俺の知っている異世界はどこにある

はがき

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ゴールド・Tsu・ガーデン

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ギフト国で宿を取り、煎茶を用意する。

俺は散々迷ったあげく、数で勝負することにした。
様々な甘味を揃え、片っ端から食わせた。
結果、栗きんとんでヒットした。
ギフト国の栗きんとんは、正月料理のアレとは一味違う。甘く炊いた栗を餡で栗の形に包むのだ。
セイコはそれを一口頬張ると、マネキンのように動かなくなった。

俺はセイコのブラの中に手を突っ込み、生乳を揉む。

(よし、ここまでして反撃がないなら、間違いなくフリーズしている)

俺はセイコの前に栗きんとんを並べ置き、宿をこっそり抜け出した。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



ゴールド・Tsu・ガーデンに着くと、早速客引きがわらわらと寄ってくる。
シンジューシティでは考えられない光景だ。
俺は客引きたちを適当にあしらう。

ゴールド・Tsu・ガーデンの路地街で、一際煌びやかなネオンを放っているのは、【観光案内所】だ。
観光案内所と言っても、何も名所を案内してくれるわけではない。
ここではいわゆる夜の遊びの店を、無料で紹介してくれるのだ。
だが、我々クラスになるとこういう機関は使わない。ここで紹介されて店に入ると、なんと時間を短くされたり、指名料や接待税などを取られるのだ。

世の中に無料などない、皆も気をつけるように。

俺はぐるぐると路地街を練り歩くと、客引きが居ない店がある。

「・・・ここだな」

客引きが居ない店=客引きの必要がない=優良店の可能性が高い。
俺はこの店、ビーナスラインと言う店に入った。

入り口は明るく清潔だ。
なかなか仕事が出来そうな店だ。

「いらっしゃいませ」

ぶっきらぼうな50代の男が挨拶してくる。
チャラチャラした若い男より好感がもてる。更に好印象だ。

「写真はあるか?」
「本日はかなりお客様が多く、ご紹介出来るキャストが少ないですが」
「・・・構わない、見せてもらおう」

キャストが出払っている=まんべんなくレベルが高い。とも言える。
俺の期待は更に膨らむ。

応接室に通され、アルバムを3冊持った男がやってきた。

男がアルバムを開きながら、キャストを指差して行く。

「この子が空いてます、この子、この子も・・・」

ペラ

「この子はあと30分・・・」

ペラ

「この子も30分・・・」

悪くない、悪くないが、イマイチピンとこない。
すると男は次のアルバムに手をかけ、同じようにアルバムをめくりながら、指を刺していく。

だが、俺は三枚目のアルバム、異様に薄いアルバムが気になった。

「そっちのはどうなんだ?」

すると男は細い目をして、俺を見る。

「このキャストは、一見の方にはご紹介しません」
「・・・・・・何故だ」
「このキャストは当店のNo.1です。ですが癖が強くオススメ出来ません」
「・・・」

そうなると余計に気になってくる。

「写真だけでも見せてくれ」

男は渋い顔をしたが、アルバムを開いてくれた。

「・・・・・・」
「このように顔出しもしておりません。何卒このキャストのことは忘れてください」

アルバムを開くと、切り絵が入っていた。そのキャストの切り絵ではなく、一般的な女性のシルエットの切り絵だ。

「・・・No.1なんだろ?」
「はい、間違いなくNo.1です。固定客の方だけで、No.2の2倍の稼ぎを出しています」
「それは・・・すごいな・・・」
「本日、急遽お客様のキャンセルが入り、空いておりますので一応持っては参りましたが、オススメなわけではございません。もうそろそろNo.2が上がってきます。そちらにお入りください」

確かにNo.2は若く可愛かった。
きっと写真が切り絵だと言うことは、少し歳がいってるのだろう。
30、いや、40代もありえる。
だが、俺は見た目よりも仕事サービスの腕がどれだけ凄いかのが好みだ。

(なめるなよ・・・ハードボイルドが臆すると思ったか?。安パイ狙いをするとでも?・・・俺は1番を狙う)

「わかった、No.1に入ろう」

男は目を見開いた。

「・・・おやめください」
「大丈夫だ、わかってる。少し歳が行ってるのだろ?俺は仕事派だ。仕事は出来るか?」
「それはもう、当店、いや、ゴールド・Tsu・ガーデンの中でも1番でございます」
「なら問題ない」
「・・・かしこまりました」

五分もしないうちに部屋に案内された。

「すぐにキャストが参ります。室内でお待ちください」
「わかった」

俺は室内でそわそわ待っていると、

コンコン

「失礼します」

なかなかハスキーな声だ。
そうとうどエロい女に違いない。
俺はドアの方を向かずに、ソファに座り待っている。

「・・・なっ!!!」
「どうかなさいました?」
「・・・・・・な、なかなか出来そうな女だな」

女はふふと笑い、

「ご期待ください」

ニヤリと笑った。


それは出来るだろう。
ババアだった。老人でも年を召した女性でもない、ババアだ。
ババアとしか形容できない。
間違いなく70は超えてる。その先?充分可能性はあるが、想像したくない。
こんなババアで立つわけがない、俺は穴ならなんでもいい中学生ではないのだ。

俺の脳内が戦慄に震えていると、ババアは俺の着流しの前をはだけさせ、パンツを脱がしにかかる。
ソクシャクだ。

「き、今日は調子があまり良くなくてな」

ババアはニンマリとした。

「うふふ、皆さんそうですよ。安心してください。大丈夫ですから」
「・・・・・・」

ババアは俺のパンツを下ろすと、自らの口に手を当てた。

「んな!!!バカな!!?」

総入れ歯だ。
ババアは総入れ歯をガパリと外し、俺のイチモツに狙いを定めた。

「ぬっ!ぬおおおおあああああ!」


・・・
・・・・
・・・・・


2時間後、受付に戻ると、男に応接室に通された。

「・・・いかがでしたか?」
「・・・・・・3回出した・・・」
「・・・ご立派でございます」





俺は宿に帰った。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

これは岐阜で作者が体験した実話である。
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