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セラフィナの恋
第3話 ままならない想い
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キルレア王国は、近隣諸国の中でも文化芸術の集まる国として名高い。文化芸術に携わる者達や、それを支援する団体に対する様々な優遇措置が国をあげて取られているため、最先端の文化芸術が集まるのだ。
私は、サヴィーノ殿下や仲間たちと共に様々な場所を訪れ、催しに参加した。
彼の心を少しでも軽くし、楽しい記憶で上書きするための私の計画はとてもうまくいっていて、サヴィーノ殿下の表情が、日に日に明るくなっていくのがわかった。
でも、彼の心に一番近くで寄り添っている自信は、彼と会う回数を重ねるごとに、どんどん薄れていった。
彼にこんなにも明るい表情をさせているのは、私ではないのだから。
あれから、ソニアとサヴィーノ殿下は、何かと一緒にいることが多い。
出会いの際の発言通り、二人で私の親友争いをしているのだ。
それが、言葉通りの意味でないことは、私も、他の友人たちももう気づいていた。
今日は、王都にある庭園美術館で行われる展覧会に来ている。美術展には珍しい、夜の展示だ。庭園に飾られる彫刻に影絵を投影して楽しむ、美術大学の学生たちの新しい提案型の催しなのだ。
二人は、私好みの一番素晴らしい展示を探すのは自分だと張り切って探しに行ってしまった。
ついて行こうとするヘンリに対して、
「ヘンリ。いいよ。ソニアは僕が見ているから大丈夫だよ」
と、今日も二人きりになった。
――夜の庭園で。
「ねえ、セラフィナ。もういいんじゃない? 殿下はソニアに任せてさ、僕達は僕達で楽しもうよー。あっちの第二庭園は、池があるよ」
「私は、ほんとにセラフィナのために探しに行ったんだと思う。この付近を見て回って待ってた方がいい。アウリスとヘンリは、飲み物買ってきて」
真っ向からアウリスに対立するトゥーラの発言にヘンリが仲裁するようにフォローをする。
「……俺が行こう。夜だし、女性二人だけにするわけにはいかない」
私は、買い物に向かうヘンリの心なしか肩を落とした姿を見送った。
ヘンリ自身も、殿下に同行を断られて明らかに沈んでいる。
今、私と一番近い想いを抱いているのは、間違いなくこのヘンリだ。彼は、ソニアに好意をよせているのだから。
「二人ともありがとう。もうちょっと待ってみるわ。……私、そんなに表情に出てるかしら? 笑えてないかしら?」
敏い彼らは、私がサヴィーノ殿下に恋をしていることにとうに気づいていた。トゥーラは、哀し気な微笑みで私の問いに答える。
「殿下の前では、頑張ってると思う」
「ソニアに言わないでね。あの子は、隠し事ができないから、殿下にばれてしまうもの。殿下の負担にはなりたくないの」
「でも、セラフィナ、殿下に伝えたほうがいいと思う。セラフィナの想いは、隠されるべきものじゃない。誰もが想いを口に出す権利と、想いを受け止める義務を持っている」
「そうかなー? 無理して言わなくても別にいいんじゃない? セラフィナも殿下と同じで他に目を向ける時期に来たのかもしれない」
「アウリス!」
「人間は打算で動いちゃうところもあるからさ。僕は、それも許容されるべきだと思うんだ。君も僕も同じだよ、トゥーラ」
「私は……、想いを伝える事だけは、誰もがすべきだと思う。それは、あなたもだよ。アウリス」
一瞬悔し気に口をつぐむがトゥーラは、最後にはしっかりアウリスを見て、言いたいことを告げたようだった。
「ちぇっ、公明正大で正義感溢れる辺境伯家のご令嬢は違うねえ」
「おい、お前ら! いい加減にしろ! ……飲み物だ、セラフィナ」
私が止めることができなかった二人の口論は、ヘンリが戻ってくるまで続いた。
「ごめんね、セラフィナ」
トゥーラは、いつものように、そっと私の手を握ってくれた。
「ううん。ありがとう」
「ああ! トゥーラずるい」
そんな私たちの下へ、サヴィーノ殿下とソニアが戻って来た。
「僕の勝ちだね。さて、今回はセラフィナは僕がもらうよ」
サヴィーノ殿下のそのセリフに、私の心臓が跳ねる。まるで自分が求められているように感じてしまう、その浅はかさが恨めしい。
「もうっ! くやしい! 私が見つけたのだってとっても素敵なのよ!?」
「それは俺が見てやるから行くぞ」
「ヘンリなんかと見てもつまんないわよ!」
ヘンリに引っ張られたソニアは、不満顔だ。
「後で、ソニアのおすすめも見せてもらうわね」
「ほんとう!? もう、だからセラフィナ大好きなの!」
私は、サヴィーノ殿下に恋をしている。でも、このソニアのことも大好きなのだ。
「さあ、行くよセラフィナ」
「ええ。ありがとう。楽しみだわ」
私は、エスコートに差し出された片恋の王子の手をとって、精一杯の明るい笑顔を浮かべた。
サヴィーノ殿下とソニアは、二人きりになった後は、必ずどちらかが決まって私と二人きりになる。「私の親友争い」という名目なので、そうせざるを得ないのだ。私は、この時間にだんだんと苦痛を覚え始めていた。
けれど。
この時間のサヴィーノ殿下は、本当に私を大事にしてくれる。だから私は、束の間の美酒に酔うように、この時間を切り捨てることができないのだ。
「素敵ね。光と影のコントラストがきれい」
「ああ、金字塔という、大陸の果ての砂漠の大地の古き王の墓を模したものだそうだ」
サヴィーノ殿下に導かれた先は、庭園の一角にある「砂庭」という展示場だった。私達は、そこにある不可思議な四角錐の彫像物に当てられた光の影絵をただ、じっと静かに見つめた。
となりに彼がいるこの時間がとても愛しい。
「ねえ、セラフィナ。君はよく、僕たちの方を見ているよね」
心臓が凍り付くように、さっと血の気が引く。
――気づかれていた。
「君、好きな相手がいると言っていただろう? それってもしかして……」
「セラフィナー。もう美術展しまっちゃうよー。私の方も見てくれるって約束ー!」
遠くで聞こえるソニアの声に救われた。
私は、その質問には答えないという意思をにじませた笑顔でサヴィーノ殿下を見つめた。
「行きましょう、殿下。ソニアが待ってるわ。最後はみんなで回りましょう」
何をいえばいいんだろう。
私が好きなのはあなただと?
でも、あなたが好きなのは、ソニアでしょう。
あなたを困らせてしまうだけの私の想いを、私は口に出すことができない。
私は、サヴィーノ殿下や仲間たちと共に様々な場所を訪れ、催しに参加した。
彼の心を少しでも軽くし、楽しい記憶で上書きするための私の計画はとてもうまくいっていて、サヴィーノ殿下の表情が、日に日に明るくなっていくのがわかった。
でも、彼の心に一番近くで寄り添っている自信は、彼と会う回数を重ねるごとに、どんどん薄れていった。
彼にこんなにも明るい表情をさせているのは、私ではないのだから。
あれから、ソニアとサヴィーノ殿下は、何かと一緒にいることが多い。
出会いの際の発言通り、二人で私の親友争いをしているのだ。
それが、言葉通りの意味でないことは、私も、他の友人たちももう気づいていた。
今日は、王都にある庭園美術館で行われる展覧会に来ている。美術展には珍しい、夜の展示だ。庭園に飾られる彫刻に影絵を投影して楽しむ、美術大学の学生たちの新しい提案型の催しなのだ。
二人は、私好みの一番素晴らしい展示を探すのは自分だと張り切って探しに行ってしまった。
ついて行こうとするヘンリに対して、
「ヘンリ。いいよ。ソニアは僕が見ているから大丈夫だよ」
と、今日も二人きりになった。
――夜の庭園で。
「ねえ、セラフィナ。もういいんじゃない? 殿下はソニアに任せてさ、僕達は僕達で楽しもうよー。あっちの第二庭園は、池があるよ」
「私は、ほんとにセラフィナのために探しに行ったんだと思う。この付近を見て回って待ってた方がいい。アウリスとヘンリは、飲み物買ってきて」
真っ向からアウリスに対立するトゥーラの発言にヘンリが仲裁するようにフォローをする。
「……俺が行こう。夜だし、女性二人だけにするわけにはいかない」
私は、買い物に向かうヘンリの心なしか肩を落とした姿を見送った。
ヘンリ自身も、殿下に同行を断られて明らかに沈んでいる。
今、私と一番近い想いを抱いているのは、間違いなくこのヘンリだ。彼は、ソニアに好意をよせているのだから。
「二人ともありがとう。もうちょっと待ってみるわ。……私、そんなに表情に出てるかしら? 笑えてないかしら?」
敏い彼らは、私がサヴィーノ殿下に恋をしていることにとうに気づいていた。トゥーラは、哀し気な微笑みで私の問いに答える。
「殿下の前では、頑張ってると思う」
「ソニアに言わないでね。あの子は、隠し事ができないから、殿下にばれてしまうもの。殿下の負担にはなりたくないの」
「でも、セラフィナ、殿下に伝えたほうがいいと思う。セラフィナの想いは、隠されるべきものじゃない。誰もが想いを口に出す権利と、想いを受け止める義務を持っている」
「そうかなー? 無理して言わなくても別にいいんじゃない? セラフィナも殿下と同じで他に目を向ける時期に来たのかもしれない」
「アウリス!」
「人間は打算で動いちゃうところもあるからさ。僕は、それも許容されるべきだと思うんだ。君も僕も同じだよ、トゥーラ」
「私は……、想いを伝える事だけは、誰もがすべきだと思う。それは、あなたもだよ。アウリス」
一瞬悔し気に口をつぐむがトゥーラは、最後にはしっかりアウリスを見て、言いたいことを告げたようだった。
「ちぇっ、公明正大で正義感溢れる辺境伯家のご令嬢は違うねえ」
「おい、お前ら! いい加減にしろ! ……飲み物だ、セラフィナ」
私が止めることができなかった二人の口論は、ヘンリが戻ってくるまで続いた。
「ごめんね、セラフィナ」
トゥーラは、いつものように、そっと私の手を握ってくれた。
「ううん。ありがとう」
「ああ! トゥーラずるい」
そんな私たちの下へ、サヴィーノ殿下とソニアが戻って来た。
「僕の勝ちだね。さて、今回はセラフィナは僕がもらうよ」
サヴィーノ殿下のそのセリフに、私の心臓が跳ねる。まるで自分が求められているように感じてしまう、その浅はかさが恨めしい。
「もうっ! くやしい! 私が見つけたのだってとっても素敵なのよ!?」
「それは俺が見てやるから行くぞ」
「ヘンリなんかと見てもつまんないわよ!」
ヘンリに引っ張られたソニアは、不満顔だ。
「後で、ソニアのおすすめも見せてもらうわね」
「ほんとう!? もう、だからセラフィナ大好きなの!」
私は、サヴィーノ殿下に恋をしている。でも、このソニアのことも大好きなのだ。
「さあ、行くよセラフィナ」
「ええ。ありがとう。楽しみだわ」
私は、エスコートに差し出された片恋の王子の手をとって、精一杯の明るい笑顔を浮かべた。
サヴィーノ殿下とソニアは、二人きりになった後は、必ずどちらかが決まって私と二人きりになる。「私の親友争い」という名目なので、そうせざるを得ないのだ。私は、この時間にだんだんと苦痛を覚え始めていた。
けれど。
この時間のサヴィーノ殿下は、本当に私を大事にしてくれる。だから私は、束の間の美酒に酔うように、この時間を切り捨てることができないのだ。
「素敵ね。光と影のコントラストがきれい」
「ああ、金字塔という、大陸の果ての砂漠の大地の古き王の墓を模したものだそうだ」
サヴィーノ殿下に導かれた先は、庭園の一角にある「砂庭」という展示場だった。私達は、そこにある不可思議な四角錐の彫像物に当てられた光の影絵をただ、じっと静かに見つめた。
となりに彼がいるこの時間がとても愛しい。
「ねえ、セラフィナ。君はよく、僕たちの方を見ているよね」
心臓が凍り付くように、さっと血の気が引く。
――気づかれていた。
「君、好きな相手がいると言っていただろう? それってもしかして……」
「セラフィナー。もう美術展しまっちゃうよー。私の方も見てくれるって約束ー!」
遠くで聞こえるソニアの声に救われた。
私は、その質問には答えないという意思をにじませた笑顔でサヴィーノ殿下を見つめた。
「行きましょう、殿下。ソニアが待ってるわ。最後はみんなで回りましょう」
何をいえばいいんだろう。
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