁ~、しんどっ、まだ買ってんのお肉だけなんだけど……」
「いや、それは花音が美鈴を連れてくるって言うからだぞ」
俺と花音は深いため息をついた。
「だって、こんな展開になるとは思わないもん」
「どうせ、お肉足りないんだろ、もうちょっと買ってくるよ」
「おっけ、今度はちゃんと見とくわ」
頼むぞ、ほんとに。
俺は立ち上がって、精肉コーナーに向かう。
さっきの感じだと、お肉は牛肉か?
花音も疲れてるだろうから、飲み物も買っとくか。
確か、花音はオレンジジュースが好きだよな。
俺はコーヒーでいいから、1個ずつ買えばいいとして、
「よし、あとは今日のご飯のおかず……を」
ドドドドドドッ
なにか、ものすごいスピードでこちらに向かってくる音がする。
うん、走っているなこの感じだと。
子供の走りじゃないな。
嫌な予感がする。
俺は音のする方を向いた。
「ママ! ちょっと待ってってば。はやっ!」
走っているのは美鈴と花音だった。
我慢できなかったのか、美鈴はまた精肉コーナーにやってきたのだ。
「あぁ! また来た! さっきの続きかよ」
俺が手に取ったお肉は取り上げられ、その場でラップをはがした。
「……チャンス!」
俺は急いで、美鈴を抱えた。
美鈴はお肉に夢中で抱えられても怒らなかった。
「花音、このカートの中の会計任せた!」
俺はそのままイートインコーナーに向かおうとしたが、店員に話しかけられた。
「あの、大丈夫ですか? ここで食べられたら困るんですけど会計はお済ですか?」
いや、そりゃ聞くよね。
はたから見たら、誘拐してるみたいだし。
生肉食ってるし。
「はは、大丈夫です、会計は娘にさせます。ご迷惑をおかけしました」
「……生肉、食べられてますよね?」
はい、がっつり見られてました。
どうする?
だいぶピンチなんですけど……
「よし。とりあえずまずは美鈴のお肉を買いに行く……か?」
周りを見渡すと、既に美鈴の姿は無い。
「え、花音。ママは?」
「いる……よ? あれ、ママ!」
はい、いきなり危険モードに突入しました。
もう、役目果たせてないですよ花音さん。
こんな早くにいなくなることあります?
「ちょ、ママを急いで探さないと!」
俺はカートを押しながら走った。
花音は俺の後についてきていた。
おそらく、朝食材を探していたから場所はすぐにわかる。
俺たちは精肉コーナーに向かった。
そこには、美鈴が生肉をまさに食べようとしていた。
「は~い! そこまでです、ママ!」
俺は間一髪間に合い、美鈴が生肉を食うのを阻止した。
「うぅ~! あぁ~!」
美鈴は余程食べたかったのか、突然暴れだす。
ほら、言わんこっちゃない!
「おい、花音! ここからは花音の役目だぞ!」
花音はやっとこさ追いついて息を切らしながら美鈴にしがみついた。
「わかってるって! 早くとりあえずお肉買ってきて!」
「え~っと、美鈴が食べたかったのは、なるほど黒毛和牛のリブロース3000円ね……って高っ!」
凄い贅沢するじゃない、美鈴さん!
あまり買わないよ、こんなの。
しかも、横に割引シール張ってるのに、しっかりそれ避けてる。
本能でいい肉を見分けてんのか?
「こんないい肉買えるわけが……」
「うぅぅぅぅ!」
美鈴は俺を睨んでいる。
「もう、はやく買いに行ってよ! ママの力強いんだから!」
花音はそろそろ抑えるのに限界が来ているようだ。
俺は手に持っている黒毛和牛と美鈴を交互に見続けた。
「う~ん、はい、買ってきます!」
俺はダッシュでお肉を買いにレジに向かった。
「花音! とりあえずどこか人目のつかない場所に移動しよう!」
「う、うん。わかった! ママほらこっちに来て」
「あぁー!」
周りからの目が気になる。
「……今、Ryutube撮ってますんで、気にしないでください!」
いや、俺どんな嘘ついてんだよ!
大声でレジに走りながら向かう変な人だよ。
俺は会計を済ませて、人が少ないイートインコーナーに3人で移動して、
美鈴にお肉を渡した。
「がっ、がっ!」
美鈴は無我夢中でお肉を貪った。
俺と花音は椅子に座って頭を抱えた。
「はぁ~、しんどっ、まだ買ってんのお肉だけなんだけど……」
「いや、それは花音が美鈴を連れてくるって言うからだぞ」
俺と花音は深いため息をついた。
「だって、こんな展開になるとは思わないもん」
「どうせ、お肉足りないんだろ、もうちょっと買ってくるよ」
「おっけ、今度はちゃんと見とくわ」
頼むぞ、ほんとに。
俺は立ち上がって、精肉コーナーに向かう。
さっきの感じだと、お肉は牛肉か?
花音も疲れてるだろうから、飲み物も買っとくか。
確か、花音はオレンジジュースが好きだよな。
俺はコーヒーでいいから、1個ずつ買えばいいとして、
「よし、あとは今日のご飯のおかず……を」
ドドドドドドッ
なにか、ものすごいスピードでこちらに向かってくる音がする。
うん、走っているなこの感じだと。
子供の走りじゃないな。
嫌な予感がする。
俺は音のする方を向いた。
「ママ! ちょっと待ってってば。はやっ!」
走っているのは美鈴と花音だった。
我慢できなかったのか、美鈴はまた精肉コーナーにやってきたのだ。
「あぁ! また来た! さっきの続きかよ」
俺が手に取ったお肉は取り上げられ、その場でラップをはがした。
「……チャンス!」
俺は急いで、美鈴を抱えた。
美鈴はお肉に夢中で抱えられても怒らなかった。
「花音、このカートの中の会計任せた!」
俺はそのままイートインコーナーに向かおうとしたが、店員に話しかけられた。
「あの、大丈夫ですか? ここで食べられたら困るんですけど会計はお済ですか?」
いや、そりゃ聞くよね。
はたから見たら、誘拐してるみたいだし。
生肉食ってるし。
「はは、大丈夫です、会計は娘にさせます。ご迷惑をおかけしました」
「……生肉、食べられてますよね?」
はい、がっつり見られてました。
どうする?
だいぶピンチなんですけど……
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