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エルフの森編
第50話 銀幕のジルバ
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魔王軍第5師団団長、ジルバは確かにそう言った。紫のロングコートを羽織り、英国紳士のような振舞のこの男は、たった1人でソウタ達の前に現れているにも関わらず、妙に落ち着いているのが逆に不気味だ。
「魔王軍の第5師団? それって凄いのか神さま?」
「あぁ、デーモン、ビースト、マーフォーク、ゾンビ、インセクト、ウォーロックの6つの師団が魔王軍を形成していて、言ってしまえば魔王軍の最高幹部の1人ってことだな」
「そんなやばい奴が、こんなところに……!」
シーナは驚愕しながらも、剣を抜いて、ジルバに刃を向けた。ジルバは動揺する素振りを見せず、むしろニターっと不敵な笑みを浮かべている。
「そうです。といっても私は序列が5番目、強さで言えば下から二番目ですよ」
「ふっ、よく言うよ~。1000年以上生きてるくせに~」
神さまの言葉にジルバはピクッと耳を反応させた。さっきまでの不敵な笑みが消え、神さまを睨みつける。
「ほぉ、なぜ1000年生きてると知ってる? お前、何者だ?」
「う~んと、神さまと申しますが?」
「ねぇ、この状況でよく平然といられるな神さまは……」
ソウタの問いに神さまはドヤ顔で返す。
「ふっ、まぁいい。私の事を知っているのなら……消すまでです!」
ジルバは両手を上に向けて、魔力で無数の剣を生成した。それらはジルバの周りを規則正しく旋回し始め、次第にソウタ達を囲い始める。まるで鉄の処女、アイアンメイデンに閉じ込められたかのように、少しでも動けばソウタ達をいつでも串刺しにできそうな雰囲気だ。
「まずい、どうしよソウタ!」
「決まってる! サラザール!」
「あぁ」
ソウタとサラザールは口を揃えた。
「「全部迎え撃つだけだ!」」
「ふん……死ね」
ジルバが合図を送ると一斉に剣はソウタ達を襲った。ソウタは瞬間移動と持ち前の力で剣を次々に叩き落とし、サラザールは避けながら銃で剣を打ち落とす。ハウルは持ち前の身体能力で口で剣を受け止めたり、足ではたき落とす。シーナはというと……
「ぎゃぁぁぁ!」
剣を避けることができず、ただ逃げ惑うだけだった。
「シーナ! このやろっ!」
ソウタがシーナを襲う剣を叩き落とし、シーナの加勢に向かうが、ジルバは攻撃の手を緩めない。次々と生成される魔力の剣にソウタ達は防戦一方だ。
「くそ、アイツどんだけ魔力あるんだよ! ソフィアさん並みだぞ!」
「やつは魔族だからな、魔力量だけで言えばソフィアばあさん以上だぞ。攻撃力も遥かにジルバの方が上だし、一撃でも喰らえば致命傷は避けられないね」
「なら、一度も喰らわなければいいさ」
サラザールはそう言いながら銃を背中に背負うと、ソウタが叫んだ。
「サラザール何をするつもりだ! そのままじゃ死ぬぞ!」
「戦いを放棄ですか? なら一思いに殺してあげますよ!」
サラザールに向かってジルバは大量の剣を放った。
「サラザール!」
サラザールは腰につけていた2丁の銃を取り出し、クルクルと回し始め、照準を合わせて、銃を撃った。見事な銃さばきと早打ちで、一瞬で剣は全て打ち落とされる。
「なっ……!?」
思わずジルバは驚いた。サラザールという男は一体なにをしたんだ? 状況を理解できず、一旦攻撃をやめる。
「サラザール、もしかして……」
「あぁ、私は2丁拳銃が得意でな、狙撃は苦手なんだ」
あれでか!? ソウタは心の中で大きくツッコんだがこれ以上言っても無駄だと思い、必死に言葉を飲み込んだ。
「なるほど、なかなかやりますね……ではこれならどうですか?」
ジルバは魔力で巨大な鎌を生成した。大人の男ほどもある巨大な鎌は禍々しいオーラを放ちながらも、次第に形を具現化させていく。
「『死を奏でる大鎌』、これを使うのは久しぶりなので手加減はできませんよ?」
ジルバは力強く振り切ると、不気味な風切り音と共に、空間を切り裂いた。サラザールは何か危険な予感がして後方に飛びのいたがのだが、気づくと腕には多くの切り傷がついている。
「ぐっ」
「この鎌を避けても無駄ですよ、異空間を切り裂くこの鎌から逃れることは不可能、あなたの場合どうやら接近戦は苦手と見えますからね、もう一度喰らってジエンドです!」
ジルバは再度鎌を振り上げ、サラザールに向かって鎌を振るった。
「くっ」
サラザールは避けようとするが、痛みで反応が遅れてしまう。
「しまった!」
「おしまいだ、死ねぇ!」
次の瞬間、ソウタがサラザールと鎌の間に入り、傷を負いながらも鎌を受け止めていた。
「ソウタ!」
「ふん、逃れられないなら、受け止めるまでよ!」
「ほぉ、まさかこの鎌を受け止める者がいるとは、逆転の発想というやつですか? しかし、そこから一体どうするつもりで……」
「おりゃ!」
ソウタは鎌を力任せにへし折った。
「……えっ?」
ジルバは突然の出来事に唖然としてしまう。まさか鎌を折るとは……
「魔王軍の第5師団? それって凄いのか神さま?」
「あぁ、デーモン、ビースト、マーフォーク、ゾンビ、インセクト、ウォーロックの6つの師団が魔王軍を形成していて、言ってしまえば魔王軍の最高幹部の1人ってことだな」
「そんなやばい奴が、こんなところに……!」
シーナは驚愕しながらも、剣を抜いて、ジルバに刃を向けた。ジルバは動揺する素振りを見せず、むしろニターっと不敵な笑みを浮かべている。
「そうです。といっても私は序列が5番目、強さで言えば下から二番目ですよ」
「ふっ、よく言うよ~。1000年以上生きてるくせに~」
神さまの言葉にジルバはピクッと耳を反応させた。さっきまでの不敵な笑みが消え、神さまを睨みつける。
「ほぉ、なぜ1000年生きてると知ってる? お前、何者だ?」
「う~んと、神さまと申しますが?」
「ねぇ、この状況でよく平然といられるな神さまは……」
ソウタの問いに神さまはドヤ顔で返す。
「ふっ、まぁいい。私の事を知っているのなら……消すまでです!」
ジルバは両手を上に向けて、魔力で無数の剣を生成した。それらはジルバの周りを規則正しく旋回し始め、次第にソウタ達を囲い始める。まるで鉄の処女、アイアンメイデンに閉じ込められたかのように、少しでも動けばソウタ達をいつでも串刺しにできそうな雰囲気だ。
「まずい、どうしよソウタ!」
「決まってる! サラザール!」
「あぁ」
ソウタとサラザールは口を揃えた。
「「全部迎え撃つだけだ!」」
「ふん……死ね」
ジルバが合図を送ると一斉に剣はソウタ達を襲った。ソウタは瞬間移動と持ち前の力で剣を次々に叩き落とし、サラザールは避けながら銃で剣を打ち落とす。ハウルは持ち前の身体能力で口で剣を受け止めたり、足ではたき落とす。シーナはというと……
「ぎゃぁぁぁ!」
剣を避けることができず、ただ逃げ惑うだけだった。
「シーナ! このやろっ!」
ソウタがシーナを襲う剣を叩き落とし、シーナの加勢に向かうが、ジルバは攻撃の手を緩めない。次々と生成される魔力の剣にソウタ達は防戦一方だ。
「くそ、アイツどんだけ魔力あるんだよ! ソフィアさん並みだぞ!」
「やつは魔族だからな、魔力量だけで言えばソフィアばあさん以上だぞ。攻撃力も遥かにジルバの方が上だし、一撃でも喰らえば致命傷は避けられないね」
「なら、一度も喰らわなければいいさ」
サラザールはそう言いながら銃を背中に背負うと、ソウタが叫んだ。
「サラザール何をするつもりだ! そのままじゃ死ぬぞ!」
「戦いを放棄ですか? なら一思いに殺してあげますよ!」
サラザールに向かってジルバは大量の剣を放った。
「サラザール!」
サラザールは腰につけていた2丁の銃を取り出し、クルクルと回し始め、照準を合わせて、銃を撃った。見事な銃さばきと早打ちで、一瞬で剣は全て打ち落とされる。
「なっ……!?」
思わずジルバは驚いた。サラザールという男は一体なにをしたんだ? 状況を理解できず、一旦攻撃をやめる。
「サラザール、もしかして……」
「あぁ、私は2丁拳銃が得意でな、狙撃は苦手なんだ」
あれでか!? ソウタは心の中で大きくツッコんだがこれ以上言っても無駄だと思い、必死に言葉を飲み込んだ。
「なるほど、なかなかやりますね……ではこれならどうですか?」
ジルバは魔力で巨大な鎌を生成した。大人の男ほどもある巨大な鎌は禍々しいオーラを放ちながらも、次第に形を具現化させていく。
「『死を奏でる大鎌』、これを使うのは久しぶりなので手加減はできませんよ?」
ジルバは力強く振り切ると、不気味な風切り音と共に、空間を切り裂いた。サラザールは何か危険な予感がして後方に飛びのいたがのだが、気づくと腕には多くの切り傷がついている。
「ぐっ」
「この鎌を避けても無駄ですよ、異空間を切り裂くこの鎌から逃れることは不可能、あなたの場合どうやら接近戦は苦手と見えますからね、もう一度喰らってジエンドです!」
ジルバは再度鎌を振り上げ、サラザールに向かって鎌を振るった。
「くっ」
サラザールは避けようとするが、痛みで反応が遅れてしまう。
「しまった!」
「おしまいだ、死ねぇ!」
次の瞬間、ソウタがサラザールと鎌の間に入り、傷を負いながらも鎌を受け止めていた。
「ソウタ!」
「ふん、逃れられないなら、受け止めるまでよ!」
「ほぉ、まさかこの鎌を受け止める者がいるとは、逆転の発想というやつですか? しかし、そこから一体どうするつもりで……」
「おりゃ!」
ソウタは鎌を力任せにへし折った。
「……えっ?」
ジルバは突然の出来事に唖然としてしまう。まさか鎌を折るとは……
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