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砂漠と餓鬼と塵芥編
砂漠と餓鬼と塵芥27
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クロコダイルの革をつかったブラックデニムパンツに真紅のキューバシャツを着た体格の良い青年は酷く狼狽していた。
監視カメラからモニターに映し出される映像は、何事もない普段の静かな園内の様子が写っていた。だがシュレッダー城のバルコニーから直接視認する映像はあきらかに火の手が上がっていた。だが何者が戦いを仕掛けているかはまではわからない。
なんだ、いったい何が起きている!? なぜカメラは……
まさかと思った。そして自らが捕えた女達の様子を見る。フェイウーは部屋内をうろついている。リシュは寝たままだ。同じ体勢で。
寝たまま…… もう何時間も…… まさか!
違和感ではない。もう捕えてから半日どころか十数時間は経っている。その間直接顔を見たのは一回のみ。その後何度かモニターは見たが、フェイウーは同じ様な行動を、リシュは同じ体勢のまま寝てるだけだった。
カメラに細工されているのか⁉ バカな!
ブラウンのベリーショートの髪を掻き毟り、言うが早いか地下に駆け出した。この城に人間は自分と捕えた女達以外はいない。余計な者がいても信用できないし邪魔なだけであり、煩わしい以外の何物でもないからだ。クリンネスも食事もセキュリティも捕えた女の面倒も話し相手も夜の奉仕も全てアンドロイドや電脳AIによってまかなえているからだ。これまでも何一つ不自由はなかったからだ。裏切られることもなかったからだ。だがここにきて裏目に出た。
クソッ! セキュリティレベルを最大にあげろ。侵入者を排除しろ!
園内を統括するAIに指示をだす。しかし、おかしい。いくらカメラが異常だとはいえ、警報もなにも鳴らないなんていままでありえなかった。本来なら誰かが外界との柵を越えようとしただけでレベル1~2の警報があるはずなのだ。
街で好き放題やってる自覚はある。その分敵が多いことも。カジノを潰した時はさすがに命を狙われた。その時は両親筋から謝罪と賠償が入り事なきを得たが。本家から切られたのはあれが原因だ。それ以来ヤバいことには手を出していないが、だからこそセキュリティには金をかけている。
今回のはなんだというのだ⁉
全く意味がわからないままフェイウーを監禁している部屋の前に着く。焦っているところを見せたくないがために、切れる息を抑え、乱れた髪と衣服を整える。──この時、扉の覗きから確認しておけばまだこの後の展開も変わっていただろうに、やはり彼は焦っていた──ロックを外し、扉に手を……
ロックが外れている……!!
扉に手をかけ勢いよく開け放つ。
そこでは──
「いったい、いつどうやって娘を誑し込んだ!」
「結婚の約束したもんね、ね、ね!」
「いや、でも、結局奢ってもらってないし……」
「は? なによその逆結婚詐欺」
「ねぇオド、いいかげん子離れしたら?」
「ねーオジサン僕も結婚する」
「俺は結婚なんて言うほどしたくないんだよ!」
「よりによってこの詐欺師に両足突っ込んだ男だと! もっとマシなのがいくらでもいるだろ!」
「いいの! これくらいボンクラな方が扱いやすいでしょ!」
「二人とも酷くない?」
「実際財布忘れてうちに飲みにくるくらいポヤッとしてるじゃない」
「たしかーに!」
「ねー結婚」
「確かに結婚でもして家庭に入るなら辞めてもよいとは言ったがな」
「もう、やってらんないの! なんなの不毛な会議とか社交とかバッカじゃないの! 私は機械いじってたいの!」
「いや、あのさ誰か来たよ」
「あらレシドゥオスさん。今取り込んでるから後にしてくれないかしら」
「結婚すると幸せになるんじゃないの?」
「言うほどそうでもないらしいぞ」
「へぇ~勉強になった」
「そもそもパパが辞任して隠居なんかするからいけないんでしょ!」
「いいだろ! あんな不毛な会議とか社交とかやってられっか! 俺は機械いじりがしたいんだ!」
赤い茹でダコの触手で身柄を拘束された変なおっさん、寝坊助女、フェイウー、ちんちくりん、がギャーギャー騒いでいる混沌とした──カオスな光景だった。
な、なんだこいつらは……女二人以外は侵入者なのは間違いないが、いったい何をして…… ち、違う! そんな場合ではない!
一瞬なんのために地下まで降りてきたのか自分の目的を見失ったレシドゥオスだが、はっと正気に戻る。
「セ、セキュリティは何をしている! こいつらを排除しろ!」
「あーそれ、もう無駄よ」
「なに!?」
今の今まで親子喧嘩らしき言い合いをしていた寝坊助女ことリシュは脱いだ濃紺のスーツを肩にかけ、この城の主に向かって言い放つ。
「ご覧なさい。カメラもセキュリティも、城内の有線ネットワークシステムはもう全部私の支配下よ」
クイと上げたその片手にはめられた特殊な黒いグローブの指先からは、細いワイヤーが投網のように無数に出ており、室内カメラや電灯、どこから持ってきたのかいくつものモニターやデバイス、解体されたセキュリティロボットに繋がっていた。
「こ、小娘が……!」
「ごめんなさいね、私こう見えてオルドゥール・オクトパス・オドパッキ・オーガナイゼーション。通称クアドラプル・オーのCTO(最高技術責任者)なの。こんな安っぽいセキュリティシステムを落とすなんて豚汁作るより簡単よ」
「か、かっこいい! お姉さん!」
「でしょう! ねぇ美少年ボクぅ、お姉さんと結婚しない?」
「貴様は誰でもいいのか!」
「だからCTO辞められるなら誰でもいいって言ってるでしょ!」
「なんか俺傷ついてきた……」
「癒やしてあげるわよ」
「マ、マ……ママー! んぎゅ!」
フェイウーに飛びつこうとするオジサンは、タコ坊主の触手に引き倒され床にのびる。
「あらオド。嫉妬?」
「今さらするか」
「やめろーー! この僕を無視しやがって! 今すぐ衛士に通報してやる!」
「あら、それならもうそこまで来てるじゃない。さっきからずっとドンパチしてるわ」
「なにを!」
チューブトップボディコンの露出した肩から伸びる白い腕は複数あるモニターの一つを指差す。そこにはエントランスから園内中心の湖まで続く針ウッドエリアのオールドアメリカンスタイルの街中でセキュリティロボット達と奮闘する衛士達の姿が映し出されていた。
「は、はは! そうか! きてるか! もう貴様ら逃げても無駄だぞ。このまま全員監獄行きだ、覚悟しておけ!」
焦りながらも自分の勝ちを確信して煽るつもりで言ったが、最高技術責任者はニヤッと笑う。
「なんか誤解してるみたいだけど、監獄行きはアンタだよレシドゥオスさん」
「なんだと?」
「昼過ぎくらいにね、ママの店の壁の中から大量の武器弾薬が見つかったんだ。チクったのは私。壁の中にあるよーんって。大慌てだったろうねぇ。どうせレシドゥオスの嘘っこ通報だと思って捜査もおざなりだったろうしね」
「大量の武器弾薬だと…… まさかフェイウー貴様! 本当にテロリストだとでも言うの……か」
「ごめんなさいね。若い頃に武力闘争に舞い上がっちゃってかき集めたはいいけど、リシュを授かってからどうでもよくなって壁に埋めたの。ね、オドパッキ」
「俺は最初から止めてただろ」
「そんなテロリストの身元引受なんかしたらどうなるかなぁ? 知らなかったじゃすまないだろうね」
「そ、そんなもの、衛士どもを買収して……」
ちょっとまてぇい! とまた大声で周りを静めたのはレシドゥオスではなくタコ坊主の拘束から逃れたオジサンだった。
「さっきから聞いてりゃパパだのママだの! はっきりさせてもらおうじゃねえか!」
「僕も気になってた!」
「Barミュルデポニエの女主人フェイウー! 君はリシュの母で、このオドパッキの奥さんなのか!?」
一瞬の沈黙が部屋を支配する。そして最初に聞こえたのは笑い声だった。主はフェイウー。
「どうかしら、ねぇオド」
「俺にふるな」
「いちゃいちゃするなーー! もったいぶるなーーー! 大事なことだろぉぉぉ!」
「面倒くさいおっさんだなぁ。私が説明するよ」
リシュ! と二人から声がかかる。
「いいじゃん別に大したことじゃないし。パパはママに惚れてた。でもフラれた。私は捨て子。拾ったのはパパ。相談先はママ。そのまま二人で私を育てることになった。だけど二人は結婚しないまま。でも私にとってはパパとママ。わかった?」
「至極簡潔な説明ありがとうございます。これですっきりしました」
「俺がフラれたとこの情報いらなくないか……」
「いいじゃんロマンスがあって」
「すまんレシドゥオス、話の腰を折ったな、続けてくれ」
「続けられるかぁ!!」
今日一番のレシドゥオスの叫びが監禁室にこだました。
監視カメラからモニターに映し出される映像は、何事もない普段の静かな園内の様子が写っていた。だがシュレッダー城のバルコニーから直接視認する映像はあきらかに火の手が上がっていた。だが何者が戦いを仕掛けているかはまではわからない。
なんだ、いったい何が起きている!? なぜカメラは……
まさかと思った。そして自らが捕えた女達の様子を見る。フェイウーは部屋内をうろついている。リシュは寝たままだ。同じ体勢で。
寝たまま…… もう何時間も…… まさか!
違和感ではない。もう捕えてから半日どころか十数時間は経っている。その間直接顔を見たのは一回のみ。その後何度かモニターは見たが、フェイウーは同じ様な行動を、リシュは同じ体勢のまま寝てるだけだった。
カメラに細工されているのか⁉ バカな!
ブラウンのベリーショートの髪を掻き毟り、言うが早いか地下に駆け出した。この城に人間は自分と捕えた女達以外はいない。余計な者がいても信用できないし邪魔なだけであり、煩わしい以外の何物でもないからだ。クリンネスも食事もセキュリティも捕えた女の面倒も話し相手も夜の奉仕も全てアンドロイドや電脳AIによってまかなえているからだ。これまでも何一つ不自由はなかったからだ。裏切られることもなかったからだ。だがここにきて裏目に出た。
クソッ! セキュリティレベルを最大にあげろ。侵入者を排除しろ!
園内を統括するAIに指示をだす。しかし、おかしい。いくらカメラが異常だとはいえ、警報もなにも鳴らないなんていままでありえなかった。本来なら誰かが外界との柵を越えようとしただけでレベル1~2の警報があるはずなのだ。
街で好き放題やってる自覚はある。その分敵が多いことも。カジノを潰した時はさすがに命を狙われた。その時は両親筋から謝罪と賠償が入り事なきを得たが。本家から切られたのはあれが原因だ。それ以来ヤバいことには手を出していないが、だからこそセキュリティには金をかけている。
今回のはなんだというのだ⁉
全く意味がわからないままフェイウーを監禁している部屋の前に着く。焦っているところを見せたくないがために、切れる息を抑え、乱れた髪と衣服を整える。──この時、扉の覗きから確認しておけばまだこの後の展開も変わっていただろうに、やはり彼は焦っていた──ロックを外し、扉に手を……
ロックが外れている……!!
扉に手をかけ勢いよく開け放つ。
そこでは──
「いったい、いつどうやって娘を誑し込んだ!」
「結婚の約束したもんね、ね、ね!」
「いや、でも、結局奢ってもらってないし……」
「は? なによその逆結婚詐欺」
「ねぇオド、いいかげん子離れしたら?」
「ねーオジサン僕も結婚する」
「俺は結婚なんて言うほどしたくないんだよ!」
「よりによってこの詐欺師に両足突っ込んだ男だと! もっとマシなのがいくらでもいるだろ!」
「いいの! これくらいボンクラな方が扱いやすいでしょ!」
「二人とも酷くない?」
「実際財布忘れてうちに飲みにくるくらいポヤッとしてるじゃない」
「たしかーに!」
「ねー結婚」
「確かに結婚でもして家庭に入るなら辞めてもよいとは言ったがな」
「もう、やってらんないの! なんなの不毛な会議とか社交とかバッカじゃないの! 私は機械いじってたいの!」
「いや、あのさ誰か来たよ」
「あらレシドゥオスさん。今取り込んでるから後にしてくれないかしら」
「結婚すると幸せになるんじゃないの?」
「言うほどそうでもないらしいぞ」
「へぇ~勉強になった」
「そもそもパパが辞任して隠居なんかするからいけないんでしょ!」
「いいだろ! あんな不毛な会議とか社交とかやってられっか! 俺は機械いじりがしたいんだ!」
赤い茹でダコの触手で身柄を拘束された変なおっさん、寝坊助女、フェイウー、ちんちくりん、がギャーギャー騒いでいる混沌とした──カオスな光景だった。
な、なんだこいつらは……女二人以外は侵入者なのは間違いないが、いったい何をして…… ち、違う! そんな場合ではない!
一瞬なんのために地下まで降りてきたのか自分の目的を見失ったレシドゥオスだが、はっと正気に戻る。
「セ、セキュリティは何をしている! こいつらを排除しろ!」
「あーそれ、もう無駄よ」
「なに!?」
今の今まで親子喧嘩らしき言い合いをしていた寝坊助女ことリシュは脱いだ濃紺のスーツを肩にかけ、この城の主に向かって言い放つ。
「ご覧なさい。カメラもセキュリティも、城内の有線ネットワークシステムはもう全部私の支配下よ」
クイと上げたその片手にはめられた特殊な黒いグローブの指先からは、細いワイヤーが投網のように無数に出ており、室内カメラや電灯、どこから持ってきたのかいくつものモニターやデバイス、解体されたセキュリティロボットに繋がっていた。
「こ、小娘が……!」
「ごめんなさいね、私こう見えてオルドゥール・オクトパス・オドパッキ・オーガナイゼーション。通称クアドラプル・オーのCTO(最高技術責任者)なの。こんな安っぽいセキュリティシステムを落とすなんて豚汁作るより簡単よ」
「か、かっこいい! お姉さん!」
「でしょう! ねぇ美少年ボクぅ、お姉さんと結婚しない?」
「貴様は誰でもいいのか!」
「だからCTO辞められるなら誰でもいいって言ってるでしょ!」
「なんか俺傷ついてきた……」
「癒やしてあげるわよ」
「マ、マ……ママー! んぎゅ!」
フェイウーに飛びつこうとするオジサンは、タコ坊主の触手に引き倒され床にのびる。
「あらオド。嫉妬?」
「今さらするか」
「やめろーー! この僕を無視しやがって! 今すぐ衛士に通報してやる!」
「あら、それならもうそこまで来てるじゃない。さっきからずっとドンパチしてるわ」
「なにを!」
チューブトップボディコンの露出した肩から伸びる白い腕は複数あるモニターの一つを指差す。そこにはエントランスから園内中心の湖まで続く針ウッドエリアのオールドアメリカンスタイルの街中でセキュリティロボット達と奮闘する衛士達の姿が映し出されていた。
「は、はは! そうか! きてるか! もう貴様ら逃げても無駄だぞ。このまま全員監獄行きだ、覚悟しておけ!」
焦りながらも自分の勝ちを確信して煽るつもりで言ったが、最高技術責任者はニヤッと笑う。
「なんか誤解してるみたいだけど、監獄行きはアンタだよレシドゥオスさん」
「なんだと?」
「昼過ぎくらいにね、ママの店の壁の中から大量の武器弾薬が見つかったんだ。チクったのは私。壁の中にあるよーんって。大慌てだったろうねぇ。どうせレシドゥオスの嘘っこ通報だと思って捜査もおざなりだったろうしね」
「大量の武器弾薬だと…… まさかフェイウー貴様! 本当にテロリストだとでも言うの……か」
「ごめんなさいね。若い頃に武力闘争に舞い上がっちゃってかき集めたはいいけど、リシュを授かってからどうでもよくなって壁に埋めたの。ね、オドパッキ」
「俺は最初から止めてただろ」
「そんなテロリストの身元引受なんかしたらどうなるかなぁ? 知らなかったじゃすまないだろうね」
「そ、そんなもの、衛士どもを買収して……」
ちょっとまてぇい! とまた大声で周りを静めたのはレシドゥオスではなくタコ坊主の拘束から逃れたオジサンだった。
「さっきから聞いてりゃパパだのママだの! はっきりさせてもらおうじゃねえか!」
「僕も気になってた!」
「Barミュルデポニエの女主人フェイウー! 君はリシュの母で、このオドパッキの奥さんなのか!?」
一瞬の沈黙が部屋を支配する。そして最初に聞こえたのは笑い声だった。主はフェイウー。
「どうかしら、ねぇオド」
「俺にふるな」
「いちゃいちゃするなーー! もったいぶるなーーー! 大事なことだろぉぉぉ!」
「面倒くさいおっさんだなぁ。私が説明するよ」
リシュ! と二人から声がかかる。
「いいじゃん別に大したことじゃないし。パパはママに惚れてた。でもフラれた。私は捨て子。拾ったのはパパ。相談先はママ。そのまま二人で私を育てることになった。だけど二人は結婚しないまま。でも私にとってはパパとママ。わかった?」
「至極簡潔な説明ありがとうございます。これですっきりしました」
「俺がフラれたとこの情報いらなくないか……」
「いいじゃんロマンスがあって」
「すまんレシドゥオス、話の腰を折ったな、続けてくれ」
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