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第五章
雪女
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昨日の夜、四季桜で話し合った結果、モーラとメイ、アリサにはお留守番を頼んだ。
そして、何処で留守番をするのかが問題になってくる。
俺はぶっちゃけ王都を守りたい。敵も王都を攻めてくる確率のが高い。だが、王都を守りたい理由を説明出来ない。
モーラたちは、拠点がある迷宮都市で留守番をすると言う。
顔見知りも王都より迷宮都市のが多いからだ。
どっちも守りたいが、戦力を分散しすぎるのも問題だ。
俺も迷宮都市を守ることで同意した。
ここは執着してはいけない。執着するくらいならきちんと責任を取るべきだろうが、それは俺のエゴであり、望まれていないことだ。
勘違いすると、関係者全員を不幸にすることになる。
全員でテレポートで拠点に帰ると・・・
「これは・・・」
「・・・お兄ちゃん」
「酷すぎるわね」
「ソフィアは何処言ったんだい?」
「うふふ、うふふふ・・・どうやらまだしつけが足りなかったようですね。奴隷とはどういうものか教えてあげなければなりません」
「(こわ・・・)」
「何か言いましたか、システィーナ?」
「ノ、ノー、マム!!」
部屋がまるでゴミ屋敷だ。
食いっぱなし、脱ぎっぱなし、これだけ広い屋敷がゴミだらけなのだ。ハエのような虫も飛んでいる。
各部屋のシーツは全て使われている。シーツの洗濯が面倒だから、部屋を渡り歩いたのだろう。
「ヨシト様、ヨシト様はバルコニーでお寛ぎください。モーラ、アリサ、リモア、とにかく洗濯をしてください」
アリサはすぐさま拒否の顔を浮かべたが、メイの顔を見て反論を辞めた。
「わ、わかったわよ・・・」
「シーツもかい?メイ子」
「もちろんです、モーラ」
「わかった」
「てゆうかっ、リモアもやるのっ!?」
「当たり前です」
メイは有無を言わさない。その目付きはオリハルコン級の魔物さえ黙らせた。
「はぁ~ぃ・・・」
「システィーナと私は拭き掃除をします。メリッサはゴミをどんどん庭に集めてください」
「わかったわ」
「・・・・・・」
システィーナは絶句する。口を少し開き、顎と手をプルプル震わせている
まさか宿より汚いところを掃除させられるとは思っていなかったのだろう。
「システィーナ?」
「ぜ、全部ですか、マム・・・?」
屋敷は広い。これを全部拭き掃除をするのは、地獄に等しい。
システィーナは恐る恐る様子を伺うように、メイを見上げる。
だが、メイは言葉で答えずに視線だけでシスティーナに理解させた。
システィーナはビクッと大きく跳ね、
「マ、マム!イエス、マム!」
メリッサとシスティーナは動き出した。
「あたし・・・洗濯で良かったよ・・・」
「リモアも・・・っ」
「あの姫、エロおやじに嫁いだほうがマシだったんじゃないの・・・」
俺も正直、片付けは苦手だ。
ここはメイに任せることにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
三時間は経ったか、洗濯も終わり、洗濯物を干して、ゴミも庭に集められ焼却されている。拭き掃除もシスティーナとメイが一生懸命やってくれた。
システィーナは、かなり涙目だったが・・・
簡単にみんなで遅めの昼飯を食うと、久しぶりの風呂に入る。
俺が風呂から出ると、用事が終わった女たちが風呂に入っていく。
俺がリビングでくつろいでいると、
「あれ?、よっちゃん。帰ってきたの?」
「葉っぱ、てめえ・・・」
俺は葉っぱを睨みつける。
「ん?怒ってる?」
葉っぱは何故怒られるのかわからないようだ。
「この部屋を見てなんか気づかないか?」
葉っぱはキョロキョロとあたりを見渡すが、
「何も?ねね、あたい、剣が打てるようになったんだよ!」
葉っぱは胸の前で手をブンブン振りながら、報告をしてくる。胸もブルンブルン揺れる。
「・・・・・・そりゃあ、良かったな」
「うん!、もう少しでよっちゃんの役に立てるようになるからね!」
葉っぱは心底嬉しそうだ。
「だがなんだ、この部屋は」
「この部屋って?」
俺は葉っぱのこめかみにグリグリをしながら問い詰める。
「お、ま、え、は、そ、う、じ、を、し、た、の、か?!」
「いだっ、いだいいだいいだいいだいいだいいだい」
俺がグリグリを止めると、葉っぱはこめかみを押さえつつ言い訳をしてくる。
「あ、あたい、片付けは苦手で・・・。っ!綺麗になってるね!ありがとう!」
「ありがとうじゃねー!・・・・・・、まあいい、メイから話があるだろ」
俺は自分で怒る気をなくしてそう言うと、葉っぱの目は大きく見開き、悪魔と対峙したことを想像したようにガタガタと震えだす。
「あ、ああぁぁぁ・・・、ど、どうしよう、よっちゃん・・・」
(こいつ・・・、メイにはびびって俺は余裕かよ。・・・ワカらしてやる必要があるな・・・)
「お前、後で地下室でお仕置きだ」
「地下室?!そこでかくまってくれる?!お願いよっちゃん!あたい、死にたくないよ!」
完全に俺をなめてやがる。きっちりお仕置きしてやる。
葉っぱがメイにビビりまくっていると、女たちが風呂から上がって、氷の入ったジュースを持ちながらリビングにやってきた。
「あっ!ソフィア!」
「ソフィア、あんた・・・」
アリサとメリッサが葉っぱに食ってかかろうと前に出たがが、北極にテレポートしたような冷気を感じて、ピタリと脚を止める。そしてギギギギと音が聞こえそうに二人は後ろを振り返る。
アリサとメリッサは、笑顔の雪女を見た。
葉っぱは既に膝が笑っている。
「うふふ、うふふふふふ・・・、ソフィア、うふふふふふ」
「あ、あ、あ、よっちゃん!」
葉っぱはギリギリ意識を保ち、俺が座るソファにすがるように飛びついてきた。
雪女はゆっくりとこちらに歩いてくる。
「ソフィア、久しぶりですね・・・」
葉っぱはガタガタと震える手で俺にしがみつく。
半分泣いているかのように、俺に懇願しながら叫ぶ。目線だけはメイに釘付けだが。
「よっちゃん!助けて!!な、なんでも!なんでもするから!!お願い!ひ、ひぃぃぃぃぃ!!!」
葉っぱはあまりの恐怖に失禁しそうなので、仕方なく俺が介入する。
「メイ、お仕置きは俺が用意する。だから叱るのはほどほどにな」
俺は葉っぱをソファから押し出す。
「よっちゃん!!」
葉っぱは驚愕の表情を浮かべるが、知ったこっちゃない。何故俺が葉っぱごときを甘やかさないといけないのだ。
「かしこまりましたヨシト様。なら私はしつけだけに致しましょう」
「ああ、頼む」
たちまち葉っぱは全員に囲まれる。
「あんた、ふざけんじゃないわよ?」
「あたしはいいよ、でもメイ子がね」
「私は姫よ?!この私に掃除なんてさせ───、の、ノー、マム!」
「ったく、冗談じゃないわ」
「さあ、ソフィア、あちらで話しましょう」
葉っぱはメイに腕を取られ、ズルズルと引きずられていく。
「よ、よっちゃん!よっちゃああぁぁぁん!!!」
俺は葉っぱと目は合わせずに、システィーナが持ってきたジュースを傾けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ひさびさに俺が夕飯を作った。
今日は豚肉、ピーマン、タケノコもどきを炒めた青椒肉絲もどきと、麻婆豆腐もどきだ。
久しぶりに全員で食卓に座る。
「あたいが悪かった。これからはちゃんと片付けをする。絶対!」
「ヨシト様、ソフィアも迷宮にいた頃の、初心の気持ちを取り戻してくれたようです。これでよろしいでしょうか」
「ああ、ありがとうな」
葉っぱの顔には涙が乾いた後が残っている。どんな方法で初心を戻させたのか、知りたくもあるが、一生知りたくもない。
俺の隣に座るシスティーナが、俺の袖を引っ張る。
「(ねえ、はっきりしときたいんだけど、ここのボスは誰なの?)」
「(・・・、俺に決まっている)」
「(ねえ、私が嫁に来るより、もしかして婿を用意したほうがいい?)」
「(したいならすればいいが、どうなるか責任とれんぞ?)」
もちろんそれは、俺が脅してるわけじゃない。そんなことをしたらメイがどれほど怒り狂うかと言う意味だ。システィーナもその意味で理解したようだ。
「(・・・やめとく、死ぬより恐ろしい目に遭わされそうだもん)」
「(大人しくしてろ、そのうち城に返してやるよ)」
システィーナは、それじゃ私の目的がとかぶつぶつ言ってたが、聞こえないことにした。
流石に一国の姫を小間使い扱いをいつまでもさせるわけにはいかない。メイも1ヶ月と言ってたので、なんとかなるだろう。
本当、システィーナは9歳とは思えないほど良く頭が回る。そんなことまで気が回るのは、やはり育った環境からだろうか。
「ねえ、ヨシト。フリーポートにはいつ行くの?」
メリッサが聞いてきた。
「明日には出る」
「具体的にプランはあるの?」
「いや、ノープランだ。だからリモア、メリッサ、頼むな」
「はぁ~~い!」
「もちろんよ」
モーラが俺を心配してくる。
「メリッサとリモアがついてるんだ、万が一はないと思う。でも本当に大丈夫かい?」
「ないとは思うが、俺よりケイノスのが心配だ。いきなり龍が来ることを想定して、モーラたち3人なら大丈夫と考えてる。こっちは所詮相手は人間だ、俺でもある程度は戦えるよ」
「そうかい・・・・、でも、早く帰ってきてね・・・」
ドキッ!
モーラが顔を赤くして可愛いことを言う。これは今日可愛がるしかないだろう。
「お兄ちゃん、気をつけてね」
「ああ」
「ヨシト様、こちらはお任せください」
「メイ、苦労かけるな」
今晩はモーラを抱こうと思った。
だがそれは叶わなかった。
特別編が入ったからだ。
そして、何処で留守番をするのかが問題になってくる。
俺はぶっちゃけ王都を守りたい。敵も王都を攻めてくる確率のが高い。だが、王都を守りたい理由を説明出来ない。
モーラたちは、拠点がある迷宮都市で留守番をすると言う。
顔見知りも王都より迷宮都市のが多いからだ。
どっちも守りたいが、戦力を分散しすぎるのも問題だ。
俺も迷宮都市を守ることで同意した。
ここは執着してはいけない。執着するくらいならきちんと責任を取るべきだろうが、それは俺のエゴであり、望まれていないことだ。
勘違いすると、関係者全員を不幸にすることになる。
全員でテレポートで拠点に帰ると・・・
「これは・・・」
「・・・お兄ちゃん」
「酷すぎるわね」
「ソフィアは何処言ったんだい?」
「うふふ、うふふふ・・・どうやらまだしつけが足りなかったようですね。奴隷とはどういうものか教えてあげなければなりません」
「(こわ・・・)」
「何か言いましたか、システィーナ?」
「ノ、ノー、マム!!」
部屋がまるでゴミ屋敷だ。
食いっぱなし、脱ぎっぱなし、これだけ広い屋敷がゴミだらけなのだ。ハエのような虫も飛んでいる。
各部屋のシーツは全て使われている。シーツの洗濯が面倒だから、部屋を渡り歩いたのだろう。
「ヨシト様、ヨシト様はバルコニーでお寛ぎください。モーラ、アリサ、リモア、とにかく洗濯をしてください」
アリサはすぐさま拒否の顔を浮かべたが、メイの顔を見て反論を辞めた。
「わ、わかったわよ・・・」
「シーツもかい?メイ子」
「もちろんです、モーラ」
「わかった」
「てゆうかっ、リモアもやるのっ!?」
「当たり前です」
メイは有無を言わさない。その目付きはオリハルコン級の魔物さえ黙らせた。
「はぁ~ぃ・・・」
「システィーナと私は拭き掃除をします。メリッサはゴミをどんどん庭に集めてください」
「わかったわ」
「・・・・・・」
システィーナは絶句する。口を少し開き、顎と手をプルプル震わせている
まさか宿より汚いところを掃除させられるとは思っていなかったのだろう。
「システィーナ?」
「ぜ、全部ですか、マム・・・?」
屋敷は広い。これを全部拭き掃除をするのは、地獄に等しい。
システィーナは恐る恐る様子を伺うように、メイを見上げる。
だが、メイは言葉で答えずに視線だけでシスティーナに理解させた。
システィーナはビクッと大きく跳ね、
「マ、マム!イエス、マム!」
メリッサとシスティーナは動き出した。
「あたし・・・洗濯で良かったよ・・・」
「リモアも・・・っ」
「あの姫、エロおやじに嫁いだほうがマシだったんじゃないの・・・」
俺も正直、片付けは苦手だ。
ここはメイに任せることにした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
三時間は経ったか、洗濯も終わり、洗濯物を干して、ゴミも庭に集められ焼却されている。拭き掃除もシスティーナとメイが一生懸命やってくれた。
システィーナは、かなり涙目だったが・・・
簡単にみんなで遅めの昼飯を食うと、久しぶりの風呂に入る。
俺が風呂から出ると、用事が終わった女たちが風呂に入っていく。
俺がリビングでくつろいでいると、
「あれ?、よっちゃん。帰ってきたの?」
「葉っぱ、てめえ・・・」
俺は葉っぱを睨みつける。
「ん?怒ってる?」
葉っぱは何故怒られるのかわからないようだ。
「この部屋を見てなんか気づかないか?」
葉っぱはキョロキョロとあたりを見渡すが、
「何も?ねね、あたい、剣が打てるようになったんだよ!」
葉っぱは胸の前で手をブンブン振りながら、報告をしてくる。胸もブルンブルン揺れる。
「・・・・・・そりゃあ、良かったな」
「うん!、もう少しでよっちゃんの役に立てるようになるからね!」
葉っぱは心底嬉しそうだ。
「だがなんだ、この部屋は」
「この部屋って?」
俺は葉っぱのこめかみにグリグリをしながら問い詰める。
「お、ま、え、は、そ、う、じ、を、し、た、の、か?!」
「いだっ、いだいいだいいだいいだいいだいいだい」
俺がグリグリを止めると、葉っぱはこめかみを押さえつつ言い訳をしてくる。
「あ、あたい、片付けは苦手で・・・。っ!綺麗になってるね!ありがとう!」
「ありがとうじゃねー!・・・・・・、まあいい、メイから話があるだろ」
俺は自分で怒る気をなくしてそう言うと、葉っぱの目は大きく見開き、悪魔と対峙したことを想像したようにガタガタと震えだす。
「あ、ああぁぁぁ・・・、ど、どうしよう、よっちゃん・・・」
(こいつ・・・、メイにはびびって俺は余裕かよ。・・・ワカらしてやる必要があるな・・・)
「お前、後で地下室でお仕置きだ」
「地下室?!そこでかくまってくれる?!お願いよっちゃん!あたい、死にたくないよ!」
完全に俺をなめてやがる。きっちりお仕置きしてやる。
葉っぱがメイにビビりまくっていると、女たちが風呂から上がって、氷の入ったジュースを持ちながらリビングにやってきた。
「あっ!ソフィア!」
「ソフィア、あんた・・・」
アリサとメリッサが葉っぱに食ってかかろうと前に出たがが、北極にテレポートしたような冷気を感じて、ピタリと脚を止める。そしてギギギギと音が聞こえそうに二人は後ろを振り返る。
アリサとメリッサは、笑顔の雪女を見た。
葉っぱは既に膝が笑っている。
「うふふ、うふふふふふ・・・、ソフィア、うふふふふふ」
「あ、あ、あ、よっちゃん!」
葉っぱはギリギリ意識を保ち、俺が座るソファにすがるように飛びついてきた。
雪女はゆっくりとこちらに歩いてくる。
「ソフィア、久しぶりですね・・・」
葉っぱはガタガタと震える手で俺にしがみつく。
半分泣いているかのように、俺に懇願しながら叫ぶ。目線だけはメイに釘付けだが。
「よっちゃん!助けて!!な、なんでも!なんでもするから!!お願い!ひ、ひぃぃぃぃぃ!!!」
葉っぱはあまりの恐怖に失禁しそうなので、仕方なく俺が介入する。
「メイ、お仕置きは俺が用意する。だから叱るのはほどほどにな」
俺は葉っぱをソファから押し出す。
「よっちゃん!!」
葉っぱは驚愕の表情を浮かべるが、知ったこっちゃない。何故俺が葉っぱごときを甘やかさないといけないのだ。
「かしこまりましたヨシト様。なら私はしつけだけに致しましょう」
「ああ、頼む」
たちまち葉っぱは全員に囲まれる。
「あんた、ふざけんじゃないわよ?」
「あたしはいいよ、でもメイ子がね」
「私は姫よ?!この私に掃除なんてさせ───、の、ノー、マム!」
「ったく、冗談じゃないわ」
「さあ、ソフィア、あちらで話しましょう」
葉っぱはメイに腕を取られ、ズルズルと引きずられていく。
「よ、よっちゃん!よっちゃああぁぁぁん!!!」
俺は葉っぱと目は合わせずに、システィーナが持ってきたジュースを傾けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ひさびさに俺が夕飯を作った。
今日は豚肉、ピーマン、タケノコもどきを炒めた青椒肉絲もどきと、麻婆豆腐もどきだ。
久しぶりに全員で食卓に座る。
「あたいが悪かった。これからはちゃんと片付けをする。絶対!」
「ヨシト様、ソフィアも迷宮にいた頃の、初心の気持ちを取り戻してくれたようです。これでよろしいでしょうか」
「ああ、ありがとうな」
葉っぱの顔には涙が乾いた後が残っている。どんな方法で初心を戻させたのか、知りたくもあるが、一生知りたくもない。
俺の隣に座るシスティーナが、俺の袖を引っ張る。
「(ねえ、はっきりしときたいんだけど、ここのボスは誰なの?)」
「(・・・、俺に決まっている)」
「(ねえ、私が嫁に来るより、もしかして婿を用意したほうがいい?)」
「(したいならすればいいが、どうなるか責任とれんぞ?)」
もちろんそれは、俺が脅してるわけじゃない。そんなことをしたらメイがどれほど怒り狂うかと言う意味だ。システィーナもその意味で理解したようだ。
「(・・・やめとく、死ぬより恐ろしい目に遭わされそうだもん)」
「(大人しくしてろ、そのうち城に返してやるよ)」
システィーナは、それじゃ私の目的がとかぶつぶつ言ってたが、聞こえないことにした。
流石に一国の姫を小間使い扱いをいつまでもさせるわけにはいかない。メイも1ヶ月と言ってたので、なんとかなるだろう。
本当、システィーナは9歳とは思えないほど良く頭が回る。そんなことまで気が回るのは、やはり育った環境からだろうか。
「ねえ、ヨシト。フリーポートにはいつ行くの?」
メリッサが聞いてきた。
「明日には出る」
「具体的にプランはあるの?」
「いや、ノープランだ。だからリモア、メリッサ、頼むな」
「はぁ~~い!」
「もちろんよ」
モーラが俺を心配してくる。
「メリッサとリモアがついてるんだ、万が一はないと思う。でも本当に大丈夫かい?」
「ないとは思うが、俺よりケイノスのが心配だ。いきなり龍が来ることを想定して、モーラたち3人なら大丈夫と考えてる。こっちは所詮相手は人間だ、俺でもある程度は戦えるよ」
「そうかい・・・・、でも、早く帰ってきてね・・・」
ドキッ!
モーラが顔を赤くして可愛いことを言う。これは今日可愛がるしかないだろう。
「お兄ちゃん、気をつけてね」
「ああ」
「ヨシト様、こちらはお任せください」
「メイ、苦労かけるな」
今晩はモーラを抱こうと思った。
だがそれは叶わなかった。
特別編が入ったからだ。
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