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砂漠と餓鬼と塵芥編
砂漠と餓鬼と塵芥8
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オジサンっていろんなとこ旅してるんでしょ?
そうだな。
他のところってどうなってるの? 僕、タカタカ砂漠とガーヴィレッジくらいしか知らないからさ、教えてよ!
といってもなぁ、どこいっても今走ってるような砂の砂漠が殆どだぞ。あ、高層ビル群の街が植物に支配されてる場所はあったな。
え! なにそれ! 植物が支配してるってどういうこと!?
あぁ、人間達が意思を持った植物達に追いやられて広大な地下街に逃げ込んだ街があったぞ。
えぇ!! そこの人達どうやって生きてたの⁉
一棟だけ人間が守ってたでっかいビルの中で農産物とか作ったりしてなんとか生き残ってたぞ。
その人達どうなったの!?
なんやかんやで植物達との戦いに勝って自分達のテリトリー広げてたわ。
すっごーーい! オジサンも戦ったの!?
いや、まあ連れが化け物みたいに強い奴らで俺は金魚のフン状態だったわ。それよりそこで莫大な借金を背負ったのがな……
なにそれ?
この話長くなるからまたにしてくれ。
ね! 他には?
あー、地面を埋め尽くすほどの大量の械獣に滅ぼされそうになった街に行ったこともあったな。
タカタカ砂漠の械獣みたいなやつ?
いや、あれとはまた種類が違うな。このあたりのは重機の械獣だが、そっちのは銃器の……ややこしいな……、マシンガンとかライフルみたいな銃と猫とか鳥とかの動物が融合した械獣が多かったな。
違うのもいるんだ! 僕ここの械獣しかみたことないし! 他には!?
そうだな、人間と話し合いができる械獣達の街もあったな。
えぇ!! すっごーーーい! ───僕も旅してみたいなぁ…… ねえ、オジサン…… だめ?
だめだ。ここいらはなぜかこのゴミ砂漠のところくらいしか械獣がでないが、他はこうして走ってるだけで山のように械獣が襲いかかってくるんだぜ。少なくとも一人で戦えるようになってからだな。俺は連れて行ってやれないが、アクタがいつか自分で戦える車を手にしたらいつでも行けばいいさ。
うん、そうする。ね、もっとお話して!
いやもうタカタカ砂漠着いたからさ……
なんだー! じゃあまた今度ね!
ああ、村に戻ったらな。
小高い産廃の丘から覗く二人の目には溝鼠色の有毒ガスの靄がかかった衣類の廃棄物の海が遥か彼方まで続く光景が映っていた。いや、衣類というより原型をとどめない色とりどりのボロキレの海。それが押し寄せる津波の様に砂漠の大地を覆う景色広がる。その世界では重機の械獣達が古代地球上を支配していた恐竜のごとく、存在感で周囲に畏怖の圧力をかけながら闊歩していた。
「オジサン、バイク降りなきゃ」
「いや、このまま行く」
「え!?」
「たぶん大丈夫だ。械獣達を避けに避けて行けばいい。目的はゴミ処理施設だろ。俺も前に来た時行ったことがある。場所は電脳が把握してる。それに観察していた感じだと械獣達が襲ってくるのは自分達の縄張りに入ってきたものや特定の場所に留まる集団だ。このバイク一台なら縄張りを避ければ行ける、って俺の電脳が言ってる」
「そんなことがわかるなんて、電脳さん凄いんだね……」
「正確には電脳にインストールされてるナビゲーションアプリなんだがな。まぁ行ってみようや、もし襲われたらその糞アプリのせいだから! フゴッ!」
「どうしたの?」
「電脳に反乱をおこされて全身に電気ショックをくらった」
「大丈夫なの?」
「いつものことだ問題ない、さぁ行くぞ」
「うん!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「言ってるそばからコレかよぉ!」
瓦礫を巻き上げ全速力で駆け抜けるバイクは械獣に追われていた。
「オジサンあれがスクラッパーだよ! あ! でっかいの飛んできた! え、と、三、四、五……もういっぱい!!」
「わーってるよ!!!」
SRC造、即ちゴン太の鉄骨と細目の鉄筋で補強されたコンクリート、それの数メートルはあろうかという巨大な塊が凄まじいバックスピンをかけて、次から次へと二人が乗る武装車両へ向けて絶え間なく飛んでくる。コンクリートの瓦礫、コンガラと呼ばれる塊はゴミの地面に着弾すると、地雷がバラ撒く散弾の如く高速のデブリが辺りに被害をもたらす。直撃はターゲットを即死かそれに類する状態にするのは間違いなく、高速デブリの威力は分厚い装甲がなければ無視できるものではない。オジサンの武装車輌は──紙装甲だ──掠ることさえも命取りになる。
コンガラを投げつけてくるのは上半身だけが地面から生えた巨人。瓦礫やボロ布、基板や電化製品がそれぞれ接合し融合し統合し上半身だけの人型を成してその両腕からコンガラを投擲してくる。しかも足があるわけでもないのに、ゴミ砂漠上を滑るように移動しそのスピードも武装車輌に追い付くレベルであった。
ナビ! 全然大丈夫じゃねえじゃねーか!
“昨日の騒ぎで目をつけられていたと推測します。どうやらスクラッパーだけは縄張り関係なさそうですね”
前はあんだけドンパチして機獣ぶっ倒したりしたのに出なかったじゃん。
“いえいえカニクレーンがいっぱい出てきたじゃないですか。きっとあれもスクラッパーの一種ですよ”
「オジサン! 当たる!!」
「おっと! ナビ、外すなよ!」
オジサンのかけ声に応えるように連装無反動砲が轟音を響かせ迫る塊を撃ち抜く。爆ぜるコンガラ、立ち昇る爆煙の八重垣、その垣根破って飛んできたのはコンガラではなく今度は重量級の車のような物体だった。
「何アレ!? 凄いの飛んできた!」
「なんつーもん投げてくんだ! ありゃトラクターだ! ぶち抜け!」
再び轟く無反動砲は精確無比にトラクターの機関部に命中し爆発し飛来するYANM◯Rの刻印が入ったボディパーツが目に入る。
「クソ、こんなところでヤン坊◯ー坊が敵に周ると思わなかったぜ。いつもテレビ見ててやったのによ!」
「何の話!?」
「なんでもねぇよ! それより捕まってろ、曲がるぞ!」
急カーブを曲がるかの如く飛来する鉄クズの塊を避け、再び逆方向にブレーキをかけて方向転換していく。被牽引車輌がありながらもこれ程の神がかったドライビングテクニックをみせるのはもちろんオジサンではなくナビの操縦によるものだ。精確無比な砲撃もナビによるものだ。オジサンは喚いて掴まっているだけである。
「ねぇオジサンあそこ見て、もの凄く大きいトラックがこっち来るよ」
「おっと、なになに、世界最大級ダンプカー『Belaz 75710』だそうだ」
アクタが指さす先には、『Belaz 75710』ベラルーシのBelaz社が誇る最大積載量496tの世界最大のダンプトラックが走っていた。全長20.6m、高さ8.16m、全幅9.87m、総重量360tを誇り、8個の巨大なタイヤによって出される最高速度は64km/hという途方もない規模のトラックであった。
「あのダンプカーくらい大きかったらスクラッパーなんてわけなさそうなのに」
「同士討ちでもさせようってか! ……ん? 待てよ」
「どしたの?」
「そうか、あのバカでかトラックのテリトリーに入ろう」
「え? 踏み潰されちゃうよ」
「まぁ、大丈夫だ。あの巨体じゃこのゴミ砂漠じゃ速度は出せないだろうしなんとかなるだろ。ナビ頼むぞ」
Belaz 75710に向けてハンドルを切りアクセルを全開にして突進しダンプカー械獣のテリトリーに侵入する。当然むこうはすぐさま異物の排除にこちらにその巨体を向けてくる。最高速度は早いとはいえ、足場の悪いゴミの大地では超重量級の車体は小回りはきかない。踏み潰されないよう接近し並走しスクラッパーの射線上にダンプカーを挟むよう回り込む。スクラッパーはお構いなしにコンガラ、圧縮ゴミ塊、、大型バイク、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、などなど手当たり次第にぶん投げ、雨あられと来るゴミの投擲は当然ダンプカー械獣に全て直撃していく。誰がどう見てもスクラッパーに攻撃されているのはダンプカー。投擲が効いてる様子は全くないが、とはいえさすがにキレたのかBelaz 75710はテリトリーに侵入したアクタ達より、スクラッパーへとヘイトを向けるとサーベルを刺され怒り狂った闘牛のように急発進。スクラッパーも何をトチ狂ったのか投擲を全て迫りくる猛牛に向けていた。重量360t、元々鉱山で岩石相手に商売しているダンプカーは下手な戦車よりもよほど分厚い装甲をもつ。なんせ歴史上現存した最重量級戦車でさえ190tもないのだ、ゴミの投擲など効くわけがない。Belaz 75710はその勢いのままスクラッパーを超重量級のタイヤによって蟻を踏み潰すよりもたやすくゴミの大地の下に沈めるのだった。
それをバックモニターで見ながらアクタ達はすでにそこそこの距離をとっていた。
「うまいこといったな」
「え、え? 本当に同士討ちさせちゃったの……」
「あいつら侵入者にやたら敏感だからな。攻撃されたら絶対反撃にでると思ったぜ」
「もう追ってこないのかな?」
「ま、そのうち復活するだろ。ゴミの寄せ集めが械獣になっただけだ。前にヘドロが固まってできた巨人の械獣も相手にしたことがある。似たようなもんだろ」
「オジサン凄い……」
「何言ってんだ。同士討ちはアクタ先生の立案じゃないですか。さ、ずらかるぜ」
そう応えて全速力でこの場を離脱するオジサンを見つめるアクタの目はまるで、テレビで活躍するスター選手や特撮ヒーローに憧れる少年少女の輝く瞳そのものであった。
そうだな。
他のところってどうなってるの? 僕、タカタカ砂漠とガーヴィレッジくらいしか知らないからさ、教えてよ!
といってもなぁ、どこいっても今走ってるような砂の砂漠が殆どだぞ。あ、高層ビル群の街が植物に支配されてる場所はあったな。
え! なにそれ! 植物が支配してるってどういうこと!?
あぁ、人間達が意思を持った植物達に追いやられて広大な地下街に逃げ込んだ街があったぞ。
えぇ!! そこの人達どうやって生きてたの⁉
一棟だけ人間が守ってたでっかいビルの中で農産物とか作ったりしてなんとか生き残ってたぞ。
その人達どうなったの!?
なんやかんやで植物達との戦いに勝って自分達のテリトリー広げてたわ。
すっごーーい! オジサンも戦ったの!?
いや、まあ連れが化け物みたいに強い奴らで俺は金魚のフン状態だったわ。それよりそこで莫大な借金を背負ったのがな……
なにそれ?
この話長くなるからまたにしてくれ。
ね! 他には?
あー、地面を埋め尽くすほどの大量の械獣に滅ぼされそうになった街に行ったこともあったな。
タカタカ砂漠の械獣みたいなやつ?
いや、あれとはまた種類が違うな。このあたりのは重機の械獣だが、そっちのは銃器の……ややこしいな……、マシンガンとかライフルみたいな銃と猫とか鳥とかの動物が融合した械獣が多かったな。
違うのもいるんだ! 僕ここの械獣しかみたことないし! 他には!?
そうだな、人間と話し合いができる械獣達の街もあったな。
えぇ!! すっごーーーい! ───僕も旅してみたいなぁ…… ねえ、オジサン…… だめ?
だめだ。ここいらはなぜかこのゴミ砂漠のところくらいしか械獣がでないが、他はこうして走ってるだけで山のように械獣が襲いかかってくるんだぜ。少なくとも一人で戦えるようになってからだな。俺は連れて行ってやれないが、アクタがいつか自分で戦える車を手にしたらいつでも行けばいいさ。
うん、そうする。ね、もっとお話して!
いやもうタカタカ砂漠着いたからさ……
なんだー! じゃあまた今度ね!
ああ、村に戻ったらな。
小高い産廃の丘から覗く二人の目には溝鼠色の有毒ガスの靄がかかった衣類の廃棄物の海が遥か彼方まで続く光景が映っていた。いや、衣類というより原型をとどめない色とりどりのボロキレの海。それが押し寄せる津波の様に砂漠の大地を覆う景色広がる。その世界では重機の械獣達が古代地球上を支配していた恐竜のごとく、存在感で周囲に畏怖の圧力をかけながら闊歩していた。
「オジサン、バイク降りなきゃ」
「いや、このまま行く」
「え!?」
「たぶん大丈夫だ。械獣達を避けに避けて行けばいい。目的はゴミ処理施設だろ。俺も前に来た時行ったことがある。場所は電脳が把握してる。それに観察していた感じだと械獣達が襲ってくるのは自分達の縄張りに入ってきたものや特定の場所に留まる集団だ。このバイク一台なら縄張りを避ければ行ける、って俺の電脳が言ってる」
「そんなことがわかるなんて、電脳さん凄いんだね……」
「正確には電脳にインストールされてるナビゲーションアプリなんだがな。まぁ行ってみようや、もし襲われたらその糞アプリのせいだから! フゴッ!」
「どうしたの?」
「電脳に反乱をおこされて全身に電気ショックをくらった」
「大丈夫なの?」
「いつものことだ問題ない、さぁ行くぞ」
「うん!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「言ってるそばからコレかよぉ!」
瓦礫を巻き上げ全速力で駆け抜けるバイクは械獣に追われていた。
「オジサンあれがスクラッパーだよ! あ! でっかいの飛んできた! え、と、三、四、五……もういっぱい!!」
「わーってるよ!!!」
SRC造、即ちゴン太の鉄骨と細目の鉄筋で補強されたコンクリート、それの数メートルはあろうかという巨大な塊が凄まじいバックスピンをかけて、次から次へと二人が乗る武装車両へ向けて絶え間なく飛んでくる。コンクリートの瓦礫、コンガラと呼ばれる塊はゴミの地面に着弾すると、地雷がバラ撒く散弾の如く高速のデブリが辺りに被害をもたらす。直撃はターゲットを即死かそれに類する状態にするのは間違いなく、高速デブリの威力は分厚い装甲がなければ無視できるものではない。オジサンの武装車輌は──紙装甲だ──掠ることさえも命取りになる。
コンガラを投げつけてくるのは上半身だけが地面から生えた巨人。瓦礫やボロ布、基板や電化製品がそれぞれ接合し融合し統合し上半身だけの人型を成してその両腕からコンガラを投擲してくる。しかも足があるわけでもないのに、ゴミ砂漠上を滑るように移動しそのスピードも武装車輌に追い付くレベルであった。
ナビ! 全然大丈夫じゃねえじゃねーか!
“昨日の騒ぎで目をつけられていたと推測します。どうやらスクラッパーだけは縄張り関係なさそうですね”
前はあんだけドンパチして機獣ぶっ倒したりしたのに出なかったじゃん。
“いえいえカニクレーンがいっぱい出てきたじゃないですか。きっとあれもスクラッパーの一種ですよ”
「オジサン! 当たる!!」
「おっと! ナビ、外すなよ!」
オジサンのかけ声に応えるように連装無反動砲が轟音を響かせ迫る塊を撃ち抜く。爆ぜるコンガラ、立ち昇る爆煙の八重垣、その垣根破って飛んできたのはコンガラではなく今度は重量級の車のような物体だった。
「何アレ!? 凄いの飛んできた!」
「なんつーもん投げてくんだ! ありゃトラクターだ! ぶち抜け!」
再び轟く無反動砲は精確無比にトラクターの機関部に命中し爆発し飛来するYANM◯Rの刻印が入ったボディパーツが目に入る。
「クソ、こんなところでヤン坊◯ー坊が敵に周ると思わなかったぜ。いつもテレビ見ててやったのによ!」
「何の話!?」
「なんでもねぇよ! それより捕まってろ、曲がるぞ!」
急カーブを曲がるかの如く飛来する鉄クズの塊を避け、再び逆方向にブレーキをかけて方向転換していく。被牽引車輌がありながらもこれ程の神がかったドライビングテクニックをみせるのはもちろんオジサンではなくナビの操縦によるものだ。精確無比な砲撃もナビによるものだ。オジサンは喚いて掴まっているだけである。
「ねぇオジサンあそこ見て、もの凄く大きいトラックがこっち来るよ」
「おっと、なになに、世界最大級ダンプカー『Belaz 75710』だそうだ」
アクタが指さす先には、『Belaz 75710』ベラルーシのBelaz社が誇る最大積載量496tの世界最大のダンプトラックが走っていた。全長20.6m、高さ8.16m、全幅9.87m、総重量360tを誇り、8個の巨大なタイヤによって出される最高速度は64km/hという途方もない規模のトラックであった。
「あのダンプカーくらい大きかったらスクラッパーなんてわけなさそうなのに」
「同士討ちでもさせようってか! ……ん? 待てよ」
「どしたの?」
「そうか、あのバカでかトラックのテリトリーに入ろう」
「え? 踏み潰されちゃうよ」
「まぁ、大丈夫だ。あの巨体じゃこのゴミ砂漠じゃ速度は出せないだろうしなんとかなるだろ。ナビ頼むぞ」
Belaz 75710に向けてハンドルを切りアクセルを全開にして突進しダンプカー械獣のテリトリーに侵入する。当然むこうはすぐさま異物の排除にこちらにその巨体を向けてくる。最高速度は早いとはいえ、足場の悪いゴミの大地では超重量級の車体は小回りはきかない。踏み潰されないよう接近し並走しスクラッパーの射線上にダンプカーを挟むよう回り込む。スクラッパーはお構いなしにコンガラ、圧縮ゴミ塊、、大型バイク、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、などなど手当たり次第にぶん投げ、雨あられと来るゴミの投擲は当然ダンプカー械獣に全て直撃していく。誰がどう見てもスクラッパーに攻撃されているのはダンプカー。投擲が効いてる様子は全くないが、とはいえさすがにキレたのかBelaz 75710はテリトリーに侵入したアクタ達より、スクラッパーへとヘイトを向けるとサーベルを刺され怒り狂った闘牛のように急発進。スクラッパーも何をトチ狂ったのか投擲を全て迫りくる猛牛に向けていた。重量360t、元々鉱山で岩石相手に商売しているダンプカーは下手な戦車よりもよほど分厚い装甲をもつ。なんせ歴史上現存した最重量級戦車でさえ190tもないのだ、ゴミの投擲など効くわけがない。Belaz 75710はその勢いのままスクラッパーを超重量級のタイヤによって蟻を踏み潰すよりもたやすくゴミの大地の下に沈めるのだった。
それをバックモニターで見ながらアクタ達はすでにそこそこの距離をとっていた。
「うまいこといったな」
「え、え? 本当に同士討ちさせちゃったの……」
「あいつら侵入者にやたら敏感だからな。攻撃されたら絶対反撃にでると思ったぜ」
「もう追ってこないのかな?」
「ま、そのうち復活するだろ。ゴミの寄せ集めが械獣になっただけだ。前にヘドロが固まってできた巨人の械獣も相手にしたことがある。似たようなもんだろ」
「オジサン凄い……」
「何言ってんだ。同士討ちはアクタ先生の立案じゃないですか。さ、ずらかるぜ」
そう応えて全速力でこの場を離脱するオジサンを見つめるアクタの目はまるで、テレビで活躍するスター選手や特撮ヒーローに憧れる少年少女の輝く瞳そのものであった。
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