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天空の城編
第33話 新たな仲間シーナ!
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ソウタはリュシオンの言ったエルフの国が気になった。
「リュシオン、エルフの国って?」
「ここから南西に位置する広大な森を統治する国ですよ。森の奥にはヴァレイ渓谷というエルフの首都があります。彼らは自然と共存することを決めていて、農業や農作物、狩猟といった原始的な生活を好むんです。それだけではありません、彼らの知識は卓越していて彼らの広大な土地でとれる資源は希少価値が高く、高値で売買されるため商業も盛んなんです」
リュシオンはとても流暢に話し、ソウタは次の目的地をエルフの住む国、ヴァレイ渓谷へと定めた。
「よし、ありがとうリュシオン、そしたらエルフに会いに行ってくるかな」
ソウタがエルフの国へ行くことを決めたが、リュシオンは凄い剣幕な表情して、ソウタに言い聞かせた。
「ですが、ソウタ殿、決してエルフを刺激しないようにしてください」
「どうして?」
「さっきも言いましたが、彼らは狩猟を得意としています。竜人族と同じ戦闘民族で、彼らは遠距離での攻撃を得意としてます、知識も豊富だからか魔法も扱えますし、いかにソウタ殿と言えど、森で彼らと戦うとなれば、無事では済みませんよ?」
「う~ん、大丈夫じゃない? 意外と体も丈夫みたいだし」
「いや、さっきまで寝てたじゃないですか……」
ソウタは半ば疑問に思っていた。現代のエルフとは聡明で、白い髪をさらりと垂れ流し、高価な装飾を身に着けた気品ある種族だと思っていたが、この世界ではまさか気性の荒い種族だとはソウタは信じようとはしない。どうせ半分脅しのようなものだろうと捉えていた。
「ソウタ様、このことばかりはリュシオンと同じ意見です。彼らは竜人族とは違い、相手を狩るためなら、どんな手でも使う、統率のとれた恐ろしい集団です。個々の強さなら竜人族、しかし、我らは彼らと率先して戦おうとは思いませんよ」
「ガルアまでそう言うのかよ……ちょっと不安になってきたじゃん」
「でも、いってみるしかないだろうな」
神さまは軽く微笑みながらソウタに話しかけた。ソウタと神さまが軽い談笑をしているとアリアがシーナに話しかける。
「シーナ、エルフの住む森にはいったことがあるでしょう? ソウタ様の旅についていってソウタ様を助けなさい」
シーナはしばらく黙り込んでいた。ソウタをチラチラ見たり、下をうつむいたりと何やら落ち着きがない。
「私は……ついていっても足手まといになるだけで……」
「そんなことはありません、知っているのですよ? シーナ、あなたは優秀な防衛魔法を習得している、ソウタ様にとって危険な敵は魔法を使う敵です。シーナ、あなたしかソウタ様をお守りできるものはいないのですから」
シーナは中々首を縦には振らない、竜人族との戦いではドラゴに真っ先にやられてしまったこと、自分の力が未熟なことを痛感しているからだ。
「でも……」
「シーナ、一緒についてきてよ!」
ソウタの言葉はシーナにとって誰よりも心に響いた。
「シーナのことは俺が守る、だから、シーナは俺を守ってくれ!」
「ソウタ……」
「森までの行き先が分からないだけだろ」
神さまのツッコミにソウタが切れ気味に言い返す。
「バカ! 今はそんなこと言わなくていいだろう!」
シーナはソウタと神さまの会話を見ながら、ふふっと鼻で笑った。
「な、なんだよシーナ!」
「いや、別に~、私がついていってもずっとこんな感じなのかぁって思ってさ」
シーナは終始ニヤニヤしていた。
「いやぁ、私的にはシーナが来てくれると助かるよ? 絵面的にも男だけだとね、あまり盛り上がりに欠けるっていうか、ソウタも来てほしいって顔に書いてあるし」
「おい、別に書いてないだろう! どこに書いてるんだよ」
「顔のここの部分に……」
「かいてねぇだろ、そんなところに!」
「あ~、もうわかったから。魔王を倒すのにこれじゃ心配だからね、私がついていくよ」
シーナはそう言って、アリアの前にいき、膝をついた。
「というわけですので、このシーナ、ソウタの旅についてまいります」
「はい、よろしく頼みましたよ?」
「なにかあればすぐに戻ってくるのだぞ?」
「旅に疲れたらこのガルアと交代してやってもいいからな」
シーナはアリアたちに祝福をされ、振り向いた。
「よし! ソウタ、ハウル! いくよ!」
「ワン!」
「おぉ、今度はシーナについていく気だぞこの犬」
「いいじゃねぇかよ、ハウルも尻尾振ってるみたいだし」
こうして、ソウタ達は次の目的地エルフの国に向かった。
「リュシオン、エルフの国って?」
「ここから南西に位置する広大な森を統治する国ですよ。森の奥にはヴァレイ渓谷というエルフの首都があります。彼らは自然と共存することを決めていて、農業や農作物、狩猟といった原始的な生活を好むんです。それだけではありません、彼らの知識は卓越していて彼らの広大な土地でとれる資源は希少価値が高く、高値で売買されるため商業も盛んなんです」
リュシオンはとても流暢に話し、ソウタは次の目的地をエルフの住む国、ヴァレイ渓谷へと定めた。
「よし、ありがとうリュシオン、そしたらエルフに会いに行ってくるかな」
ソウタがエルフの国へ行くことを決めたが、リュシオンは凄い剣幕な表情して、ソウタに言い聞かせた。
「ですが、ソウタ殿、決してエルフを刺激しないようにしてください」
「どうして?」
「さっきも言いましたが、彼らは狩猟を得意としています。竜人族と同じ戦闘民族で、彼らは遠距離での攻撃を得意としてます、知識も豊富だからか魔法も扱えますし、いかにソウタ殿と言えど、森で彼らと戦うとなれば、無事では済みませんよ?」
「う~ん、大丈夫じゃない? 意外と体も丈夫みたいだし」
「いや、さっきまで寝てたじゃないですか……」
ソウタは半ば疑問に思っていた。現代のエルフとは聡明で、白い髪をさらりと垂れ流し、高価な装飾を身に着けた気品ある種族だと思っていたが、この世界ではまさか気性の荒い種族だとはソウタは信じようとはしない。どうせ半分脅しのようなものだろうと捉えていた。
「ソウタ様、このことばかりはリュシオンと同じ意見です。彼らは竜人族とは違い、相手を狩るためなら、どんな手でも使う、統率のとれた恐ろしい集団です。個々の強さなら竜人族、しかし、我らは彼らと率先して戦おうとは思いませんよ」
「ガルアまでそう言うのかよ……ちょっと不安になってきたじゃん」
「でも、いってみるしかないだろうな」
神さまは軽く微笑みながらソウタに話しかけた。ソウタと神さまが軽い談笑をしているとアリアがシーナに話しかける。
「シーナ、エルフの住む森にはいったことがあるでしょう? ソウタ様の旅についていってソウタ様を助けなさい」
シーナはしばらく黙り込んでいた。ソウタをチラチラ見たり、下をうつむいたりと何やら落ち着きがない。
「私は……ついていっても足手まといになるだけで……」
「そんなことはありません、知っているのですよ? シーナ、あなたは優秀な防衛魔法を習得している、ソウタ様にとって危険な敵は魔法を使う敵です。シーナ、あなたしかソウタ様をお守りできるものはいないのですから」
シーナは中々首を縦には振らない、竜人族との戦いではドラゴに真っ先にやられてしまったこと、自分の力が未熟なことを痛感しているからだ。
「でも……」
「シーナ、一緒についてきてよ!」
ソウタの言葉はシーナにとって誰よりも心に響いた。
「シーナのことは俺が守る、だから、シーナは俺を守ってくれ!」
「ソウタ……」
「森までの行き先が分からないだけだろ」
神さまのツッコミにソウタが切れ気味に言い返す。
「バカ! 今はそんなこと言わなくていいだろう!」
シーナはソウタと神さまの会話を見ながら、ふふっと鼻で笑った。
「な、なんだよシーナ!」
「いや、別に~、私がついていってもずっとこんな感じなのかぁって思ってさ」
シーナは終始ニヤニヤしていた。
「いやぁ、私的にはシーナが来てくれると助かるよ? 絵面的にも男だけだとね、あまり盛り上がりに欠けるっていうか、ソウタも来てほしいって顔に書いてあるし」
「おい、別に書いてないだろう! どこに書いてるんだよ」
「顔のここの部分に……」
「かいてねぇだろ、そんなところに!」
「あ~、もうわかったから。魔王を倒すのにこれじゃ心配だからね、私がついていくよ」
シーナはそう言って、アリアの前にいき、膝をついた。
「というわけですので、このシーナ、ソウタの旅についてまいります」
「はい、よろしく頼みましたよ?」
「なにかあればすぐに戻ってくるのだぞ?」
「旅に疲れたらこのガルアと交代してやってもいいからな」
シーナはアリアたちに祝福をされ、振り向いた。
「よし! ソウタ、ハウル! いくよ!」
「ワン!」
「おぉ、今度はシーナについていく気だぞこの犬」
「いいじゃねぇかよ、ハウルも尻尾振ってるみたいだし」
こうして、ソウタ達は次の目的地エルフの国に向かった。
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