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第六章

その頃フリーポート

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アリサが悲痛の思いで、日本人たちと60000人を大虐殺していた頃、フリーポートではネライックからの大群を見事討伐しきり、街は凱旋モードになっていた。

「ビューゼルド大統領、バンザーイ!」
「聖女様、バンザーイ!」
「戦乙女様、バンザーイ!」

モーラとビューゼルド、奮戦した冒険者たちのフリーポートへの帰還は、もはやパレードのようになっていて、首都の人口総出で出迎えられていた。

「モーラ」

正面からメイが歩いてきた。

「メイ子、こっちはどうだった?」
「多分、そちらより激しかったかと」

メイは疲れたような苦笑いをする。

「だろうね」

モーラはカラカラと笑う。

「でもメイ子のおかげで助かった命がたくさんあるんだ、悪かったね」

メイは首をゆっくり振る。

「これが最善でした───」
「ビューゼルド様!」

メイの後ろから、若い女が走ってきて、モーラの後ろに走っていく。
フリーポートの宰相のシンクレアだ。シンクレアはビューゼルドを見つけて抱きつきそうな勢いだったが、寸前の所で止まった。

「よく・・・ご無事で・・・」
「ああ、このモーラちゃんに助けられた」

シンクレアはモーラを見る。

「四姫桜のモーラ様ですね、本当にどうもありがとうございます」

シンクレアは深々と頭を下げた。

「いや、あたしは思うままに行動しただけだよ。礼はいらない」
「モーラちゃん、今晩は城で戦勝会を開くことになる。是非出席してもらいたい」

モーラはビューゼルドに振り返り、

「わかってると思うけど、あたしは巨人族さ。・・・意味がわかるだろ?」

ビューゼルドは知っているようだ。苦虫を噛み潰したような顔をする。
モーラはハーフだが、巨人族としての誇りを大事にしている。他の男になびく事はないし、夫と決めた者が死ぬ様なら後を追うほどの勢いだ。

「・・・やっぱり、兄ちゃんと・・・?」
「当然だろ?」

ビューゼルドは、手に持っていた兜を地面に叩きつけ、地団駄を踏む。

「くそっ!!綺麗どころばかりに手をつけやがって!!こんなに4人もいるならモーラちゃんを貰ってもいいだろう!!」

子供っぽい悔しがり方に、モーラとメイは微笑ましい顔でビューゼルドを見る。

「あーくそっ!!生まれてきてこれ程悔しい思いをしたことがねえ!!・・・・・・ヤロオ・・・、今度会ったら徹底的に稽古つけてやる!」

ビューゼルドの瞳には涙が溜まっていた。

「そっちのお姉さんに慰めてもらいなよ。メイ子、行こう」
「ええ」

すると周囲からワッと歓声や笑い声が溢れ出る。

「やるぜ、あの姉ちゃん!」
「ガハハハハ!大統領、だせえぜ!」
「大統領フラれやがった!」

ビューゼルドは兜を蹴飛ばす。

「うるせえ!見世物じゃねえ!」

すると観衆はメイとモーラの周りに集まり、

「よお、街を救ってくれてありがとな。一杯奢るから飲みに行こうぜ」
「宴だああああ!」
「でーじょぶだ!俺らは大統領みたいな野暮なことは言わねえぜ!」

モーラとメイ子は顔を見合わせてから、屈強な男たちに囲まれて酒場へと消えていった。





すでに辺りは夜だ。
バンバンに飲まされていたが、モーラは酒が強い。
1人の若いイケメンが、執拗にモーラに酒を勧めてくるが、モーラは警戒しているのもあって、尚更酔うことが出来なかった。何故そこまで警戒するかと言うと、もちろん女としてというのもあるが、強者のオーラと言うか、纏う雰囲気が只者じゃなかったからだ。

「んふふ、ずいぶんお飲みになってますね」

モーラ、メイ、イケメンの男、それと代わる代わる来る色んなやつ、そのテーブルに、細マッチョなイケメン執事のような男がやってきて、モーラに話しかけた。
元からいたイケメンの男は、あからさまに眉をしかめた。

「あんた誰だい?」

執事は優雅に腰を折り、丁寧に挨拶をする。

「私はナイトウォーカーのゲンと申します。一言で言えば魔物でございます」

モーラもメイはピクリと反応したが、どうやら戦意は無さそうなので、話を聞いてみる。

「魔物の国から来たのかい?」
「さようでございます」
「ここを攻めるためですか?」

ゲンはゆっくりと首を横に振る。

「もう30年ほどここに住まわせて頂いております。失礼ですが、ヴァンパイアを連れた男性のお連れとお見受けしますが」

今度はモーラもメイもはっきりと警戒を見せた。間違いなくヨシトのことだろう。

「気をつけて喋りなよ・・・。事と次第によっちゃあ、あんたの首を飛ばすよ」

ゲンはまた優雅にお辞儀をする。

「私が魔物ですので警戒されるのはわかります。ですが、私程度の力ではお嬢様方にはかないません。そんなつもりは毛頭ございません。むしろ本日はご忠告に来たのです」
「忠告?」

モーラは眉を額に寄せる。
同時に、元からいたイケメンの男が、なにかを諦めたように、椅子の背もたれに体を預け、ダラリとした。

「この男、龍でございます。お気をつけを」
「え?」

モーラがイケメンの男を見ると、ゲンが

「それでは失礼します」

ゲンは消えるような足運びで、音もなく去っていった。

モーラとメイはゲンも気になったが、まずはこのイケメンの男からだ。

「あんた、なにもんだい?」

モーラが問うとイケメンは、さっきまでのチャラい言葉遣いから一変して、偉そうな言葉使いになった。

「わからぬか?姿形が違えど、力はごまかせぬものだがな」

モーラは目を細める。

「・・・・・・まさか、ケツアゴワレトル?」

イケメンはガタンと勢いよく立ち上がって、数秒悔しそうな顔をしてから静かに座り直した。

「誰がケツアゴなのだ!、見ろ、この端整な顔立ちを!・・・・・・我はケツアルクワトルだ」
「ああ、そんな名前だったね」

モーラは殺気を全開にする。すぐさま明鏡止水モードに入り、ビキニアーマーから溢れそうな左胸に紋章が浮かび上がる。

酒場内はモーラの殺気に当てられ、全員が沈黙し、こちらに注目した。
椅子から転げ落ちるもの、へたり込むもの、失禁するものまでいた。

「なっ!貴様!」

ケツアルクワトルはすくっと立ち上がり、

「みんな!何でもないんだ、わりーね!チーッス!」

右手の二本指を額に当て、シュタッとチョリった。
モーラも殺気を抑える。
すると、酒場の奴らもこっちを気にしながらも警戒を解いた。
ケツアルクワトルは小声で怒鳴る。

「貴様!常識を知らぬのか!バケモノか!」
「あんたに言われたくないね」
「私はあなたの変わり身のギャップの方が気になります・・・」
「これのが都合が良いのだ!・・・そんなことはどうでもよい」

モーラはジョッキを一気にあけて、ケツアルクワトルを睨みつける。

「やりに来たんだろ?どうやって迷宮から出たんだい?」
「そう殺気立つな。我はもともと迷宮の魔物ではない。迷宮の魔石で、我の偶像を作りそれを我が操ることで迷宮の番人をしていた。誰かが98階層につくと番人として迷宮に呼ばれるようになっておる。まあ、貴様らがその魔石を持ち出したので、もうそれはないがな」

ケツアルクワトルもエールを傾けた。
そして亜空間倉庫から黒い玉を取り出し、それをテーブルに置いた。

「我は龍の一族だ。これはマザーエムブレムを持つものを殺害するとマザーエムブレムを吸収出来る魔道具だ」
「「・・・」」

モーラとメイは、まだケツアルクワトルが何を言いたいのか分からない。

「これを使い、マザーエムブレムを回収するのが我の今回の任務だ」

モーラは、好戦的な笑みを浮かべ、刀の柄に手をかける。

「だからやりにきたんだろ?さっさと───」
「待てと言っておる!・・・なんだ、こんなに血の気の多い者だったのか?話も出来んのか」

まるでモーラの方が猛獣のようだ。

「モーラ、少し話を聞きましょう」
「・・・・・・わかったよ」
「ふぅ・・・助かる。続けるぞ」

ケツアルクワトルもエールを煽った。

「今、大陸中にこれと同じものを持った龍が同時に襲っていた・・。ケイノス、フェイダー、バセアー、カラディン、そしてこのフリーポートだ」

モーラはガタリと立ち上がって、剣をてにかけるが、

「モーラ、落ち着きなさい!」

メイに怒鳴られ、メイと目を見合わせたあと、

「・・・メイ子に任せる」
「そうしなさい。で、アゴワレさん、続きを」
「我の名前の面影もなくなったな・・・。もういい、続けるぞ。カラディンは既に壊滅した」
「・・・ケイノスはどうなりましたか?」

モーラは不貞腐れてエールを煽り、足を貧乏ゆすりする。

「ケイノスはな・・・」

ダーーーーーン!

モーラはジョッキをテーブルに叩きつける。

「早く言わ────」
「モーラ!!!」

メイは本気でモーラを睨みつけた。

「ヨシト様に関わる大切な情報です。邪魔をするなら、ここを離れなさい」
「・・・・・・悪かった。もう邪魔しない・・・」

モーラはしゅんとして、だが、ヨシトを心配する気持ちはメイと同じなので、この場に居座った。
ケツアルクワトルは、額の汗をぬぐう。

「まさか、こんな性格とは我も読めなかった・・・・・・。しかし、あり得ない力をつけたな。もう我では太刀打ち出来ぬ」

メイはケツアルクワトルも睨む。

「ワレドラさん、本題を話しなさい。私もあまり気が長い方ではありません」

メイも殺気をケツアルクワトルだけに鋭く向ける。

「っ!こちらもバケモノか。これならば・・・。っ・・・ケイノスは無事だ。ケイノスに派遣された龍の一族は、貴様らの仲間に打ち倒された」

それを聞いてメイは少しホッとする。

「ならばフェイダーとバセアーはどうなりましたか?」
「あやつ、エターナルマザーエムブレムを持つ男と次元のグリモアによって、その2国の龍は討伐された」
「・・・2人だけですか?」
「そうだ、2人だけだ。鬼神の如き強さを見せたようだ」

モーラが口を挟む。

「リモアがかい?」
「リモア、と呼んでるのか?いや違う。エターナルマザーエムブレムを持つ男があり得ない強さだったようだ。全てを切り裂き、全てを弾き、龍を虫けらのごとく殺したようだ」

メイとモーラは顔を見合わせる。

「・・・何かの間違いじゃありませんか?」
「そうだよ、そんなわけはない。ヨシトは冒険者に毛が生えた程度しか力は持ってないんだから」

「ほう・・・・・・ずいぶん俺を低く見てるんだな・・・」

モーラたちは気づかなかったが、いきなり、テレポートでヨシト、リモア、アリサ、メリッサ、ソフィアが現れていた。

「「「っ!」」」
「事実だから仕方ないじゃない」
「うるせえ!俺がドラゴンを2匹やったんだぞ!」
「リモアがでしょ?」
「違う!俺だ!」
「リモアが操ったお兄ちゃんじゃない。やっぱりリモアだわ」
「黙れ黙れ!俺だもん!」

メイ、モーラ、ケツアルクワトルはポカーンだ。

やっと我に返り、

「ヨシト、無事だったのかい?」
「モーラもな、メイも。本当に良かったよ」

ヨシトはモーラとメイの間に入り、2人の肩を抱いた。

「で、このイケメンは?」
「ヨシト様、ドラゴンです。あの迷宮の98階層にいたものです。どうやら話をしたいようです。名前は───」
「ケツアゴワレトルだよ」
モーラが言う。

「違います。アゴワレトルガナさんです」
メイが言う。

だが、ヨシトは覚えていた。

「違うだろ、ケツダケアイシトルだろ」
「誰が尻フェチか!!」

ケツアルクワトルは立ち上がった。

「まあ座れよ。とりあえずやる気なのか?」

ケツアルクワトルはイケメンの顔にしわを寄せて、ヨシトを睨みながら座り直す。

「その気はない。貴様がリーダーなのだろう?貴様と話がしたい」
「わかった。今日は勘弁してくれ。明日でいいか?」
「構わぬ」

アリサがずいと前に出る。

「甘いわお兄ちゃん!何するかわからないもの、今やるべきよ」

ケツアルクワトルはアリサを見る。

「我にその気はない。むしろネライックからの襲撃の撃退にも冒険者として参加していた。登録証もある」

ケツアルクワトルは首から、冒険者のギルドタグを出した。金級だった。

「低いな」
「あまり目立つのも控えておる。力を隠してるのは貴様も同じだろう」
「あ、ああ、まあな」

ケツアルクワトル以外の全員から、ジト目で見られたが、俺は気づかないふりをした。

「なら、明日の夜、またここにこい」
「良かろう」
「ヨシト様、よろしいので?」

俺はメイを見る。

「大丈夫だろ。いざとなったらぶち殺すだけだ。それに今夜はお前らと話がしたい」
「かしこまりました」



俺たちはケツアルクワトルと別れた。
そして、俺たちもメイたちが取ってある宿に向かった。
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