異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる

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ぶらぶらしよう

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貧民街のボスがやられたことを兄ズも聞いた。
家から出るな、ギルドに避難するか、おろおろ落ち着きなく私に気をつけろと言いながら、いつものようにお仕事に出ていった。
兄ズも家にいた方がいいんじゃないのかな?
そう聞いてみたら、ギルマスに考えがあるみたいで、いつも通りの生活をしろと言われたんだって。

ギルマスは、兄ズ、私たち、家の3か所に護衛してくれる冒険者をつけてくれた。
こんなに手厚くしてくれる理由がわからない。
あ、アクセサリー泥棒の犯人を捕らえて、貴族の印象を良くしたいのかな。


食材は商業ギルドのマスターからいただいたのがまだたくさんあるから買いに行かなくていい。

家には結界が張ってあるから父親が侵入してくることもない。

このままずっと閉じ篭っていても問題ないけど、父親問題は解決しないよね。

ヤツは来たんだ。
近くにいるんだ。
もう私たちの家も見つかっているだろうな。

兄ズを狙うより私を狙った方が楽ちんだよね。
きっとこっちを狙ってるよね。

こっちは長期戦でもいいけど、寒いからあっちは短期決戦をご希望だろうな。

いつかは対峙しなくちゃならないのなら、今やるかな。

人物サーチを使う。
家の周りに6人いた。
これは護衛の冒険者だな。
寒いから大変だな。
彼らのためにもやはり早く解決したほうが良さそうだ。

周りの家の人もサーチにかかっている。
暖かいリビングに集まって朝食を摂る家族かな。
母親だろう人物がキッチンらしき場所からみんなが集まっているところへ行ったり来たり忙しなく動いている。
出勤していく人をお見送りする人。
通り過ぎる馬車。

特に不審な点はないようだ。
通りにも変な動きをする人はいない。

まだこっちに来てないのかな?
うーん、買い物にでも行って出てくるのを待つか。

ルドをカートに乗せて市場へ行く。
今日は奮発して美味しいお菓子を買っちゃうか。

冬の間は活気が薄いのは仕方ない。
店先に並ぶ食材は痛みにくくていい季節だけど、仕入れ値が高くなってしまうからか、食材の他にも手芸品が多く並んでいた。
あちこち見ていたらけん玉もあったよ。
冬のおもちゃとして大活躍のようだね。

パン屋でクッキーひと袋と、大きな白菜も買っといた。
まだ家にあったけど、鍋物したら白菜なんてあっという間に消費しちゃうからね。
カートに乗せて、今日はもう帰ろう。

不審人物は現れなかった。
私の不審人物の探し方が悪いのかも知れないけど、護衛してくれてる冒険者がちょっと離れたところからついてきてくれるのだけはわかった。

ちょっとお散歩がてら公園に遠回り。
ひと気が少ないところに行ったら姿を現すかもしれない?
寒いからひと少ないかと思った公園には子ども達が元気に走り回って遊んでいた。
そのまま公園を過ぎ去り、無駄にぶらぶらして帰る。

結局釣れなかったなー
と思いながら玄関ノブに手をかけようとしたら声をかけられた。

「妖精ちゃん、お父さんが帰ってきたよ」

振り返るとちょっと強そうな冒険者がいた。

鑑定してみると、父親だった。
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