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私は5才だから
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全集中の耳強化で、最近きた集団が犯人だってことがすぐにわかった。
同時にこの短期間で10人もの子どもが失踪していることもわかった。
奴らは攫った子どもたちを魔法でずっと眠らせて騒がないようにさせていたらしい。
だから助けを求める子どもの声が聞こえなかったんだ。
人物の特定まではまだできないけど、人物サーチでぴったり10人、ひとつの部屋に寝かされているのを感じることができた。
犯人はわかった。
場所もわかる。
でも、証拠がない。
私は5才の子どもだ。
ルドのお尻に治癒魔法をかけながらどうしたらいいか考える。
治癒魔法をかけるとルドは大人しくなる。
ニコニコいい表情になって手を伸ばしてくる。
私の治癒魔法はまだ完璧ではないから、ルドのお尻はまだ完治していない。私の治癒魔法は結構上達したと思うんだけど、それだけお尻の爛れ具合が酷かった。
たぶんやろうと思えば魔力の暴力で完治できちゃうんだ。
でもそうしないのは私の治癒魔法の訓練のためなのか、ルドをおとなしくさせる手段を残したいのか、秘密だ。
この危険な異世界で生きていくには治癒魔法は欠かせない。
早く習得したいな。
考え事しながらルドに離乳食を与えて、自分の食事を忘れた。
それでも耳強化はずっと続けていたら、奴らに動きがあった。
奴隷商人に攫った子どもを引き渡す日時の連絡を仲間にしていたのだった。
引き渡すまで子どもはずっと寝かせたままで、馬車の床下に寝かせて門を出るのだと。
普通の馬車に床下なんて隙間はない。
厚みがあれば怪しまれる。
一体どういう構造になっているのだろうか?
それについては普段使いの馬車だからか口にしないのでわからない。
兎に角、早く誰かに伝えよう。
引き渡しは明後日の午後で、馬車は明後日の朝に門を出る。
私はかくれんぼしてたらたまたま奴隷商人に引き渡す日時を聞いたってことにして、冒険者ギルドのギルマスに助けを求めることにした。
街の治安のことは警備兵に連絡すべきだと思うのだけれど、この辺の子どもたちはほぼ冒険者登録していて何かあればギルドへ相談するのが通常なのだ。
私もそれに倣ってギルマスへ。
「あのね、かくれんぼしてたの。そしたらね、おじさんがね、こう言ってたの。明日の夜子どもを馬車に乗せて、明後日出発、午後にいつもの場所で引き渡しだ。って」
「ん?誰かでかけるのかな?」
しまった。伝わってない。
「えっとねー、怖い顔のおじさんたちだよ。最近貧民街に来た人たち。コソコソしてたよ。いつもルドにおっぱいくれるおばちゃんの女の子もいなくなっちゃったの」
まだわかってくれないかな。
しょうがない、嘘つくか。
証拠がなければ作ってしまえ。
「おじさんたちのおうちの近くに隠れてたらね、助けて!って誰かの声が聞こえたんだよ。きっと誘拐されて閉じ込められてたのかも!ひとりじゃなかったと思う。たくさんの泣き声が聞こえたって思ったら、みんなすぐに泣き止んで、静かになっちゃった」
ここまで言えば動いてくれるはず。
どうだ?
「エラは、おじさんたちに見つかったか?」
「ううん、たぶん見られてないよ、かくれんぼしてたもん」
ギルマスが顎に手を当てて少し考え込むと大きく頷いた。
私の話を理解してくれたのだろうか?
「教えてくれてありがとう。ここ最近子どもの失踪届が相次いでてな、警備兵と連絡を取り合ってたんだ。もしかすると、そのおじさんたちは悪い人かもしれないから、馬車の検問を強化するよう警備兵に連絡しよう」
一応伝わったみたいだけど、検問強化で子どもを見つけられるのかな?
「エラは、万が一のことを考えて、今からこの建物からしばらく出ないでくれないか。部屋と食事を用意させるから。もちろんレオとユーリも一緒だ。部屋は4人一緒がいいか?」
「うん・・・・・・」
情報提供だけで保護されることになったみたい。
もう引き渡し日時が決まったんだから、もう誘拐されないんじゃないのかな?
大丈夫そうな気がするけどダメなのかな。
私は子どもだから大人に従おう。
あ、兄ズの剣。鞘もちゃんと作ったから明日から使ってもらいたかったんだけどな。
同時にこの短期間で10人もの子どもが失踪していることもわかった。
奴らは攫った子どもたちを魔法でずっと眠らせて騒がないようにさせていたらしい。
だから助けを求める子どもの声が聞こえなかったんだ。
人物の特定まではまだできないけど、人物サーチでぴったり10人、ひとつの部屋に寝かされているのを感じることができた。
犯人はわかった。
場所もわかる。
でも、証拠がない。
私は5才の子どもだ。
ルドのお尻に治癒魔法をかけながらどうしたらいいか考える。
治癒魔法をかけるとルドは大人しくなる。
ニコニコいい表情になって手を伸ばしてくる。
私の治癒魔法はまだ完璧ではないから、ルドのお尻はまだ完治していない。私の治癒魔法は結構上達したと思うんだけど、それだけお尻の爛れ具合が酷かった。
たぶんやろうと思えば魔力の暴力で完治できちゃうんだ。
でもそうしないのは私の治癒魔法の訓練のためなのか、ルドをおとなしくさせる手段を残したいのか、秘密だ。
この危険な異世界で生きていくには治癒魔法は欠かせない。
早く習得したいな。
考え事しながらルドに離乳食を与えて、自分の食事を忘れた。
それでも耳強化はずっと続けていたら、奴らに動きがあった。
奴隷商人に攫った子どもを引き渡す日時の連絡を仲間にしていたのだった。
引き渡すまで子どもはずっと寝かせたままで、馬車の床下に寝かせて門を出るのだと。
普通の馬車に床下なんて隙間はない。
厚みがあれば怪しまれる。
一体どういう構造になっているのだろうか?
それについては普段使いの馬車だからか口にしないのでわからない。
兎に角、早く誰かに伝えよう。
引き渡しは明後日の午後で、馬車は明後日の朝に門を出る。
私はかくれんぼしてたらたまたま奴隷商人に引き渡す日時を聞いたってことにして、冒険者ギルドのギルマスに助けを求めることにした。
街の治安のことは警備兵に連絡すべきだと思うのだけれど、この辺の子どもたちはほぼ冒険者登録していて何かあればギルドへ相談するのが通常なのだ。
私もそれに倣ってギルマスへ。
「あのね、かくれんぼしてたの。そしたらね、おじさんがね、こう言ってたの。明日の夜子どもを馬車に乗せて、明後日出発、午後にいつもの場所で引き渡しだ。って」
「ん?誰かでかけるのかな?」
しまった。伝わってない。
「えっとねー、怖い顔のおじさんたちだよ。最近貧民街に来た人たち。コソコソしてたよ。いつもルドにおっぱいくれるおばちゃんの女の子もいなくなっちゃったの」
まだわかってくれないかな。
しょうがない、嘘つくか。
証拠がなければ作ってしまえ。
「おじさんたちのおうちの近くに隠れてたらね、助けて!って誰かの声が聞こえたんだよ。きっと誘拐されて閉じ込められてたのかも!ひとりじゃなかったと思う。たくさんの泣き声が聞こえたって思ったら、みんなすぐに泣き止んで、静かになっちゃった」
ここまで言えば動いてくれるはず。
どうだ?
「エラは、おじさんたちに見つかったか?」
「ううん、たぶん見られてないよ、かくれんぼしてたもん」
ギルマスが顎に手を当てて少し考え込むと大きく頷いた。
私の話を理解してくれたのだろうか?
「教えてくれてありがとう。ここ最近子どもの失踪届が相次いでてな、警備兵と連絡を取り合ってたんだ。もしかすると、そのおじさんたちは悪い人かもしれないから、馬車の検問を強化するよう警備兵に連絡しよう」
一応伝わったみたいだけど、検問強化で子どもを見つけられるのかな?
「エラは、万が一のことを考えて、今からこの建物からしばらく出ないでくれないか。部屋と食事を用意させるから。もちろんレオとユーリも一緒だ。部屋は4人一緒がいいか?」
「うん・・・・・・」
情報提供だけで保護されることになったみたい。
もう引き渡し日時が決まったんだから、もう誘拐されないんじゃないのかな?
大丈夫そうな気がするけどダメなのかな。
私は子どもだから大人に従おう。
あ、兄ズの剣。鞘もちゃんと作ったから明日から使ってもらいたかったんだけどな。
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