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ドブさらいの錫乃介漫遊記
可愛い見た目で実は獰猛
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元は同じ組織だったんですよ。本来はハンターユニオンと軍が創設される前にこの街を仕切っていた組織なんです。その頃はまだ機獣との戦いと街の防衛で手一杯でしたからね、住民に対してはそこまで荒ぶってはなかったんですが、ハンターユニオンと軍が組織されてから防衛が保たれるようになり、電子通貨が生まれました。そこから様子が変わって来たんですよ、今までの力の矛先がわからなくなったんでしょうね。
決定的だったのはグランド・リスボア・マカオのカジノ設備の復旧です。あれはこの街の経済を飛躍的に向上させた面もありますが、多くのならず者を生み出しました。そしてカジノを仕切っていた幹部のウマトラという男が手下を引き連れ分裂。カジノの運営を巡って小さな争いが頻繁に起き半分はセーベー組が取り戻し、現在はカジノの利権は二つに分かれ中立地帯の約定が結ばれています。
ですが、そこから先は転がり落ちる様に街の治安は悪くなりました。どちらかの組織に入らない限りはもう一方の組織に嫌がらせを受け最悪は潰されるというのが現在の有様です。
ええ、ハンターユニオンと軍は中立でなければならないのです。あくまでも相手は機獣であることが前提。もちろん街の治安も守らねばなりませんので、一般住民に被害が出るような目に余るような案件では動きますが、最近ではそのラインもどんどん後退していますな。というより、一般住民さえもどちらかよ組みされている状況です。
そうです、銃撃戦なんて日常になり、ユニオンや軍も麻痺しているのでしょう。もしかしたら、マフィア達に侵食されている可能性もありますね。嘆かわしいことです。
いえ、そんなこと言えた義理は私にはありません。なぜなら私はユニオンと軍の創立に関わった1人なんですから。
ええ、そうです。この世に生まれて とうに100年は過ぎておりますよ。見た目以上にジジイなんですよこの老ぼれは。このボディになったのも30~40年前です。とある人に換装していただきました。
え?ジャムカ、その名は……カルロスにジューダスをご存知ですか。はい、私の昔の仲間達です。ということは……。
「そうです、少しばかり前にポラリスに惚れらまして、ベッドに連れ込まれるわ何度も気絶させられるわで散々な目にあいましてね、アボォシッ!!」
「い、今ポラリス様が棍棒で錫乃介さんの頭をどつく幻影が……」
「幻影じゃないんですねこれが。今どこやらの高次元の別宇宙にいるらしいんですよ。何のことやらよくわかりませんけど。俺嘘言ってないんだけどな。まぁそんなことは置いといて、先程潮時と言ってましたがこのまま街を出ますか?船はマフィアに止められてて海路が使えませんが」
「このまま出て行くのは少々寝覚めが悪いですね。その前にこの街の風通しを良くしてからにしますよ」
そう言葉を締めると、今まで曲がりきっていた腰を真っ直ぐに伸ばし、スクッと立つと、先程までの穏やかな権爺の雰囲気が鋭くなる。
2人が話していた場所はハンターユニオンの屋上、受電設備のある鉄塔の真下であった。館内では裏切、盗聴、暗殺、の恐れがあるため、支部長には権爺の顔が効くこともあり、無理を言って人が居ない屋上を使わせてもらった。
「風通しってどうするつもりですか?」
錫乃介はジャノピーのリアボックスに忍ばせて置いたハートランドビールをラッパで飲みながら胡座をかいている
「両マフィアとカジノを壊滅させます。このポラリス様から譲り受けた刀で」
「まさか、チンピラ全員叩っ斬ろうなんて思ってません?」
「そのまさかですが」
錫乃介は飲んでいたハートランドを下に置くと、そのまま気を失って後ろに倒れそうになりながらも、なんとか上半身を起こす。
「権爺ってば脳筋!なんで、強い人ってみんなそうなの?
そんな無茶な……じゃなくて本当にできちゃうから困りものなんだよね、こういう人達って!」
「幾千幾万いようが、ご心配はかけませんよ」
「そういう問題じゃないんだよね!もういいよ、一宿一飯の恩義とやらをここで返しましょうかね」
「お代はもう貰ってますよ」
「たしかーに!でも、そうじゃない!」
グビリとハートランドを飲んで仕切り直すと、錫乃介は話しを続ける。
「いいですか、この街のマフィアの情報網は凄いんですよ。一晩で特定の人物の行動を把握してしまう。
理由は簡単。街の殆どの住民が目となり耳となりマフィアに情報を供給するからだ。ならばそれを逆手に取りましょう」
「どうするんです?」
「カジノは中立地帯という約定を結んでいると言いましたね。ということは両者にとってここが1番のウィークポイントなんです。そこをこんな風に……あーして……こーするんです」
「成る程。でもまだるっこしいですね、ここはやはり私が……」
「落ち着いて!何で昨日まで隠居してたのに突然やる気出すの?やる気じゃなくて殺る気の方!何かに火着いちゃったの?」
「機獣の頃の野生でしょうか?」
「何の機獣だったの?」
「アライグマです」
「あ~あかんわ、あれ獰猛」
その後何とか権爺を宥め言うことを聞いてもらった錫乃介は、作戦を実行するべく軽く変装をして街に繰り出す。アラブの男性がするクーフィーヤという頭巾の様な物を被り、布を前に顔を隠す姿は怪しさ極まりないが、そもそもこの世界は統一したファッションが無く、めちゃくちゃなので少々怪しいくらいは当たり前だ。むしろ短時間ではカラーくらいしか変えられないジャノピーの方が特定される恐れがあるのでユニオンに預けたままだ。
“で?なんでノーパンミニスカ卓球やってたんですか?”
作戦のうちだ。
“あんなアシモの出来損ないみたいなアンドロイドと卓球して楽しかったですか?”
それなりにな。
“悔しさの余り歯軋りしてません?”
気のせいだ。
“ノーブラ書道はマッチョなタンクトップなオヤジでしたね”
まぁ予想はしてた。
“作戦のうちですか?”
作戦のうちだ。
“悔しさの余り歯軋りしてません?”
気のせいだ。
“ビキニ茶道はちゃんとビキニ女性でしたよ”
ちょっとアレは引くレベルだ。ナイトメア・ビフォー・クリスマスのウギーブギーそっくりだったわ。
“リアルナイトメアが見れましたね”
上手いこと言わんでいい。
“悔しさの余り歯軋りしてません?”
気のせいだ。
“実演官能小説もちゃんと実演してましたね”
人妻の蜜壺舐めてたよな。
“クマのプーさんみたいなキャラがハチミツ舐めてただけのように見えましたが、作戦ですよね?”
作戦だ。
“悔しさの余り歯軋りしてません?”
気のせいだ。
“性的柔軟体操はどうします?”
もうええわ。
残金14,550c
決定的だったのはグランド・リスボア・マカオのカジノ設備の復旧です。あれはこの街の経済を飛躍的に向上させた面もありますが、多くのならず者を生み出しました。そしてカジノを仕切っていた幹部のウマトラという男が手下を引き連れ分裂。カジノの運営を巡って小さな争いが頻繁に起き半分はセーベー組が取り戻し、現在はカジノの利権は二つに分かれ中立地帯の約定が結ばれています。
ですが、そこから先は転がり落ちる様に街の治安は悪くなりました。どちらかの組織に入らない限りはもう一方の組織に嫌がらせを受け最悪は潰されるというのが現在の有様です。
ええ、ハンターユニオンと軍は中立でなければならないのです。あくまでも相手は機獣であることが前提。もちろん街の治安も守らねばなりませんので、一般住民に被害が出るような目に余るような案件では動きますが、最近ではそのラインもどんどん後退していますな。というより、一般住民さえもどちらかよ組みされている状況です。
そうです、銃撃戦なんて日常になり、ユニオンや軍も麻痺しているのでしょう。もしかしたら、マフィア達に侵食されている可能性もありますね。嘆かわしいことです。
いえ、そんなこと言えた義理は私にはありません。なぜなら私はユニオンと軍の創立に関わった1人なんですから。
ええ、そうです。この世に生まれて とうに100年は過ぎておりますよ。見た目以上にジジイなんですよこの老ぼれは。このボディになったのも30~40年前です。とある人に換装していただきました。
え?ジャムカ、その名は……カルロスにジューダスをご存知ですか。はい、私の昔の仲間達です。ということは……。
「そうです、少しばかり前にポラリスに惚れらまして、ベッドに連れ込まれるわ何度も気絶させられるわで散々な目にあいましてね、アボォシッ!!」
「い、今ポラリス様が棍棒で錫乃介さんの頭をどつく幻影が……」
「幻影じゃないんですねこれが。今どこやらの高次元の別宇宙にいるらしいんですよ。何のことやらよくわかりませんけど。俺嘘言ってないんだけどな。まぁそんなことは置いといて、先程潮時と言ってましたがこのまま街を出ますか?船はマフィアに止められてて海路が使えませんが」
「このまま出て行くのは少々寝覚めが悪いですね。その前にこの街の風通しを良くしてからにしますよ」
そう言葉を締めると、今まで曲がりきっていた腰を真っ直ぐに伸ばし、スクッと立つと、先程までの穏やかな権爺の雰囲気が鋭くなる。
2人が話していた場所はハンターユニオンの屋上、受電設備のある鉄塔の真下であった。館内では裏切、盗聴、暗殺、の恐れがあるため、支部長には権爺の顔が効くこともあり、無理を言って人が居ない屋上を使わせてもらった。
「風通しってどうするつもりですか?」
錫乃介はジャノピーのリアボックスに忍ばせて置いたハートランドビールをラッパで飲みながら胡座をかいている
「両マフィアとカジノを壊滅させます。このポラリス様から譲り受けた刀で」
「まさか、チンピラ全員叩っ斬ろうなんて思ってません?」
「そのまさかですが」
錫乃介は飲んでいたハートランドを下に置くと、そのまま気を失って後ろに倒れそうになりながらも、なんとか上半身を起こす。
「権爺ってば脳筋!なんで、強い人ってみんなそうなの?
そんな無茶な……じゃなくて本当にできちゃうから困りものなんだよね、こういう人達って!」
「幾千幾万いようが、ご心配はかけませんよ」
「そういう問題じゃないんだよね!もういいよ、一宿一飯の恩義とやらをここで返しましょうかね」
「お代はもう貰ってますよ」
「たしかーに!でも、そうじゃない!」
グビリとハートランドを飲んで仕切り直すと、錫乃介は話しを続ける。
「いいですか、この街のマフィアの情報網は凄いんですよ。一晩で特定の人物の行動を把握してしまう。
理由は簡単。街の殆どの住民が目となり耳となりマフィアに情報を供給するからだ。ならばそれを逆手に取りましょう」
「どうするんです?」
「カジノは中立地帯という約定を結んでいると言いましたね。ということは両者にとってここが1番のウィークポイントなんです。そこをこんな風に……あーして……こーするんです」
「成る程。でもまだるっこしいですね、ここはやはり私が……」
「落ち着いて!何で昨日まで隠居してたのに突然やる気出すの?やる気じゃなくて殺る気の方!何かに火着いちゃったの?」
「機獣の頃の野生でしょうか?」
「何の機獣だったの?」
「アライグマです」
「あ~あかんわ、あれ獰猛」
その後何とか権爺を宥め言うことを聞いてもらった錫乃介は、作戦を実行するべく軽く変装をして街に繰り出す。アラブの男性がするクーフィーヤという頭巾の様な物を被り、布を前に顔を隠す姿は怪しさ極まりないが、そもそもこの世界は統一したファッションが無く、めちゃくちゃなので少々怪しいくらいは当たり前だ。むしろ短時間ではカラーくらいしか変えられないジャノピーの方が特定される恐れがあるのでユニオンに預けたままだ。
“で?なんでノーパンミニスカ卓球やってたんですか?”
作戦のうちだ。
“あんなアシモの出来損ないみたいなアンドロイドと卓球して楽しかったですか?”
それなりにな。
“悔しさの余り歯軋りしてません?”
気のせいだ。
“ノーブラ書道はマッチョなタンクトップなオヤジでしたね”
まぁ予想はしてた。
“作戦のうちですか?”
作戦のうちだ。
“悔しさの余り歯軋りしてません?”
気のせいだ。
“ビキニ茶道はちゃんとビキニ女性でしたよ”
ちょっとアレは引くレベルだ。ナイトメア・ビフォー・クリスマスのウギーブギーそっくりだったわ。
“リアルナイトメアが見れましたね”
上手いこと言わんでいい。
“悔しさの余り歯軋りしてません?”
気のせいだ。
“実演官能小説もちゃんと実演してましたね”
人妻の蜜壺舐めてたよな。
“クマのプーさんみたいなキャラがハチミツ舐めてただけのように見えましたが、作戦ですよね?”
作戦だ。
“悔しさの余り歯軋りしてません?”
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“性的柔軟体操はどうします?”
もうええわ。
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