さげわたし

凛江

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閑話その2

アメリアの初恋

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※アメリア15歳の頃のお話です。

◇◇◇

(あ、あのお花だわ)

王宮の回廊を歩いていたアメリアは、中庭の花壇に咲く花を見つめて小さく笑った。
黄色いおひさまのような、大輪の花。
あの日、あの方に差し出した花束は、あの方にぴったりなこの花が入っていたのだ。

(残念、間に合わなかったわ…)
そう呟きながらしょんぼりと中庭を眺めていたアメリアに、侍女たちのひそひそと囁き合う声が聞こえてくる。
「……陛下の……」
「……恋人じゃ……って……」

聞こえるか聞こえないか程の声で囁かれているのは、王家の養女に迎えられたアメリアが、実は国王の情婦なのではないかという浅ましい噂話だろう。

「王女様、そろそろ戻りましょう。王妃様が待ってらっしゃいますよ」
背後から声をかけられて振り返ると、アメリア付きの侍女ハンナがこめかみをひくひくさせながら、ひきつった笑顔を作っていた。

「王妃様が、王女様と一緒にお茶を飲みたいと首を長くして待っておられます。それに、ここは雀がうるさくてかないませんわ。追い払えないか、王妃様にご相談してみましょうか」
「ふふ、ハンナったら。そうね、行きましょう」
ハンナの必要以上に大きな声を聞いた侍女雀たちが、逃げるようにその場を去って行く。
いつも何も言わずに黙って我慢するアメリアの代わりに、こうしてハンナは怒ってくれるのだ。

ハンナは、アメリアがグレイ子爵家にいた時から一緒にいる侍女だ。
一年前王家の養女に迎えられた時、一番仲の良かった侍女をとグレイ子爵がつけてくれたのだ。
姉のような幼馴染のような存在のハンナは普段アメリアを『お嬢様』と呼んでいるが、こうして部屋の外にいる時は『王女様』と呼んでいる。
形の上では王女なのだから仕方がないが、一年経ってもそう呼ばれるのはなかなか慣れないアメリアである。

「お待たせして申し訳ありません、王妃様」
アメリアが謝罪すると、クラーク王の妃コーディリアは微笑んで首を横に振った。
「いいのよ、私が急に誘ったんだもの。実家から美味しいお菓子が届いたからエイミーと一緒に食べたいと思ったの。…それから、王妃様じゃないでしょう?エイミー」
「…はい、お義姉様…」
「ふふっ。さぁどうぞ」

コーディリアは自らお茶を淹れ、お菓子を取り分けてくれた。
白くて柔らかいお菓子は、口に入れたら甘さが広がって、すぐに溶けてしまう。
「美味しい…」
「そうでしょう?さ、たくさん召し上がれ」

「ところでエイミー。執務棟の方に行っていたんですって?珍しいわね、貴女が王妃宮から出るなんて」
「…ええ、その…」
コーディリアに興味深げに見つめられ、アメリアは少し恥ずかしそうに俯いた。

王妃宮とは、便宜上呼ばれている国王一家の私的な生活スペースである。
アメリアも王妃宮の中に自室を与えられていて、余程のことがない限りその宮から出ることはない。
自室の外に出るのさえ、国王一家と食事をしたり、王妃とお茶を飲んだり、その子どもたちと遊ぶ時くらいだ。
宮の中にさえいれば、嫌な噂も聞こえてこないし、冷たい視線に晒されることもなかったから。

そんなアメリアが王妃宮から出て執務棟の方に行ったというのだから、コーディリアも不思議に思ったのだろう。
コーディリアはアメリアが答えてくれるだろうと、彼女の言葉を待っているようだった。

「その…、新しくサラトガ家をお継ぎになった公爵様がいらっしゃっていると聞いて…、お見送りできたら、と思ったのです」
「サラトガ公爵に?エイミーは彼と知り合いなの?」

アメリアの返事を聞いたコーディリアは、ますます不思議そうに首を傾げた。
今回、滅多に王都に現れないサラトガ家の当主が王宮に来たのは、先日亡くなった父の跡を継いで公爵位を賜わるためであった。
アメリアとの接点はなかったはずだが、もしかしたら王家の養女に迎えられる前に何かあったのだろうか。
しかしアメリアは小さく微笑むと首を横に振った。

「いいえ、知り合いなどではありません。ただ、5年前にサラトガ騎士団が戦勝して王都に凱旋された時、私、小公爵様に花束をお渡ししたんです。今回久しぶりに王都へいらっしゃったとお聞きして、お見送りが出来たらと…」
「まぁ、もっと早く話してくれていれば、挨拶できるよう手配したのに」
「そんな、とんでもありません。私と会うだなんて、閣下にご迷惑をおかけしてしまいます。だいたい、閣下は私のことなど知りませんから。だから、王宮の窓からこっそりお見送りするつもりだったのです…」

「あら?あらあら、まあまあ…」
年頃の娘らしく頬を桃色に染めて唇を尖らせる義妹を、コーディリアは微笑ましく見つめた。
執務棟の奥に一際高い塔があるのだが、どうやらアメリアはその上からサラトガ公爵を見送ろうと考えていたらしい。

しかし、公爵に迷惑をかけるという言葉には眉をひそめた。
アメリアは自分が周囲の皆からどんな風に見られているか痛いほど理解している。
そんな自分がサラトガ公爵に言葉をかければ、彼の迷惑になると思ったのだろう。

「エイミー、ごめんなさいね。私ったら空回りばかりしてしまって…」
「そんな、おやめください、お義姉様。私は本当に幸せですから」
小さく微笑むアメリアを見て、コーディリアは唇を噛んだ。

彼女はこの義妹を本気で可愛いと思っている。
だからなんとか夫と義妹との醜聞を払拭できるよう手は尽くしているのだけど、王妃である自分が動けば動くほど、世間は穿った見方をするのだ。

コーディリアは小さくため息をつくと、アメリアにこう言った。
「そうね、せっかく二人きりなのだから、女子だけの、もっと楽しい話をしましょう」
今日は国王も王子たちもおらず、コーディリアとアメリア二人きりのお茶会だ。
「女子だけの話…、ですか?」
「ええ、そうよ。まず、花束を渡した時の話が聞きたいわ。何故、貴女がサラトガ小公爵に花束を渡す役目になったの?」
「…それは…」

◇◇◇

5年前、アメリアが10歳の時のことだ。

侵攻してきた隣国ソルベンティアを撃退したと国中が祝賀ムードになっていた時、王都にいる父のグレイ子爵が久しぶりに領地に帰ってきた。
そして、アメリアを伴い、すぐに王都に戻ると言い出したのだ。
グレイ子爵領から出たこともなくずっと家族からも放置されて育ったような末娘を連れて行くなど夫人も子どもたちも反対したが、グレイ子爵の決意は固いようだった。

アメリアは、父は好きだった。
王都での仕事があって子爵領にはほとんど戻って来なかったが、父だけは子どもたちを分け隔てなく可愛がってくれたから。
それに、父が戻ってきてしばらくは、アメリアに対する家族や使用人たちの態度も改善されているように感じた。
少し経つとまた戻ってしまうけれど。

初めて見る王都は煌びやかで、まるで、アメリアが好きな絵本の世界のようだった。
そして、アメリアは父と一緒にサラトガ騎士団の凱旋パレードを見学し、そこで、これまた絵本から飛び出したのではないかと思うような、少年を見つけたのだ。
馬上で一際輝いている騎士姿の少年…、サラトガ小公爵セドリック、その人である。

勇猛なサラトガ軍の先鋒隊を率いた若き小公爵がまだ17歳の少年だということは、世情に疎いアメリアの耳にも入っていた。

「あの方が、サラトガ小公爵様…」
まだ少し幼さを残しながらも大人たちに混じって堂々とした騎馬姿は眩しく、沿道に並ぶ若い娘たちも黄色い声援を送っている。
アメリアは声こそあげなかったが、その勇姿を目に焼き付けるがごとく、彼の姿が見えなくなるまでずっと見つめていた。

その後凱旋パレードが終わる頃、思いがけないことがあった。
公爵、小公爵を含むサラトガ騎士団の代表に、少女たちが花束を渡すイベントが企画されており、その少女の1人にアメリアが入っていると父に言われたのだ。

花束を渡す役目は、10歳前後の貴族令嬢たちから選ばれるのだという。
何故そんな大層なお役目に自分が選ばれたのかは知らないが、それを聞いたアメリアは、あの美しい貴公子様を間近で見れるのかと心が踊った。

父に集合場所に連れて行かれると、集まっていた令嬢たちの華やかさに気後れした。
ほとんどがおそらく上位貴族の令嬢たちなのだろう。
煌びやかなドレスに身を包み、幼いながらも、それぞれが牽制し合っている。

そして今彼女たちの最大の興味は、誰がサラトガ小公爵に花束を渡すのかということだ。
アメリアは絶対に自分だけはないと確信していたが、それでも、もう一度小公爵の姿が見られることに浮かれていた。

少女たちは一つ一つ花束を持たされ、一際立派な身なりの貴族男性に「君はサラトガ公爵様に、君はあの騎士に」と指示された。
そして男性はアメリアの前に立つと、何故か泣きそうな、それでいてとても優しい目で見つめてきた。

「君が、グレイ子爵家のアメリア嬢かな?」
「…はい」
「君は、サラトガ小公爵に花束を渡すんだ」

その瞬間、周囲からざわめきが起こる。
(何故あの子が⁈)
(子爵令嬢ごときがどうして⁈)
囁く声と嫉妬の眼差しにアメリアが怯みそうになる。
しかし男性は花束を持つアメリアの手に自分の手を重ねると、優しくこう言った。

「これは上で決めたことだから、君が遠慮することではないよ。胸を張って、堂々とお役目を果たしておいで」
「はい」
アメリアがにっこり微笑むと、男性はますます目尻を下げてアメリアの頭を撫でた。

凱旋パレードが終わり騎士たちが馬からおりてくると、少女たちはそれぞれ自分が決められていた騎士に花束を渡した。
アメリアもサラトガ小公爵の前に立ち、彼の前に花束を差し出す。

間近で見る小公爵はさらにカッコよくて、アメリアは舞い上がった。
真っ赤になって花束を渡したアメリアに、小公爵は屈んで彼女の目線に合わせ、恭しく花束を受け取った。

花束の中心は、まるで黄色い太陽のような小ぶりの向日葵だ。
「ありがとう」
微笑んでそう言うと、小公爵は優しくアメリアの頭を撫でてくれた。

たった、それだけのことだった。
しかし、田舎から出てきた僅か10歳の少女が淡い恋心を抱くには、十分な出来事だった。

かなり後になってわかったことだが、少女が花束を渡す差配をしていたのは、当時まだカルヴァン小公爵と呼ばれていた、先代王妃の兄…、つまり、アメリアにとっては伯父に当たる人であった。
名乗り合うことも手を差し伸べることも出来ないが、せめて妹の忘れ形見に華やかな舞台を用意してやろうという配慮だったのだろう。

◇◇◇

「まぁ…、そんなことがあったのね」
コーディリアは感慨深げにそう呟いた。
そして、やっぱりもっと早く聞いていれば、と悔しく思った。
直接会う段取りは難しくとも、偶然会って挨拶を交わすくらいのことならさせられたかもしれないのに。

コーディリアはこの義妹が可愛くて、そして可哀想で仕方なかった。
現国王の実妹という高貴な血が流れているにも関わらず、まるで娼婦のように悪意ある噂に晒される少女。
彼女自身には何の罪も無いのに、王家の秘密を一身に背負い、身を潜めるようにして生きているのだから。
それを助長してしまったのが、自分が愛する夫クラークだというのも腹が立つ。

僅か15歳にして、アメリアはすでに女性の幸せを諦めているように見える。
仲の良い国王一家の家庭を羨ましそうに眩しそうに眺めながらも、自分自身は恋も結婚も関係がないとばかりに、言葉の端々から伺えるのだ。

(アメリアを、幸せにしたい…)
それは、クラーク国王、カルヴァン公爵、そしてコーディリアの、願いである。

この小さなお茶会をきっかけに、アメリアの運命が大きく変わるなど、この時のアメリアはまだ知らない。

そしてその結果が吉と出るか凶と出るのかも…、誰もまだ、わからないのだ。


※次の更新までお時間いただきます。

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