64 / 78
始まり〜シイ村
言葉は魔法の祖
しおりを挟む
言葉は魔法の祖。素?
どっちでもいいんだけど、言葉って、魔法だよね。
言葉ひとつで人に好かれたり嫌われたりするし、人のやる気を出したり減滅させたりする。幼児においては、言うことをきかせて、思い通りの行動をしてくれるかどうか。
魔法の言葉を言うのではなくて、言葉は魔法だから、細心の注意を払わなきゃいけないと思うよ。
「シイ様は我々が思い付かない言葉掛けをいつもされてますよね。
生まれ故郷ではそのような環境だったのですか?」
招待したギルマス御一行のひとり、孤児院スタッフさんだったナニー、マークが私の生まれ故郷に興味を持った。
子ども達はみんな午睡中。
数人いるナニーは子ども達の見守りにひとり残して交代で休憩中だ。
「うーん、全員が全員そうではないと思うけど、だいたいこんな感じだと思う」
私の言動は、むかーし、幼児教育学科で勉強して保育士として働いて培ったものだから、保育士はみんなだいたいこんな感じだと思うよ。
でも子どもについて勉強したことのない親はそうじゃないだろうからね。
説明が面倒くさくてマークの質問に適当に答えてしまった。
「では世界中の孤児たちがシイ様の故郷で生活できたら、みんな幸せになりますね」
「ふふふ」
マークの優しい笑みに私も微笑み返す。
そうだよね、もとの世界の日本だったら、一応最低限の衣食住と教育を受けられるよ。
「でもやっぱり、どんな環境であっても、子どもにはお母さんお父さんがいた方が良いと思うなぁ」
「そうですね・・・・・・」
この世界ではどうしても、戦争や犯罪、事故などで親をなくす子どもが多い。
うん、異世界あるあるだよね。
「この手は小さい。
出来ることをやるしかないんだよ」
村に日々増えていく孤児たち。
みんな受け入れていく。
ここにいるだけで彼らの笑顔はキラキラしているんだ。
それを見れば、私のやってることは間違ってはいないんだとわかる。
あとは、頼むよ、ナニーと家庭教師のみんな!
「私がここにいる間に、しっかり私がどう子どもたちに接しているか、よく見て真似して、習得してね」
「・・・・・・はい」
ところで、また算盤の話になるんだけど、簡単な足し算引き算をできるようになった子どもたち。
大人は桁の多い計算もできるようになったから、そろそろ掛け算と割り算を教えたいんだけど・・・・・・さすがの私もやり方を忘れてしまったのだよ。
微かな記憶でやり方を試行錯誤したけど嫌になってしまった。
ここはもうソーマにお願いするしかない!
早々に諦めてしまった私はギルド経由でソーマに算盤の教則本の写本を依頼した。
広場での紙芝居は話を変えてまだ続けている。
今は赤ずきんちゃんのお話だ。
親の言うことをきかずに勝手に寄り道して森に入って行ったら、こんなことになってしまうんだよって教訓だよね。
村にやってくる商人や冒険者も興味津々で子どもたちの輪に入って一緒に座って見ていると、話が終わった後に子どもたちに囲まれて冒険の話をせがませれていた。
商人はというと、算盤を買い求めに来てたりする。
うちの工作班が毎日ヒーヒー言いながら算盤の玉を作ってるよ。
あれは内職で作ってもらうようにどっかに頼んだほうが良い気がする・・・・・・ちょっと可哀想になってきた。
でもさ!私がでしゃばりすぎは良くないよね。
そろそろ自分たちで何をどうしいのか、みんなで相談して行動に移したら良いんだよ。
頑張ってくれ!
まだまだ村にいるつもりだけど、自立を促すように見守ることに徹する。
私の指示がないと何もできない野郎はこの村にいらないんだよ。
村ができてそろそろ半年が経つ。
神殿に行ってみよっかな~
どっちでもいいんだけど、言葉って、魔法だよね。
言葉ひとつで人に好かれたり嫌われたりするし、人のやる気を出したり減滅させたりする。幼児においては、言うことをきかせて、思い通りの行動をしてくれるかどうか。
魔法の言葉を言うのではなくて、言葉は魔法だから、細心の注意を払わなきゃいけないと思うよ。
「シイ様は我々が思い付かない言葉掛けをいつもされてますよね。
生まれ故郷ではそのような環境だったのですか?」
招待したギルマス御一行のひとり、孤児院スタッフさんだったナニー、マークが私の生まれ故郷に興味を持った。
子ども達はみんな午睡中。
数人いるナニーは子ども達の見守りにひとり残して交代で休憩中だ。
「うーん、全員が全員そうではないと思うけど、だいたいこんな感じだと思う」
私の言動は、むかーし、幼児教育学科で勉強して保育士として働いて培ったものだから、保育士はみんなだいたいこんな感じだと思うよ。
でも子どもについて勉強したことのない親はそうじゃないだろうからね。
説明が面倒くさくてマークの質問に適当に答えてしまった。
「では世界中の孤児たちがシイ様の故郷で生活できたら、みんな幸せになりますね」
「ふふふ」
マークの優しい笑みに私も微笑み返す。
そうだよね、もとの世界の日本だったら、一応最低限の衣食住と教育を受けられるよ。
「でもやっぱり、どんな環境であっても、子どもにはお母さんお父さんがいた方が良いと思うなぁ」
「そうですね・・・・・・」
この世界ではどうしても、戦争や犯罪、事故などで親をなくす子どもが多い。
うん、異世界あるあるだよね。
「この手は小さい。
出来ることをやるしかないんだよ」
村に日々増えていく孤児たち。
みんな受け入れていく。
ここにいるだけで彼らの笑顔はキラキラしているんだ。
それを見れば、私のやってることは間違ってはいないんだとわかる。
あとは、頼むよ、ナニーと家庭教師のみんな!
「私がここにいる間に、しっかり私がどう子どもたちに接しているか、よく見て真似して、習得してね」
「・・・・・・はい」
ところで、また算盤の話になるんだけど、簡単な足し算引き算をできるようになった子どもたち。
大人は桁の多い計算もできるようになったから、そろそろ掛け算と割り算を教えたいんだけど・・・・・・さすがの私もやり方を忘れてしまったのだよ。
微かな記憶でやり方を試行錯誤したけど嫌になってしまった。
ここはもうソーマにお願いするしかない!
早々に諦めてしまった私はギルド経由でソーマに算盤の教則本の写本を依頼した。
広場での紙芝居は話を変えてまだ続けている。
今は赤ずきんちゃんのお話だ。
親の言うことをきかずに勝手に寄り道して森に入って行ったら、こんなことになってしまうんだよって教訓だよね。
村にやってくる商人や冒険者も興味津々で子どもたちの輪に入って一緒に座って見ていると、話が終わった後に子どもたちに囲まれて冒険の話をせがませれていた。
商人はというと、算盤を買い求めに来てたりする。
うちの工作班が毎日ヒーヒー言いながら算盤の玉を作ってるよ。
あれは内職で作ってもらうようにどっかに頼んだほうが良い気がする・・・・・・ちょっと可哀想になってきた。
でもさ!私がでしゃばりすぎは良くないよね。
そろそろ自分たちで何をどうしいのか、みんなで相談して行動に移したら良いんだよ。
頑張ってくれ!
まだまだ村にいるつもりだけど、自立を促すように見守ることに徹する。
私の指示がないと何もできない野郎はこの村にいらないんだよ。
村ができてそろそろ半年が経つ。
神殿に行ってみよっかな~
10
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
ラック極振り転生者の異世界ライフ
匿名Xさん
ファンタジー
自他ともに認める不幸体質である薄井幸助。
轢かれそうになっている女子高生を助けて死んだ彼は、神からの提案を受け、異世界ファンタジアへと転生する。
しかし、転生した場所は高レベルの魔物が徘徊する超高難度ダンジョンの最深部だった!
絶体絶命から始まる異世界転生。
頼れるのは最強のステータスでも、伝説の武器でも、高威力の魔法でもなく――運⁉
果たして、幸助は無事ダンジョンを突破できるのか?
【幸運】を頼りに、ラック極振り転生者の異世界ライフが幕を開ける!
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
異世界最強の賢者~二度目の転移で辺境の開拓始めました~
夢・風魔
ファンタジー
江藤賢志は高校生の時に、四人の友人らと共に異世界へと召喚された。
「魔王を倒して欲しい」というお決まりの展開で、彼のポジションは賢者。8年後には友人らと共に無事に魔王を討伐。
だが魔王が作り出した時空の扉を閉じるため、単身時空の裂け目へと入っていく。
時空の裂け目から脱出した彼は、異世界によく似た別の異世界に転移することに。
そうして二度目の異世界転移の先で、彼は第三の人生を開拓民として過ごす道を選ぶ。
全ての魔法を網羅した彼は、規格外の早さで村を発展させ──やがて……。
*小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる