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第一部
第40話 妖精の恩返し
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「・・・セシリア様のお宅に伺った日の、翌々日だったと思います。新しい本を借りようと、王立図書館に向かいました。」
リリアーナが、ホープと出会った経緯を語り始めた。
記憶を辿ろうと斜め上を向く瞳は煌めき、頬は薔薇色。何か、緊張でもしているのだろうか。普段から、こんな風に潤んだ瞳と上気したような頬をしているなら、恐ろし過ぎる。意味ありげであろうとなかろうと、視線をちらとでも流せば、どんな男でもコロリと落ちるだろう、と思わせた。
桜貝のような爪先を軽く顎に当て、朱色の唇を開くさまは、精巧にできたお人形のようにも見えた。
「あの、令嬢がお出かけになるときに、誰か、騎士が付き添うって申し出ませんでした?」
オデイエがにっこり笑いながら、問いかける。
「いえ、特には・・・。」
「・・・カマユーのやつ・・・次に会ったら、消す・・・。」
オデイエが笑顔を貼り付けたまま、ロンサール伯爵邸警護に回っている騎士の名をぼそっと呟いた。
「図書館までもうすぐ、というところで、ベーカリー横の路地に、この子が座り込んでいるのが、見えました。声を掛けましたら、帰ってこないお母様を探して家を出たものの、帰り道がわからなくなり、一晩そこに座っていた、ということでした。
最初、治安隊の方にお願いしようと思ったのですが、ホープが、それだけは絶対にいやだ、と言いますので、一緒に家を探すことにいたしました。それで、時間はかかりましたが、日が沈む前に、こちらに辿り着くことができました。」
オデイエが笑顔を張り付けたまま、小さく震えながら呟く。
「・・・カマユー・・・次、鍛錬場で会ったら、叩き潰す・・・」
異論のある騎士は、この場にはいなかった。
「ねえねえ、リリー、これ読んで。」
ジュリアが甘えた声を出して、リリアーナの膝に上ろうとする。
「・・・・そうですね。・・お嬢さん、この子、お嬢さんに本を読んでもらうのが、本当に好きらしいんです。ちょっとお願いしても良いですか?」
「・・・ええ、もちろん。」
ニコールに言われ、リリアーナがふわりと笑って、それじゃあ、あそこの椅子で読みましょうか。と子ども達を連れ、離れていった。
ニコールが、リリアーナと子ども達が離れたのを目で追ってから、声を潜めて話し出した。
「こっちでは、最近、事件続きで、ホープの母親のメリルもいなくなったばっかりだっていうのに、ホープまで消えちゃったもんだから、周りの館の仲間も協力してくれて、大騒ぎで探していました。そこに、ホープが、品の良いお嬢さんと一緒に帰ってきたんです。しかも・・・」
ほうっとため息をついて、ジュリアを膝に乗せ、両脇にホープとジェームスを座らせ、絵本を読み聞かせているリリアーナの方を眩しそうに見やった。
四方を壁に囲まれ光の差さぬ家の中にあって、不思議なことに、その周りにだけ光が集まっているように見えた。
先ほど、あっさりとフードを脱いだリリアーナを目にした瞬間、どういう訳か、また世界が真っ白に染まった。・・・おかしい。これは何故だ。
おろしていた髪を纏めて結い上げている際には、胸苦しくて目の前が霞みだした。しばらくしてから、自分で息を止めていたことに気付いた。・・・おかしい。体力と気力には自信がある。何故こんな症状に見舞われるのか。
あの笑い方がいけない。
俺には一度たりとも向けられたことはないが、セシリアや、アリスタには向けられていた。今日はこの家の住人に向けて、乱発されている、あのふわっとした砂糖菓子を連想させる笑い方。
どうやら、あれを見ると呼吸を忘れ、目眩に襲われる。
それなら、見なければ良いものを、どういう訳か、それもできない。
そして、何故、伯爵令嬢が、あれほど家事の腕が立つ?
公爵邸や王宮で働く侍女の姿を目にはする機会は多い。注視しているわけではないが、あれほど手際の良い者は滅多に見ないように思う。
善い行いをした老人の家に、夜中、こっそり美しい妖精がやってきて、魔法のように仕事を終わらせてくれる、という童話があったように記憶しているが、リリアーナがあのほっそりした体で、神がかった手際の良さで、優美に立ち動く様子は、まさにそれであった。
子供達を並ばせて、恭しく言葉を並べている時など、胸を押さえて蹲りたくなった。・・・どこか悪いんだろうか?最近、多忙が過ぎたせいかもしれない。
しかも、彼女が作った料理は、どれも驚くほど美味かった。俺は、食べることに執着したこともなければ、喜びを見出したこともない・・・はずだったのに、口にすると気持ちが和らいで、この二週間余り、ずっと胸のあたりに重く立ちこめていた靄が消えて行くような気がした。
何故、扇より重い物は持たない筈の貴族令嬢が、めちゃくちゃ美味いメシを作る?
謎が、兎に角、謎が多すぎる。
それにしても、と思う。
今日は、迷いなくフードを脱いでいた。ずっと顔を隠しているわけではないのか。屋敷の中とその周辺で、屋敷に出入りする者の前でだけ、隠しているのだろうか。
そうだとしたら、危険過ぎる。騎士も連れずに一人で出歩いて、あの顔まで晒していたなら、今までよく無事だったものだ。
『タチの悪い男につきまとわれて、とか?』
オデイエが言っていた言葉が思い出された。・・・まさか、もう既に危ない目に遭っていたり・・しないだろうな。考え始めると、苛々と落ち着かない。今すぐ立ち上がって問い詰めたい衝動を、渾身の力で自制し、目の前の話に集中した。
「それで、お嬢さんが、送り届けてくださって。それでは、と帰ろうとなさったんですけど、そこでホープが、騒ぎ出しまして。」
母さんが帰ってくるまで、リリーと一緒にいたい、お願いだから帰らないで。と泣き出した。
「お嬢さんは、『では、明日また参ります。』と言って、帰って行かれました。そして次の日、玄関のチャイムが鳴るもんだから、ドアを開けたら―」
約束通り、そこにリリアーナが立っていた。
「それで、ここはまあ、騎士様もご存じの通りの場所ですから。それなりの、荒んだ暮らしをしていたんですが、お嬢さんがいらして、さっき騎士様たちもご覧になったでしょう。ここを、ひとかどの人間の住むところみたいに変えてしまったんです。・・・まるで、魔法みたいでした。」
ニコールが部屋を見回した後、心奪われた者の目で、リリアーナを見つめる。
「しかも、『もしも、ホープが必要だというなら、毎日参ります。』って言うじゃないですか。わたしたち、それだけは絶対にダメです、と言いました。どうしてもっていうなら、週に二回、火曜と金曜だけ、あたしとペネループが早帰りの日に交代で、王立図書館の前でお嬢さんと待ち合わせして、ここまで送ってきて、帰りも送って行くってことで、話がまとまりました。で、今日にいたるわけです。」
「・・・わかった。感謝する。」
彼女が一人でこの界隈を歩いているなど、想像するだけでぞっとした。不埒者と遭遇していたなら、間違いなく無事では済まなかっただろう。
カマユーの処分は後でゆっくり考えるとして、今は目の前のニコールとペネループに感謝せねばなるまい。
それと―――
「事件続き、と言うのは?」
ニコールは、ふっと吐き捨てるように笑った。
「そうですよ。最初が『フローラ』のマチルダ、次が『粉粧楼』のシャーリー、三番目がホープの母親で、わたしたちの仲間の『夕霧亭』のメリル、みんな、何の前触れもなく、突然いなくなっちゃったんです。」
騎士達と、視線が交差する。
もう、誰も笑っていなかった。
リリアーナが、ホープと出会った経緯を語り始めた。
記憶を辿ろうと斜め上を向く瞳は煌めき、頬は薔薇色。何か、緊張でもしているのだろうか。普段から、こんな風に潤んだ瞳と上気したような頬をしているなら、恐ろし過ぎる。意味ありげであろうとなかろうと、視線をちらとでも流せば、どんな男でもコロリと落ちるだろう、と思わせた。
桜貝のような爪先を軽く顎に当て、朱色の唇を開くさまは、精巧にできたお人形のようにも見えた。
「あの、令嬢がお出かけになるときに、誰か、騎士が付き添うって申し出ませんでした?」
オデイエがにっこり笑いながら、問いかける。
「いえ、特には・・・。」
「・・・カマユーのやつ・・・次に会ったら、消す・・・。」
オデイエが笑顔を貼り付けたまま、ロンサール伯爵邸警護に回っている騎士の名をぼそっと呟いた。
「図書館までもうすぐ、というところで、ベーカリー横の路地に、この子が座り込んでいるのが、見えました。声を掛けましたら、帰ってこないお母様を探して家を出たものの、帰り道がわからなくなり、一晩そこに座っていた、ということでした。
最初、治安隊の方にお願いしようと思ったのですが、ホープが、それだけは絶対にいやだ、と言いますので、一緒に家を探すことにいたしました。それで、時間はかかりましたが、日が沈む前に、こちらに辿り着くことができました。」
オデイエが笑顔を張り付けたまま、小さく震えながら呟く。
「・・・カマユー・・・次、鍛錬場で会ったら、叩き潰す・・・」
異論のある騎士は、この場にはいなかった。
「ねえねえ、リリー、これ読んで。」
ジュリアが甘えた声を出して、リリアーナの膝に上ろうとする。
「・・・・そうですね。・・お嬢さん、この子、お嬢さんに本を読んでもらうのが、本当に好きらしいんです。ちょっとお願いしても良いですか?」
「・・・ええ、もちろん。」
ニコールに言われ、リリアーナがふわりと笑って、それじゃあ、あそこの椅子で読みましょうか。と子ども達を連れ、離れていった。
ニコールが、リリアーナと子ども達が離れたのを目で追ってから、声を潜めて話し出した。
「こっちでは、最近、事件続きで、ホープの母親のメリルもいなくなったばっかりだっていうのに、ホープまで消えちゃったもんだから、周りの館の仲間も協力してくれて、大騒ぎで探していました。そこに、ホープが、品の良いお嬢さんと一緒に帰ってきたんです。しかも・・・」
ほうっとため息をついて、ジュリアを膝に乗せ、両脇にホープとジェームスを座らせ、絵本を読み聞かせているリリアーナの方を眩しそうに見やった。
四方を壁に囲まれ光の差さぬ家の中にあって、不思議なことに、その周りにだけ光が集まっているように見えた。
先ほど、あっさりとフードを脱いだリリアーナを目にした瞬間、どういう訳か、また世界が真っ白に染まった。・・・おかしい。これは何故だ。
おろしていた髪を纏めて結い上げている際には、胸苦しくて目の前が霞みだした。しばらくしてから、自分で息を止めていたことに気付いた。・・・おかしい。体力と気力には自信がある。何故こんな症状に見舞われるのか。
あの笑い方がいけない。
俺には一度たりとも向けられたことはないが、セシリアや、アリスタには向けられていた。今日はこの家の住人に向けて、乱発されている、あのふわっとした砂糖菓子を連想させる笑い方。
どうやら、あれを見ると呼吸を忘れ、目眩に襲われる。
それなら、見なければ良いものを、どういう訳か、それもできない。
そして、何故、伯爵令嬢が、あれほど家事の腕が立つ?
公爵邸や王宮で働く侍女の姿を目にはする機会は多い。注視しているわけではないが、あれほど手際の良い者は滅多に見ないように思う。
善い行いをした老人の家に、夜中、こっそり美しい妖精がやってきて、魔法のように仕事を終わらせてくれる、という童話があったように記憶しているが、リリアーナがあのほっそりした体で、神がかった手際の良さで、優美に立ち動く様子は、まさにそれであった。
子供達を並ばせて、恭しく言葉を並べている時など、胸を押さえて蹲りたくなった。・・・どこか悪いんだろうか?最近、多忙が過ぎたせいかもしれない。
しかも、彼女が作った料理は、どれも驚くほど美味かった。俺は、食べることに執着したこともなければ、喜びを見出したこともない・・・はずだったのに、口にすると気持ちが和らいで、この二週間余り、ずっと胸のあたりに重く立ちこめていた靄が消えて行くような気がした。
何故、扇より重い物は持たない筈の貴族令嬢が、めちゃくちゃ美味いメシを作る?
謎が、兎に角、謎が多すぎる。
それにしても、と思う。
今日は、迷いなくフードを脱いでいた。ずっと顔を隠しているわけではないのか。屋敷の中とその周辺で、屋敷に出入りする者の前でだけ、隠しているのだろうか。
そうだとしたら、危険過ぎる。騎士も連れずに一人で出歩いて、あの顔まで晒していたなら、今までよく無事だったものだ。
『タチの悪い男につきまとわれて、とか?』
オデイエが言っていた言葉が思い出された。・・・まさか、もう既に危ない目に遭っていたり・・しないだろうな。考え始めると、苛々と落ち着かない。今すぐ立ち上がって問い詰めたい衝動を、渾身の力で自制し、目の前の話に集中した。
「それで、お嬢さんが、送り届けてくださって。それでは、と帰ろうとなさったんですけど、そこでホープが、騒ぎ出しまして。」
母さんが帰ってくるまで、リリーと一緒にいたい、お願いだから帰らないで。と泣き出した。
「お嬢さんは、『では、明日また参ります。』と言って、帰って行かれました。そして次の日、玄関のチャイムが鳴るもんだから、ドアを開けたら―」
約束通り、そこにリリアーナが立っていた。
「それで、ここはまあ、騎士様もご存じの通りの場所ですから。それなりの、荒んだ暮らしをしていたんですが、お嬢さんがいらして、さっき騎士様たちもご覧になったでしょう。ここを、ひとかどの人間の住むところみたいに変えてしまったんです。・・・まるで、魔法みたいでした。」
ニコールが部屋を見回した後、心奪われた者の目で、リリアーナを見つめる。
「しかも、『もしも、ホープが必要だというなら、毎日参ります。』って言うじゃないですか。わたしたち、それだけは絶対にダメです、と言いました。どうしてもっていうなら、週に二回、火曜と金曜だけ、あたしとペネループが早帰りの日に交代で、王立図書館の前でお嬢さんと待ち合わせして、ここまで送ってきて、帰りも送って行くってことで、話がまとまりました。で、今日にいたるわけです。」
「・・・わかった。感謝する。」
彼女が一人でこの界隈を歩いているなど、想像するだけでぞっとした。不埒者と遭遇していたなら、間違いなく無事では済まなかっただろう。
カマユーの処分は後でゆっくり考えるとして、今は目の前のニコールとペネループに感謝せねばなるまい。
それと―――
「事件続き、と言うのは?」
ニコールは、ふっと吐き捨てるように笑った。
「そうですよ。最初が『フローラ』のマチルダ、次が『粉粧楼』のシャーリー、三番目がホープの母親で、わたしたちの仲間の『夕霧亭』のメリル、みんな、何の前触れもなく、突然いなくなっちゃったんです。」
騎士達と、視線が交差する。
もう、誰も笑っていなかった。
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