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祭りの始まり
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「マイカ!」
知ってる声だ。
「ヴィム、大丈夫だよ」
護衛モードのヴィムを下がらせる。
私はモスグリーンの髪色は数人しか知らない。パティシエのヨハンと……。
「テオ! 久しぶり!」
「おう! 久しぶりだな!」
ニカッと笑ったのは、ロスメル村のテオフィルだ。
ということはあの馬達はロスメル村からのお客様か。
ヴィムはテオを見て、護衛モードから表情を和らげる。
テオがヴィムの姿を見ると、パッと表情が変わった。乙女か!
「やったぁ! ヴィムさんもいる!」
……何が「やったぁ」なのさ。ああ、アデルハイトとカラメルを購入した時に二人は会ってるのか。……私の立場なくないか。
「ヴィムさん! カラメルと黄の2番は元気ですか? まさか黄の2番が懐くなんて、ロスメル中の牧場で大騒ぎだったんだ」
「アデルハイトという名をつけた」
「うわ、センスある! その名前つけたのマイカじゃないだろ? マイカにそんなお洒落な名前は
つけらんないよな」
「ぬぬ……ヴィムだけど」
眉間にシワを寄せた私と目があって、ヴィムはバツが悪そうに目を反らす。
センスがないことは知ってるし別にいいけどさ、思わずヴィムの足を踏んじゃった。
「……ねぇテオ。あの馬集団はロスメルの人達?」
「うん? そうそう。ロスメル代表達だよ」
「代表って?」
「腕ズモウ大会の代表だよ。優勝商品が『製氷器』だっていうじゃないか! あんな高級品をもらえるっていうんだから、ロスメル村からも、ブルシェル村からも参加者が来るってさ。ロスメルからも選りすぐりの力自慢が参加するぞ」
「ブルシェル村……?」
初めて聞いた村の名前だ。バート村の近くなんだろうか。
「湖の側の村だよ」
ヴィムが耳打ちしてくれる。
アルバンからグランヴァルト王国の地図を見せてもらった時、ロスメル村と反対側に馬で半日程行くと、湖があった。その湖のほとりに村があったっけ。あれがブルシェル村か。
「つまり、今日はバート村以外の人も来るってことだね。お土産売りに力が入るわ!」
「マイカも何か店をやるのか?」
「うん。テオ、口開けて」
テオが戸惑ってなかなか口を開けないから、試食のクッキーをテオの口に押し込む。
モグモグと口を動かしながら、テオの目がクワッと見開いた。
「美味い!! 美味すぎる!! これも売ってるのか!?」
10ペリン均一のお菓子ブースを見せると、ますますテオの目がキラキラ輝く。
「これが10ペリンだって!? 買う! めちゃめちゃ買う!」
「そ、そう」
村長の家の前でロスメルの馬集団が、テオを呼んでいる。
「じゃあ後でな! ヴィムさん、後でアデルハイトの話を聞かせてください!」
テオが元気いっぱいに手を振りながら、馬集団のところに戻る。
ヴィムはずいぶん好かれたな。
祭りが始まる前にテオが来てくれて良かった。あの様子だと、早急に何とかしないといけないことがある。
「ヴィム。今すぐヨハンに追加のお菓子をどんどん作るように伝えて。手の込んだ物じゃなくて、量産出来るやつ」
「しかし護衛が……」
「いいから行って!」
ヴィムはしぶしぶながら、猛スピードで別荘に走って行った。
「イベントをやるのは聞いてたから、スポンサーとして景品は用意したけど……まさか腕相撲大会だなんてね」
以前、護衛達の腕の筋肉に驚いて、腕相撲をやらせてみたと、軽い気持ちで手紙に書いたことがある。やけにフィーネさんの食い付きがよく、詳しくルール説明を聞いて来るなぁと思っていた。
それが祭りのメインイベントになるなんて。
「パワー競技の後は甘い物をみんな欲するよ。そしたら絶対、お菓子が足りなくなる……。どんどん作ってもらわないとね」
それにしても製氷器がそんなに話題を呼ぶとは思わなかった。屋敷には普通にあったからね。
確かに中型の製氷機は1500万ペリンはした。一般家庭には高級品だ。
だけど、アデルハイト3頭分でしょう? ロスメル村の牧場みんなでお金を出しあったら、絶対に買えない値段じゃなさそうだけどな。
値段じゃなくて、製氷機自体が貴重ってことかな。私はカービング商会の伝手で買えたけど、ラッキーだったのかも。
誰が優勝するのか楽しみだ。
しばらくすると、美味しそうな匂いが広場に立ち込めた。
いくつかの出店が準備を終えて、食べ物屋さんも準備万端なようだ。
時刻はそろそろ昼。祭りは村長の挨拶から始まる。
散り散りになっていたうちの使用人達が戻って来た。
「お嬢様!! フィーネさんのところで、うどんを踏んで来ました! すごくよく出来たので、後で食べてください!」
メリンが興奮気味に言う。
なるほど。フィーネさんの出店は野菜うどんだと言っていたから、ヴェロニカとメリンとマリッカはうどんを踏んで来たのか。
「メリンもマリッカも頑張ったんだよ。二人ともフィーネさんに誉められてたんだ」
「へぇ、すごいね。今度フーゴのうどん作りを手伝って、二人でうどん踏んでくれる?」
「「はいっ!!」」
二人とも、フィーネさんに誉められたことがよほど嬉しかったようだ。頬を赤くして、目が輝いている。
何より、二人が今も手を繋いでいるのが、楽しい時間だったことを物語っている。
「レオナルドはどうだった?」
「すごく、興味深かったです。僕の知らない世界を見て来ました」
若干消極的だったレオナルドの頬も赤い。何をしていたのか分からないけど、顔を見ると楽しそうだ。服から薬草の匂いがするのはなんでだろう。
「ルッツは何をしてたの?」
「俺は腕ズモウ大会の参加者を見て来ました。みんな腕がすごく太くて、強そうでした!」
やっぱり男の子は強い男に憧れるのかな。ルッツの頬も赤い。
子供達全員が、まだお祭り前から、いい時間を過ごせたようだ。
でもまだ、楽しい時間はこれからだよ。
ドンドンドンドン。
太鼓の音が響いた。
村長が広場の中央に立つと、散り散りになっていた人々が村長のまわりに集まる。
村長の挨拶が始まる。
「昔、バート村は一度、終村を覚悟した」
静かな落ち着いた声。
ざわついていた広場が一瞬で静かになった。
唐揚げの温度にこだわっていたオジさんとは思えないな。
「それが今ではどうだろう。子宝に恵まれ、森の恵みに支えられ、今やバート村は、次の世代へ、そのまた次の世代へと引き継がれていく希望に満ち溢れている。
見事に復活を遂げたバート村を祝してーーーー」
次の世代を担う子供達が、この村を好きになるように、誇りに思ってくれるように、そんな願いも込められた祭りだ。
「第一回バート村復活祭を開催する!」
ドンドンドンドン。
村長の宣言と共に、太鼓がならされた。
人々の拍手が鳴り響く。
こうして祭りが始まった。
知ってる声だ。
「ヴィム、大丈夫だよ」
護衛モードのヴィムを下がらせる。
私はモスグリーンの髪色は数人しか知らない。パティシエのヨハンと……。
「テオ! 久しぶり!」
「おう! 久しぶりだな!」
ニカッと笑ったのは、ロスメル村のテオフィルだ。
ということはあの馬達はロスメル村からのお客様か。
ヴィムはテオを見て、護衛モードから表情を和らげる。
テオがヴィムの姿を見ると、パッと表情が変わった。乙女か!
「やったぁ! ヴィムさんもいる!」
……何が「やったぁ」なのさ。ああ、アデルハイトとカラメルを購入した時に二人は会ってるのか。……私の立場なくないか。
「ヴィムさん! カラメルと黄の2番は元気ですか? まさか黄の2番が懐くなんて、ロスメル中の牧場で大騒ぎだったんだ」
「アデルハイトという名をつけた」
「うわ、センスある! その名前つけたのマイカじゃないだろ? マイカにそんなお洒落な名前は
つけらんないよな」
「ぬぬ……ヴィムだけど」
眉間にシワを寄せた私と目があって、ヴィムはバツが悪そうに目を反らす。
センスがないことは知ってるし別にいいけどさ、思わずヴィムの足を踏んじゃった。
「……ねぇテオ。あの馬集団はロスメルの人達?」
「うん? そうそう。ロスメル代表達だよ」
「代表って?」
「腕ズモウ大会の代表だよ。優勝商品が『製氷器』だっていうじゃないか! あんな高級品をもらえるっていうんだから、ロスメル村からも、ブルシェル村からも参加者が来るってさ。ロスメルからも選りすぐりの力自慢が参加するぞ」
「ブルシェル村……?」
初めて聞いた村の名前だ。バート村の近くなんだろうか。
「湖の側の村だよ」
ヴィムが耳打ちしてくれる。
アルバンからグランヴァルト王国の地図を見せてもらった時、ロスメル村と反対側に馬で半日程行くと、湖があった。その湖のほとりに村があったっけ。あれがブルシェル村か。
「つまり、今日はバート村以外の人も来るってことだね。お土産売りに力が入るわ!」
「マイカも何か店をやるのか?」
「うん。テオ、口開けて」
テオが戸惑ってなかなか口を開けないから、試食のクッキーをテオの口に押し込む。
モグモグと口を動かしながら、テオの目がクワッと見開いた。
「美味い!! 美味すぎる!! これも売ってるのか!?」
10ペリン均一のお菓子ブースを見せると、ますますテオの目がキラキラ輝く。
「これが10ペリンだって!? 買う! めちゃめちゃ買う!」
「そ、そう」
村長の家の前でロスメルの馬集団が、テオを呼んでいる。
「じゃあ後でな! ヴィムさん、後でアデルハイトの話を聞かせてください!」
テオが元気いっぱいに手を振りながら、馬集団のところに戻る。
ヴィムはずいぶん好かれたな。
祭りが始まる前にテオが来てくれて良かった。あの様子だと、早急に何とかしないといけないことがある。
「ヴィム。今すぐヨハンに追加のお菓子をどんどん作るように伝えて。手の込んだ物じゃなくて、量産出来るやつ」
「しかし護衛が……」
「いいから行って!」
ヴィムはしぶしぶながら、猛スピードで別荘に走って行った。
「イベントをやるのは聞いてたから、スポンサーとして景品は用意したけど……まさか腕相撲大会だなんてね」
以前、護衛達の腕の筋肉に驚いて、腕相撲をやらせてみたと、軽い気持ちで手紙に書いたことがある。やけにフィーネさんの食い付きがよく、詳しくルール説明を聞いて来るなぁと思っていた。
それが祭りのメインイベントになるなんて。
「パワー競技の後は甘い物をみんな欲するよ。そしたら絶対、お菓子が足りなくなる……。どんどん作ってもらわないとね」
それにしても製氷器がそんなに話題を呼ぶとは思わなかった。屋敷には普通にあったからね。
確かに中型の製氷機は1500万ペリンはした。一般家庭には高級品だ。
だけど、アデルハイト3頭分でしょう? ロスメル村の牧場みんなでお金を出しあったら、絶対に買えない値段じゃなさそうだけどな。
値段じゃなくて、製氷機自体が貴重ってことかな。私はカービング商会の伝手で買えたけど、ラッキーだったのかも。
誰が優勝するのか楽しみだ。
しばらくすると、美味しそうな匂いが広場に立ち込めた。
いくつかの出店が準備を終えて、食べ物屋さんも準備万端なようだ。
時刻はそろそろ昼。祭りは村長の挨拶から始まる。
散り散りになっていたうちの使用人達が戻って来た。
「お嬢様!! フィーネさんのところで、うどんを踏んで来ました! すごくよく出来たので、後で食べてください!」
メリンが興奮気味に言う。
なるほど。フィーネさんの出店は野菜うどんだと言っていたから、ヴェロニカとメリンとマリッカはうどんを踏んで来たのか。
「メリンもマリッカも頑張ったんだよ。二人ともフィーネさんに誉められてたんだ」
「へぇ、すごいね。今度フーゴのうどん作りを手伝って、二人でうどん踏んでくれる?」
「「はいっ!!」」
二人とも、フィーネさんに誉められたことがよほど嬉しかったようだ。頬を赤くして、目が輝いている。
何より、二人が今も手を繋いでいるのが、楽しい時間だったことを物語っている。
「レオナルドはどうだった?」
「すごく、興味深かったです。僕の知らない世界を見て来ました」
若干消極的だったレオナルドの頬も赤い。何をしていたのか分からないけど、顔を見ると楽しそうだ。服から薬草の匂いがするのはなんでだろう。
「ルッツは何をしてたの?」
「俺は腕ズモウ大会の参加者を見て来ました。みんな腕がすごく太くて、強そうでした!」
やっぱり男の子は強い男に憧れるのかな。ルッツの頬も赤い。
子供達全員が、まだお祭り前から、いい時間を過ごせたようだ。
でもまだ、楽しい時間はこれからだよ。
ドンドンドンドン。
太鼓の音が響いた。
村長が広場の中央に立つと、散り散りになっていた人々が村長のまわりに集まる。
村長の挨拶が始まる。
「昔、バート村は一度、終村を覚悟した」
静かな落ち着いた声。
ざわついていた広場が一瞬で静かになった。
唐揚げの温度にこだわっていたオジさんとは思えないな。
「それが今ではどうだろう。子宝に恵まれ、森の恵みに支えられ、今やバート村は、次の世代へ、そのまた次の世代へと引き継がれていく希望に満ち溢れている。
見事に復活を遂げたバート村を祝してーーーー」
次の世代を担う子供達が、この村を好きになるように、誇りに思ってくれるように、そんな願いも込められた祭りだ。
「第一回バート村復活祭を開催する!」
ドンドンドンドン。
村長の宣言と共に、太鼓がならされた。
人々の拍手が鳴り響く。
こうして祭りが始まった。
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