砂漠と鋼とおっさんと

ゴエモン

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鋼と海とおっさんと

別れのチョークスリーパー

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 予想より早くジャノピーが戻ってきたのでハンニャンの街ではハンター活動に精をだして旅費を稼ぐことにする。雑魚機獣をメインにしたいが、いかんせんサンドスチームの周りは機獣がでなくなるので、これから向かうシャオプー側の密林で行う。
 決して中には入らないよう、密林外に出てくる好戦的な獲物を狩っていく。とっとこガブ太郎や野良ドローン、ハンニバルクイナなど密林はやはり機獣が多く、漏れ出るように出現するし飛び道具を持ってる敵も少ない。ヤバいのが出てきたらさっさと場所を変える。こうして効率良く狩ることができるのだ。

 
 考えようによってはいい狩り場だな。大地溝帯側から密林監視して、出てくる奴を遠距離から仕留めればいいんだもんな。

“出現ポイント決まってますし、ブローニングでピシピシ撃って回収するだけですからね。とっとこあたりはオーバーキルなんで、贅沢いえばスナイパーライフルが欲しいところですが“

 だよな~ こっちはせいぜい野良ドローンに気をつけていればいいだけだし。おぉっと、ハンニバルクイナ出現! 300cゲットだぜ!

“まんまゲームの金稼ぎですね”


……………………
 

 
 あっぶなかったーーー!

“まさか、ハンニバルクイナ回収中にデミピューマ、サーベルジャガー、ドラグノフフライ、マッスルゴリラが出てくるとは思わなかったですね”

 カノン砲ばら撒いてなんとか逃げれたけどな、あとコンマ5秒判断が遅かったらサーベルジャガーの爪がジャノピーに引っかかって……

 “そのまま倒されてたかもしれませんね”

 おーこわもう帰るわ。


 戦果
 とっとこガブ太郎 3体×50=150
 ポイズンアローフロッグ 2体×50=100
 野良ドローン 2体×50=100
 キラーキノボリカンガルー 1体×100
 テールガンパイソン 1体×100
 ヘラクレスオオカブトリッパー 1体×200
 ハンニバルクイナ 1体×300
 デミピューマ 1体×1,000c

 レンタル荷台1日400c×2日=-800

 計  2,250c

 残金 2,248c
 収支 4,498c


 こっから燃料とか弾薬引いたら2,000cないだろ? 生きるか死ぬかでコレって、やっぱり割合わないような気がするわ。

“今更なに言ってるんですか。ハンター始めた頃は1日100c稼ぐだけでもひぃひぃ言ってたじゃないですか”

 懐かしいなぁ、ワイルドエシャロット。こりゃ、そろそろジャノピーから装甲車にでも乗り換えかなぁ。

“1,000万の負債”

 そもそも俺のじゃねーし! ってかもう返したも同然だろ。後このままサンドスチームが新宿寄って、ピコピコっと資源とか物資の交易するだけで、1日でそれくらいの利益出るだろ。

 “それって取らぬ狸の──ですよ”

いや、もうホントそれ。何も言えんわ。


……………………



 無事ハンニャンの街へと帰還し、コソコソとアーパーやミコちゃんに見つからないようユニオンで獲物を現金化してから物資や燃料の補助をする。サンドスチーム内でもできるが割高だ。
 そういえば、あのア美肉に憧れたキカ○ダーな黒人はあの後どうなったのだろうかと、頭をよぎるが眼の前でミコちゃんとは違うタイプのメカロリ美少女ロボが燃料の補充をしていたことに気付き、見なかったことにする。
 さぁ、そろそろサンドスチームに戻ろうとすると、その美少女ロボが話しかけてくる。
 まるでプリンをちょんと触ってフルフルしたような可愛い声だ。


「あれぇ? オジサマこの前もここで燃料補充出なかったぁ?」

「人違いだ」

「うそぉ~だってぇ、前のメイプルにクールだぜ! って言ってくれたのオジサマだけだもーん。メイプル忘れないよぉ。

「人違いだと言ってるだろ」

「あ、プ~ロフェッサ~!」

「なっ⁉」

「あ、メイプルゥ~どっしたのぉ?」

「この人ぉ、ミコちゃん達の知り合い違ぅ?」

「人違いだぁ!!」

「錫乃介ではないか! 探したぞ。サンドスチームが来たんだからぁ、真っ先にミコちゃんのとこにぃ、ご挨拶ぅ? 来るかと思ったら、一向に来ないからどっかで死んだかまぁ仕方ないかと、待望んでいたのだぞ」

「それじゃ俺が死ぬのを待望んでいるように聞こえるじゃねえか」

「それもそうだな、アーパーちゃんだぁいしっぱぁーいだね♡ それはそうと話しがあるのだ」

「俺にはねえよ」

「そんなこと言わないでぇ☆彡 ほら家へ来なさい」 

「いや、あのさ、明日にはサンドスチーム出発するし、戻らなきゃ」

「ならば、明日まで語り合えるな。メイプルちゃんも来てぇ!」

「え~イクイクゥ! 今日はみんなでオールだね!」

「なんでだよ! こいつも中身ただのおっさんまでいかねえが男じゃねえか! だいたいオールだなんて今どきの嬢ちゃん使わねえぞ」

「いいではないか、みんな仲間ぁ♡」

「一緒にすんな! 地獄絵図じゃねえか!」

「はーいきーまり、燃料まんたーんドリンク! このバイクはメイプルが持つからぁ、ミコちゃんその人おねがーい☆」

「オッケ~♡ それじゃレッツラゴー☆」

「おい、はなせ! なにすんだ! チョークスリーパーすな……ぁ……」


……………………



 あぁ、もう調子悪っ! バカなのアイツら! もう酒飲んでオールなんてできる歳じゃねえんだよ俺は。

 “話しがあるなんて言ってただの酒盛りでしたね”

 あのメイプルなんて途中からエディ・○ーフィーみたいな喋りになってたしな。あれだけは面白かったけどよ。

 
 ミコちゃんに落とされた錫乃介は強制的に家へ拉致され、無理矢理ジャックダニエルを口に突っ込まれて目を覚めさせられ、そのままひたすら出発ギリギリまで飲まされる羽目になっていた。というより両者の頭を一升瓶を使ってどつき漫才のノリで殴りつけ、床に転がって爆笑しているところをどうにかこうにか逃げだした。殴られた二人はもちろん超硬メタルボディなため痛みなんてないはずなのに、レディに暴力ふるなんて、今度はウィスキー三本じゃ済まさないからねぇ(笑)と喚いていた。


 阿鼻叫喚とはこのことだな。さ、シャオプーまで寝るぞ俺は。

 “お疲れ様です”


 そして、サンドスチームは密林に伸びるシャオプーへの街道を走り始める。街道は脇から植物が根を張り侵食されているが、超重の船体で押し開き潰していく。しばらくすると、前時代に世界遺産でもあったギアナ高地にさしかかる。テーブルマウンテン、エンジェルフォールといった絶景。そして秘境を飛行する巨大機獣ケツアルコアトルと、威嚇砲撃をするサンドスチーム。そういったレアな光景を、錫乃介は再び二日酔い三日酔いで見過ごすことになり、それに気付いて地団駄を踏むなどのトラブルはあったものの、シャオプーへは無事辿り着くのであった。


残金3,980c
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