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始まり〜シイ村
慣れるしかない
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ソーマには急がないよってことと、日本語で書いてくれとお願いしてその場を去った。
日本語で書いた方が筆写が早いだろうし、万が一誰かが見ても日本語がわからないから盗むことができない。
ビル達ももちろん読むことができないから、その辺どうするかはソーマから写しを貰うまでに考えておけば良いよね。
あと、ソーマに支払う対価もどうしたらいいか考えなきゃ。
私が彼にあげた物資は膨大な量で利益も大きいのはわかるけど、レシピもまたとても貴重で利益は大きい。
天秤にはかけられないのでなかなか難しい問題だなー。
うちの村のレシピは門外不出ですって、してしまえば楽だけど、いつまでもそんなことが通用するかなぁ?
そう、私はいつまでもいつまでも村に居るつもりはないんだよ。
それから私は街にあるお花屋さん全店舗にまわって、店の在庫1/4くらいの量の苗と種を買い取り、また来るねと言って去った。
全店舗といっても9店舗で、店の在庫の半分は花束用の切り花だったから、村全体に植えるには全然足りない。
ま、徐々に彩よくしていこうってことで種も買ったし。
ついでに切り花も買ったからお部屋に飾ったり、食堂や村の入り口にも飾ると良いかもね。
そこは畑班に任せようかな。
あれ、畑班で大丈夫かな?
花もお世話できるのかな?
ふと過ぎった不安だったけど、一瞬のうちにポジティブ思考で振り払った。
そして花売りの少女からも籠全ての花を買い取ったよ。
計算ができないみたいだったから適当に多過ぎず少なくない金額を渡しておいた。
痩せこけた体に虫刺され、肌荒れ、土いじりした汚れのある見窄らしい子どもでも、笑顔は可愛いもんなんだね。
今日はお腹いっぱいご飯食べられるといいな。
こっそり少女にクリーンと治癒魔法をかけたけど本人は全然気づかなかった。
満面の笑みで手を振り去っていき、また振り返ってまた手を振ってくれた。
可愛いなぁ
うちの村に子どもがきたらいっぱい甘やかしたいなぁ
とはいえ、あの子は貧しい家庭のお子さんでした。
鑑定したらちゃんと親がいたよ。
職が安定してないみたいで収入が少なく食べて行くのでやっとの生活。
知ってしまうとなー!
私になにかできる力があるとなー!
放っておけない性分なもんで。
宿題としてお持ち帰りしまーす。
今日は街の滞在時間、1時間くらい。
すぐ帰るねって出て来たからそろそろ帰ろう。
門を出るとすぐに巨大化したエンに乗って数秒で村に到着、するはずだった。
帰り道でばったり村人の集団に出会したのだ。
「はあ!?」
この人数、もしかして、全員かな!?
「シイ様ーーーー!!!」
「俺たちの妖精ちゃーん!!!」
良い大人が泣いている。
私を求めているようだ。
「え、どうしたの?
まさかと思うけど、一応聞くけど、えっとえっと・・・・・・
もしかして私を迎えに来たの?」
みんな壊れんばかりに首を縦にぶんぶん振っている。
代表とばかりに長老が前に出てきた。
「探しにきたんですよ!心配だから!」
怒っているような、悲しんでいるような、なんとも言えない表情だった。
「その心配って、やっぱりさぁ、私がどこかへ行ってしまうのではっていう心配?」
「・・・・・・はい」
「正直でよろしい。
さ、帰るよ。
私の言葉を信じてよ、ね?」
っていうかさ、全員でくるってダメでしょ。
村を守る人がいないとさ・・・・・・まぁ魔法で守っているけれどもね、留守にしちゃいけないと思うよ。
それってこの世界の常識のはずだよね?
あー、世界の常識は盗賊の常識ではないのか。
そうか。
私と村に帰ることになって嬉し泣きをしている村人たち。
鼻水まで出していた。
男なら泣くなー!!!!
我慢ならない赤ちゃんのようだぞ、きみたち!
いい大人が幼児退行なんてやめてくれ。
妖精とは本来自由な存在なんだし、街に勝手に行くぐらいはドーンと受け入れてくれよ!
とにかく慣れてくれ!
変態は見たくないんだよ!
というようなことをグチグチ言いながら私はリヤカーに乗っかって、村人に引かれていた。
エンと一緒なら数秒で着いてしまう距離だけど、お説教のために彼らの歩みに合わせよ。
村に着く頃にはいつもの昼食の時間が過ぎてるだろうなぁ。
私は食べないから別に構わないけど、彼らはお腹すくだろうに。
どんだけ私に依存してるんだろうか。
元盗賊だとは思えない彼らだ。
村から街への移動時間を短縮したいね。
馬とかロバとか、荷馬車をひく家畜も手に入れるべきだろうか。
誰か風魔法使える人いなかったっけ?
家畜じゃなくてもタイヤのついた船の帆に風を当てて進ませてもいいと思うんだよね。
木工はーん!!!
違った
工作はーーーん!!!!
日本語で書いた方が筆写が早いだろうし、万が一誰かが見ても日本語がわからないから盗むことができない。
ビル達ももちろん読むことができないから、その辺どうするかはソーマから写しを貰うまでに考えておけば良いよね。
あと、ソーマに支払う対価もどうしたらいいか考えなきゃ。
私が彼にあげた物資は膨大な量で利益も大きいのはわかるけど、レシピもまたとても貴重で利益は大きい。
天秤にはかけられないのでなかなか難しい問題だなー。
うちの村のレシピは門外不出ですって、してしまえば楽だけど、いつまでもそんなことが通用するかなぁ?
そう、私はいつまでもいつまでも村に居るつもりはないんだよ。
それから私は街にあるお花屋さん全店舗にまわって、店の在庫1/4くらいの量の苗と種を買い取り、また来るねと言って去った。
全店舗といっても9店舗で、店の在庫の半分は花束用の切り花だったから、村全体に植えるには全然足りない。
ま、徐々に彩よくしていこうってことで種も買ったし。
ついでに切り花も買ったからお部屋に飾ったり、食堂や村の入り口にも飾ると良いかもね。
そこは畑班に任せようかな。
あれ、畑班で大丈夫かな?
花もお世話できるのかな?
ふと過ぎった不安だったけど、一瞬のうちにポジティブ思考で振り払った。
そして花売りの少女からも籠全ての花を買い取ったよ。
計算ができないみたいだったから適当に多過ぎず少なくない金額を渡しておいた。
痩せこけた体に虫刺され、肌荒れ、土いじりした汚れのある見窄らしい子どもでも、笑顔は可愛いもんなんだね。
今日はお腹いっぱいご飯食べられるといいな。
こっそり少女にクリーンと治癒魔法をかけたけど本人は全然気づかなかった。
満面の笑みで手を振り去っていき、また振り返ってまた手を振ってくれた。
可愛いなぁ
うちの村に子どもがきたらいっぱい甘やかしたいなぁ
とはいえ、あの子は貧しい家庭のお子さんでした。
鑑定したらちゃんと親がいたよ。
職が安定してないみたいで収入が少なく食べて行くのでやっとの生活。
知ってしまうとなー!
私になにかできる力があるとなー!
放っておけない性分なもんで。
宿題としてお持ち帰りしまーす。
今日は街の滞在時間、1時間くらい。
すぐ帰るねって出て来たからそろそろ帰ろう。
門を出るとすぐに巨大化したエンに乗って数秒で村に到着、するはずだった。
帰り道でばったり村人の集団に出会したのだ。
「はあ!?」
この人数、もしかして、全員かな!?
「シイ様ーーーー!!!」
「俺たちの妖精ちゃーん!!!」
良い大人が泣いている。
私を求めているようだ。
「え、どうしたの?
まさかと思うけど、一応聞くけど、えっとえっと・・・・・・
もしかして私を迎えに来たの?」
みんな壊れんばかりに首を縦にぶんぶん振っている。
代表とばかりに長老が前に出てきた。
「探しにきたんですよ!心配だから!」
怒っているような、悲しんでいるような、なんとも言えない表情だった。
「その心配って、やっぱりさぁ、私がどこかへ行ってしまうのではっていう心配?」
「・・・・・・はい」
「正直でよろしい。
さ、帰るよ。
私の言葉を信じてよ、ね?」
っていうかさ、全員でくるってダメでしょ。
村を守る人がいないとさ・・・・・・まぁ魔法で守っているけれどもね、留守にしちゃいけないと思うよ。
それってこの世界の常識のはずだよね?
あー、世界の常識は盗賊の常識ではないのか。
そうか。
私と村に帰ることになって嬉し泣きをしている村人たち。
鼻水まで出していた。
男なら泣くなー!!!!
我慢ならない赤ちゃんのようだぞ、きみたち!
いい大人が幼児退行なんてやめてくれ。
妖精とは本来自由な存在なんだし、街に勝手に行くぐらいはドーンと受け入れてくれよ!
とにかく慣れてくれ!
変態は見たくないんだよ!
というようなことをグチグチ言いながら私はリヤカーに乗っかって、村人に引かれていた。
エンと一緒なら数秒で着いてしまう距離だけど、お説教のために彼らの歩みに合わせよ。
村に着く頃にはいつもの昼食の時間が過ぎてるだろうなぁ。
私は食べないから別に構わないけど、彼らはお腹すくだろうに。
どんだけ私に依存してるんだろうか。
元盗賊だとは思えない彼らだ。
村から街への移動時間を短縮したいね。
馬とかロバとか、荷馬車をひく家畜も手に入れるべきだろうか。
誰か風魔法使える人いなかったっけ?
家畜じゃなくてもタイヤのついた船の帆に風を当てて進ませてもいいと思うんだよね。
木工はーん!!!
違った
工作はーーーん!!!!
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