俺の知っている異世界はどこにある

はがき

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戦争

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謎の満足感を得た俺は、タテハマのカンアリ冒険者ギルドに向かう。
バックレようともしたが、1億もかけて冒険者ギルドに依頼したのだ。多分只ではすまないだろう。

冒険者ギルドにたどり着くと、昔の顔馴染みの受付嬢がいた。

「久しぶりだな」
「・・・げっ、変態」
「来るとわかってただろ。変態とはずいぶんな挨拶だ」
「来るとわかってたのと、私が対応しなければいけないのは繋がらないんだけど?」

こいつとも昔は色々あった。もしかしたら色恋になってたかもしれなかった仲だ。
ちょっと掃除機のホースぐらいの太さの張り型で、2穴同時処女貫通を試したいと言っただけで、俺たちの関係は終わってしまった。
器の狭い女だ。

「結婚はしたのか」
「今日中にタテハマ西口の王宮に向かって、姫に面会を申し出て。私に言えるのはこれだけよ」

結婚したのか聞いただけなのに、一気に不機嫌になった。結婚はしてないようだな。

「行き遅れたか。あの時2穴同時処女貫通をして、俺と結婚━━━━━」

バシン!!! 

俺はカンアリからタテハマ西口に戻った。

(なつかしい・・・変わってないな・・・)

俺はイササキ町とトミトミ町を根城にしていたので、余りタテハマ西口には来なかったが、それでも懐かしさを感じる。

ここいらにはラーメン屋で有名なのがあった。久しぶりに食ってからいくかと脚を向け行列に並ぶと、会いたくないやつにあった。王宮の姫の近衛隊長だ。

「・・・貴様、何故ここにいる」
「何故と言いたいのはこっちだ、そっちが呼んだんだろうが」

近衛隊長なら俺が呼ばれた用件も知っているはずだ。

「そうではない、何故ラーメンを食いに来る。城に行け」
「決まってるだろ、ラーメンを食うためだ」

近衛隊長は行列から離れ、大きくため息をついた。

「貴様のせいで、30分並んだのが水の泡だ」
「並んで食えば良いだろ」
「黙れっ!貴様も来るんだ!」

俺はラーメンを食い損ねた。

近衛隊長に連れられて王宮にたどり着くと、謁見の間に通されて近衛隊長は姫を迎えに行った。
しばらくしてから、姫がやってきた。

「老けたわね、ジン」
「お互━━、大人になったな、レイア」

レイアとの出会いは20年前だ。いきなり異世界に飛ばされ、言葉も分からず右往左往していたところを、当時9才だったレイアに拾われた。
しばらく王宮で暮らす許可をもらい、言葉をみっちり教わった。
1年たち、言葉を流暢に話せるようになった頃に、俺の魔鋼機への適正を調べられ、魔力が0で魔鋼機に乗れないことが発覚する。
そこからは俺の扱いは酷いものになった。
唯一、俺になついていたレイアだけが俺を庇ってくれたが、王宮を計2年で出ることになった。

「その様子だと、まだ婿を迎えてないのか?」

俺の言葉にレイアはあからさまに怒りの表情を浮かべる。

「・・・一体誰のせいだと思ってるのよ」
「・・・」

29で結婚してないのは、この世界では完全に行き遅れだ。日本の感覚で言うと40過ぎで結婚してないぐらいの感覚になる。女には苦しいだろう。

だが、理由も大体わかっている。
この世界では処女が重要視される。特に貴族は処女を貰う=結婚だ。王族ともなれば、処女でないだけでまず結婚は出来ないだろう。
だが、その処女は俺が貰ってしまった。
いや、ぶちこんではいない。「ぷっちゃ」と言うお菓子の容器を突っ込んで遊んだのだ。そうしたら処女ではなくなってしまった。

なぜそんなひどいことをするのか?
違う。ぷっちゃで遊んだのは俺が15、レイアは9才の時だ。俺はまだ言葉もおぼろげで、なついてくるレイアに初めての女を感じ、いたずらしてたらエスカレートしてそうなってしまったのだ。悪気はない。

子供の頃の、思春期によくある話だ。
だだ、相手が王族だったってだけで。
レイアが処女でないのが発覚したのは、俺が城を出て8年、この異世界で10年たった時だ。あまりにもレイアが結婚を嫌がるので発覚したらしい。
俺に追手などはかかってなかったが、俺はその頃にはこの世界の常識もわかっていたので、身の危険を感じてシンジューシティがあるトッキョ都に逃げたのだ。

それから10年、今さらの呼び出しである。


「それで?何故呼び出した」

レイアはニヤリと姫らしくないイヤらしい笑顔を浮かべ、

「もちろん、復讐の為よ」
「・・・とうとう俺を殺す気になったか」

だがレイアは、イヤらしい笑顔のまま、玉座に片ひじをつき、頬杖をついた。

「そんな簡単なことならとっくにしてるわ。もっとジンにふさわしい復讐よ」
「・・・なら、とっととしたらどうだ」

俺はゲスだ、だが、なにもわからない9才にイタズラをして、未来を奪ったのは事実だ。一度は逃げもしたが、当人から復讐すると言われたなら受け入れるくらいの気持ちはある。
なんせ、今や俺はハードボイルドだから。

「ジンにも得があることよ。ジンにはダサイタの最前線に行ってもらうわ」
「・・・やはり戦争か」

従軍歩兵として、すりつぶされて死ねと言うことか。

「そう、魔鋼機乗りとしてね」
「・・・・・・何を言ってる」

レイアは語りだす。

「長かったわ・・・ジンが出ていってから18年、やっと開発に成功したの。何度も失敗して、何度も実験したわ。実験の犠牲になった人もいた。それでも私は諦めなかった・・・」
「・・・・・・」

レイアは立ち上がる。

「貴方に復讐するために!!!!」
「・・・」

二人は無言で見つめあう。周囲がただならぬ雰囲気に包まれる。

「約束しなさい。私が用意した魔鋼機に乗ると」
「・・・本気なのか?」
「いいから、約束しなさい。どんなに難しくても乗りこなすまで諦めないと」

レイアの目は真剣だ。

(本当に、本当に乗れるのか?・・・・・・レイア・・・俺のために・・・)

復讐などと言っているが、完全に俺のためだ。それに目に復讐の炎が宿ってない。憎しみを持つ人間の目はあんなものじゃない。

「わかった、約束する」
「絶対よ?」
「ああ」
「諦めた時は、・・・責任を取ってもらうわ」
「なんでもいい」

レイアは更に笑みを深めた。だが、とても感動的な笑みではない。

「なら、すぐに用意を!!」

パンパン!

騎士たちが動き出した。



◇◇◇◇◇◇◇



俺は風呂を用意され、全裸にさせられ、薄い貫頭衣1枚だけを身に付けさせられた。
そして、その姿のまま魔鋼機の格納庫まで連れてこられる。
そこには一機の魔鋼機があった。レイアが高らかに説明をする。

「開発ナンバー0083、最新鋭魔鋼機、エネモーグラよ。この魔鋼機は、コックピットに入った操者の微細な筋肉の動きを関知し、それにより機体を操縦するの。だから操縦技術は要らないわ。操者の体が動く通りに魔鋼機が動くの」
「動力は?」
「大型の魔石を補助として使ってるわ。だけどメイン動力は操者よ」
「・・・・・・動力も操者?」

しかし、それはものすごい技術だ。ここまでのものをたった18年で作り上げるのは、並々ならぬ努力があったのだろう。

「とりあえず乗ればわかるわ。乗りなさい」
「・・・・・・わかった」

俺は20mはある高さの魔鋼機の、胸の部分にあるコックピットまで、階段で上がる。
全裸で貫頭衣1枚で。
おそらく筋肉の微細な動きを関知するのに必要なのだろう。

階段をあがりきり、コックピットを覗く。

「・・・・・・」

俺は固まってしまった。
地上からレイアがせかす。とても歪な笑顔で、

「早く乗りなさい」
「・・・・・・ば、バカな・・・・・・、あり得ない・・・」

コックピットは360度モニターのようだ。様々なデジタル計器もある。だが、異様な存在感を放っているものがある。

座席だ。

座席の座面には、長さ12cmほどの波打つ棒が生えている。
そして、そこに座ると想定すると、同じく長さが20cm未満の筒が座席の前にある。

俺はレイアを見る。

「・・・正気か?」
「あーっはっはっはははははっ!!!!どう、ジン!!!!これが復讐よ!異物で喪失する悲しみを知りなさい!!!!」

俺は固まっている。

「その棒も筒も起動センサーよ!!!使用しなければ!起動しないわ!!、」
「き、機械姦だと・・・・・・」

正気を疑う。一体男の機械姦にどこの層の需要があるのか、それも35才のハードボイルドのおっさんの機械姦だ。

「あははははははは!、結構気持ちいいらしいわよ!癖になりすぎて廃人になりかけた実験操者もいたわ!、恐ろしいわねっ!ぷっちゃとは大違い!あははははははは!」
「く、狂ってる・・・」

俺は変態を自認している、だがこういう変態ではない。自分がされる変態は想定していないし、興奮もしない。

(エネモーグラ?・・・、なるほど、エ○マグラか。くそが・・・ハメられた。これから俺はアレにはめられるのか。ちょっとでもレイアを善人と思った俺が馬鹿だった・・・)

俺がコックピットに恐れ、上ってきた階段を一歩降りようとすると、

「諦めるの?、約束はどうしたの?舌の根も乾かぬうちにもう破るの?!破るのは膜だけにしなさいよ!!!」
「ぐっ・・・」

(くそが、やれば良いんだろ!やってやる!やってやるよ!)

「せめてもの慈悲に、ローションは塗ってあるわ!ありがたく思いなさい!」

(ありがたくねえ・・・)

俺は全てを諦め、貫頭衣をめくり、座面にゆっくりと座る。
冷たい異物感が体内を襲う。

「ぐっ・・・・・・」

座面にきっちり腰かける。そして筒で自信のものを包み込む。

「くそがああああああ!!!!起動してみろおおおおおお!」

筒の中の俺自身が怒張すると、まるでそれが起動スイッチのように、コックピットに光が入る。様々な計器が動き出した。




俺の初回起動は、1分持たなかった。

「異世界に来てごめんなさい、異世界に来てごめんなさい、異世界に来てごめんなさい、異世界に来てごめんなさい」
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