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初恋、やり直し
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その日、コンスタンスはいつものように庭に出ては遊ばず、家の中をウロウロしていた。
今日あたり、そろそろオレリアンが訪ねて来る頃だからだ。
いつも家族はコンスタンスが遊んでいる間に勝手にオレリアンを帰してしまうから、今日は待っていようと思ったのだ。
案の定家族はさっきから彼女を庭に追い出そうとしているけど、「その手には乗らないわ」とばかりにコンスタンスはスルーしていた。
オレリアンが来たら会わせて欲しいといつも言っているのに、両親も兄も、使用人たちまでも全く聞いてくれないのだから。
そんなそわそわと落ち着きのない主人を、リアは胡乱な目で眺めていた。
先日、目を離した隙にコンスタンスがオレリアンと接触してしまったのは自分の落ち度だ。
まさかあの夫が妻の姿を見たくて庭の中にまで忍び込んでいたなんて、以前の2人の関係を知っているリアからしたら思いもよらなかったのだ。
あの一年余りの結婚生活において、オレリアンは全くコンスタンスに興味を持っていないように見えたから。
「旦那様、今日も来るかしら」
目を輝かせてそう話す主人に、リアは冷たい目を向ける。
「いけませんよお嬢様。
旦那様より、お嬢様とヒース侯爵様を絶対会わせないようにと、きつく言いつかっておりますから」
リアの言う旦那様とは、もちろんルーデル公爵のことだ。
「私が旦那様に会うと、リアが叱られてしまうの?」
悲しげに眉尻を下げる主人に、リアはため息をついた。
「そういう問題ではありません、お嬢様。
記憶のないお嬢様にとって、侯爵様は赤の他人でございましょう?
旦那様はお嬢様が見知らぬ男性と接して傷ついたりしないようにと守っておいでなのですよ」
「傷つく…?
どうしてお父様は私が旦那様と会うと傷つくと思うのかしら。
だって旦那様はとっても優しい方だわ?」
キョトンと首を傾げるコンスタンスに、リアはさらに深いため息をつく。
「どうして記憶のないお嬢様に侯爵様がお優しいとわかるのです?」
「そんなのわかるわよ。
だって目がとっても優しいもの」
コンスタンスは先日庭で遭遇したオレリアンの蒼い瞳を思い出していた。
深い湖のような蒼い目は澄んでいて、優しくコンスタンスを見つめていた。
あの目でまた見つめられたい…、そう思ったら、ドキドキして、頬が火照るのを感じた。
この気持ちは、幼馴染のフィリップに対するものとは違う種類のものだ。
たしかにフィリップのことは好きだけれど、このドキドキは…。
(私多分、旦那様に恋してるんだわ)
知らず知らず口元を緩める主人を、リアは呆れたように…、そして困ったように眺めていた。
今日あたり、そろそろオレリアンが訪ねて来る頃だからだ。
いつも家族はコンスタンスが遊んでいる間に勝手にオレリアンを帰してしまうから、今日は待っていようと思ったのだ。
案の定家族はさっきから彼女を庭に追い出そうとしているけど、「その手には乗らないわ」とばかりにコンスタンスはスルーしていた。
オレリアンが来たら会わせて欲しいといつも言っているのに、両親も兄も、使用人たちまでも全く聞いてくれないのだから。
そんなそわそわと落ち着きのない主人を、リアは胡乱な目で眺めていた。
先日、目を離した隙にコンスタンスがオレリアンと接触してしまったのは自分の落ち度だ。
まさかあの夫が妻の姿を見たくて庭の中にまで忍び込んでいたなんて、以前の2人の関係を知っているリアからしたら思いもよらなかったのだ。
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「いけませんよお嬢様。
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リアの言う旦那様とは、もちろんルーデル公爵のことだ。
「私が旦那様に会うと、リアが叱られてしまうの?」
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「傷つく…?
どうしてお父様は私が旦那様と会うと傷つくと思うのかしら。
だって旦那様はとっても優しい方だわ?」
キョトンと首を傾げるコンスタンスに、リアはさらに深いため息をつく。
「どうして記憶のないお嬢様に侯爵様がお優しいとわかるのです?」
「そんなのわかるわよ。
だって目がとっても優しいもの」
コンスタンスは先日庭で遭遇したオレリアンの蒼い瞳を思い出していた。
深い湖のような蒼い目は澄んでいて、優しくコンスタンスを見つめていた。
あの目でまた見つめられたい…、そう思ったら、ドキドキして、頬が火照るのを感じた。
この気持ちは、幼馴染のフィリップに対するものとは違う種類のものだ。
たしかにフィリップのことは好きだけれど、このドキドキは…。
(私多分、旦那様に恋してるんだわ)
知らず知らず口元を緩める主人を、リアは呆れたように…、そして困ったように眺めていた。
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