転生したら、ステータスの上限がなくなったので脳筋プレイしてみた

Mr.Six

文字の大きさ
上 下
33 / 101
天空の城編

第33話 新たな仲間シーナ!

しおりを挟む
 ソウタはリュシオンの言ったエルフの国が気になった。

「リュシオン、エルフの国って?」

「ここから南西に位置する広大な森を統治する国ですよ。森の奥にはヴァレイ渓谷というエルフの首都があります。彼らは自然と共存することを決めていて、農業や農作物、狩猟といった原始的な生活を好むんです。それだけではありません、彼らの知識は卓越していて彼らの広大な土地でとれる資源は希少価値が高く、高値で売買されるため商業も盛んなんです」

 リュシオンはとても流暢に話し、ソウタは次の目的地をエルフの住む国、ヴァレイ渓谷へと定めた。

「よし、ありがとうリュシオン、そしたらエルフに会いに行ってくるかな」

 ソウタがエルフの国へ行くことを決めたが、リュシオンは凄い剣幕な表情して、ソウタに言い聞かせた。

「ですが、ソウタ殿、決してエルフを刺激しないようにしてください」

「どうして?」

「さっきも言いましたが、彼らは狩猟を得意としています。竜人族と同じ戦闘民族で、彼らは遠距離での攻撃を得意としてます、知識も豊富だからか魔法も扱えますし、いかにソウタ殿と言えど、森で彼らと戦うとなれば、無事では済みませんよ?」

「う~ん、大丈夫じゃない? 意外と体も丈夫みたいだし」

「いや、さっきまで寝てたじゃないですか……」

 ソウタは半ば疑問に思っていた。現代のエルフとは聡明で、白い髪をさらりと垂れ流し、高価な装飾を身に着けた気品ある種族だと思っていたが、この世界ではまさか気性の荒い種族だとはソウタは信じようとはしない。どうせ半分脅しのようなものだろうと捉えていた。

「ソウタ様、このことばかりはリュシオンと同じ意見です。彼らは竜人族とは違い、相手を狩るためなら、どんな手でも使う、統率のとれた恐ろしい集団です。個々の強さなら竜人族、しかし、我らは彼らと率先して戦おうとは思いませんよ」

「ガルアまでそう言うのかよ……ちょっと不安になってきたじゃん」

「でも、いってみるしかないだろうな」

 神さまは軽く微笑みながらソウタに話しかけた。ソウタと神さまが軽い談笑をしているとアリアがシーナに話しかける。

「シーナ、エルフの住む森にはいったことがあるでしょう? ソウタ様の旅についていってソウタ様を助けなさい」

 シーナはしばらく黙り込んでいた。ソウタをチラチラ見たり、下をうつむいたりと何やら落ち着きがない。

「私は……ついていっても足手まといになるだけで……」

「そんなことはありません、知っているのですよ? シーナ、あなたは優秀な防衛魔法を習得している、ソウタ様にとって危険な敵は魔法を使う敵です。シーナ、あなたしかソウタ様をお守りできるものはいないのですから」

 シーナは中々首を縦には振らない、竜人族との戦いではドラゴに真っ先にやられてしまったこと、自分の力が未熟なことを痛感しているからだ。

「でも……」

「シーナ、一緒についてきてよ!」

 ソウタの言葉はシーナにとって誰よりも心に響いた。

「シーナのことは俺が守る、だから、シーナは俺を守ってくれ!」

「ソウタ……」

「森までの行き先が分からないだけだろ」

 神さまのツッコミにソウタが切れ気味に言い返す。

「バカ! 今はそんなこと言わなくていいだろう!」

 シーナはソウタと神さまの会話を見ながら、ふふっと鼻で笑った。

「な、なんだよシーナ!」

「いや、別に~、私がついていってもずっとこんな感じなのかぁって思ってさ」

 シーナは終始ニヤニヤしていた。

「いやぁ、私的にはシーナが来てくれると助かるよ? 絵面的にも男だけだとね、あまり盛り上がりに欠けるっていうか、ソウタも来てほしいって顔に書いてあるし」

「おい、別に書いてないだろう! どこに書いてるんだよ」

「顔のここの部分に……」

「かいてねぇだろ、そんなところに!」

「あ~、もうわかったから。魔王を倒すのにこれじゃ心配だからね、私がついていくよ」

 シーナはそう言って、アリアの前にいき、膝をついた。

「というわけですので、このシーナ、ソウタの旅についてまいります」

「はい、よろしく頼みましたよ?」

「なにかあればすぐに戻ってくるのだぞ?」

「旅に疲れたらこのガルアと交代してやってもいいからな」

 シーナはアリアたちに祝福をされ、振り向いた。

「よし! ソウタ、ハウル! いくよ!」

「ワン!」

「おぉ、今度はシーナについていく気だぞこの犬」

「いいじゃねぇかよ、ハウルも尻尾振ってるみたいだし」

 こうして、ソウタ達は次の目的地エルフの国に向かった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...