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序章

(七)ライの日記 その1

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 紙きれ一枚。
 これが届いたのは、今朝のことだった。差出人は魔狩協会本部。兄貴が帰ってくるはずだった日付は、もう三日前のことで。
 文面だけの謝罪。契約内容の羅列。

 いつかこんなときが来るんだろうな、と思っていた。
 けど、心のどこかで、そんな日なんか来ないんだって、根拠もなく信じていた。


 ごめん。兄貴。おれは最低だ。
 おれ、この紙きれを見たときに、いちばんに思っちゃったんだ。

 これからどうすればいいんだろうって。
 兄貴がいなくなった悲しみよりも先に、自分のことを考えた。

 ごめん、兄貴。
 なんて。
 あやまっても、もう届かないんだろうな。 
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