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第八章 拉致、そして帰還
拉致
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「ん…っ」
目が覚めても、アメリアの世界は暗く閉ざされたままだった。
拘束されて以来、ずっと目隠しをされたままなのだ。
さすがに足の拘束は解かれたが、両手首は未だに縛られたままである。
(あれからどのくらい経ったの?…丸一日…ってところかしら…?)
見えないから確実ではないが、感覚的に、そのくらい時間が経っていると思われた。
(今は…、夜…?)
光の入らない暗い場所に閉じ込められているようだが、人の出入りや食事を与えられる間隔から昼夜くらいはなんとなく判別できる。
(意外に私、図太いのね。こんな環境で眠れるなんて)
そう心の中で呟くと、硬いベッドの上で寝返りを打つ。
目と両手は不自由だが、思っていたほど手荒な扱いは受けていないと思う。
粗末なパンなどではあるが食事も与えられ、それも残さず食べていた。
いざという時弱っていては逃げることも出来ないと思ったからだ。
あの日、目隠しされて手足を縛られ、袋のようなものに入れられたアメリアは、馬車や荷車に乗せられ、また、人に担がれてこの場所までやって来た。
食事をするためとは言え猿轡を外されたところを見ると、泣き叫んでも誰にも聞こえないような場所だということなのだろう。
ただ、公爵邸からそれほど離れてはいないと感じていた。
おそらく、領都の郊外の、山中に囚われているのだろう。
サラトガ騎士団の警備が厳しく、易々と領都から出ることが出来ないでいるといったところだろうか。
「…ずいぶん冷静なんだな」
皆から『頭』と呼ばれる、おそらく賊のリーダーらしき男に、到着早々そう言われた。
賊は、アメリアが泣き叫んで抵抗すると思っていたのだろう。
もちろん恐ろしいし、縛られていたため体中痛い。
いっそ気を失ってしまいたいくらいだが、それでも、ランドル王国の王女であり、『王国の盾』サラトガ公爵の妻であるという矜持が、今のアメリアを支えていた。
「なるほど。ランドル国王の寵姫だっただけあって美しいな。気の強そうなところも俺好みだ」
「…近づけば、舌を噛みます」
「お忘れかな?マイロ坊やの命は、まだ我が手の中にあることを」
おかしそうにそう話す『頭』の言葉を聞いて、アメリアは唇を噛んだ。
今のアメリアはまだ、自分が拉致されてすぐにマイロが解放されたことなど知らないのだ。
「…話が違います。私はマイロ様の身代わりのはずでは?なら、マイロ様は一刻も早く解放してくださいませ」
「まぁ、それはおいおいな。とにかく今はおとなしくしていることだ。暴れられて、傷でも作ると価値が下がるからな」
「価値…?私をどうするおつもりですか?」
そんなことを聞いても、もちろん『頭』はその答えはくれない。
「いずれわかることだ。俺たちは命令されただけだからな」
そう言うと、『頭』は世話係を置いて出て行った。
気配から、幸い世話係は女性のようだと感じられる。
しかしその世話係も他の賊たちも一切声は発さず、話をするのは日に何度かアメリアの様子を見にくる『頭』のみであった。
(…私なんかの誘拐を、誰が命令したのかしら…?)
それは拉致された時から考えていることだが、一向にアメリアにはわからない。
最初はただマイロの身代わりになっただけと思っていたのだが、『頭』の話の端々から、狙われていたのはアメリアの方だったのだと理解した。
しかし、不思議と絶望はしていなかった。
どのくらいかかるかはわからないが、何故か、助けが来てくれるような気がしていたのだ。
優秀な、武勇を誇るサラトガ騎士団が、きっとアメリアを見つけてくれる。
セドリックは今遠方で戦の最中だが、彼の育てた騎士団がきっと助けに来てくれる。
それは英雄の妻として騎士団から認められているからというのではなくて、仮にも領主夫人が賊に奪われるなんて、彼らの矜持が許さないだろうと思われたから。
とにかく、相手がどういう意図でアメリアを拉致したのかはわからないが、ここで変に刺激するより大人しく従った方がいい。
そうアメリアの本能が告げていた。
また『頭』の話から、『命令した人物』に引き渡されるまでは身の安全が保障されているとも言える。
(ハンナたちは大丈夫かしら…)
サラトガ邸に残してきた者たちに思いを馳せる。
皆は、アメリアがこうして無事でいることも知らない。
きっと、ものすごく心配していることだろう。
アメリアが拉致された時、皆それぞれ悲痛な叫び声をあげていた。
ずっと自分を卑下して生きてきたアメリアだが、今こうして思い返してみれば、皆が本気でアメリアを守ろうとし、そしていつも、彼女に好意を示してくれていたことがわかる。
(どうしてもっとみんなと、素直に向き合わなかったんだろう…)
侍女のハンナなど、心配でおかしくなってしまわないだろうか。
護衛のカリナは自分を責めて、やはりおかしくなってやしないか。
バート、エイベル、ソニアや、トマスや…。
それから、夜間学校の生徒たちのことも気がかりだ。
シオンが徴兵されてしまった今、アメリアまで抜けてしまったら教師陣が足りなくなる。
今は休校中だが、戦が終わり次第再開する予定だったのに。
(みんな、勉強が大好きなのに…)
気になると言えば、孤児院の子どもたちも気になるし、愛馬のコハクことだって気になる。
(それから…、閣下…)
アメリアはセドリックが国境から書き送ってきていた手紙を思った。
いつも簡素な手紙ではあったが、結びの一言には必ずこう書いてあった。
『早く帰って、貴女の笑顔が見たい』
(私は、そんなにあの方の前で笑っていたかしら…)
今更ながら、そんなことを思う。
自分が頑なな態度を崩さないため、ぎくしゃくしたままセドリックを戦場へ行かせてしまった。
(もっと…、閣下とお話しすればよかったわ…)
お茶に誘ってきたりデートに誘ってきたり、不器用ながらもセドリックはアメリアとの時間を持とうとし、その時間を大切にしてくれていた。
思えば、夜間学校も孤児院も、アメリアの思い通りに協力し、セドリックが与えてくれた居場所だ。
愛馬のコハクだって、本当は外に出るのが好きなアメリアのために、セドリックがプレゼントしてくれた馬だ。
最後に届いた手紙には、確かこう書いてあった。
『帰ったら、貴女と他愛のない話がしたい』
セドリックは一生懸命想いを伝え、アメリアの心に寄り添おうとしてくれている。
(私が穿った見方ばかりしていたから、閣下の言うことを信じることが出来なかった…。でも、あの方の話が全部本心なら…)
(考えても、わからないわ)
考え疲れたアメリアは、考えることを放棄した。
とにかく目まぐるしい展開で、頭も体も疲れている。
(夜が明けるまで…、もう少し眠ろう)
うとうとしかけたアメリアだが、しかしその直後、異様な気配に目を覚ました。
顔の周りに息遣いを感じ、また、足に触られている感触があったのだ。
(何…⁈気持ち悪い!)
飛び起きたアメリアの足首を、誰かの手が掴んだ。
(……っ!嫌っ!!)
目が覚めても、アメリアの世界は暗く閉ざされたままだった。
拘束されて以来、ずっと目隠しをされたままなのだ。
さすがに足の拘束は解かれたが、両手首は未だに縛られたままである。
(あれからどのくらい経ったの?…丸一日…ってところかしら…?)
見えないから確実ではないが、感覚的に、そのくらい時間が経っていると思われた。
(今は…、夜…?)
光の入らない暗い場所に閉じ込められているようだが、人の出入りや食事を与えられる間隔から昼夜くらいはなんとなく判別できる。
(意外に私、図太いのね。こんな環境で眠れるなんて)
そう心の中で呟くと、硬いベッドの上で寝返りを打つ。
目と両手は不自由だが、思っていたほど手荒な扱いは受けていないと思う。
粗末なパンなどではあるが食事も与えられ、それも残さず食べていた。
いざという時弱っていては逃げることも出来ないと思ったからだ。
あの日、目隠しされて手足を縛られ、袋のようなものに入れられたアメリアは、馬車や荷車に乗せられ、また、人に担がれてこの場所までやって来た。
食事をするためとは言え猿轡を外されたところを見ると、泣き叫んでも誰にも聞こえないような場所だということなのだろう。
ただ、公爵邸からそれほど離れてはいないと感じていた。
おそらく、領都の郊外の、山中に囚われているのだろう。
サラトガ騎士団の警備が厳しく、易々と領都から出ることが出来ないでいるといったところだろうか。
「…ずいぶん冷静なんだな」
皆から『頭』と呼ばれる、おそらく賊のリーダーらしき男に、到着早々そう言われた。
賊は、アメリアが泣き叫んで抵抗すると思っていたのだろう。
もちろん恐ろしいし、縛られていたため体中痛い。
いっそ気を失ってしまいたいくらいだが、それでも、ランドル王国の王女であり、『王国の盾』サラトガ公爵の妻であるという矜持が、今のアメリアを支えていた。
「なるほど。ランドル国王の寵姫だっただけあって美しいな。気の強そうなところも俺好みだ」
「…近づけば、舌を噛みます」
「お忘れかな?マイロ坊やの命は、まだ我が手の中にあることを」
おかしそうにそう話す『頭』の言葉を聞いて、アメリアは唇を噛んだ。
今のアメリアはまだ、自分が拉致されてすぐにマイロが解放されたことなど知らないのだ。
「…話が違います。私はマイロ様の身代わりのはずでは?なら、マイロ様は一刻も早く解放してくださいませ」
「まぁ、それはおいおいな。とにかく今はおとなしくしていることだ。暴れられて、傷でも作ると価値が下がるからな」
「価値…?私をどうするおつもりですか?」
そんなことを聞いても、もちろん『頭』はその答えはくれない。
「いずれわかることだ。俺たちは命令されただけだからな」
そう言うと、『頭』は世話係を置いて出て行った。
気配から、幸い世話係は女性のようだと感じられる。
しかしその世話係も他の賊たちも一切声は発さず、話をするのは日に何度かアメリアの様子を見にくる『頭』のみであった。
(…私なんかの誘拐を、誰が命令したのかしら…?)
それは拉致された時から考えていることだが、一向にアメリアにはわからない。
最初はただマイロの身代わりになっただけと思っていたのだが、『頭』の話の端々から、狙われていたのはアメリアの方だったのだと理解した。
しかし、不思議と絶望はしていなかった。
どのくらいかかるかはわからないが、何故か、助けが来てくれるような気がしていたのだ。
優秀な、武勇を誇るサラトガ騎士団が、きっとアメリアを見つけてくれる。
セドリックは今遠方で戦の最中だが、彼の育てた騎士団がきっと助けに来てくれる。
それは英雄の妻として騎士団から認められているからというのではなくて、仮にも領主夫人が賊に奪われるなんて、彼らの矜持が許さないだろうと思われたから。
とにかく、相手がどういう意図でアメリアを拉致したのかはわからないが、ここで変に刺激するより大人しく従った方がいい。
そうアメリアの本能が告げていた。
また『頭』の話から、『命令した人物』に引き渡されるまでは身の安全が保障されているとも言える。
(ハンナたちは大丈夫かしら…)
サラトガ邸に残してきた者たちに思いを馳せる。
皆は、アメリアがこうして無事でいることも知らない。
きっと、ものすごく心配していることだろう。
アメリアが拉致された時、皆それぞれ悲痛な叫び声をあげていた。
ずっと自分を卑下して生きてきたアメリアだが、今こうして思い返してみれば、皆が本気でアメリアを守ろうとし、そしていつも、彼女に好意を示してくれていたことがわかる。
(どうしてもっとみんなと、素直に向き合わなかったんだろう…)
侍女のハンナなど、心配でおかしくなってしまわないだろうか。
護衛のカリナは自分を責めて、やはりおかしくなってやしないか。
バート、エイベル、ソニアや、トマスや…。
それから、夜間学校の生徒たちのことも気がかりだ。
シオンが徴兵されてしまった今、アメリアまで抜けてしまったら教師陣が足りなくなる。
今は休校中だが、戦が終わり次第再開する予定だったのに。
(みんな、勉強が大好きなのに…)
気になると言えば、孤児院の子どもたちも気になるし、愛馬のコハクことだって気になる。
(それから…、閣下…)
アメリアはセドリックが国境から書き送ってきていた手紙を思った。
いつも簡素な手紙ではあったが、結びの一言には必ずこう書いてあった。
『早く帰って、貴女の笑顔が見たい』
(私は、そんなにあの方の前で笑っていたかしら…)
今更ながら、そんなことを思う。
自分が頑なな態度を崩さないため、ぎくしゃくしたままセドリックを戦場へ行かせてしまった。
(もっと…、閣下とお話しすればよかったわ…)
お茶に誘ってきたりデートに誘ってきたり、不器用ながらもセドリックはアメリアとの時間を持とうとし、その時間を大切にしてくれていた。
思えば、夜間学校も孤児院も、アメリアの思い通りに協力し、セドリックが与えてくれた居場所だ。
愛馬のコハクだって、本当は外に出るのが好きなアメリアのために、セドリックがプレゼントしてくれた馬だ。
最後に届いた手紙には、確かこう書いてあった。
『帰ったら、貴女と他愛のない話がしたい』
セドリックは一生懸命想いを伝え、アメリアの心に寄り添おうとしてくれている。
(私が穿った見方ばかりしていたから、閣下の言うことを信じることが出来なかった…。でも、あの方の話が全部本心なら…)
(考えても、わからないわ)
考え疲れたアメリアは、考えることを放棄した。
とにかく目まぐるしい展開で、頭も体も疲れている。
(夜が明けるまで…、もう少し眠ろう)
うとうとしかけたアメリアだが、しかしその直後、異様な気配に目を覚ました。
顔の周りに息遣いを感じ、また、足に触られている感触があったのだ。
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