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フランチェスカの恋
第9話 続・既成事実作戦
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『俺もう無理。――婚約を、破棄しよう』
『好きな子、いるの?』
『ああ』
どす黒い感情が渦巻いて、私は、それをもう、止めることはできない。
これは、人間の尊厳を奪う行為だ。
ダメだ、こんなのだめだ。
でも、私は、何度言い聞かせても、自分を止めることはできなかった。
――シルヴィオに、媚薬を使うことにした。
◇◇◇◇◇◇
その日私は、婚約破棄について話をすると言って、公爵邸にシルヴィオを呼び出した。
普段あまり使わない別館側の温室。そこは、庭師が午前中だけ見回りに来るだけで、午後は、誰も人が来ない。
温室の奥には、広めのソファーがある。
シルヴィオは、暗い顔をして、現れた。
きっと、優しいシルヴィオは、私を最後に突き放してしまったことを後悔しているのね。
でも、本当は、嬉しいんでしょう? 私と婚約破棄すれば、堂々と、好きな子に交際を申し込めるものね。それはいったい誰? アレッシア? デボラ? ロミーナ? みんなシルヴィオに憧れてるもの、すぐにOKするわ。
ねえ、シルヴィオは、あのキスは、好きな子との練習のつもりだったのかもしれないわね。私とキスしながら、その子の事、考えてたの?
でも、ごめんね。その子には、あなたをあげられないわ。
誠実なあなたは、婚約者のいる今はまだ、その子に思いを告げてはいないでしょう?
なら、まだきっと間に合う。
私が、一生一緒にいて忘れさせてあげる。
あなたを絶対幸せにする。
私は、シルヴィオの紅茶に、媚薬を混ぜた。
シルヴィオは、紅茶に手を付ける。
私は、彼がしっかり紅茶を飲んだのを見届けてから、話を始めた。
「ねえ、婚約破棄の話をする前に、少し、話をさせて」
私は、どんな表情をしているんだろう?
自分がどんな顔をしているかわからない。
「ねえ、私、シルヴィオが好きなの。だから、私、本当にシルヴィオと結婚したいの」
シルヴィオは、つらそうな表情をする。
「だから、それは前も話しただろう?」
「うん、でも、絶対ヤダ。誰にもあなたをあげたくないの」
即効性の媚薬だと聞いた。もうそろそろ聞いてくるはずだ。
「フラン……」
「私、自分がこんな人間だと思わなかった。恋って人を幸せにしてくれるけれど、それを手に入れるためには、人っていくらでも卑劣で、狡猾で、薄汚くなれるのね。――ねえ、シルヴィオ、ごめんね。あなたに、媚薬、盛っちゃった。そろそろ、効いてきたでしょ?」
「お前、何言ってっ!」
シルヴィオは、立ち上がろうとして、座り込んだ。
「ねえ、つらいんでしょ? あっちにソファがあるから、一緒に行こう? 既成事実、作ったら、私、裁判所に申し立てするの。そうしたら、婚姻の強制執行になるわ。私が、シルヴィオの好きな子忘れさせるから。私を全部あげるから。だから、私で、我慢して?」
「お前、何馬鹿な事言って……」
私は、無理やりシルヴィオを立ち上がらせる。彼は、ふらりと倒れそうになって、私の肩に体重がかかった。
「だって、お前。望めば王族にだって慣れるのに。俺とじゃ、貴族にすらなれない」
今更、何を言ってるんだろう?
そんなくだらないこと今更言ってるんじゃないわよ!
「そんなの知ってるわよ! 私は騎士の妻になるつもりで、ずっと過ごしてきたのよ。あのプチサロンだってそうよ! いつから私あなたのこと好きだったと思ってるのよ。7年よ! 馬鹿にしないでよ!」
私は、たくさんのことを練習してきた。
それでもきっと足りないだろうから、これからいくらだって覚える。
つらくても耐えるわ。
だって!
「好きなの好きなの好きなのー!!」
私は、シルヴィオを無理やり引っ張って、ソファに押し倒した。
「10歳の時、あの護り石を拾ってもらってから、ずーっとシルヴィオの事好きで、シルヴィオに好きになってもらいたくてやせたし、シルヴィオのお嫁さんになっても困らないように、プチサロンで庶民の勉強もしたし、婚約も格差婚約は建前で、ずっと本気だったし、サヴィにも告白されたけど断ったし、既成事実作るために媚薬まで盛ったー!! もういい加減あきらめて、私と結婚してよー」
私の涙が、ぼとぼとと、シルヴィオの顔に落ちてしまう。
「なんだよそれ。俺の知らないうちに、どんだけだよ。お前、そんなこと考えてたののかよ」
押し倒されたシルヴィオの顔もぐしゃりと歪む。
「キスだって、キスだって、私は、わ、私は、あんたとの結婚式の練習のつもりだったんだからーっ!!」
もう、私は、馬鹿みたいにシルヴィオへの想いを吐き出していた。
シルヴィオは、観念したみたいに目をつぶった。
「お前、めちゃくちゃだ……。でも、俺は、そんなめちゃくちゃなお前が……うっ」
「ごめんね。シルヴィオに好きな子をあげられなくてごめんなさい。私で、我慢して?」
彼が目をつぶってくれて助かった。涙でぐちゃぐちゃな顔を見られなくて済む。
「……好きな子、想像してていいから」
小さく言って、私は、シルヴィオの服のボタンに手をかけた。
彼は目をつぶって、震えるように深呼吸をすると、ボタンを外している私の両手を片手でつかんだ。
そして。
逆の手で、懐からナイフを取り出すと、自分の足に突きたてた。
◇◇◇◇◇◇
カラン、と音をたてて、ナイフは、シルヴィオの足から抜けて、床に落ちた。
どくどくとシルヴィオの足から血がしたたり落ちる。
鮮血がソファを染め、大理石の床にぽたぽたと垂れていく。
錆びた鉄のような血の匂いがあたり一面に立ち込める。
私は、彼の血で一気に我に返った。
私は、なんてことをしてしまったんだろう。
シルヴィオは、自分を傷つけてしまえるほど、嫌だったんだ。
こんなにも嫌がってる人に、私は、本当に、なんてことをしてしまったんだろう。
自分の気持ちをおしつけて。
こんなやり方じゃ、シルヴィオが幸せになんかなれないのに!
私は、彼と幸せになりたかったのだ。私はこのあと、どれだけ時間がかかっても、自分が彼を幸せにするんだと思ってた。幸せにできるとうぬぼれてた。
でも、私は、彼を幸せにするどころか、彼に自傷を選ばせるほどに苦しめてしまっていたのだ。
彼を傷つけたかったわけではないのだ。
彼が傷つくなど耐えられない。
私は、自己嫌悪で死んでしまいたいくらい後悔する。
「ごめんなさい。ごめんなさい。いやだったよね。無理やりこんなことして、私おかしかった。ごめんなさい。好きな子がいるのにこんなことしてごめんなさい。シルヴィオが傷つくのはいや。絶対いや! 婚約は、もう破棄します。だから、もう二度とこんなことしないで!!」
そんなことになるくらいなら、彼が傷つくくらいなら、私は、多分。
――多分、身を引ける。
誰か呼んでくる、と言って、私が立ち上がるのを、シルヴィオは手をつかんで止めた。
「待って……婚約は、破棄しない、よ」
脂汗で張り付いた黒髪の下から、苦しげな瞳がわずかな光を放つ。
「好きなやつ……お前だから。好きな子に告白されたのに、破棄なんてしない」
「だって、今まで……」
私は彼の言っていることが理解できなかった。
「めちゃくちゃなお前に、腹、くくった。もう、俺も逃げない。お前が、お前の全部を俺にくれる覚悟があるなら、俺は、俺の全部を捨てても、お前をとるって決めたから」
シルヴィオは、私の両手をつかんだまま引き寄せた。
「だけど、こんなやり方じゃダメだ。ちゃんと、俺の意思で、お前を感じて、お前を抱きたい」
もう、俺のために泣くな、そうつぶやくと、シルヴィオは意識を失った。
『好きな子、いるの?』
『ああ』
どす黒い感情が渦巻いて、私は、それをもう、止めることはできない。
これは、人間の尊厳を奪う行為だ。
ダメだ、こんなのだめだ。
でも、私は、何度言い聞かせても、自分を止めることはできなかった。
――シルヴィオに、媚薬を使うことにした。
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温室の奥には、広めのソファーがある。
シルヴィオは、暗い顔をして、現れた。
きっと、優しいシルヴィオは、私を最後に突き放してしまったことを後悔しているのね。
でも、本当は、嬉しいんでしょう? 私と婚約破棄すれば、堂々と、好きな子に交際を申し込めるものね。それはいったい誰? アレッシア? デボラ? ロミーナ? みんなシルヴィオに憧れてるもの、すぐにOKするわ。
ねえ、シルヴィオは、あのキスは、好きな子との練習のつもりだったのかもしれないわね。私とキスしながら、その子の事、考えてたの?
でも、ごめんね。その子には、あなたをあげられないわ。
誠実なあなたは、婚約者のいる今はまだ、その子に思いを告げてはいないでしょう?
なら、まだきっと間に合う。
私が、一生一緒にいて忘れさせてあげる。
あなたを絶対幸せにする。
私は、シルヴィオの紅茶に、媚薬を混ぜた。
シルヴィオは、紅茶に手を付ける。
私は、彼がしっかり紅茶を飲んだのを見届けてから、話を始めた。
「ねえ、婚約破棄の話をする前に、少し、話をさせて」
私は、どんな表情をしているんだろう?
自分がどんな顔をしているかわからない。
「ねえ、私、シルヴィオが好きなの。だから、私、本当にシルヴィオと結婚したいの」
シルヴィオは、つらそうな表情をする。
「だから、それは前も話しただろう?」
「うん、でも、絶対ヤダ。誰にもあなたをあげたくないの」
即効性の媚薬だと聞いた。もうそろそろ聞いてくるはずだ。
「フラン……」
「私、自分がこんな人間だと思わなかった。恋って人を幸せにしてくれるけれど、それを手に入れるためには、人っていくらでも卑劣で、狡猾で、薄汚くなれるのね。――ねえ、シルヴィオ、ごめんね。あなたに、媚薬、盛っちゃった。そろそろ、効いてきたでしょ?」
「お前、何言ってっ!」
シルヴィオは、立ち上がろうとして、座り込んだ。
「ねえ、つらいんでしょ? あっちにソファがあるから、一緒に行こう? 既成事実、作ったら、私、裁判所に申し立てするの。そうしたら、婚姻の強制執行になるわ。私が、シルヴィオの好きな子忘れさせるから。私を全部あげるから。だから、私で、我慢して?」
「お前、何馬鹿な事言って……」
私は、無理やりシルヴィオを立ち上がらせる。彼は、ふらりと倒れそうになって、私の肩に体重がかかった。
「だって、お前。望めば王族にだって慣れるのに。俺とじゃ、貴族にすらなれない」
今更、何を言ってるんだろう?
そんなくだらないこと今更言ってるんじゃないわよ!
「そんなの知ってるわよ! 私は騎士の妻になるつもりで、ずっと過ごしてきたのよ。あのプチサロンだってそうよ! いつから私あなたのこと好きだったと思ってるのよ。7年よ! 馬鹿にしないでよ!」
私は、たくさんのことを練習してきた。
それでもきっと足りないだろうから、これからいくらだって覚える。
つらくても耐えるわ。
だって!
「好きなの好きなの好きなのー!!」
私は、シルヴィオを無理やり引っ張って、ソファに押し倒した。
「10歳の時、あの護り石を拾ってもらってから、ずーっとシルヴィオの事好きで、シルヴィオに好きになってもらいたくてやせたし、シルヴィオのお嫁さんになっても困らないように、プチサロンで庶民の勉強もしたし、婚約も格差婚約は建前で、ずっと本気だったし、サヴィにも告白されたけど断ったし、既成事実作るために媚薬まで盛ったー!! もういい加減あきらめて、私と結婚してよー」
私の涙が、ぼとぼとと、シルヴィオの顔に落ちてしまう。
「なんだよそれ。俺の知らないうちに、どんだけだよ。お前、そんなこと考えてたののかよ」
押し倒されたシルヴィオの顔もぐしゃりと歪む。
「キスだって、キスだって、私は、わ、私は、あんたとの結婚式の練習のつもりだったんだからーっ!!」
もう、私は、馬鹿みたいにシルヴィオへの想いを吐き出していた。
シルヴィオは、観念したみたいに目をつぶった。
「お前、めちゃくちゃだ……。でも、俺は、そんなめちゃくちゃなお前が……うっ」
「ごめんね。シルヴィオに好きな子をあげられなくてごめんなさい。私で、我慢して?」
彼が目をつぶってくれて助かった。涙でぐちゃぐちゃな顔を見られなくて済む。
「……好きな子、想像してていいから」
小さく言って、私は、シルヴィオの服のボタンに手をかけた。
彼は目をつぶって、震えるように深呼吸をすると、ボタンを外している私の両手を片手でつかんだ。
そして。
逆の手で、懐からナイフを取り出すと、自分の足に突きたてた。
◇◇◇◇◇◇
カラン、と音をたてて、ナイフは、シルヴィオの足から抜けて、床に落ちた。
どくどくとシルヴィオの足から血がしたたり落ちる。
鮮血がソファを染め、大理石の床にぽたぽたと垂れていく。
錆びた鉄のような血の匂いがあたり一面に立ち込める。
私は、彼の血で一気に我に返った。
私は、なんてことをしてしまったんだろう。
シルヴィオは、自分を傷つけてしまえるほど、嫌だったんだ。
こんなにも嫌がってる人に、私は、本当に、なんてことをしてしまったんだろう。
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こんなやり方じゃ、シルヴィオが幸せになんかなれないのに!
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でも、私は、彼を幸せにするどころか、彼に自傷を選ばせるほどに苦しめてしまっていたのだ。
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そんなことになるくらいなら、彼が傷つくくらいなら、私は、多分。
――多分、身を引ける。
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「待って……婚約は、破棄しない、よ」
脂汗で張り付いた黒髪の下から、苦しげな瞳がわずかな光を放つ。
「好きなやつ……お前だから。好きな子に告白されたのに、破棄なんてしない」
「だって、今まで……」
私は彼の言っていることが理解できなかった。
「めちゃくちゃなお前に、腹、くくった。もう、俺も逃げない。お前が、お前の全部を俺にくれる覚悟があるなら、俺は、俺の全部を捨てても、お前をとるって決めたから」
シルヴィオは、私の両手をつかんだまま引き寄せた。
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