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始まり〜シイ村

復讐はご本人に

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早起き爺さん長老に、子どもの宿題を託して出発した。

森はまだ寝ている。
空は暗いけど、もう時期に陽が上りだんだん明るくなるだろう。

何故かわからないけど、空がだんだん明るくなるのが好きで、前世の朝は冬で真っ暗でも電気はつけたくなかった。
いつも家族の誰かがつけちゃうから、早く居なくなって欲しい、早く電気消したいって思ってた。
それに、カーテンを全開にして採光を最大限にしていたっけ。
ああ、思い出した。
わざとカーテンを開けたまま寝て、自然の光に優しく起こされるのが好きだったっけな。

前世とは違う朝の匂いを吸い込んでエンの背に乗る。
大型猫で行くよ。
このまま直線で行けば街ふたつを1日で行けるんだって。
だから、ふたつ目の街で一泊して、明日の昼頃到着すれば良いかなって感じ。
のんびり採集は魔法採集に切り替えてひたすら真っ直ぐ。
結構なスピードで何もかもがあっという間に通り過ぎていった。

一日中エンの背中に乗っていなきゃいけない私は、暇つぶしに『麗しの花園』を根絶する方法をもう一度考えた。

根絶=死

と考えていたのは妖精の本質だ。
元人間の私が人の死を願うなんてあり得ない。
死以外で彼らの活動を停止される方法を考え直したかった。

体調を悪くさせる。

ブラックキャップの呪いは接触感染、空気感染で、対象は彼ら。
改心したら顔に印を残して回復させてやろう。
そこは前回考えた方法と同じでいいよね。

具体的に体調悪くさせるって、何が良いかなぁ。

「エンは、体調悪くなったことある?」

「ないな」

「聞いた私がバカだった」

「ドラゴンでも状態異常になるやつは居るが、そいつらは軟弱なだけだ。
 エンシェントになるドラゴンは生まれた時から別格なのだよ」

「はあー、生まれた時からもう違うのね・・・・・・」

さすがっす!

「シイもそうであろう。
 こちらに生まれた時から、神に近い妖精だった」

「はあ!忘れてました。
 そうですね、こちらに生まれた時から・・・・・・そうだった・・・・・・」

赤ちゃんからじゃなかったから全然忘れてたけど、私もこちらに生まれた時から別格な存在だったわー。

「じゃーあー、体調が悪いって、何が1番辛いかな?」

「体が腐っていくヤツは死ぬまで辛そうにしていたな。
 食べてくれって言ってたが、腐ったものは食わんからな。
 死ぬまで観察してやったぞ」

うわぁ
せめて息の根を止めてあげてくださいよ。
泣くー!

「体が腐ったら、改心した時に再起できなくない?
 死ぬし、それは無しかな」

「軟弱だな」

「そうだよ、人間は軟弱な生き物なんだよ。
 下痢しただけで疲れるからね」

「辛さがわからぬ」

「教えてあげたーい」

胃腸炎になった時は上から下から大変なんだよね。
水ひとくちでトイレに駆け込むんだよ。
お腹痛くすると体全体が疲弊するし。

他は何かある?
辛い症状!

アレルギー!
これも辛いわー!
花粉症とかね!
くしゃみ鼻水咳、目のかゆみ、蕁麻疹も大変だよぉ。
全身痒い!
これも体力取られちゃうよね。

あとはー。
喘息?
息苦しい辛さ。
あ、これはダメかも。
下手したら呼吸困難でしんじゃうな、この世界の人たち。

死んだほうがマシだって思う辛い症状を負わせたいけど、死に直結するのは避けよう。

胃腸炎も最悪しんじゃうかもだけど、症状をあまり重くしなければ、大丈夫そうかな?

えっと、じゃあ、胃腸炎か、アレルギーかの2択にしよう!

ちなみに、エンはアレルギーの方が辛そうだって!

おバカな人間が全身の痒みで24時間泣き叫んでて、全身から血を流してたのを観察してたことがあるそうだ。
胃腸炎は休憩する間があるからその分アレルギーよりはマシだってさ。

なるほどね。

困ったなーどっちも辛いよ。

胃腸炎で休憩する時間があるなら反省する時間にもできそうだよね。
胃腸炎寄りかなー。

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