俺の知っている異世界はどこにある

はがき

文字の大きさ
上 下
5 / 24

せ○だみつお

しおりを挟む
まさか自分が採取してきた抗生物質の元、絶壁草のお世話になるとは思いもしなかった。

今のところ金はある。前々回の20万と、病気女からの報酬が50万、病院代などを差し引いてもまだ50万は残っている。
だが、またなくなる頃に依頼を選べば、嫌な依頼もやらざるを得ない。
俺は冒険者ギルドに向かって歩いた。


「お待ちしておりました」
「・・・くそったれが・・・」

伯爵夫人が冒険者ギルドで待っていた。

「あの時は申し訳ありませんでした」
「もう義理は果たした。依頼は受けない」

やらずぼったくりはコリゴリだ。

「いいえ、本日は報酬をお支払するために来たのです」
「いらねえから消えろ」
「こちらに金貨10枚、100万エルが入ってます。金銭以外の報酬をお支払出来なくなってしまったので、倍にさせて頂きました」

俺は金を受け取り、帽子をかぶり直す。そして嫌みに片側だけ口角をあげて、

「どうした、娘が死んだか?」 
「いえ、問題は解決しました。ですがあまりにもゲスいのは無理と娘がいやがりまして・・・」
「けっ」

俺は元伯爵夫人に背中を向けて、冒険者ギルドを後にする。伯爵夫人は俺の背中に「またお願いします」と言っていたが、聞こえないふりをして歩いた。




◇◇◇◇◇◇◇◇



(シンジューはダメだ、遊びやすいが2度とお土産は貰いたくない。・・・・・・性に合わないがシブユでも行ってみるか・・・)

俺はタクシーに乗り、シブユに向かう。

「運転手さん、ミチクロ坂まで」
「はいよ」

俺はシブユでも大人が歩きやすいミチクロ坂に向かってもらった。889界隈はキャンディが多過ぎて俺には無理だったからだ。


ミチクロ坂の中腹あたりから、裏路地に入る。
多くの飲み屋が立ち並び、シンジューよりは控えめな呼び込みが元気に声を張り上げている。

すると俺の腹に、可愛い衝撃が走る。

「ジ~~~ンちゃ~ん!めっずらしい!シブユにも来るのっ?」

猫耳の獣人だ。
こいつの名前はターニャ。元はシンジューにいたが、客のアシを焦げ付かせてシブユに逃げたやつだ。

「元気そうだな」
「うんっ!こっちのがワタシにあってるみたいっ」
「そうか」

ターニャは俺の胸に抱きついたままだ。
ターニャは上目遣いで俺を見る。

「ジンちゃん、飲みに来たの?遊びに来たの?」
「・・・両方だな」

懐は暖かい。今日は気兼ねなくやりたい気分だ。

「なら、飲みはうちに来てよっ!と~~~~ってもサービスするからさっ!」
「・・・本当かよ」
「もっち!いこっ」

知り合いの女に手を引かれて、自然とほほが緩む。
久しぶりに心が落ち着くような気分だ。

(こういう時の酒は旨い。今日は一発派手に行くか)



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「これはこれはジン様、はじめまして。お噂はかねがね」
「噂を聞いても俺を入れるのか?」
「もちろんでございます。ジン様は無頼漢ではありません。暴れるには暴れる理由がないとしないお方。当店は明朗会計でごさいます。きっと楽しく飲んでいただけるでしょう」
「そうか」

店長のような黒服も、嫌な感じがしない。
なかなか良い店のようだ。

(拠点をシブユに移すか?ありかもしれんな)

ターニャに連れられて、一番奥のVIP席のようなソファーに座ると、ターニャを含めて女が10人も来た。

「ターニャ、やりすぎだろ」
「いいのっ!ジンちゃんのシブユデビューなんだから、派手にいかないとっ!」
「・・・そうか?店に迷惑かかってないか?」
「だいじょびよっ!うちはいっぱいいるからっ」
「わかった。ならとりあえずコニャックを入れてくれ。女たちもGSなんて飲むな、派手にいけ」
「わぁ~~~~~お!さっすが『勇者』ジンねっ!」
「「「「「「頂きま~~~すっ!」」」」」」

GSとはガールズサービスの略で、女たちは基本的にこれを飲む。これは客には金がかからない。
女はここから、あれ飲みたいこれ飲みたいと言い、客にねだる。それを叶えるならその金は客持ちだ。それをはじめから好きなものを飲めと、俺は言ったのだ。

ボトルも入れて、派手にやった。
これならば、俺を連れてきたターニャも恥をかかないだろう。



◇◇◇◇◇◇◇◇



「ジンちゃん、ゲームやろっ、ゲーム!」
「俺はもうそんな年じゃねえ。そういうのはガキとやりな」
「そんなこと言わないでっ!ぜ~~~ったい楽しいからっ!」
「酒はゆっくり飲みたいんだ」

ターニャは俺の隣で、俺を下から見上げるように、片目を瞑りねだる。
極端なフレアのミニスカから出る、尻尾もゆらゆらと揺れている。

(仕方ねえな・・・)

「ちょっとだけだぞ」
「やったぁ~~!じゃあ立って!」

ターニャは俺の手をつかみ、俺を立たせる。
すると女全員が立った。
人族、エルフ、獣人、ドワーフ、頭から小さな角が生えた淫魔族、さまざまな種族がいる。どれもこれも、ちょっとガキ臭いが良い女だ。みんなしてフレアのミニスカを履いている。

「旋風・みつ子ゲームっ、はじめるよぉ~~」
「「「「「イェーイ!!」」」」」
「・・・・・・」


旋風・みつ子ゲームの内容はこうだった。

まず、ターニャが「旋風!」と言って、誰かを指差す。
次に指を指された人は、「みつ子!」と言ってまた違う人を指差す。
そしたら、みつ子と指を指された人の両隣のやつは、ミニスカートの裾を持つフリをして、「ヒラヒラ」と言いながら、スカートをヒラヒラさせる真似をする。
その時に、「ヒラヒラ」をしない人は、両手で目を隠すように顔を塞ぐのだ。
これでひとくくりだ。次は、みつ子と指名された人が、「旋風!」と言って誰かを指差す。
これを誰かが失敗するまで、永遠に繰り返すのだ。

(せんだ○つおゲームじゃねーか。どこの勇者だ、こんなんを流行らせやがったのは)

ジンは実際にやったことはないが、ネットで見たことはあった。

「じゃあっ、練習ねっ!旋風っ!」

ターニャがエルフを指差す。エルフが、

「みつ子!」

ドワーフの女を指差す。その両隣の人族の女が

「ヒラヒラ!」

スカートをヒラヒラさせるフリをした。

「旋風!」

ドワーフが獣人を指差した。

・・・
・・・・
・・・・・

練習が終わった。

「じゃあ、失敗したら一気ねっ」
「・・・」

(一気したら、GSをなくした俺は、えらい金がかかるな・・・、だけどここからGSはちとダサいな。・・・ターニャめ、やりやがったな。でも飲み屋の女として成長したってことか・・・)

「・・・俺は一気はきついぞ」
「じゃあこうしよっ?負けた人が一万エル払うのっで失敗しなかった10人はっ、一人1000エルずつ貰える。一万っって大きく見えるけど、1000ずつ貰えるからたいしたことないよっ」
「・・・・・・」

(まあ、いいか。簡単すぎて俺が負ける未来は見えない)

「良いぞ」
「っ!おっけぇ~~~っ!じゃあはじめるよぉ」

これが地獄の始まりであった。

「旋風!」
「みつ子!」
「ヒラヒラ!」
「なっ!!!!」

なんと、ヒラヒラの時に、二人は本当にスカートをめくってきやがった。
白の綿パンと黒のレースのパンツがくっきりと俺の視界に入った。

「はいっ、ぶぶぅ~~。もぅジンちゃん、下手すぎぃ~」

俺は手で顔を塞ぐのが遅れてしまった。

「・・・・・・」

仕方なく俺は銀貨10枚、一万エルを払う。
みんなは1枚ずつ銀貨を持っていった。

(こ、これは・・・・・・、いやまて。俺はガキじゃねえんだ。たかだかパンツぐらいで・・・)

「じゃあ次っ、ヨッピからねっ」
「うん、旋風!」
「みつ子!」
「ヒラヒラ!」

ハイレグのパンツと、白のレースのパンツが薄暗い室内に浮かび上がる。

「ジンちゃ~~ん!真面目にやってっ!」
「・・・」
「はい、一万エルね」

(これはやばいかもしれない・・・・・・)


・・・
・・・・
・・・・・

流石に全員のパンツを二回ずつほどガン見したあとは、俺も慣れた。
そうそう引っ掛からなくなっている。

「ジンちゃ~~~ん、馴れちゃった?じゃあメンバーこうたーい!」

ターニャが号令をかけると、9人の女が去っていき、新しく9人の女が来た。
そいつらはスカートもいるが、フレアではないやつもいるし、ズボンのやつもいる。
だが・・・・・・全員が上半身が薄手のキャミソール1枚で、キャミソールの長さがへそは丸出し、下乳が見えるか見えないかぐらいの長さしかない。

「・・・ターニャ、まさか・・・・・・」

俺がターニャを驚愕の顔で見ると、ターニャはニマァとして、

「んふふふ~~~っ、嬉しい?ジンちゃん!た~~っぷり楽しんでねっ」

ターニャは妖艶な顔をした。

「・・・こいつは戦争だ・・・」

するとターニャは、ニマァとした顔で、

「ジンちゃん?・・・ここは初めから戦場だよ?」

首をかしげて、俺を可愛く見上げてきた。

(甘かった・・・、俺がぬるかった。こいつは気を引き締めないと、けつの毛までぬかれちまう!!)

「では行ってみよぉ~~~!さんっ、はい!」
「旋風!」
「みつ子!」
「ヒラヒラ」 

豊満な下乳が4つがくっきりと目に焼き付く。とても柔らかそうだ。だが、乳首が見えそうで見えない。

「はい!ジンちゃん、アウトォ~!」
「・・・・・・」

・・・
・・


(くそが、下乳しか見せやがらねえ。極たまに乳首が見えるから始末が悪い。今回は見せるんじゃねーかと気持ちを引っ張りやがる・・・)

また更に数十度繰り返す。


・・・
・・・・
・・・・・


「あら、ジンちゃん、流石に馴れちゃった?」
「なめんなよターニャ。キャンディたちに負けるわけにはいかねえんだよ」

流石に馴れてきた。もうここからは挽回出来るだろう。元々の反射神経とかは問題ないのだ。

だが、猫耳の悪魔は俺の上を行っていた。

「じゃあ、ターニャも本気だしちゃおうかなっ?」
「出しやがれ」
「じゃっ、メンバー交代!」

するとターニャ以外の9人が代わり、初めのフレアスカートの9人が戻ってきた。だが今度はへそだしキャミソールを着ている。

「ふん、二番煎じで俺に勝てると思う・・・・・・なっ!!!!!」

ターニャに啖呵を切ると、ターニャは自分のフレアのミニスカの中に両手を突っ込んだ。

「や、やめろターニャ・・・」
「んふふふ~~。ジンちゃん、覚悟はいい?」

ターニャは怪しく微笑みながら、ゆっくりとパンツを下ろしていく。ゆっくりと、ゆっくりと・・・。
膝を折り右足を抜き、左足を抜いて、真っ白なパンツをヒラヒラと俺の前にぶら下げる。
そして俺の頭の上に乗せた。暖かな温もりが俺の頭を包む。すると、ほかの9人全員も、同じようにスカートの中に手を入れ、パンツだけを下ろしていく。

ターニャは俺の顔を見上げ、

「じゃっ、始めよっかっ」

にっこりと微笑んだ。


・・・
・・・・
・・・・・

「旋風」
「みつ子」
「ヒラヒラ」
「膝を開くなああああ!」

「旋風」
「みつ子」
「ヒラヒラ」
「脚をあげるなあああああ!」


・・・
・・・・
・・・・・


そして俺は、けつの毛まで抜かれた。
俺はパンツ1枚でシンジューシティまで走って帰った。ターニャのパンツを握りしめながら・・・。

「アリ・・・・・・、いや、無しだな。異世界はくそったれだぜ・・・」
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

処理中です...