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少年マンガのテコ入れといえば編
少年マンガのテコ入れといえば
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白い物体が眼前を切り裂いた
いや、白と色を認識したわけではない、
白なのか黒なのか青なのか黄色なのか、そんなことはどうでもよい。
ただ何か物体が空間を切り裂いたことは知覚できた
物体がキャッチされた衝撃が右半身に伝わる
音が、ワンテンポおいて聴覚を揺らす。
空気を貫く甲高い音だ
直後
キェエエエエエエ!!!!
背後の男が叫ぶ
今しがたの切り裂き音に比べたら絶叫ともいえる声音が可愛く聞こえる
実際は可愛くなんかはない
全身を謎の合金装甲で包んだ大男が叫んでいるのだ
いや、男かどうか性別は不明だがもはやそんな細かいことはどうでもよい
キャッチャーがピッチャーに返球しているようだ
そんな動作は目に入らない
そんなことはどうでもよい
地上に白線で引かれた四畳半ほどの囲いに立つ男は42インチ(106.7センチ)の鋼式バットを両手で握りしめ、マウンドを支配する物体に視線を向けながら呆然と立ち尽くすしかできなかった。
少しちびったかもしれない
俺は電脳に住み着く相棒に語りかける
なあ、これ野球だよな
“野球です”
硬式野球だよな
“鋼式野球です”
硬球だろ?硬式野球の
“はい鋼球です鋼式野球”
なんか発音が一緒でわからないんだけど、硬い球じゃねぇの
“硬いですよ鋼球ですから”
コルクとか糸とかを牛革包んで作るのが硬球だよ?
“謎の重金属合金をさらに合金で包みで反発係数を極端に落とした物が現代の鋼球です”
おかしいよね、なんで鋼球で野球やんなきゃいけなの?
“錫乃介様が野球やりてぇなあ、なんて言うからですよ”
言ったけどさ、イメージが違うんだよね
“二球目来ますよ”
は⁉
“変化球、ドロップです”
え⁉
“ボールです。よく見ましたね”
なんも見えてねぇよ! これ、どうすんだよ!
“どうするとは? バット振ればいいじゃないですか。どんなエースピッチャーでも甘い球はそのうちきます。絶好球来たらお教えしますよ”
そ、それなら…… 打てるわけねーだろ! 時速何キロで投げられてんだよ!
“じゃあバントで”
バットに当たった瞬間腕もってかれるわ!
“鍛え方が足りないですね。三球目きますよ”
待てよ待てよ!
“待ってくれるわけないじゃないですか。緩くなったとはいえピッチクロックがあるんですから。ほらきます内角高めストレート”
内角⁉ひぃぃぃぃぃ!!!
“ボールです。よく見ましたね”
見えてねえって言ってっんだろ!
バッターびびってるよ!
はよ振れや!
何いちびっとんねんワレェ!
ランナー返せよ!殺すぞ!
頭狙え頭ぁ!!!
カワトーだせやぁ!
あ、あんなん頭当たったらもげる! ぜってぇもげる!
“大丈夫ですよヘルメット被ってるじゃないですか。それライフル弾でも貫通できないやつですよ”
中身はアウトだろ! 首とかむき出しだぞ!
そのピッチャーは塔とも壁とも要塞とも形容しがたい大きな物体だった。その物体から左右に伸びるしなやかな腕は大地に付くかというほど長く垂れ下がっていた。グローブはなく両腕が鞭のようにしなり、通常の視覚では捉えきれない砲弾ともいえる豪速球と視認すらまともにできない強烈な変化球を左右の腕どちらからも自在に投げることに特化したピッチャーだった。
巨大な物体から放たれる砲弾を受けるキャッチャーは意外にも細身であった。背丈は錫乃介より多少上くらいか、しかし腕は四本あった。全身は機械化され肩からはサイバネティクスアームが触手のようにユラユラしている。ミットは持っておらず、鋼球の剛速球を受けた手でそのまま返球、送球をする化け物であった。やはりこの人物に利き腕という概念はなかった。
“ほら、四球目きますよ。きれいなワインドアップですね”
うん? ああ確かに、全盛期の能見思い出すな。ちげぇよ! あいつランディジョンソンよりやべぇ球投げてっぞ!!
“まるでランディジョンソンの球を受けたことがあるようなものいいですね、お、軌道はストライク、絶好球です!”
キェエエエエエエ!!!!
主審が叫ぶ
なにかしらポージングしているようだがそんなことはどうでもよい
振れるかぁ!!! だいたいなんだよこのバット! めちゃくちゃ重いじゃねか!
“4.5キロくらいですからちょっと重い自動小銃くらいですよ。いつも使ってるじゃないですか”
なあ、俺いつ自動小銃で素振りの練習した? してないだろ? 自動小銃は振り回すもんじゃねえんだよ。
“でも銃剣術は振り回しますよ”
そういう話ししてんじゃねぇよ!
へいへい、玉無しバッター!
カワトーださんかい!!
打てよぉぉぉぉ!!
殺せぇぇぇぇ!!
あったっまっ!あったっまっ!
それにしてもヤジ汚ぇな。昭和かよ。だいたいこの時代に川藤いんのかよ
“代打登録されてますよ。Kuwato 右投右打 打率0.236 本塁打16 盗塁29 OPS0.612”
クワトーじゃねぇか、微妙な成績しやがって
“でも通算18年やってこれならすごいんじゃないですかね”
こんな殺人競技18年やってんのかよ。頭ぶっこわれてんな。
五球目きます。あ、これビーンボールですね。
ひゃあああああああああああ!!!!
あ、捕逸しましたよ、振り逃げチャンスです。
へっ⁉ あ、振り逃げね! はいぃぃぃ!!!
4.5キロのバットを放り投げる
足を踏み出すとスパイクがグラウンドを噛み一気に加速する
しかし走れど走れど昔嗜んでいた草野球の経験からは到底思えないほど一塁までが遠い
ってかさっきから思ってたけど距離長くねっ!!
マウンドホーム間も昔の倍くらいありますねぇ
必死に走る錫乃介、謎の頑強な素材で出来たフェンスに跳ね返る鋼球をわしづかみにしたキャッチャーは振り向く、前方一塁に駆け抜けようとする走者めがけて腕が回る。
何かを悟ったのか電脳からの指令よりも早く渾身のダイブ、ヘッドスライディングだ。
舞い上がる砂埃
鋼球が頭上を過ぎ去る
つむじ風が発生した
一塁審は
両手を広げた
セーフ
はぁ、出塁したぞ。これで代走出てお役御免だろ。
ベンチ動かないですね
動けよぉぉぉぉぉぉぉ!!! 代走カワトーださんかい!!!
いや、白と色を認識したわけではない、
白なのか黒なのか青なのか黄色なのか、そんなことはどうでもよい。
ただ何か物体が空間を切り裂いたことは知覚できた
物体がキャッチされた衝撃が右半身に伝わる
音が、ワンテンポおいて聴覚を揺らす。
空気を貫く甲高い音だ
直後
キェエエエエエエ!!!!
背後の男が叫ぶ
今しがたの切り裂き音に比べたら絶叫ともいえる声音が可愛く聞こえる
実際は可愛くなんかはない
全身を謎の合金装甲で包んだ大男が叫んでいるのだ
いや、男かどうか性別は不明だがもはやそんな細かいことはどうでもよい
キャッチャーがピッチャーに返球しているようだ
そんな動作は目に入らない
そんなことはどうでもよい
地上に白線で引かれた四畳半ほどの囲いに立つ男は42インチ(106.7センチ)の鋼式バットを両手で握りしめ、マウンドを支配する物体に視線を向けながら呆然と立ち尽くすしかできなかった。
少しちびったかもしれない
俺は電脳に住み着く相棒に語りかける
なあ、これ野球だよな
“野球です”
硬式野球だよな
“鋼式野球です”
硬球だろ?硬式野球の
“はい鋼球です鋼式野球”
なんか発音が一緒でわからないんだけど、硬い球じゃねぇの
“硬いですよ鋼球ですから”
コルクとか糸とかを牛革包んで作るのが硬球だよ?
“謎の重金属合金をさらに合金で包みで反発係数を極端に落とした物が現代の鋼球です”
おかしいよね、なんで鋼球で野球やんなきゃいけなの?
“錫乃介様が野球やりてぇなあ、なんて言うからですよ”
言ったけどさ、イメージが違うんだよね
“二球目来ますよ”
は⁉
“変化球、ドロップです”
え⁉
“ボールです。よく見ましたね”
なんも見えてねぇよ! これ、どうすんだよ!
“どうするとは? バット振ればいいじゃないですか。どんなエースピッチャーでも甘い球はそのうちきます。絶好球来たらお教えしますよ”
そ、それなら…… 打てるわけねーだろ! 時速何キロで投げられてんだよ!
“じゃあバントで”
バットに当たった瞬間腕もってかれるわ!
“鍛え方が足りないですね。三球目きますよ”
待てよ待てよ!
“待ってくれるわけないじゃないですか。緩くなったとはいえピッチクロックがあるんですから。ほらきます内角高めストレート”
内角⁉ひぃぃぃぃぃ!!!
“ボールです。よく見ましたね”
見えてねえって言ってっんだろ!
バッターびびってるよ!
はよ振れや!
何いちびっとんねんワレェ!
ランナー返せよ!殺すぞ!
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カワトーだせやぁ!
あ、あんなん頭当たったらもげる! ぜってぇもげる!
“大丈夫ですよヘルメット被ってるじゃないですか。それライフル弾でも貫通できないやつですよ”
中身はアウトだろ! 首とかむき出しだぞ!
そのピッチャーは塔とも壁とも要塞とも形容しがたい大きな物体だった。その物体から左右に伸びるしなやかな腕は大地に付くかというほど長く垂れ下がっていた。グローブはなく両腕が鞭のようにしなり、通常の視覚では捉えきれない砲弾ともいえる豪速球と視認すらまともにできない強烈な変化球を左右の腕どちらからも自在に投げることに特化したピッチャーだった。
巨大な物体から放たれる砲弾を受けるキャッチャーは意外にも細身であった。背丈は錫乃介より多少上くらいか、しかし腕は四本あった。全身は機械化され肩からはサイバネティクスアームが触手のようにユラユラしている。ミットは持っておらず、鋼球の剛速球を受けた手でそのまま返球、送球をする化け物であった。やはりこの人物に利き腕という概念はなかった。
“ほら、四球目きますよ。きれいなワインドアップですね”
うん? ああ確かに、全盛期の能見思い出すな。ちげぇよ! あいつランディジョンソンよりやべぇ球投げてっぞ!!
“まるでランディジョンソンの球を受けたことがあるようなものいいですね、お、軌道はストライク、絶好球です!”
キェエエエエエエ!!!!
主審が叫ぶ
なにかしらポージングしているようだがそんなことはどうでもよい
振れるかぁ!!! だいたいなんだよこのバット! めちゃくちゃ重いじゃねか!
“4.5キロくらいですからちょっと重い自動小銃くらいですよ。いつも使ってるじゃないですか”
なあ、俺いつ自動小銃で素振りの練習した? してないだろ? 自動小銃は振り回すもんじゃねえんだよ。
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そういう話ししてんじゃねぇよ!
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五球目きます。あ、これビーンボールですね。
ひゃあああああああああああ!!!!
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へっ⁉ あ、振り逃げね! はいぃぃぃ!!!
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足を踏み出すとスパイクがグラウンドを噛み一気に加速する
しかし走れど走れど昔嗜んでいた草野球の経験からは到底思えないほど一塁までが遠い
ってかさっきから思ってたけど距離長くねっ!!
マウンドホーム間も昔の倍くらいありますねぇ
必死に走る錫乃介、謎の頑強な素材で出来たフェンスに跳ね返る鋼球をわしづかみにしたキャッチャーは振り向く、前方一塁に駆け抜けようとする走者めがけて腕が回る。
何かを悟ったのか電脳からの指令よりも早く渾身のダイブ、ヘッドスライディングだ。
舞い上がる砂埃
鋼球が頭上を過ぎ去る
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一塁審は
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