73 / 105
第五章
雪女
しおりを挟む
昨日の夜、四季桜で話し合った結果、モーラとメイ、アリサにはお留守番を頼んだ。
そして、何処で留守番をするのかが問題になってくる。
俺はぶっちゃけ王都を守りたい。敵も王都を攻めてくる確率のが高い。だが、王都を守りたい理由を説明出来ない。
モーラたちは、拠点がある迷宮都市で留守番をすると言う。
顔見知りも王都より迷宮都市のが多いからだ。
どっちも守りたいが、戦力を分散しすぎるのも問題だ。
俺も迷宮都市を守ることで同意した。
ここは執着してはいけない。執着するくらいならきちんと責任を取るべきだろうが、それは俺のエゴであり、望まれていないことだ。
勘違いすると、関係者全員を不幸にすることになる。
全員でテレポートで拠点に帰ると・・・
「これは・・・」
「・・・お兄ちゃん」
「酷すぎるわね」
「ソフィアは何処言ったんだい?」
「うふふ、うふふふ・・・どうやらまだしつけが足りなかったようですね。奴隷とはどういうものか教えてあげなければなりません」
「(こわ・・・)」
「何か言いましたか、システィーナ?」
「ノ、ノー、マム!!」
部屋がまるでゴミ屋敷だ。
食いっぱなし、脱ぎっぱなし、これだけ広い屋敷がゴミだらけなのだ。ハエのような虫も飛んでいる。
各部屋のシーツは全て使われている。シーツの洗濯が面倒だから、部屋を渡り歩いたのだろう。
「ヨシト様、ヨシト様はバルコニーでお寛ぎください。モーラ、アリサ、リモア、とにかく洗濯をしてください」
アリサはすぐさま拒否の顔を浮かべたが、メイの顔を見て反論を辞めた。
「わ、わかったわよ・・・」
「シーツもかい?メイ子」
「もちろんです、モーラ」
「わかった」
「てゆうかっ、リモアもやるのっ!?」
「当たり前です」
メイは有無を言わさない。その目付きはオリハルコン級の魔物さえ黙らせた。
「はぁ~ぃ・・・」
「システィーナと私は拭き掃除をします。メリッサはゴミをどんどん庭に集めてください」
「わかったわ」
「・・・・・・」
システィーナは絶句する。口を少し開き、顎と手をプルプル震わせている
まさか宿より汚いところを掃除させられるとは思っていなかったのだろう。
「システィーナ?」
「ぜ、全部ですか、マム・・・?」
屋敷は広い。これを全部拭き掃除をするのは、地獄に等しい。
システィーナは恐る恐る様子を伺うように、メイを見上げる。
だが、メイは言葉で答えずに視線だけでシスティーナに理解させた。
システィーナはビクッと大きく跳ね、
「マ、マム!イエス、マム!」
メリッサとシスティーナは動き出した。
「あたし・・・洗濯で良かったよ・・・」
「リモアも・・・っ」
「あの姫、エロおやじに嫁いだほうがマシだったんじゃないの・・・」
俺も正直、片付けは苦手だ。
ここはメイに任せることにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
三時間は経ったか、洗濯も終わり、洗濯物を干して、ゴミも庭に集められ焼却されている。拭き掃除もシスティーナとメイが一生懸命やってくれた。
システィーナは、かなり涙目だったが・・・
簡単にみんなで遅めの昼飯を食うと、久しぶりの風呂に入る。
俺が風呂から出ると、用事が終わった女たちが風呂に入っていく。
俺がリビングでくつろいでいると、
「あれ?、よっちゃん。帰ってきたの?」
「葉っぱ、てめえ・・・」
俺は葉っぱを睨みつける。
「ん?怒ってる?」
葉っぱは何故怒られるのかわからないようだ。
「この部屋を見てなんか気づかないか?」
葉っぱはキョロキョロとあたりを見渡すが、
「何も?ねね、あたい、剣が打てるようになったんだよ!」
葉っぱは胸の前で手をブンブン振りながら、報告をしてくる。胸もブルンブルン揺れる。
「・・・・・・そりゃあ、良かったな」
「うん!、もう少しでよっちゃんの役に立てるようになるからね!」
葉っぱは心底嬉しそうだ。
「だがなんだ、この部屋は」
「この部屋って?」
俺は葉っぱのこめかみにグリグリをしながら問い詰める。
「お、ま、え、は、そ、う、じ、を、し、た、の、か?!」
「いだっ、いだいいだいいだいいだいいだいいだい」
俺がグリグリを止めると、葉っぱはこめかみを押さえつつ言い訳をしてくる。
「あ、あたい、片付けは苦手で・・・。っ!綺麗になってるね!ありがとう!」
「ありがとうじゃねー!・・・・・・、まあいい、メイから話があるだろ」
俺は自分で怒る気をなくしてそう言うと、葉っぱの目は大きく見開き、悪魔と対峙したことを想像したようにガタガタと震えだす。
「あ、ああぁぁぁ・・・、ど、どうしよう、よっちゃん・・・」
(こいつ・・・、メイにはびびって俺は余裕かよ。・・・ワカらしてやる必要があるな・・・)
「お前、後で地下室でお仕置きだ」
「地下室?!そこでかくまってくれる?!お願いよっちゃん!あたい、死にたくないよ!」
完全に俺をなめてやがる。きっちりお仕置きしてやる。
葉っぱがメイにビビりまくっていると、女たちが風呂から上がって、氷の入ったジュースを持ちながらリビングにやってきた。
「あっ!ソフィア!」
「ソフィア、あんた・・・」
アリサとメリッサが葉っぱに食ってかかろうと前に出たがが、北極にテレポートしたような冷気を感じて、ピタリと脚を止める。そしてギギギギと音が聞こえそうに二人は後ろを振り返る。
アリサとメリッサは、笑顔の雪女を見た。
葉っぱは既に膝が笑っている。
「うふふ、うふふふふふ・・・、ソフィア、うふふふふふ」
「あ、あ、あ、よっちゃん!」
葉っぱはギリギリ意識を保ち、俺が座るソファにすがるように飛びついてきた。
雪女はゆっくりとこちらに歩いてくる。
「ソフィア、久しぶりですね・・・」
葉っぱはガタガタと震える手で俺にしがみつく。
半分泣いているかのように、俺に懇願しながら叫ぶ。目線だけはメイに釘付けだが。
「よっちゃん!助けて!!な、なんでも!なんでもするから!!お願い!ひ、ひぃぃぃぃぃ!!!」
葉っぱはあまりの恐怖に失禁しそうなので、仕方なく俺が介入する。
「メイ、お仕置きは俺が用意する。だから叱るのはほどほどにな」
俺は葉っぱをソファから押し出す。
「よっちゃん!!」
葉っぱは驚愕の表情を浮かべるが、知ったこっちゃない。何故俺が葉っぱごときを甘やかさないといけないのだ。
「かしこまりましたヨシト様。なら私はしつけだけに致しましょう」
「ああ、頼む」
たちまち葉っぱは全員に囲まれる。
「あんた、ふざけんじゃないわよ?」
「あたしはいいよ、でもメイ子がね」
「私は姫よ?!この私に掃除なんてさせ───、の、ノー、マム!」
「ったく、冗談じゃないわ」
「さあ、ソフィア、あちらで話しましょう」
葉っぱはメイに腕を取られ、ズルズルと引きずられていく。
「よ、よっちゃん!よっちゃああぁぁぁん!!!」
俺は葉っぱと目は合わせずに、システィーナが持ってきたジュースを傾けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ひさびさに俺が夕飯を作った。
今日は豚肉、ピーマン、タケノコもどきを炒めた青椒肉絲もどきと、麻婆豆腐もどきだ。
久しぶりに全員で食卓に座る。
「あたいが悪かった。これからはちゃんと片付けをする。絶対!」
「ヨシト様、ソフィアも迷宮にいた頃の、初心の気持ちを取り戻してくれたようです。これでよろしいでしょうか」
「ああ、ありがとうな」
葉っぱの顔には涙が乾いた後が残っている。どんな方法で初心を戻させたのか、知りたくもあるが、一生知りたくもない。
俺の隣に座るシスティーナが、俺の袖を引っ張る。
「(ねえ、はっきりしときたいんだけど、ここのボスは誰なの?)」
「(・・・、俺に決まっている)」
「(ねえ、私が嫁に来るより、もしかして婿を用意したほうがいい?)」
「(したいならすればいいが、どうなるか責任とれんぞ?)」
もちろんそれは、俺が脅してるわけじゃない。そんなことをしたらメイがどれほど怒り狂うかと言う意味だ。システィーナもその意味で理解したようだ。
「(・・・やめとく、死ぬより恐ろしい目に遭わされそうだもん)」
「(大人しくしてろ、そのうち城に返してやるよ)」
システィーナは、それじゃ私の目的がとかぶつぶつ言ってたが、聞こえないことにした。
流石に一国の姫を小間使い扱いをいつまでもさせるわけにはいかない。メイも1ヶ月と言ってたので、なんとかなるだろう。
本当、システィーナは9歳とは思えないほど良く頭が回る。そんなことまで気が回るのは、やはり育った環境からだろうか。
「ねえ、ヨシト。フリーポートにはいつ行くの?」
メリッサが聞いてきた。
「明日には出る」
「具体的にプランはあるの?」
「いや、ノープランだ。だからリモア、メリッサ、頼むな」
「はぁ~~い!」
「もちろんよ」
モーラが俺を心配してくる。
「メリッサとリモアがついてるんだ、万が一はないと思う。でも本当に大丈夫かい?」
「ないとは思うが、俺よりケイノスのが心配だ。いきなり龍が来ることを想定して、モーラたち3人なら大丈夫と考えてる。こっちは所詮相手は人間だ、俺でもある程度は戦えるよ」
「そうかい・・・・、でも、早く帰ってきてね・・・」
ドキッ!
モーラが顔を赤くして可愛いことを言う。これは今日可愛がるしかないだろう。
「お兄ちゃん、気をつけてね」
「ああ」
「ヨシト様、こちらはお任せください」
「メイ、苦労かけるな」
今晩はモーラを抱こうと思った。
だがそれは叶わなかった。
特別編が入ったからだ。
そして、何処で留守番をするのかが問題になってくる。
俺はぶっちゃけ王都を守りたい。敵も王都を攻めてくる確率のが高い。だが、王都を守りたい理由を説明出来ない。
モーラたちは、拠点がある迷宮都市で留守番をすると言う。
顔見知りも王都より迷宮都市のが多いからだ。
どっちも守りたいが、戦力を分散しすぎるのも問題だ。
俺も迷宮都市を守ることで同意した。
ここは執着してはいけない。執着するくらいならきちんと責任を取るべきだろうが、それは俺のエゴであり、望まれていないことだ。
勘違いすると、関係者全員を不幸にすることになる。
全員でテレポートで拠点に帰ると・・・
「これは・・・」
「・・・お兄ちゃん」
「酷すぎるわね」
「ソフィアは何処言ったんだい?」
「うふふ、うふふふ・・・どうやらまだしつけが足りなかったようですね。奴隷とはどういうものか教えてあげなければなりません」
「(こわ・・・)」
「何か言いましたか、システィーナ?」
「ノ、ノー、マム!!」
部屋がまるでゴミ屋敷だ。
食いっぱなし、脱ぎっぱなし、これだけ広い屋敷がゴミだらけなのだ。ハエのような虫も飛んでいる。
各部屋のシーツは全て使われている。シーツの洗濯が面倒だから、部屋を渡り歩いたのだろう。
「ヨシト様、ヨシト様はバルコニーでお寛ぎください。モーラ、アリサ、リモア、とにかく洗濯をしてください」
アリサはすぐさま拒否の顔を浮かべたが、メイの顔を見て反論を辞めた。
「わ、わかったわよ・・・」
「シーツもかい?メイ子」
「もちろんです、モーラ」
「わかった」
「てゆうかっ、リモアもやるのっ!?」
「当たり前です」
メイは有無を言わさない。その目付きはオリハルコン級の魔物さえ黙らせた。
「はぁ~ぃ・・・」
「システィーナと私は拭き掃除をします。メリッサはゴミをどんどん庭に集めてください」
「わかったわ」
「・・・・・・」
システィーナは絶句する。口を少し開き、顎と手をプルプル震わせている
まさか宿より汚いところを掃除させられるとは思っていなかったのだろう。
「システィーナ?」
「ぜ、全部ですか、マム・・・?」
屋敷は広い。これを全部拭き掃除をするのは、地獄に等しい。
システィーナは恐る恐る様子を伺うように、メイを見上げる。
だが、メイは言葉で答えずに視線だけでシスティーナに理解させた。
システィーナはビクッと大きく跳ね、
「マ、マム!イエス、マム!」
メリッサとシスティーナは動き出した。
「あたし・・・洗濯で良かったよ・・・」
「リモアも・・・っ」
「あの姫、エロおやじに嫁いだほうがマシだったんじゃないの・・・」
俺も正直、片付けは苦手だ。
ここはメイに任せることにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
三時間は経ったか、洗濯も終わり、洗濯物を干して、ゴミも庭に集められ焼却されている。拭き掃除もシスティーナとメイが一生懸命やってくれた。
システィーナは、かなり涙目だったが・・・
簡単にみんなで遅めの昼飯を食うと、久しぶりの風呂に入る。
俺が風呂から出ると、用事が終わった女たちが風呂に入っていく。
俺がリビングでくつろいでいると、
「あれ?、よっちゃん。帰ってきたの?」
「葉っぱ、てめえ・・・」
俺は葉っぱを睨みつける。
「ん?怒ってる?」
葉っぱは何故怒られるのかわからないようだ。
「この部屋を見てなんか気づかないか?」
葉っぱはキョロキョロとあたりを見渡すが、
「何も?ねね、あたい、剣が打てるようになったんだよ!」
葉っぱは胸の前で手をブンブン振りながら、報告をしてくる。胸もブルンブルン揺れる。
「・・・・・・そりゃあ、良かったな」
「うん!、もう少しでよっちゃんの役に立てるようになるからね!」
葉っぱは心底嬉しそうだ。
「だがなんだ、この部屋は」
「この部屋って?」
俺は葉っぱのこめかみにグリグリをしながら問い詰める。
「お、ま、え、は、そ、う、じ、を、し、た、の、か?!」
「いだっ、いだいいだいいだいいだいいだいいだい」
俺がグリグリを止めると、葉っぱはこめかみを押さえつつ言い訳をしてくる。
「あ、あたい、片付けは苦手で・・・。っ!綺麗になってるね!ありがとう!」
「ありがとうじゃねー!・・・・・・、まあいい、メイから話があるだろ」
俺は自分で怒る気をなくしてそう言うと、葉っぱの目は大きく見開き、悪魔と対峙したことを想像したようにガタガタと震えだす。
「あ、ああぁぁぁ・・・、ど、どうしよう、よっちゃん・・・」
(こいつ・・・、メイにはびびって俺は余裕かよ。・・・ワカらしてやる必要があるな・・・)
「お前、後で地下室でお仕置きだ」
「地下室?!そこでかくまってくれる?!お願いよっちゃん!あたい、死にたくないよ!」
完全に俺をなめてやがる。きっちりお仕置きしてやる。
葉っぱがメイにビビりまくっていると、女たちが風呂から上がって、氷の入ったジュースを持ちながらリビングにやってきた。
「あっ!ソフィア!」
「ソフィア、あんた・・・」
アリサとメリッサが葉っぱに食ってかかろうと前に出たがが、北極にテレポートしたような冷気を感じて、ピタリと脚を止める。そしてギギギギと音が聞こえそうに二人は後ろを振り返る。
アリサとメリッサは、笑顔の雪女を見た。
葉っぱは既に膝が笑っている。
「うふふ、うふふふふふ・・・、ソフィア、うふふふふふ」
「あ、あ、あ、よっちゃん!」
葉っぱはギリギリ意識を保ち、俺が座るソファにすがるように飛びついてきた。
雪女はゆっくりとこちらに歩いてくる。
「ソフィア、久しぶりですね・・・」
葉っぱはガタガタと震える手で俺にしがみつく。
半分泣いているかのように、俺に懇願しながら叫ぶ。目線だけはメイに釘付けだが。
「よっちゃん!助けて!!な、なんでも!なんでもするから!!お願い!ひ、ひぃぃぃぃぃ!!!」
葉っぱはあまりの恐怖に失禁しそうなので、仕方なく俺が介入する。
「メイ、お仕置きは俺が用意する。だから叱るのはほどほどにな」
俺は葉っぱをソファから押し出す。
「よっちゃん!!」
葉っぱは驚愕の表情を浮かべるが、知ったこっちゃない。何故俺が葉っぱごときを甘やかさないといけないのだ。
「かしこまりましたヨシト様。なら私はしつけだけに致しましょう」
「ああ、頼む」
たちまち葉っぱは全員に囲まれる。
「あんた、ふざけんじゃないわよ?」
「あたしはいいよ、でもメイ子がね」
「私は姫よ?!この私に掃除なんてさせ───、の、ノー、マム!」
「ったく、冗談じゃないわ」
「さあ、ソフィア、あちらで話しましょう」
葉っぱはメイに腕を取られ、ズルズルと引きずられていく。
「よ、よっちゃん!よっちゃああぁぁぁん!!!」
俺は葉っぱと目は合わせずに、システィーナが持ってきたジュースを傾けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ひさびさに俺が夕飯を作った。
今日は豚肉、ピーマン、タケノコもどきを炒めた青椒肉絲もどきと、麻婆豆腐もどきだ。
久しぶりに全員で食卓に座る。
「あたいが悪かった。これからはちゃんと片付けをする。絶対!」
「ヨシト様、ソフィアも迷宮にいた頃の、初心の気持ちを取り戻してくれたようです。これでよろしいでしょうか」
「ああ、ありがとうな」
葉っぱの顔には涙が乾いた後が残っている。どんな方法で初心を戻させたのか、知りたくもあるが、一生知りたくもない。
俺の隣に座るシスティーナが、俺の袖を引っ張る。
「(ねえ、はっきりしときたいんだけど、ここのボスは誰なの?)」
「(・・・、俺に決まっている)」
「(ねえ、私が嫁に来るより、もしかして婿を用意したほうがいい?)」
「(したいならすればいいが、どうなるか責任とれんぞ?)」
もちろんそれは、俺が脅してるわけじゃない。そんなことをしたらメイがどれほど怒り狂うかと言う意味だ。システィーナもその意味で理解したようだ。
「(・・・やめとく、死ぬより恐ろしい目に遭わされそうだもん)」
「(大人しくしてろ、そのうち城に返してやるよ)」
システィーナは、それじゃ私の目的がとかぶつぶつ言ってたが、聞こえないことにした。
流石に一国の姫を小間使い扱いをいつまでもさせるわけにはいかない。メイも1ヶ月と言ってたので、なんとかなるだろう。
本当、システィーナは9歳とは思えないほど良く頭が回る。そんなことまで気が回るのは、やはり育った環境からだろうか。
「ねえ、ヨシト。フリーポートにはいつ行くの?」
メリッサが聞いてきた。
「明日には出る」
「具体的にプランはあるの?」
「いや、ノープランだ。だからリモア、メリッサ、頼むな」
「はぁ~~い!」
「もちろんよ」
モーラが俺を心配してくる。
「メリッサとリモアがついてるんだ、万が一はないと思う。でも本当に大丈夫かい?」
「ないとは思うが、俺よりケイノスのが心配だ。いきなり龍が来ることを想定して、モーラたち3人なら大丈夫と考えてる。こっちは所詮相手は人間だ、俺でもある程度は戦えるよ」
「そうかい・・・・、でも、早く帰ってきてね・・・」
ドキッ!
モーラが顔を赤くして可愛いことを言う。これは今日可愛がるしかないだろう。
「お兄ちゃん、気をつけてね」
「ああ」
「ヨシト様、こちらはお任せください」
「メイ、苦労かけるな」
今晩はモーラを抱こうと思った。
だがそれは叶わなかった。
特別編が入ったからだ。
10
お気に入りに追加
4,831
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。