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第三章
幕間 リモア 特別編
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リモア、今日出会ったサキュ━━、ヴァンパイア。
いくつもの顔を切り替え、つかみどころのない女。
「じゃっ、さっそくっ、血をもらうねっ!」
「・・・・・・何故全裸になる?」
リモアと俺はテントに入り、俺がベッドに横になるとそう言ってきた。
それは良い、契約したんだから。
だがリモアは、俺のTシャツも、膝までのブーツも、ブラもパンツも脱ぐ。全裸だ。
そして、ニヨニヨとする。
「んふふ~~、血がついちゃうからねっ!」
「ブラとパンツは良いだろ」
「今にわかるって!」
「・・・・・・」
(いや、大体想像つく。あれか?吸血には快感が伴うとかの設定か?)
「聞いてないんだが?」
「言ってないんだが?」
リモアは、俺の声まねをして、胸を張ってくる。
「・・・・・・」
「ほらっ、早くっ!さっきちょっと舐めたとき、ちょ~~~~美味しかったのっ!」
「なんだよ、ちょ~~って・・・」
リモアは俺が着ているTシャツの裾を持ち、スパッと脱がす。
「なんか怖くなってきた・・・」
「んふふ~~」
上半身裸になってベッドに座る俺に、リモアは俺の腿に股がって座り、向かい合う形になる。
「・・・」
「じゃっ、いっただっきま~~すっ!かぷっ!」
リモアは小さな口で俺の首に噛みついてくる。
俺は小さな声をあげる。
「・・・あっ!!!」
リモアは優しく、吹き出る血を舐めとるように血を飲む。
だが、痛みが全くない。
確かに牙が刺さった。その感触はあったが、まるで痛みがない。不思議だ。
代わりに、下腹に異常な熱を感じる。
モーラの時のように、心から沸き上がるようなものではない。そう、腹にいきなり火山が現れたような・・・。
「噴火したい・・・」
ただそれだけに頭が支配される。
「噴火したい・・・」
空を遊ぶ視線の端に、肉が見える。
肉だ、この肉をなぶり、くみしき、打ち付け、蹂躙したい。
獲物を見つけた猛獣のように肉を睨み付ける。
「んふふ・・・・・」
肉は俺の膝から降り、自分からベッドに横になる。
「おいでっ・・・お兄ちゃん・・・」
肉は爪先からゆっくりと開いていく。
それは柔らかな肉を裂くように、奥へ奥へと2つに割れる。
その奥地は、男を誘う肉色が待っていた。
きれいな肉だ。邪魔するものは、隠すものは何もない。
つるつるの肉が、艶やかに光を反射している。
「おいでっ・・・お兄ちゃん・・・」
俺は肉を裂け入った。
肉は跳び跳ねた。
◇◇◇◇◇◇◇
誰しも食われるのは嫌だ。
そんな当たり前のことがここには存在しない。
どんなに肉が逃げようとも打ち付ける。
逃げる肉をつかみ、引きずり戻し、大人しくなるまで打ち付ける。
何度も、何度も。
やがて肉は動かなくなる。
だが、そんなのはかまいやしない。
動かない肉に打ち付け、打ち付け、やがて動きだした肉がまた動かなくなるまで打ち付けてやる。
何時間たっただろうか、男は正気を取り戻す。
そこにはうつぶせで死んだようにピクリとも動かないリモアがいた。
「おい、大丈夫か?、おい、おい」
俺はリモアの頬を軽く何度も叩く。
10も叩かないうちに、リモアは意識が戻った。
リモアは俺を睨む。
「大丈夫か?」
リモアはぴょんとベッドの上に立ち上がり、両手を腰に当てる。
「物には限度って、あるでしょっ!」
「いや、お前、ヴァンパイアだろ?慣れてるんだろ?」
「さっき言ったっ!魔物になるのは初めてだってっ!」
リモアはぷくっと頬を膨らます。
「じゃあ、今までどうしてたんだ?」
「だってリモアっ、グリ━━・・・どうだって良いでしょっ!とにかくそんなにはダメっ!」
「あー、でも、俺ほとんど記憶がないんだが」
リモアはアニメ声で、頑張って怒る。
「これをっ!、見たらわかるでしょ!」
「あー・・・」
これはひどい。メイとでもここまでひどいことになったことはない。漏らしてもいるな。ビビったのか?
「ところで旨かったのか?」
リモアはパアッと一気に顔が明るくなった。
「と~~~~っっても美味しいのっ!リモアびっくり!」
「そうか、じゃあ、つぎからどうすんだ?また俺にやられるぞ?」
リモアは、次からと言われて、一体何を想像しているのか、顔を真っ赤にする。
「な・・・」
「な?」
「な・・・」
「な?」
「慣れるしか・・・ないよっ・・・」
リモアは顔を真っ赤にして、ベッドの上で丸まった。
俺はリモアの背中の小さな羽でピョコピョコ遊んだ。
いくつもの顔を切り替え、つかみどころのない女。
「じゃっ、さっそくっ、血をもらうねっ!」
「・・・・・・何故全裸になる?」
リモアと俺はテントに入り、俺がベッドに横になるとそう言ってきた。
それは良い、契約したんだから。
だがリモアは、俺のTシャツも、膝までのブーツも、ブラもパンツも脱ぐ。全裸だ。
そして、ニヨニヨとする。
「んふふ~~、血がついちゃうからねっ!」
「ブラとパンツは良いだろ」
「今にわかるって!」
「・・・・・・」
(いや、大体想像つく。あれか?吸血には快感が伴うとかの設定か?)
「聞いてないんだが?」
「言ってないんだが?」
リモアは、俺の声まねをして、胸を張ってくる。
「・・・・・・」
「ほらっ、早くっ!さっきちょっと舐めたとき、ちょ~~~~美味しかったのっ!」
「なんだよ、ちょ~~って・・・」
リモアは俺が着ているTシャツの裾を持ち、スパッと脱がす。
「なんか怖くなってきた・・・」
「んふふ~~」
上半身裸になってベッドに座る俺に、リモアは俺の腿に股がって座り、向かい合う形になる。
「・・・」
「じゃっ、いっただっきま~~すっ!かぷっ!」
リモアは小さな口で俺の首に噛みついてくる。
俺は小さな声をあげる。
「・・・あっ!!!」
リモアは優しく、吹き出る血を舐めとるように血を飲む。
だが、痛みが全くない。
確かに牙が刺さった。その感触はあったが、まるで痛みがない。不思議だ。
代わりに、下腹に異常な熱を感じる。
モーラの時のように、心から沸き上がるようなものではない。そう、腹にいきなり火山が現れたような・・・。
「噴火したい・・・」
ただそれだけに頭が支配される。
「噴火したい・・・」
空を遊ぶ視線の端に、肉が見える。
肉だ、この肉をなぶり、くみしき、打ち付け、蹂躙したい。
獲物を見つけた猛獣のように肉を睨み付ける。
「んふふ・・・・・」
肉は俺の膝から降り、自分からベッドに横になる。
「おいでっ・・・お兄ちゃん・・・」
肉は爪先からゆっくりと開いていく。
それは柔らかな肉を裂くように、奥へ奥へと2つに割れる。
その奥地は、男を誘う肉色が待っていた。
きれいな肉だ。邪魔するものは、隠すものは何もない。
つるつるの肉が、艶やかに光を反射している。
「おいでっ・・・お兄ちゃん・・・」
俺は肉を裂け入った。
肉は跳び跳ねた。
◇◇◇◇◇◇◇
誰しも食われるのは嫌だ。
そんな当たり前のことがここには存在しない。
どんなに肉が逃げようとも打ち付ける。
逃げる肉をつかみ、引きずり戻し、大人しくなるまで打ち付ける。
何度も、何度も。
やがて肉は動かなくなる。
だが、そんなのはかまいやしない。
動かない肉に打ち付け、打ち付け、やがて動きだした肉がまた動かなくなるまで打ち付けてやる。
何時間たっただろうか、男は正気を取り戻す。
そこにはうつぶせで死んだようにピクリとも動かないリモアがいた。
「おい、大丈夫か?、おい、おい」
俺はリモアの頬を軽く何度も叩く。
10も叩かないうちに、リモアは意識が戻った。
リモアは俺を睨む。
「大丈夫か?」
リモアはぴょんとベッドの上に立ち上がり、両手を腰に当てる。
「物には限度って、あるでしょっ!」
「いや、お前、ヴァンパイアだろ?慣れてるんだろ?」
「さっき言ったっ!魔物になるのは初めてだってっ!」
リモアはぷくっと頬を膨らます。
「じゃあ、今までどうしてたんだ?」
「だってリモアっ、グリ━━・・・どうだって良いでしょっ!とにかくそんなにはダメっ!」
「あー、でも、俺ほとんど記憶がないんだが」
リモアはアニメ声で、頑張って怒る。
「これをっ!、見たらわかるでしょ!」
「あー・・・」
これはひどい。メイとでもここまでひどいことになったことはない。漏らしてもいるな。ビビったのか?
「ところで旨かったのか?」
リモアはパアッと一気に顔が明るくなった。
「と~~~~っっても美味しいのっ!リモアびっくり!」
「そうか、じゃあ、つぎからどうすんだ?また俺にやられるぞ?」
リモアは、次からと言われて、一体何を想像しているのか、顔を真っ赤にする。
「な・・・」
「な?」
「な・・・」
「な?」
「慣れるしか・・・ないよっ・・・」
リモアは顔を真っ赤にして、ベッドの上で丸まった。
俺はリモアの背中の小さな羽でピョコピョコ遊んだ。
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