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1000年前から愛してる
回せ!有責カウンター!
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この時代の女性は乗馬ですらドレス一択だ。
男性的なデザインの婦人服は、型紙すら存在しない。
俺たちが吹き飛ばした城の一角は、厨房や衣類の修繕を行うエリアだった。
真面目に働いていたらいきなり襲撃されて怪我した彼らに、男性デザインの婦人服を作れと強要するのは流石の俺も気が引けた。
あの時は魔王が直接治癒魔術を施したことで、信者の彼らは涙を流して喜んでいたけど、それは対魔王だからだ。俺に対して、彼らがどう思っているかは分からない。
四天王が揃うまで俺はこの城で生活する。
どうせなら気持ちよく過ごしたいので、俺は行動することにした。
厨房で幻シリーズの魔獣の肉を出したら「自分達の手には余る」と泣かれた。
困らせたい訳ではないので、異世界の美味しいレシピをいくつか伝授した。
次に服飾エリアへ行って脱コルセットのドレスデザインをいくつか提供した。
女性達を苦痛から解放する一助になればと思う。
先日のお茶会は本当に酷かった。参加者達に相当負担がかかっていたのか、次回開催の案内はまだ来ていない。
こうして俺の魔王城ライフは平和に過ぎていき、結局魔術による補助なしで妊娠。
陣痛が起きたら即転移で出産させてほしい、とアウクトルに頼んだら却下された。
理由が「俺の子を産む痛みをその魂に刻め」とかいう馬鹿馬鹿しいものだったので、出産に協力的でないなら、今後俺はシリンジ法で妊娠すると宣言したら謝罪してきた。
こうして俺は無痛分娩の確約を得た。
俺が妊婦なのに気を遣ったのか、その後もお茶会の誘いはなかった。お茶とか食べ物とか別に用意しなければいけないからな、仕方ない。
=========
出産予定日が間近に迫った頃、事件は起きた。
前々から魔族と小競り合いを繰り返していた獣人の部族が、神族の入れ知恵で遂にやらかしたのだ。
「俺はこれから奴らの拠点を叩きに行く」
「……いつ戻るんだ?」
「すぐに片付ける」
「出産までには戻るんだろうな」
じっとりとした目で見つめると、やけに嬉しそうに抱きしめてきた。
コイツ何か勘違いしているな。今の魔王城で繊細な転移操作できるのはアウクトルだけだ。お前が立ち会わないと、無痛分娩できないんだよ!
アウクトルが意気揚々と出立するのを俺は大人しく見送った。どんな勘違いしたのか分からないが、それを糧に早く帰還するなら余計な事は言うまい。
魔王率いる精鋭軍は順調にいけば3日後には戻るらしい。早過ぎるだろ。基本ワンパンなのは知ってたけど、戦後処理とかしないのかアイツら。
夜にアウクトルに拘束されることがないので、俺は久しぶりに自由な夜を過ごすことができた。息抜きできるって最高。
しかし臨月の俺が夜中に活動していると、侍女たちが休めない。
仕方がないので、月明かりで本を読む事にした。
異世界転移する際に持ってきた、いつか読もうと思っていた本シリーズだ。俺は夜目が効くから、明かりがなくても読書に支障はない。ランプ付けると起きているのがバレるからな。
俺なりに色々気を遣ったのだが翌朝バレた。
浮気に気づく妻並みの嗅覚で、侍女達がテーブルに置かれた本から推理を組み立てていった。君たち名探偵だね。
何故か夫の身を案じるあまり、精神が不安定になっている扱いされた。おい、一気に迷探偵になったぞ。
彼女達の中では既にストーリーが出来上がっているらしく、違うと訂正したのに聞き入れてくれない。
その日の夜にはエコールが、俺を安心させるために戦局の報告に来た。だから違うって。
報告の時点では万事順調とのことだったが、形勢はあっという間に傾いたーー魔族にとって不利な方向に。
=========
透明な壁が魔王城全体を取り囲む。
此方の自衛手段ではない。敵からの攻撃だ。
誰一人逃さないよう閉じ込めた後に、城の上空に巨大な魔法陣が現れた。
魔族の使用する魔法陣は、カリグラフィーのような文字が書かれた紋様。頭上で展開されているのは幾何学的な紋様。明らかに他種族の魔術だ。
幾何学模様は波打ったかと思うと凹凸を形成し、魔法陣の複数箇所に鋭い刃の様な部分が出来上がった。
何となく相手の狙いがわかってしまった。
遺跡探索などの冒険劇に出てくる、棘の付いた石壁が迫ってくるやつ。
もしくはスムージー作るためのブレンダー。俺たちが野菜で、透明な壁が容器。
「妃殿下お下がりくださいっ!!」
護衛が俺を部屋に戻そうと制止する。
部屋に篭っても意味はない。
彼の首根っこを引っ掴んで、指揮官の元へ案内させた。
「現在行なっている打開策を聞きたい。協力できることがあるかもしれない」
「魔王妃殿下!? ッ結界の解除に全力を尽くしております! それまで殿下は我々が何としてでもお守りします! お部屋へお戻りください!」
それつまり解決策思いつかないから、できることを頑張ってますって話だよな。
今にも動き出しそうな魔法陣。
精鋭軍は多分嵌められたな。どこかで足止めを食らっているんだろう。
このブラッディスムージー作戦(仮)が上手くいったら、魔族は大打撃を受ける。実に効率的だ。
「……守る範囲が決まっているなら、楽勝だな」
ついでに、これはチャンスかもしれない。
俺の呟きを聞き取った護衛が、化け物を見る目で見てきた。
=========
「即座に実行できる解決策が無いのであれば、俺に一任しろ」
声を張り上げた俺に、指揮官だけでなく周囲の兵士たちからも驚きの声が上がる。
「魔王妃としての命令だ。魔王には俺が強行したと報告しろ。いいな」
困惑、苛立ち、怒り、不安……etc
直接の暴言はないが、騒めきが広がる。アウクトルにはイエスマンな奴らだが、俺に対しては言いたい放題だ。
俺を追いかけてきた侍女長のセルヴァ含め、誰一人了承するものは居ない。まあ、指揮系統無視して権力振りかざしているのだから当然か。
説得する時間はないので、問答無用でフィールドを展開した。
今回は二段構えだ。
一段目は俺の周囲のみ。
二段目は中空ーー最も高い尖塔の先端を目安に王城全域。
一段目は俺にバフ盛りまくるため。
二段目は撃ち漏らしから城を守るため。
戦闘員は一段目に入らなければ、通常通り動けるはずなので非戦闘員を守るように伝えた。
会話中に圧縮していた魔力を放つ。
前回は一発ドカンだったが、今回は雪合戦のようにそこそこのサイズを大量に作った。
上空の魔法陣を完全に破壊した後で、二段目のフィールドを拡張して結界を無効化した。
体内で急激な魔力操作を行なった為か、陣痛が始まった。
よしよし、無痛分娩は諦めざるを得ないが、別の成果を得ることができた。
俺たちは仮面夫婦だ。
四天王が揃い次第、俺は妻役を降りて未来へ帰る。
1000年経っても旧世代魔族は魔王妃のことを覚えているだろう。
性別を変えているが、どこかでバレる可能性がある。そんな時、魔王様を捨てて逃げた奴と思われたら魔族全員を敵に回す事になる。ちゃんと魔王有責で離婚したという確たる証が欲しい。
女性は産前産後の恨みを一生引きずるらしいからな。
今回の事件を離婚理由に利用させてもらおう。
男性的なデザインの婦人服は、型紙すら存在しない。
俺たちが吹き飛ばした城の一角は、厨房や衣類の修繕を行うエリアだった。
真面目に働いていたらいきなり襲撃されて怪我した彼らに、男性デザインの婦人服を作れと強要するのは流石の俺も気が引けた。
あの時は魔王が直接治癒魔術を施したことで、信者の彼らは涙を流して喜んでいたけど、それは対魔王だからだ。俺に対して、彼らがどう思っているかは分からない。
四天王が揃うまで俺はこの城で生活する。
どうせなら気持ちよく過ごしたいので、俺は行動することにした。
厨房で幻シリーズの魔獣の肉を出したら「自分達の手には余る」と泣かれた。
困らせたい訳ではないので、異世界の美味しいレシピをいくつか伝授した。
次に服飾エリアへ行って脱コルセットのドレスデザインをいくつか提供した。
女性達を苦痛から解放する一助になればと思う。
先日のお茶会は本当に酷かった。参加者達に相当負担がかかっていたのか、次回開催の案内はまだ来ていない。
こうして俺の魔王城ライフは平和に過ぎていき、結局魔術による補助なしで妊娠。
陣痛が起きたら即転移で出産させてほしい、とアウクトルに頼んだら却下された。
理由が「俺の子を産む痛みをその魂に刻め」とかいう馬鹿馬鹿しいものだったので、出産に協力的でないなら、今後俺はシリンジ法で妊娠すると宣言したら謝罪してきた。
こうして俺は無痛分娩の確約を得た。
俺が妊婦なのに気を遣ったのか、その後もお茶会の誘いはなかった。お茶とか食べ物とか別に用意しなければいけないからな、仕方ない。
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出産予定日が間近に迫った頃、事件は起きた。
前々から魔族と小競り合いを繰り返していた獣人の部族が、神族の入れ知恵で遂にやらかしたのだ。
「俺はこれから奴らの拠点を叩きに行く」
「……いつ戻るんだ?」
「すぐに片付ける」
「出産までには戻るんだろうな」
じっとりとした目で見つめると、やけに嬉しそうに抱きしめてきた。
コイツ何か勘違いしているな。今の魔王城で繊細な転移操作できるのはアウクトルだけだ。お前が立ち会わないと、無痛分娩できないんだよ!
アウクトルが意気揚々と出立するのを俺は大人しく見送った。どんな勘違いしたのか分からないが、それを糧に早く帰還するなら余計な事は言うまい。
魔王率いる精鋭軍は順調にいけば3日後には戻るらしい。早過ぎるだろ。基本ワンパンなのは知ってたけど、戦後処理とかしないのかアイツら。
夜にアウクトルに拘束されることがないので、俺は久しぶりに自由な夜を過ごすことができた。息抜きできるって最高。
しかし臨月の俺が夜中に活動していると、侍女たちが休めない。
仕方がないので、月明かりで本を読む事にした。
異世界転移する際に持ってきた、いつか読もうと思っていた本シリーズだ。俺は夜目が効くから、明かりがなくても読書に支障はない。ランプ付けると起きているのがバレるからな。
俺なりに色々気を遣ったのだが翌朝バレた。
浮気に気づく妻並みの嗅覚で、侍女達がテーブルに置かれた本から推理を組み立てていった。君たち名探偵だね。
何故か夫の身を案じるあまり、精神が不安定になっている扱いされた。おい、一気に迷探偵になったぞ。
彼女達の中では既にストーリーが出来上がっているらしく、違うと訂正したのに聞き入れてくれない。
その日の夜にはエコールが、俺を安心させるために戦局の報告に来た。だから違うって。
報告の時点では万事順調とのことだったが、形勢はあっという間に傾いたーー魔族にとって不利な方向に。
=========
透明な壁が魔王城全体を取り囲む。
此方の自衛手段ではない。敵からの攻撃だ。
誰一人逃さないよう閉じ込めた後に、城の上空に巨大な魔法陣が現れた。
魔族の使用する魔法陣は、カリグラフィーのような文字が書かれた紋様。頭上で展開されているのは幾何学的な紋様。明らかに他種族の魔術だ。
幾何学模様は波打ったかと思うと凹凸を形成し、魔法陣の複数箇所に鋭い刃の様な部分が出来上がった。
何となく相手の狙いがわかってしまった。
遺跡探索などの冒険劇に出てくる、棘の付いた石壁が迫ってくるやつ。
もしくはスムージー作るためのブレンダー。俺たちが野菜で、透明な壁が容器。
「妃殿下お下がりくださいっ!!」
護衛が俺を部屋に戻そうと制止する。
部屋に篭っても意味はない。
彼の首根っこを引っ掴んで、指揮官の元へ案内させた。
「現在行なっている打開策を聞きたい。協力できることがあるかもしれない」
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それつまり解決策思いつかないから、できることを頑張ってますって話だよな。
今にも動き出しそうな魔法陣。
精鋭軍は多分嵌められたな。どこかで足止めを食らっているんだろう。
このブラッディスムージー作戦(仮)が上手くいったら、魔族は大打撃を受ける。実に効率的だ。
「……守る範囲が決まっているなら、楽勝だな」
ついでに、これはチャンスかもしれない。
俺の呟きを聞き取った護衛が、化け物を見る目で見てきた。
=========
「即座に実行できる解決策が無いのであれば、俺に一任しろ」
声を張り上げた俺に、指揮官だけでなく周囲の兵士たちからも驚きの声が上がる。
「魔王妃としての命令だ。魔王には俺が強行したと報告しろ。いいな」
困惑、苛立ち、怒り、不安……etc
直接の暴言はないが、騒めきが広がる。アウクトルにはイエスマンな奴らだが、俺に対しては言いたい放題だ。
俺を追いかけてきた侍女長のセルヴァ含め、誰一人了承するものは居ない。まあ、指揮系統無視して権力振りかざしているのだから当然か。
説得する時間はないので、問答無用でフィールドを展開した。
今回は二段構えだ。
一段目は俺の周囲のみ。
二段目は中空ーー最も高い尖塔の先端を目安に王城全域。
一段目は俺にバフ盛りまくるため。
二段目は撃ち漏らしから城を守るため。
戦闘員は一段目に入らなければ、通常通り動けるはずなので非戦闘員を守るように伝えた。
会話中に圧縮していた魔力を放つ。
前回は一発ドカンだったが、今回は雪合戦のようにそこそこのサイズを大量に作った。
上空の魔法陣を完全に破壊した後で、二段目のフィールドを拡張して結界を無効化した。
体内で急激な魔力操作を行なった為か、陣痛が始まった。
よしよし、無痛分娩は諦めざるを得ないが、別の成果を得ることができた。
俺たちは仮面夫婦だ。
四天王が揃い次第、俺は妻役を降りて未来へ帰る。
1000年経っても旧世代魔族は魔王妃のことを覚えているだろう。
性別を変えているが、どこかでバレる可能性がある。そんな時、魔王様を捨てて逃げた奴と思われたら魔族全員を敵に回す事になる。ちゃんと魔王有責で離婚したという確たる証が欲しい。
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