78 / 78
始まり〜シイ村
わたしっち妖精
しおりを挟む
初めての街は迷子になるので3人で手を繋ぐことになった。
左からシイ、エン、ソーマ。
なんで私が真ん中ではないのか、それはエンがそのようにしたからだ。
ソーマとエンが手を繋いでいるのってなんだか新鮮。
エンがドラゴンだってわかっているけど、見た目が子どもだからなのか、メンタル弱くなってるからなのか、むしろ手を繋ぐことを喜んでたな。
情緒不安定になっているソーマに、街案内してもらって、貴族街で買い物を堪能した。
といってもこれといって欲しいものはない。
シルクの生地より綿の方が好きだしね!
分厚い生地の綿布、麻布を大量に買って村にお土産にするんだ。
あとあと、チョコレートがあったよ。
高級だから貴族街にしかないんだね。
ひとつ食べてみたら苦かった。
チョコレートはミルクチョコレートに限る。
大量買いして溶かしてミルクとか砂糖とか入れて甘くしてやる!
「そういえばシイは、装飾品は身につけないの?」
貴金属店を覗きながら通り過ぎて、ソーマが聞いてきた。
エンも気になるのか、私を見る。
「うん、邪魔だからね」
「ピアスは邪魔にならないんじゃないかな?」
「うーん、体に穴を開ける抵抗感」
「そうか」
体に穴を開ける。
今の私の体は魔素なんで、全然平気っちゃ平気なんだけどね。
必要ないし、飾りたいとか思わないし。
「高ランクの冒険者って、何かの効果が付与されている装飾品をつけてるよね」
「シイは全く身につけてないの?」
「うん、そうだよ」
「すごいね、さすが妖精だ」
「私は特殊な妖精だからね。
飾る必要がないし、能力を盛っても意味ないし」
「そうかぁ。シイに何かプレゼントしたいと思っても難しいな」
「プレゼントなんて要らないよ。
元気にできるだけ長く生きていてよ。
それが私へのプレゼントだよ。
ソーマ、本当に気をつけてよね」
「ああ、すまん・・・・・・」
バシ!
私の代わりにエンがソーマの背中を叩いてくれた。
エンってちょー空気読めるんだね。
そのあとちょっと早めに高級レストランに行ってコース料理をいただいた。
ここでもソーマはたくさんお酒を飲んで心のうちを叫びだしたので、私たちのテーブルの周りにだけ防音魔法をかけた。
ローズがいかに良い女だったか。
だからこそ騙されて本当に辛い。
隷属も辛かったけど、ローズに騙されたことが1番辛いと子どものように泣いて、私たちはちょっと引いた。
もうあとはお酒飲みすぎてモゴモゴ言っていて、何を言ってるのかさっぱりわからなかったので、うんうんと相槌だけして美味しいサラダをおかわりして延々と食べてたよ。
「さあ、そろそろお仕置きタイムだよ。
覚悟はいい?
ローズとはお別れだよ」
「うーうえーん」
どんな返事なんだ。
わからない。
「明日はソーマのお店をみたいっていう口実でお店にたむろするからね。
毎日様子見に行くよ。
数日でローズとさよならだからね。
いい?いくよ?」
「えう」
よくわからない返事だけど、大きく頷いたので隷属の指輪の効果を戻した。
そして例のブラッキュキャップ作戦の魔法をかけた。
クリーン魔法でぐちゃぐちゃな顔だったソーマを綺麗にしてやると、死んだ目になって作り笑いを浮かべて気持ちの悪いソーマになった。
このままレストランを出て、ソーマの店に行った。
遠くからソーマが店に入り、ローズとハグしてチューしているのを見る。
ほっほーう。
濃厚に感染しましたねー!
お?さっそくくしゃみしているようです!
ソーマのお酒がまだ残っているし、ローズはなんだかくしゃみしちゃって体調崩したかもって感じになってるから、もうお店閉めようってことになったみたい。
ちょうど客がいなかったから店じまいはささっとしちゃって、さようならって、ローズが出てきた。
くしゅんくしゅん
げほげほ
ずるずる
時々大きなくしゃみで歩みが一瞬止まって体が跳ねた。
おうちまで無事に帰れるか心配になってきちゃったけど、どこかで見ていたお仲間さんがローズを支えて歩き出した。
おっとー!
伝染しましたよー!
お仲間さんも軽いくしゃみし始めた。
風邪かな?
なんて言ってる。
風邪ではありません。
呪いですよ。ふふふふふ。
ローズを家に送った後、お仲間さんは他のお仲間さんと合流。
どんどん伝染していって、今夜はくしゃみの合唱祭だ。
ひひひひひ。
左からシイ、エン、ソーマ。
なんで私が真ん中ではないのか、それはエンがそのようにしたからだ。
ソーマとエンが手を繋いでいるのってなんだか新鮮。
エンがドラゴンだってわかっているけど、見た目が子どもだからなのか、メンタル弱くなってるからなのか、むしろ手を繋ぐことを喜んでたな。
情緒不安定になっているソーマに、街案内してもらって、貴族街で買い物を堪能した。
といってもこれといって欲しいものはない。
シルクの生地より綿の方が好きだしね!
分厚い生地の綿布、麻布を大量に買って村にお土産にするんだ。
あとあと、チョコレートがあったよ。
高級だから貴族街にしかないんだね。
ひとつ食べてみたら苦かった。
チョコレートはミルクチョコレートに限る。
大量買いして溶かしてミルクとか砂糖とか入れて甘くしてやる!
「そういえばシイは、装飾品は身につけないの?」
貴金属店を覗きながら通り過ぎて、ソーマが聞いてきた。
エンも気になるのか、私を見る。
「うん、邪魔だからね」
「ピアスは邪魔にならないんじゃないかな?」
「うーん、体に穴を開ける抵抗感」
「そうか」
体に穴を開ける。
今の私の体は魔素なんで、全然平気っちゃ平気なんだけどね。
必要ないし、飾りたいとか思わないし。
「高ランクの冒険者って、何かの効果が付与されている装飾品をつけてるよね」
「シイは全く身につけてないの?」
「うん、そうだよ」
「すごいね、さすが妖精だ」
「私は特殊な妖精だからね。
飾る必要がないし、能力を盛っても意味ないし」
「そうかぁ。シイに何かプレゼントしたいと思っても難しいな」
「プレゼントなんて要らないよ。
元気にできるだけ長く生きていてよ。
それが私へのプレゼントだよ。
ソーマ、本当に気をつけてよね」
「ああ、すまん・・・・・・」
バシ!
私の代わりにエンがソーマの背中を叩いてくれた。
エンってちょー空気読めるんだね。
そのあとちょっと早めに高級レストランに行ってコース料理をいただいた。
ここでもソーマはたくさんお酒を飲んで心のうちを叫びだしたので、私たちのテーブルの周りにだけ防音魔法をかけた。
ローズがいかに良い女だったか。
だからこそ騙されて本当に辛い。
隷属も辛かったけど、ローズに騙されたことが1番辛いと子どものように泣いて、私たちはちょっと引いた。
もうあとはお酒飲みすぎてモゴモゴ言っていて、何を言ってるのかさっぱりわからなかったので、うんうんと相槌だけして美味しいサラダをおかわりして延々と食べてたよ。
「さあ、そろそろお仕置きタイムだよ。
覚悟はいい?
ローズとはお別れだよ」
「うーうえーん」
どんな返事なんだ。
わからない。
「明日はソーマのお店をみたいっていう口実でお店にたむろするからね。
毎日様子見に行くよ。
数日でローズとさよならだからね。
いい?いくよ?」
「えう」
よくわからない返事だけど、大きく頷いたので隷属の指輪の効果を戻した。
そして例のブラッキュキャップ作戦の魔法をかけた。
クリーン魔法でぐちゃぐちゃな顔だったソーマを綺麗にしてやると、死んだ目になって作り笑いを浮かべて気持ちの悪いソーマになった。
このままレストランを出て、ソーマの店に行った。
遠くからソーマが店に入り、ローズとハグしてチューしているのを見る。
ほっほーう。
濃厚に感染しましたねー!
お?さっそくくしゃみしているようです!
ソーマのお酒がまだ残っているし、ローズはなんだかくしゃみしちゃって体調崩したかもって感じになってるから、もうお店閉めようってことになったみたい。
ちょうど客がいなかったから店じまいはささっとしちゃって、さようならって、ローズが出てきた。
くしゅんくしゅん
げほげほ
ずるずる
時々大きなくしゃみで歩みが一瞬止まって体が跳ねた。
おうちまで無事に帰れるか心配になってきちゃったけど、どこかで見ていたお仲間さんがローズを支えて歩き出した。
おっとー!
伝染しましたよー!
お仲間さんも軽いくしゃみし始めた。
風邪かな?
なんて言ってる。
風邪ではありません。
呪いですよ。ふふふふふ。
ローズを家に送った後、お仲間さんは他のお仲間さんと合流。
どんどん伝染していって、今夜はくしゃみの合唱祭だ。
ひひひひひ。
10
お気に入りに追加
63
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
異世界最強の賢者~二度目の転移で辺境の開拓始めました~
夢・風魔
ファンタジー
江藤賢志は高校生の時に、四人の友人らと共に異世界へと召喚された。
「魔王を倒して欲しい」というお決まりの展開で、彼のポジションは賢者。8年後には友人らと共に無事に魔王を討伐。
だが魔王が作り出した時空の扉を閉じるため、単身時空の裂け目へと入っていく。
時空の裂け目から脱出した彼は、異世界によく似た別の異世界に転移することに。
そうして二度目の異世界転移の先で、彼は第三の人生を開拓民として過ごす道を選ぶ。
全ての魔法を網羅した彼は、規格外の早さで村を発展させ──やがて……。
*小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
退会済ユーザのコメントです
デルタ当局さま
感想有難うございます!嬉しいです。
自己満足で好き勝手にしてますドキドキ…文才ないからと開き直ってとにかく自由にいきます!これからもよろしくお願いします。