神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

始まり〜シイ村

不思議な村だよ

広場で紙芝居、計算を始めちゃったもんだから、村の評判がちょっと変化してきた。

以前は妖精の興した村とか、天国のような村とか、良いか悪いかと言ったら良い評判だったのだけれど、今は子どもの国とか、遊べる村とか･･････良いか悪いかで言ったら悪くはないんだけど！面白い村ってイメージになってきちゃったよね！？

悪くはないんだけど、不本意？



紙芝居が桃太郎しかなくて、毎日同じ話じゃ覚えちゃうし飽きてきちゃうだろうから、だんだん面白おかしく読み始めちゃったり、見ていた冒険者を捕まえて戦いの実演をしてもらったり、吉備団子のところは簡単な一桁の計算を増やしていったりしてみた。

子ども達はすっかり数字を覚えて、100玉そろばんで「10は1と9」っていうやつをやっている。
数日してからそれにアレンジを加えていく。
100玉そろばんの半分を隠して「10は1と何？」と考えさせる。

毎日何度もやっていれば子ども達も大人もみんな覚えてる。
そろそろ100玉そろばんのルーティンと短めに作ってしまって、あとは普通の算盤の出番かなと思う。



そんなことしてる間に、村にやってきた商人が紙芝居と100玉そろばんの買取を依頼してきたよ。
断る理由がないからね、高めに売っておいた。

商人が商人を呼んで、評判が評判を呼んだ。
下級貴族もやってくるようになったんだけど、それほど村は密になっていないのは、悪を弾く私の結界のお陰だ。

まぁ、結界の外でぎゃあぎゃあ五月蝿いんだけどね、仕方がないから結界の外に宿がわりの建物を建てといたよ。
目の前で魔物にやられてしまうのはさすがに見たくないよね。

あ、そうそう、女性のナニーも数名決まって、家庭教師も3名雇用しました！
家庭教師はまだ来たばかりだから私がやってるルーティンを覚えてもらって、ひとりひとつずつ特大100玉そろばんと普通の算盤、紙芝居をプレゼントした。

ナニーも家庭教師も、私の教育理念を理解してくれる人だ。
教育理念ってそんな大層なもんではないけども。
紙一枚に書ききれそうな少ないものだよ。

それでも私の理念はこの世界にはないものだから、彼らは度肝を抜かれたらしい。
そもそも幼児教育なんてこの世界では貴族社会にしかないしね！

理念を理解しても実践はまた別だから、私はずっと子ども達と生活をしている。
一緒に遊んで、一緒にご飯して、一緒に寝て、一緒にお風呂。

始めのうちは子どもの集団に自然に溶け込んでいて、孤児たちの一員だと思われてたよ。
だって彼らはみんなガタイが欧米サイズなんだもん。
10歳前後でもう150センチの身長。
私の小さい体はお子様サイズなのだ。

子ども達がナニーと家庭教師に慣れてきたところで、私は自分の体をこの世界の大人サイズにしてエプロンを着て登場。
徐々に体のサイズを大きくしていったから急に知らない人がいる！とかなったりもしていない。
いつの間にかお世話の大人がひとり増えていたって感じで。

そんな人がいつの間にか最初にいたナニーと家庭教師に指導なんかしちゃってて、子ども達も空気呼んで、彼らの上司だって思いはじめてたよ。