上 下
36 / 78
始まり〜シイ村

粉物ってなに?

しおりを挟む
「昨日ぶり!今日も繁盛してるね!」

「やあ!今日も元気だね」

ソーマは昨日と同じ場所に居たけど、両隣に露店が出ていて挟まれていた。
ちょっと狭くなるけどソーマの隣に小さい椅子を出して、座らせてもらった。

「早速うどんを伝授してきたよ。
 料理のセンスのある村人が居てさ、もうバッチリよ。
 あー、試食のソーマの分、一杯もらってくれば良かったな。
 ごめん、食べにきてよ」

「さすが、やること早いね。
 うん、近いうちに、いや、早めにうどんを食べに行かなきゃな!」

今日もお仕事オフの日にしている冒険者達がたくさん来てソーマのインスタント商品をたくさんお買い上げしているようで、私も嬉しい。
ちょっと忙しそうだから早めに切り上げたほうがいいかな。

「今日はさ、お願いがあって来たんだ」

客がはけたところで会話を再開。
ボリュームを下げて話した。

「図書館の本をこれに写してもらえないかな?
 小麦粉を使ったいわゆる粉物レシピが欲しいんだ。
 村人の厨房班にレシピみて作れって投げたいんだ」

魔法で出した5mm方眼ノートと、羽ペンに見える偽装魔法を付与したシャーペンとシャー芯を渡した。

「ああ!これは!キュンパスのなめらか肌触りのノートじゃないか!うわぁ気持ちいいー!!!!」

ん?
ソーマはキュンパスのノートが好きなのか?
いくらでもノートあげるよー!
追加で10冊1セットを10セット渡した。
ソーマは遠慮なく受け取ってすぐさまバッグにしまったフリして収納していた。

「ノートありがとう!写本頑張るよ。
 粉物レシピ?」

「うん、粉物。
 うどんの汁の作り方も色々」

「こなもの・・・・・・あれ?こなもの?」

「一応言っておこっか。粉物の定義。
 小麦粉などの粉を材料に使った料理のことだよ。
 だから、お好み焼きもそうだし、うどんも粉から作ってるし、たこ焼きも!」

「おお!たこ焼きしたいね!」

「うんうん、したい!やろう!
 たこ焼きレシピも頼むよ。
 あとは、餃子もじゃん?皮が粉物だわ。
 そうすると、焼きそばとかパスタもそうだよね。
 マカロニもよろしく。保存食になるんじゃん?
 いいねー!
 あとは?」

「もんじゃ焼きもだね」

「もんじゃ焼きかー。
 あとは?」

「粉からってことはさ、パンもだよね。
 そうするとホットケーキとかクッキーもだね」

え、そうするとショートケーキもってことだよね。
本当にケーキも粉物に分類しちゃっていいのかな?
謎だ。
いや、奥が深い。
粉使ったらもう粉物。
え、本当に?なんだか頭が混乱してきたよ?
でも粉物定義でいうとそうなるし・・・・・・
ちょっと頭がパンクしそうなので考えるのやめやめ!

「ほーなるほど。その通りだね!
 小籠包とか、ナンもいいなぁ。
 あ、肉まん!あのふかふかな外側!
 食べたーい!」

「肉まんのふかふかはサイコーだよね!
 中華の極み!みたいな。
 え、でも待って!?
 この世界にそれ出して大丈夫?
 まだ柔らかパンが貴族でやっと浸透したくらいだよ」

そうだった、まだ市井では固いパンが主流。
そろそろ市井に降りてくるかな?みたいな状況だった。
しかも肉まんのふかふかは貴族でやっと浸透した柔らかパンよりもっと柔らかい。
大変な騒ぎになりそうだ。

「どうしよう。食べたいよ」

「肉まんだけは、シイの魔法で満足するしかないね。
 それか、先に貴族に出しちゃうかだね。
 そうなると王侯貴族と関わることになって、自由がなくなるかも」

「そうだねぇ・・・・・・どうしよ。
 やっぱり面倒かなぁ」

「すべての王侯貴族が面倒というわけではないと思うけど、下位貴族は間違いなく面倒が多いでしょうね」

「妖精だからってことでなんとかならんかな」

「どうだろうね。
 ま、しばらく村で静かに過ごしたいんだってことなら、今はまだ出さないほうがいいかもしれないよね」

「そっか。
 じゃ、今はやめておこう。
 ってことで、はい、肉まん」

かつてコンビニで食べた特撰肉まんあつあつを3個出してみんなで食べた。
本当に美味しいなぁ
肉まんのふかふかってどうやって作るんだろう?
そういえば、昔、中国人研修生が寮で中華まんを手作りしてた!
すごいよーほんと。

食べなくても生きていける体なのに最近は食べ物のことばっかりだなぁ

でもいくら食べても太らないのは良いね!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

悪役令息の三下取り巻きに転生したけれど、チートがすごすぎて三下になりきれませんでした

あいま
ファンタジー
悪役令息の取り巻き三下モブに転生した俺、ドコニ・デモイル。10歳。 貴族という序列に厳しい世界で公爵家の令息であるモラハ・ラスゴイの側近選別と噂される公爵家主催のパーティーへ強制的に行く羽目になった。 そこでモラハ・ラスゴイに殴られ、前世の記憶と女神さまから言われた言葉を思い出す。 この世界は前世で知ったくそ小説「貴族学園らぶみーどぅー」という学園を舞台にした剣と魔法の世界であることがわかった。 しかも、モラハ・ラスゴイが成長し学園に入学した暁には、もれなく主人公へ行った悪事がばれて死ぬ運命にある。 さらには、モラハ・ラスゴイと俺は一心同体で、命が繋がる呪いがオプションとしてついている。なぜなら女神様は貴腐人らしく女同士、男同士の恋の発展を望んでいるらしい。女神様は神なのにこの世界を崩壊させるつもりなのだろうか? とにかく、モラハが死ぬということは、命が繋がる呪いにかかっている俺も当然死ぬということだ。 学園には並々ならぬ執着を見せるモラハが危険に満ち溢れた学園に通わないという選択肢はない。 仕方がなく俺は、モラハ・ラスゴイの根性を叩きなおしながら、時には、殺気を向けてくるメイドを懐柔し、時には、命を狙ってくる自称美少女暗殺者を撃退し、時には、魔物を一掃して魔王を返り討ちにしたりと、女神さまかもらった微妙な恩恵ジョブ変更チート無限を使い、なんとかモラハ・ラスゴイを更生させて生き残ろうとする物語である。 ーーーーー お読みくださりありがとうございます<(_ _)>

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。 転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。 前世の記憶を頼りに善悪等を判断。 貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。 2人の兄と、私と、弟と母。 母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。 ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。 前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜

ゆずゆ
ファンタジー
※ 話の前半を間違えて消してしまいました 誠に申し訳ございません。 —————————————————   前世100歳にして幸せに生涯を遂げた女性がいた。 名前は山梨 花。 他人に話したことはなかったが、もし亡くなったら剣と魔法の世界に転生したいなと夢見ていた。もちろん前世の記憶持ちのままで。 動くがめんどくさい時は、魔法で移動したいなとか、 転移魔法とか使えたらもっと寝れるのに、 休みの前の日に時間止めたいなと考えていた。 それは物心ついた時から生涯を終えるまで。 このお話はめんどくさがり屋で夢見がちな女性が夢の異世界転生をして生きていくお話。 ————————————————— 最後まで読んでくださりありがとうございました!!  

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

異世界最強の賢者~二度目の転移で辺境の開拓始めました~

夢・風魔
ファンタジー
江藤賢志は高校生の時に、四人の友人らと共に異世界へと召喚された。 「魔王を倒して欲しい」というお決まりの展開で、彼のポジションは賢者。8年後には友人らと共に無事に魔王を討伐。 だが魔王が作り出した時空の扉を閉じるため、単身時空の裂け目へと入っていく。 時空の裂け目から脱出した彼は、異世界によく似た別の異世界に転移することに。 そうして二度目の異世界転移の先で、彼は第三の人生を開拓民として過ごす道を選ぶ。 全ての魔法を網羅した彼は、規格外の早さで村を発展させ──やがて……。 *小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。

処理中です...