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始まり〜シイ村

開店準備するよ

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数日留守にすると長老に伝えた後、販売スペースを考えることにした。

宿泊施設と村人住居施設は馬車がすれ違うことができるくらいの広さ分建物が離れている。
そのふたつを繋ぐ渡り廊下を3階に作り、宿泊施設からは村人以外が出入りできないように自動ロックと、ドアが見えないように隠蔽魔法をかけた。
たとえドアが開いていても村人以外は通過できない。
1階から3階へは階段を設置。
さらに地下にも広い空間を作って、在庫はそこにたくさん収納。

1階の庭に面した方に入り口を作り、ちょっとしたテーブルとベンチを壁側に作った。
すぐ食べる人用だ。
そんな人いるかわからないけど。

カウンターは広めにして、商品は手に取って見て良い見本を壁に飾るように陳列した。

販売する商品はカウンター奥に山積みにする。
その山が減ってきたら、地下から補充する。
2階、3階は今のところ用途が何もなくて、とりあえず休憩所にしといた。

魔素ラーメンはケース買い、魔素スープはパック買いを想定。
それから、魔素ラーメンは3個セットでも買えるようにしようと思う。
魔素スープは1パックに5食分入っていて、1パックの大きさもラーメンと同じくらいだからね。あれをわざわざ開けて1個売りとか面倒だし、間違いがあったら困るよね。

価格はソーマが販売していた金額と同じにした。

魔素ラーメンケース販売
魔素ラーメン3個セット販売
魔素スープパック販売

子ども達は裏方やってもらうか。

・・・・・・長蛇の列になった時のために、伝票作っといて、客は名前と数字を記入してもらって、子ども達はその紙を見ながら商品の用意をして、受け渡しがすぐに出来るようにしておこう。

紙は回収して1日の合計を出すことができるね。
手元にある金額と販売数と一致するように経理やらせよう。
統計もとって、売れ筋ランキングをみたい。

混むかなー?

朝と夕方にオープンしようって思ってたけど、んー、客足が途切れたら一旦閉めて、時間に開けるって感じでいっかー。



この時間なら全員集合かけて良さそうだぞ。
村人全員で販売の練習だ!

最年少は3歳。
金魚のフンのように特定の人物から離れられないから、その子とペアでやってくれ。
無理してやらなくてもいいんだけど、やりたいって言うなら商品を運ぶのはできそうだよね。
おうちのお手伝い感覚でやってもらって、長くても1日1時間。
お小遣いもやってくれ。
弟子入りするような年齢の子はガッツリやってもいいしやらなくてもいいし。
君たちは自由だ。

子どもは裏方と、記入された伝票を受け取って裏方に渡す。

あ!ここで閃いた!魔道具!
伝票に番号をつけて客の順番を守る。
ケンカしないように、トラブル回避だ!

受け取った伝票を魔道具の口に入れると番号が記載される。
ついでに年月日と時間も。
こうすればさらに詳しい統計が出せるんじゃない?

あああ!
魔道具で金額も計算しちゃって、紙に記載しちゃえば!
計算間違いもないし、めちゃ早い対応できるじゃん!

おおおお?
こうすればいいよね?
魔道具の口に伝票を入れると、伝票は吸い込まれて、金額と番号が書かれた紙がペロッと出てくる。
控えというやつだ。
冒険者の中にも文字が書けない人がいるかもだからね。
伝票もイラスト入りだよ。
数字も書けなければ、欲しい数の線を書けば良し。
客は控えに書かれた金額を用意。
呼ばれたら控えと商品と交換だ。

口に入った伝票はそのまま飲み込んで、裏方にある対となる魔道具からさっきの伝票が出てくる。
裏方はそれを見ながら早く商品を用意できる!

いいねー!現代日本っぽい!

そんでもって、1日の終わりにっていうか、日付が変わったら統計もペロッと口から出してくれたらいいんだよ。
1日の売上数、売上金額、客が来る時間帯と人数の折れ線グラフなど。

じゃあ、右側入口で、左側出口。
入口にこの魔道具を置いて、横には説明できる子どもが立てばいいね。

よしよし。

暇そうな御一行も加えてみんなで練習だ。

晴れの日は外に伝票置こう。
魔道具に戸惑いながらもうまく店を回せた。
店番と客とメンバーを入れ替えて何度も繰り返した。

練習だからお金の実際のやり取りがないのでスムーズだった。

お金はねー、自販機みたいに自動化したいけど、自販機を初めてみた人が銅貨入れたのに銀貨入れたとウソ言ったりしたら困るからさ、やっぱりそこはコワモテの兄ちゃんにレジやってもらおう。

「みんなお疲れ様ー!交代してできるように覚えておいてね!
 お客様もご協力ありがとうございました!
 魔素ラーメンが出来上がってますので、どうぞお召し上がりください!
 今日はお礼のラーメンなので、非売品のお味あります!
 お好きなのをどうぞー!」

そう、魔素ラーメンは味1種類しか販売していない。
普通の醤油ラーメン。
色々味があるとね、色々面倒くさいじゃん。
ひとつでいい、ひとつで。
だから今日は非売品として、味噌味、カレー味、シーフードを出したよ。
ここで食べて、そして忘れてくれ。
欲しいと言っても出さないよ。
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