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プロローグ
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王都の空に、教会の鐘の音が鳴り響く。
今、国の英雄と王女が結婚式を挙げたのだ。
新郎はランドル王国の国境を守る盾、サラトガ公爵セドリック。
長身で黒髪に藍色の瞳を持つ、容姿端麗な美青年だ。
新婦はランドル王国の王女アメリア。
銀髪に碧眼の、可憐な美少女である。
英雄と王女の結婚式を一目見ようと集まった民たちは皆、その美しい新郎新婦に熱狂し、祝福した。
しかしその祝福は実は、憐れみ、蔑みを含むものである。
彼らは皆興味深く見守っていたのだ。
この二人の結婚が、この先どのような話題を提供し、どのような結果をもたらすのかと。
◇ ◇ ◇
国境を守るサラトガ公爵セドリックはランドル王国の若き英雄だ。
約七年前と今回、隣国ソルベンティアが両国の協定を無視して攻めてきた時、彼が率いるサラトガ騎士軍が国境を守り抜いたからである。
前回の戦ではセドリックの父で先代公爵が指揮を執っていたが、セドリックは初陣にもかかわらず先陣を切ると名乗り出、華々しい活躍を見せたという。
今回の戦の折も、指揮官であるセドリック自らが先頭に立ち、獅子奮迅の活躍を見せた。
正に鬼神の如く戦う姿に部下たちも皆奮い立ち、ソルベンティア軍を追い払ったのだ。
そんな二度に渡って国境を守り抜いた英雄セドリックに、ランドル国王は褒賞として、自身の養女を贈ることにした。
セドリックの妻として、三年前に突然王が養女に迎え入れたアメリア王女を娶せたのである。
アメリア王女は御年十七歳。
流れるような銀髪に碧眼の、それは美しい少女であった。
またセドリックも戦場では鬼神に例えられるものの、その容姿はいたって端麗である。
スラリとした長身に黒髪の若き公爵は貴族令嬢たちの人気者で、令嬢たちは皆なんとか彼の瞳に映りたいと願ったものである。
しかし国境を守る任務にあたる彼は領地を離れることが少なく、王都に来ることもほとんどなかった。
彼と結婚したらその妻も領地で暮らすことになるだろう。
そのため都会の生活に慣れた令嬢たちが結婚相手として考えるには少々難しかったようだ。
また彼自身独身主義かと思うほど縁談に興味もなく、それ故二十四歳になる今まで独り身であった。
だが、今回の結婚は王からの褒賞であり、王命である。
セドリックは謹んでこの褒賞を受け、それによって、彼は国王の婿となることとなった。
今、国の英雄と王女が結婚式を挙げたのだ。
新郎はランドル王国の国境を守る盾、サラトガ公爵セドリック。
長身で黒髪に藍色の瞳を持つ、容姿端麗な美青年だ。
新婦はランドル王国の王女アメリア。
銀髪に碧眼の、可憐な美少女である。
英雄と王女の結婚式を一目見ようと集まった民たちは皆、その美しい新郎新婦に熱狂し、祝福した。
しかしその祝福は実は、憐れみ、蔑みを含むものである。
彼らは皆興味深く見守っていたのだ。
この二人の結婚が、この先どのような話題を提供し、どのような結果をもたらすのかと。
◇ ◇ ◇
国境を守るサラトガ公爵セドリックはランドル王国の若き英雄だ。
約七年前と今回、隣国ソルベンティアが両国の協定を無視して攻めてきた時、彼が率いるサラトガ騎士軍が国境を守り抜いたからである。
前回の戦ではセドリックの父で先代公爵が指揮を執っていたが、セドリックは初陣にもかかわらず先陣を切ると名乗り出、華々しい活躍を見せたという。
今回の戦の折も、指揮官であるセドリック自らが先頭に立ち、獅子奮迅の活躍を見せた。
正に鬼神の如く戦う姿に部下たちも皆奮い立ち、ソルベンティア軍を追い払ったのだ。
そんな二度に渡って国境を守り抜いた英雄セドリックに、ランドル国王は褒賞として、自身の養女を贈ることにした。
セドリックの妻として、三年前に突然王が養女に迎え入れたアメリア王女を娶せたのである。
アメリア王女は御年十七歳。
流れるような銀髪に碧眼の、それは美しい少女であった。
またセドリックも戦場では鬼神に例えられるものの、その容姿はいたって端麗である。
スラリとした長身に黒髪の若き公爵は貴族令嬢たちの人気者で、令嬢たちは皆なんとか彼の瞳に映りたいと願ったものである。
しかし国境を守る任務にあたる彼は領地を離れることが少なく、王都に来ることもほとんどなかった。
彼と結婚したらその妻も領地で暮らすことになるだろう。
そのため都会の生活に慣れた令嬢たちが結婚相手として考えるには少々難しかったようだ。
また彼自身独身主義かと思うほど縁談に興味もなく、それ故二十四歳になる今まで独り身であった。
だが、今回の結婚は王からの褒賞であり、王命である。
セドリックは謹んでこの褒賞を受け、それによって、彼は国王の婿となることとなった。
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