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第七章 セドリック その四
(その頃の領都)⑤
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バンッ!!
突然扉が開かれ、男が数名部屋に入ってきた。
バーバラはその中の2番目に入ってきた男に目をやり、甲高い声を上げた。
「ああっ!マイロ!やっと帰ってきてくれたのね!」
あんなに待ち望んでいた愛息子マイロが帰って来たのだ。
バーバラは先頭の男を押し退けるようにして、マイロに思い切り抱きついた。
しかしマイロは体を固くしたままバーバラを抱き返してはくれず、それどころか押し返すようにして体を引き離された。
「…マイロ…?」
「母上、国王陛下の御前です。跪いてください」
「…国王陛下…?」
バーバラは顔を上げてマイロの背後に立っている人物に目をやった。
たしかに高貴な顔立ちをした青年だが、実はバーバラは現国王の顔を知らない。
絵姿は一度くらい見たことがあるが、年若い国王に興味もないので、顔など覚えていなかったのだ。
先代公爵と結婚する時報告のため王宮に出向いて挨拶はしたが、その時の国王は先代であった。
「何の冗談なの?マイロ。国王陛下がこんなところにいるわけないでしょう?」
「陛下は国境へ向かう途中でわざわざこちらに寄られたのです。母上、頭を、」
マイロが母の肩を押して跪かせようとするが、それでもバーバラはそのままの姿勢で疑問を口にした。
「何故…、陛下が…?」
「おかしなことを聞く。私を呼びつけたのはそなたであろう?」
国王だという男に冷ややかな視線で射られ、バーバラは肩をびくりと震わせる。
「サラトガ公爵家の次男が拉致されたから探せと、そなたが手紙で呼びつけたのであろう?だから私自ら近衛を従えてやってきたのだ。王家を守るべく鍛えられた、サラトガ騎士団にも負けず劣らず精鋭揃いの騎士団をな」
「あ…、それで、マイロを…?」
「さぁ、この次男は我が騎士団が到着する前に自力で帰って来たようだぞ」
国王はそう言うと僅かに口角を上げた。
しかし目は全く笑っておらず、バーバラは思わず固まった。
「つまり我が騎士団は用済みというわけだが…。それにしても、貴族家の息子を探すために王家が動かされたのは初めてだ。よっぽど偉いんだな、貴女は」
「あ…、あ…、」
バーバラはようやく国王の言わんとする意味に気づいてその場にくずおれた。
マイロが拉致された時には動転して、セドリックに書状を送ると共に国王宛てにも送ってしまっていた。
その時には王国軍もマイロ捜索に協力してくれることを当然だと思っていたのだが、落ち着いて考えれば国王に直訴など、とんでもなく不敬なことだ。
しかもそんなことは、その後すっかり忘れていた。
バーバラはその場にひれ伏し、床に額を擦り付けた。
「も、申し訳ございません!息子を拉致され、気が動転しておりました!愚かな母と思し召して、どうか寛大な御心で…」
「へぇ、まさか、アメリアを賊に拉致させたのも気が動転していたからだというのか?」
ピシリと部屋の空気が変わった。
即座に、マイロがバーバラに並んで跪いた気配がする。
バーバラは顔を上げることができず、ひれ伏したままその問いに答えた。
「アメリアを引き渡したのは賊に脅されたからにございます。言う通りにしなければマイロを…、我が息子の命を取ると脅され…」
「だがそなたはそれを独断で行った。マイロ拉致の時はセドリックと私にまで救援要請をしながら、今回は誰にも相談せず、独断で賊と通じた」
国王がすでに全て知っていることを理解し、バーバラはヒュッと息を吸った。
しかし、賊と通じたと思われてはかなわない。
バーバラは恐る恐る顔を上げた。
「恐れながら陛下に申し上げます。セドリックが戦に赴きマイロが拉致された今、私が言わば当主代理という立場に置かれておりました。私が決定するのは、筋が通ったことと思われます」
「へぇ、随分口が回るんだな。しかし現公爵夫人はアメリアだ。セドリックが不在の今、公爵家の指揮をとるのはアメリアだろう?」
「アメリアは、公爵家の家政に一切関与しておりません。それに、所詮は替えのきく嫁の命より、公爵家の血をひくマイロの命を優先するのは当然かと…」
「…は?アメリアは王女だぞ?」
国王の冷たい声が頭の上で響き、バーバラはピクリと肩を震わせた。
隣で同じようにひれ伏しているマイロからも、「母上、もうおやめください」という小さな声が聞こえてくる。
しかし、ここで怯むわけにはいかない。
あんな小娘のせいで、何も悪くない自分が罪を着せられるなんてバカバカしい。
「恐れながら、陛下もここであの者を切り捨てるのが上策かと」
「…ほう…?」
「口さがない者たちは、アメリアは陛下の特別な女性と噂しております。ここで陛下がサラトガ公爵家の息子よりアメリアの命を優先するようなことをおっしゃれば、世間はやはりあの者はただの養女ではないのだと信じましょう」
「その言い方は語弊があるな。アメリアは王家の養女になった時点ですでに特別な女性だ」
「しかし陛下が下げ渡された時点で、すでにアメリアは公爵家の女でございます。公爵家の役に立つのは当然のことと…」
「その方の話には矛盾がある。アメリアを公爵家の女…つまり公爵夫人と認めるなら、やはり当主代理はアメリアになる。その場合、命の…いや、命の重さの区別をどうこう言いたくはないが、あえてその方の論理に従うなら、まだ何の地位も持たぬ貴族家の次男坊より、王家から降嫁した公爵夫人の身の方が明らかに尊いだろう。それに、その方が言った『下げ渡す』という言葉も不敬であろう」
「……っ!」
バーバラは顔をさらに上げ、国王をキッと睨みつけた。
元は地方の弱小貴族の娘ごときが、自分が生んだ愛息子マイロより尊いと言われたのだ。
国王の情婦などと噂される淫らな女が。
「何故…、何故陛下は、飽きて下げ渡した情婦にそこまで拘られるのですか?養女とされたのは建前で、捨てるに捨てられずセドリックに押し付けたのではないのですか?」
「母上!」
蒼白になったマイロが、母の頭を掴んで床に押し付けるようにした。
「申し訳ありません、陛下!母は気が狂ってしまったようです!どうか母の代わりに、私に罰を与えてくださいませ!」
母の頭を押さえつけながら、自分の額を床に擦り付けて懇願する。
フッとため息を漏らすと、国王はひれ伏すバーバラの目の前に腰を屈めた。
それから、マイロとバーバラ、近衛騎士1人のみを残して人払いをした。
全員が扉の外に出たのを確認すると、国王はマイロたちに視線を落とす。
そして、「アメリアを貶めるような噂が立ったのは、全ては私の不徳の致すところだ」
と呟いた。
「アメリアは、遠縁の娘などではない。もちろん、私の情婦でも、愛人でもない。故あって世間に公表はしていないが、彼女は、私の実の妹なのだ」
「……っ⁈」
バーバラ、マイロが思わず顔を上げる。
「アメリアは、私の血を分けた…、たった1人の妹なんだ。これは、私の妃を含む、数人の者のみが知る事実だ」
マイロは目を見開いて国王を見上げた。
とても、冗談を言っているようには見えない。
「しかし、それなら何故、公表を…」
王妹なら、そう公表すればいい。
ランドル王国は一夫一婦制のため側妃は持てないが、それでも寵姫に庶子を生ませた国王はたくさんいる。
現に、先代国王には婚姻前からの愛人がいたとも噂されていたし、アメリアが庶子だと公表したところで、現国王の情婦だと噂されるよりよっぽどましだ。
マイロもバーバラも先代国王の崩御とアメリアの出生の間にあるタイムロスなど知らないため、王妹と聞けば当然先代国王の落とし胤だと考える。
それなのに何故王妹であることを公表しないのかと、かえって不思議に思った。
しかし、国王はバーバラにだけ視線をやると、冷たくこう言い放った。
「公表しない理由を、貴様が知る必要はない。アメリアが我が実妹であることを教えたのも、貴様にはもうそれを吹聴する術がなくなるからだ」
ヒュッとバーバラの喉が鳴る。
「私と血が繋がっていることは別としても、養女にした時点でアメリアは紛れもなく王女なのだ。先代サラトガ公爵夫人、王女を拉致させた貴様の罪は万死に値する。だが、長年に渡るサラトガ公爵家の王国への忠誠を慮って、命だけは助けてやろう。貴様はこの後、死ぬまで日の光の当たらない場所で、誰にも顧みられず生きていくがいい」
それだけ告げると、国王は立ち上がり、部屋を出て行った。
後には、バーバラの泣き叫ぶ声だけが部屋に響いていた。
突然扉が開かれ、男が数名部屋に入ってきた。
バーバラはその中の2番目に入ってきた男に目をやり、甲高い声を上げた。
「ああっ!マイロ!やっと帰ってきてくれたのね!」
あんなに待ち望んでいた愛息子マイロが帰って来たのだ。
バーバラは先頭の男を押し退けるようにして、マイロに思い切り抱きついた。
しかしマイロは体を固くしたままバーバラを抱き返してはくれず、それどころか押し返すようにして体を引き離された。
「…マイロ…?」
「母上、国王陛下の御前です。跪いてください」
「…国王陛下…?」
バーバラは顔を上げてマイロの背後に立っている人物に目をやった。
たしかに高貴な顔立ちをした青年だが、実はバーバラは現国王の顔を知らない。
絵姿は一度くらい見たことがあるが、年若い国王に興味もないので、顔など覚えていなかったのだ。
先代公爵と結婚する時報告のため王宮に出向いて挨拶はしたが、その時の国王は先代であった。
「何の冗談なの?マイロ。国王陛下がこんなところにいるわけないでしょう?」
「陛下は国境へ向かう途中でわざわざこちらに寄られたのです。母上、頭を、」
マイロが母の肩を押して跪かせようとするが、それでもバーバラはそのままの姿勢で疑問を口にした。
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国王だという男に冷ややかな視線で射られ、バーバラは肩をびくりと震わせる。
「サラトガ公爵家の次男が拉致されたから探せと、そなたが手紙で呼びつけたのであろう?だから私自ら近衛を従えてやってきたのだ。王家を守るべく鍛えられた、サラトガ騎士団にも負けず劣らず精鋭揃いの騎士団をな」
「あ…、それで、マイロを…?」
「さぁ、この次男は我が騎士団が到着する前に自力で帰って来たようだぞ」
国王はそう言うと僅かに口角を上げた。
しかし目は全く笑っておらず、バーバラは思わず固まった。
「つまり我が騎士団は用済みというわけだが…。それにしても、貴族家の息子を探すために王家が動かされたのは初めてだ。よっぽど偉いんだな、貴女は」
「あ…、あ…、」
バーバラはようやく国王の言わんとする意味に気づいてその場にくずおれた。
マイロが拉致された時には動転して、セドリックに書状を送ると共に国王宛てにも送ってしまっていた。
その時には王国軍もマイロ捜索に協力してくれることを当然だと思っていたのだが、落ち着いて考えれば国王に直訴など、とんでもなく不敬なことだ。
しかもそんなことは、その後すっかり忘れていた。
バーバラはその場にひれ伏し、床に額を擦り付けた。
「も、申し訳ございません!息子を拉致され、気が動転しておりました!愚かな母と思し召して、どうか寛大な御心で…」
「へぇ、まさか、アメリアを賊に拉致させたのも気が動転していたからだというのか?」
ピシリと部屋の空気が変わった。
即座に、マイロがバーバラに並んで跪いた気配がする。
バーバラは顔を上げることができず、ひれ伏したままその問いに答えた。
「アメリアを引き渡したのは賊に脅されたからにございます。言う通りにしなければマイロを…、我が息子の命を取ると脅され…」
「だがそなたはそれを独断で行った。マイロ拉致の時はセドリックと私にまで救援要請をしながら、今回は誰にも相談せず、独断で賊と通じた」
国王がすでに全て知っていることを理解し、バーバラはヒュッと息を吸った。
しかし、賊と通じたと思われてはかなわない。
バーバラは恐る恐る顔を上げた。
「恐れながら陛下に申し上げます。セドリックが戦に赴きマイロが拉致された今、私が言わば当主代理という立場に置かれておりました。私が決定するのは、筋が通ったことと思われます」
「へぇ、随分口が回るんだな。しかし現公爵夫人はアメリアだ。セドリックが不在の今、公爵家の指揮をとるのはアメリアだろう?」
「アメリアは、公爵家の家政に一切関与しておりません。それに、所詮は替えのきく嫁の命より、公爵家の血をひくマイロの命を優先するのは当然かと…」
「…は?アメリアは王女だぞ?」
国王の冷たい声が頭の上で響き、バーバラはピクリと肩を震わせた。
隣で同じようにひれ伏しているマイロからも、「母上、もうおやめください」という小さな声が聞こえてくる。
しかし、ここで怯むわけにはいかない。
あんな小娘のせいで、何も悪くない自分が罪を着せられるなんてバカバカしい。
「恐れながら、陛下もここであの者を切り捨てるのが上策かと」
「…ほう…?」
「口さがない者たちは、アメリアは陛下の特別な女性と噂しております。ここで陛下がサラトガ公爵家の息子よりアメリアの命を優先するようなことをおっしゃれば、世間はやはりあの者はただの養女ではないのだと信じましょう」
「その言い方は語弊があるな。アメリアは王家の養女になった時点ですでに特別な女性だ」
「しかし陛下が下げ渡された時点で、すでにアメリアは公爵家の女でございます。公爵家の役に立つのは当然のことと…」
「その方の話には矛盾がある。アメリアを公爵家の女…つまり公爵夫人と認めるなら、やはり当主代理はアメリアになる。その場合、命の…いや、命の重さの区別をどうこう言いたくはないが、あえてその方の論理に従うなら、まだ何の地位も持たぬ貴族家の次男坊より、王家から降嫁した公爵夫人の身の方が明らかに尊いだろう。それに、その方が言った『下げ渡す』という言葉も不敬であろう」
「……っ!」
バーバラは顔をさらに上げ、国王をキッと睨みつけた。
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「何故…、何故陛下は、飽きて下げ渡した情婦にそこまで拘られるのですか?養女とされたのは建前で、捨てるに捨てられずセドリックに押し付けたのではないのですか?」
「母上!」
蒼白になったマイロが、母の頭を掴んで床に押し付けるようにした。
「申し訳ありません、陛下!母は気が狂ってしまったようです!どうか母の代わりに、私に罰を与えてくださいませ!」
母の頭を押さえつけながら、自分の額を床に擦り付けて懇願する。
フッとため息を漏らすと、国王はひれ伏すバーバラの目の前に腰を屈めた。
それから、マイロとバーバラ、近衛騎士1人のみを残して人払いをした。
全員が扉の外に出たのを確認すると、国王はマイロたちに視線を落とす。
そして、「アメリアを貶めるような噂が立ったのは、全ては私の不徳の致すところだ」
と呟いた。
「アメリアは、遠縁の娘などではない。もちろん、私の情婦でも、愛人でもない。故あって世間に公表はしていないが、彼女は、私の実の妹なのだ」
「……っ⁈」
バーバラ、マイロが思わず顔を上げる。
「アメリアは、私の血を分けた…、たった1人の妹なんだ。これは、私の妃を含む、数人の者のみが知る事実だ」
マイロは目を見開いて国王を見上げた。
とても、冗談を言っているようには見えない。
「しかし、それなら何故、公表を…」
王妹なら、そう公表すればいい。
ランドル王国は一夫一婦制のため側妃は持てないが、それでも寵姫に庶子を生ませた国王はたくさんいる。
現に、先代国王には婚姻前からの愛人がいたとも噂されていたし、アメリアが庶子だと公表したところで、現国王の情婦だと噂されるよりよっぽどましだ。
マイロもバーバラも先代国王の崩御とアメリアの出生の間にあるタイムロスなど知らないため、王妹と聞けば当然先代国王の落とし胤だと考える。
それなのに何故王妹であることを公表しないのかと、かえって不思議に思った。
しかし、国王はバーバラにだけ視線をやると、冷たくこう言い放った。
「公表しない理由を、貴様が知る必要はない。アメリアが我が実妹であることを教えたのも、貴様にはもうそれを吹聴する術がなくなるからだ」
ヒュッとバーバラの喉が鳴る。
「私と血が繋がっていることは別としても、養女にした時点でアメリアは紛れもなく王女なのだ。先代サラトガ公爵夫人、王女を拉致させた貴様の罪は万死に値する。だが、長年に渡るサラトガ公爵家の王国への忠誠を慮って、命だけは助けてやろう。貴様はこの後、死ぬまで日の光の当たらない場所で、誰にも顧みられず生きていくがいい」
それだけ告げると、国王は立ち上がり、部屋を出て行った。
後には、バーバラの泣き叫ぶ声だけが部屋に響いていた。
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