俺の知っている異世界はどこにある

はがき

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拉致②

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キッシュの鞭がうなる。

「マスター!」

俺は鞭をかわしながら、

「うるせえ!古代人のおふざけに付き合ってる場合じゃねーんだよ!」
「もう面倒よ!お前たち、あの女を檻に下ろしてしまいなさい!」
「「「「はっ!」」」」

兵士が動き出す。

「あー、くそっ!わかったよ!」

俺はなんとかキッシュから距離を取り、手足を拘束されたまま、魂を込めて叫ぶ」

「行くぞ!来たれ獣神!!
ゴッド、ライッガアアアァァァァァ!」

六芒星の魔法陣が、紫の光を眩かせる。

『ゴアアアアアア!!!!』

獣の咆哮が放たれ、黄金のライオンが、六芒星から乗り出してくる。
そして、四つ足で地面に着地したあと、四つ足を踏ん張り、再び咆哮をあげる。

『ゴアアアアアア!!!』

すると次の瞬間、ゴッドライガーはホブゴブリンの檻にとびかかり、ホブゴブリンを檻ごと踏み潰した。

『ギャン!』
『グピイ!』

そしてその牙で、セイコの手首の拘束を切ると、自身の背中にセイコを乗せ、俺を守るように、俺の上に跨がった。

セイコはゴッドライガーの背中から降りてきて、俺の拘束を解きにかかる。

「逃すんじゃないわよ!殺してしまいなさい!」

キッシュが号令をかけると、マシンガンの一斉掃射が始まった。

キンキンキンキンキンキンキンキン

ゴッドライガーが身をかがめ、銃弾から俺たちを守る。
そのうちにセイコが俺の拘束を解き終わった。

「マスター、全員を殺します。ゴッドライガーでは大きすぎて漏れが出てしまうかもしれません」
「どうするんだ?」
「武器を射出します」
「?」

セイコはその場で片膝をつき、左腕を胸の前に構えた。
セイコのミニから露わになっている太ももと、左腕にタッチパネルのようなものが現れ、セイコは片手でそれをピコピコと操作し出す。


「マジカルフォース充填イネーブルド」

「ニュークリア雷電装置起動」

神雷ジンライナックルにエネルギー転送」

ゴッドライガーの体が黄金の光を纏う。

「レディエイションキャンセラー、神雷ナックルにコンバート・・・成功」

「神雷ナックル、エネルギー120%」

ゴッドライガーは、口をガパッと大きく開けた。

「射出カタパルトオールグリーン、斜線クリア、神雷ナックル発射準備よろし!マスター、どうぞ!」

「うおおおお!神・雷・ナッコォォォォ!」


ドギャアーーン!

ゴッドライガーの口から、黄金に輝く二つのガントレットが射出された。

それは倉庫内を支配するように、宙を飛び交うと、俺に向かって飛んでくる。

俺は大きくジャンプして、ナックルに合わせるように両手を突き出す。
すると、ナックルは俺の手を包み込んだ。

俺はゴッドライガーの背に立つ。
黄金に輝くガントレットに、青い稲妻がまとわりつき、敵を倒せと唸りをあげる。

「な、なによ!見せかけ倒しよ!」

俺は倉庫内を見渡す。

「ナックル、ブーストァァァァ!」

神雷ナックルから魔力が溢れ出し、俺の体は弾丸のように倉庫内を駆け巡る。そして、次々と兵士たちの腹をナックルで貫いていく。

「うて!撃てえ!」

ダダダダダダダダダ!

マシンガンから銃弾が放たれるが、俺は神雷ナックルで、それをことごとく弾いていく。
そして、次々と兵士たちを襲い、一撃で絶命させていく。

『ゴアアアアアア!』

セイコもゴッドライガーの背に乗り、ゴッドライガーは、無慈悲に兵士をその鋭い爪で切り裂いていく。


そして、生きているものはキッシュしか居なくなった。

「な、何よ、何よ!どうなってるのよ!」
「悪いが終わりだ。セイコの秘密を知ったお前らを生かしておくわけにはいかない。相手が悪かったと諦めるんだな」
「待って、、、待ちなさい!」

俺は両手をがっちりと合わせ、まるで両腕が大砲になったかのように、前に突き出す。

「あばよ」
「いやあああ!」

獅子咆哮ゴウライキャノン!」

ガオオオオオオオオ!

両腕の大砲、黄金のガントレットから、まるで獅子の咆哮のような音を立て、紫電を纏った光線が、レーザービームのように収束されて発射される。
小型の神雷砲のようだ。

キッシュは、蒸発した。





セイコの話を聞いた限りでは、身体検査などもされていないみたいなので、この倉庫内とその近辺にいる兵士のみ、皆殺しにしたが、それ以外は放っておいた。

そして俺たちは旅を続ける。次の目的地はシガ国だ。
ゴッドライガーに乗り込み、シガ国へと急ぐ。

「はぁ・・・、俺のイメージが・・・コミカル路線は嫌だ・・・」
「マスター」
「・・・なんだよ」
「存在がコミカルです」
「うるせーよ!って突っ込ませるんじゃねーよ!」
「おかしいですね。穴には突っ込みたがるのに」
「もう黙れ!」


「はぁ・・・、こんな異世界はくそったれだ・・・」
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