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第三話
【23】
しおりを挟むわたくしの妹はわたくしの2歳下に生まれました。
可愛い可愛い天使のような妹は、両親から大変可愛がられ、誰よりも愛されました。
妹を愛した両親は妹の願いを全て叶えて上げました。
最初は純粋に『幼児の我が儘』でした。
何でもイヤイヤと嫌がる妹から嫌がる全てを遠ざけ、欲しがるものだけを両親は妹に与えました。
食べ物に始まり、使用人。そして姉。
自分の視界に嫌なものが映るのを嫌がる妹の為に、直ぐに妹だけの専用の家が建てられました。その家に入れるのは妹が大好きな両親と妹が気に入っている使用人だけ。
甘いお菓子と大好きな玩具。
美味しいジュースにフカフカのぬいぐるみ。
妹がお姫様の扱いを受ける“女王”として頂点に君臨するお城の完成です。かしずく両親はとても幸せそうでした。
わたくしは妹のお城から追い出された哀れな咎人?
妹は自分のお城の窓から外にいるわたくしを見つけてはよく両親と一緒にわたくしを指差して笑っていました。
「親に捨てられた可哀想なお姉さま!」
遠くから聞こえてくる妹の楽しそうな声はわたくしをいつも嘲笑っていました。
わたくしはそれを…………
全く羨ましいとは思いませんでした。
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