俺の知っている異世界はどこにある

はがき

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マッサージ

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「いつ依頼をうけた」
「マスターがゴッドライガーを出てから、ゴッドライガーで通信しました」

そのくらいの機能はあっておかしくない。

「従う必要がないだろ」
「これから庇護を求めるのです。ならばクライアントの要望は確認するべきです」
「・・・・・・ちなみに要望は?」
「マスターから女を除外すること。生死は問わないそうです」
「・・・・・・」

(そこまでレイアは俺に惚れてたのか・・・)

「ちなみに、これを伝えてほしいと言われています」
「・・・・・・なんだ?」

セイコは、まるでレイアを見てきたかのように、立ち上がって両手を腰に当て、斜に構えて少し胸を突き出した。

「私の未来を奪っといて、ジンだけよろしくさせるわけないでしょ。勘違いしないでよね?これは復讐よ。です」
「・・・・・・」

どうやら惚れてると言うわけではないらしい。
いささかツンデレフレーバーだが、いくら美人でも29歳のツンデレに需要はないはず。
しかし、セイコのツンデレはなかなか悪くない、またやってほしい。

それにこれが復讐と言うなら、確かに復讐にはなっている。ヌケないと言うのは地獄に等しい。

「パンツはどこで手に入れた?」
「入店するからパンツと仮面をくださいと言ったら、すぐ貰えました」
「・・・・・・」

仮面にパンツ。セイコだと気づくヒントはあった。だが性欲が思考を鈍らせた。

ちなみに、一物はポーションを買ってぶっかけたら、すぐに治った。ナイス異世界。


「もうタテハマに向かいますか?」
「いや、中継地点のシブユに寄る。そこで一泊して明日はタテハマだ」
「かしこまりました」

シブユに行くと行っても、目的はターニャではない。
あそこはケツの毛まで抜かれてしまう。抜きたいのはそこではない。

ならば何をしにシブユに寄るか。
シブユには都市伝説がある。なんとホテルのマッサージ嬢が誘ってくると言うのだ。そして、マッサージ嬢ならばカモフラージュになる。
上手くいけば一挙両得である。確かめないわけには行かないだろう。



◇◇◇◇◇◇◇



シブユに到着し、ビジネスホテルの魔鋼機駐機場にゴッドライガーを止め、二人でビジネスホテルに入る。

「いらっしゃいませ」
「シングル2つ」
「かしこまりました」

セイコはギロリと俺をにらむ。

「一緒で構いませんが?」
「普通は別々だ」
「今までは一緒でしたが?」
「肉体関係がないなら、分けるのが常識だ」
「・・・・・・」

セイコと一緒ではワンチャンもない。
部屋の鍵を2つ貰い、1つをセイコに渡す。

「まあ、良いです、私の目をごまかすことは出来ません」

気配探知機能などは流石にないだろう。
人が来る足音がする程度ならば問題ない。何故ならマッサージ嬢なら合法的に入室可能だからだ。

それぞれに別れて部屋に入り、俺は早速フロントに連絡する。

「あー、マッサージを頼みたい・・・・・・、いや、男に触られるのは気持ち悪い。女で頼む・・・・・・、いや、力のある若い人がいいな。・・・・・・そうだ。・・・・・・わかった」

言い訳も完璧だ。これなら無理なく若い女を指名できる。マッサージ嬢なら若いと言っても20代、いって30代だろう。ちょうどいい。

そわそわしながら待っていると、

コンコン

来た。
俺は部屋のドアを開ける。
そこには、どうみても60代のババアと、セイコが立っていた。それも黒木ヒトーミのような綺麗なババアではない。普通の、普通のババアだ。
俺は内心、大きなため息をつく。

(はずれか・・・ワンチャンも消えた・・・)

マッサージにチェンジはない。デリバリー夜鷹ではないのだ。

「私は力が強いです、お任せください」
「・・・わかった」
「マスター、私もご一緒します」
「マッサージさん、ちょっと中に入っててくれ」
「・・・?はい・・・」

ババアを室内に入れて、セイコと廊下で話す。

「心配いらない。見たろ?ババアだ。ただのマッサージだ」
「ならば私が居ても構いませんね」
「お前には昨日やられたからな。ちょっと遠慮しろ」
「・・・・・・」
「俺がアレに手を出すと?穴がないのも困りもんだが、穴さえあればなんでもいいわけじゃないぞ?」
「・・・確かに。わかりました」

セイコは自室に戻った。
ぶっちゃけ、ワンチャンが消えた今、セイコが居ても良いのだが、もしかしたら急に腹がいたくなり若い女と交代する奇跡があるかもしれない。もし奇跡が起こったときに、この世を呪いたくはない。きっちり準備をする。

俺は部屋に戻る。
やはり、ババアだった。

「では、服を脱いで下着だけになって、うつぶせで寝てください」
「・・・わかった」

服を脱がすマッサージも居ないことはない。珍しいが、よくある範疇だ。
俺はパンツ一丁になって、ベッドに横になる。

「では、失礼します」

ババアは俺の背中にバスタオルをかけ、背中を指圧していく。

(なかなか上手いな・・・・・・ん?)

上手いのだが、なんかやたら下半身に重点を置いてマッサージをする。
ケツやら太ももやら。次第にそれは内腿になり、入念に揉みほぐし始める。

(・・・・・・気のせいか?もし口に出して勘違いだとめちゃくちゃ恥ずかしい・・・、少し様子を見よう)

だが、ババアのマッサージは更に際どいところを中心になりだす。それどころか、際どいところをやるついでに、手の甲が玉やら何やらに当たるのだ。
1分に一回あたるのが、45秒に一回になり、30秒に一回、むしろ、毎回手の甲が色々当たっている。

流石に勘違いをしようがない。
俺はババアに顔を向ける。

「そこはいい。肩をやってくれ」
「はい」

ババアは肩を揉み始める。
俺は今気づいたことがある。
今、ババアを見たら、スカートを履いていた。決して短くはない。膝下丈の普通のスカートだ。
だが、マッサージでスカートを履いているやつを見たことがない。
少し、不安がよぎる。

するとババアは、俺に股がって肩を揉み出した。
スカートで股がったのだ。
更に股間を押し付けてる感がある。

(どうする・・・言うか?だが指摘されたらババアはどうなるのか。ハードボイルドとして、ババアとはいえ女を苦しめるのはアリなのか?)

俺が苦悩してる間に、ババアは俺から降りた。
そしてベッドの上の俺の隣に座り、手のひらをマッサージし始める。
それはいい。だが、俺の手の甲を自らの股間にあてがうように揉むのだ。

ババアのスカートは、パンツが見えるくらいはだけている。だが、ババアはそれを一切気にする様子はない。むしろ「サービスよ♪」とでも言わんばかりだ。
俺はババアを見る。
ババアは笑顔のまま、手のひらのマッサージをやめない。

同じように逆の手のひらもマッサージする。
それが終わると、足の裏のマッサージに入った。

だが、ここからがババアの真価だった。

足の裏からケツまで、揉みながらババアの手が上がってくる。足の裏は強く、上がるにつれてソフトタッチになっていく。
それを何度も繰り返す。
次第にマッサージは、また内股を重点的にしていく。
ソフトタッチで・・・・・・

ああ。
そうだ。
立ってしまった。

ババアは俺が立っているのを確認すると、玉やらなにやらをパンツの上からソフトタッチしだした。
時折、俺のからだがピクリと反応する。その度にババアの手は大胆になっていく。

そこから10分間、執拗にソフトタッチマッサージを受けた。
俺はうつ伏せだ、ババアの顔は見えない。
ギンギンである。

「はい、では仰向けになってください」
「っ!な、なんだと・・・・・・」
「大丈夫ですよ。見慣れてますから」

俺がババアの顔を見ると、さも「マッサージですが、何か?」とでも言いたげな笑顔で言ってくる。

(ええい!、どうせギンギンなのは気づかれている。むしろババアのせいだ!恥ずかしくはない!)

俺は仰向けになる。
ババアはバスタオルを俺の、
へそ、胸、首、顔にかけた。
顔である。まるでこれから起こることは見るなとでも言いたげだ。

そして俺のパンツの上からの、ソフトタッチマッサージ、仰向けバージョンが始まった。


~10分後~

「どうします?お口でスッキリしちゃいます?」

俺には答えがひとつしかなかった。

「(うん・・・)」

バスタオルを顔にかけたまま、くぐもった声で告げると、ババアは本気を出した。



俺はスッキリした・・・・・・。


「こんなんばっかりだ・・・・・・こんなんでしか・・・クソ異世界め・・・」



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

P.S
マッサージは作者が体験した実話である。

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