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BLカテで乙女ゲーとか誰得
温泉の水全部抜く ※
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貸切状態の大浴場。
とても気分が良い。
家で入る毎日の風呂は面倒なのに、こういう場所だとテンションが上がるのは何でだろうな。
さっさと体を洗って湯船に向かう。
浴槽の淵に腰掛けて、足だけ先に湯に入れた。
最初から肩まで浸かる人もいるのだろうが、俺は徐々に浸かりたい派だ。この後、半身浴、全身浴に移行する。
先に湯船に浸かっていたアウクトルが近寄ってきた。
真正面に来られて、俺は困惑した。
俺は男なので、ある程度足を開いた状態で座る。
手拭いで隠しているとはいえ、肩まで湯に浸かった彼に正面で陣取られると、とても気まずい。
「ちょっ! っと待て!」
彼は徐に俺の手拭いを奪うと、その形の良い頭を近づけた。
俺の位置からはその後頭部しか見えないが、何をされているのかは分かる。
唐突過ぎて、理由も目的も思いつかないが、これは駄目だ。
「ここはっ! …公共のっ! マナー!」
力づくで引き剥がしたいが、乱暴にしてうっかり噛み切られては堪らない。
弱点を抑えられたような状態の俺は、彼に対して強く出られない。
「湯を全て入れ替えれば良い」
手を動かしながら、先端を吸われた。
違う。そうじゃない。
信じられないことに、アウクトルは俺の出したものを飲んだ。
マジかよ、吐き出して湯で流していいんだぞ。
洗い場でうがいはマナー違反だが、もっと特大のマナー違反を俺たちはやらかしている。
彼のマナーの基準がわからない。
呆然とする俺を、アウクトルは湯船に引き込んだ。
意図せず彼の膝の上に乗っかる形になる。
退こうとするが、腰に回された手に引き留められた。
するりとやおらに指先が割れ目をたどる。一点に差し掛かると、確かめるように指の腹で軽く押される。
これはヤバい。
経験はないが、どういうものか知識はある。
嫌悪ではなく懸念が俺の頭を支配する。
まず思い浮かんだのが感染症のリスクだ。
ここは大勢が使用した湯船。体の表面を洗い流す分には良いが粘膜へ直接はよろしくない。彼にしても、避妊具のない状態で常在菌が生息する部位に接触するのは危険。
それにこういうのって、受け手が事前に準備しないと不味いんじゃないか?
腸内を直接刺激されるのだ、排便を促されるようなものである。滑りが良ければ何とかなる、という話ではないのだ。知らんけど。
全部あり合わせの知識による想像だけど、兎に角駄目だ!
アウクトルの意図とか色々考えなければいけないことはあるが、今俺が最優先であたるべきは事態の収束。
自分がして欲しい事を相手にする。
不意に頭を過った考え。一か八かかけるしかない。
アウクトルの体を抱えると、そのまま湯船の外に押し出した。先ほどの俺と同じ姿勢にさせる。
目に入ったものに怯みそうになるが、洗ったばかりなので、思ったより抵抗はない。
えずいてしまうので、彼にされたように奥まで含むことは無理だが、口の中に入れなければ大丈夫だろう。多分。
俺が何をしようとしているのか、察したアウクトルが戸惑う姿勢を見せる。
顔を近づける俺を止めようとする手を叩いた。
人にされて嫌なら最初からするな!!
主に手を使い、申し訳程度に舌先で先端と筋を舐める。しゃぶるのは無理なので、唇で軽く挟んで吸った。
俺が出したものは彼が飲んだが、彼が出してものは思い切り俺の顔に掛かった。一部は口の中に入ったが、顔を洗うふりをして吐き出した。
アウクトルが顔を近づけてきたので、指でその唇を押さえた。
「早く魔界に帰ろう」
先日キスへの不感症が発覚した俺だが、心理的に口淫した口でキスはいやだ。
とても気分が良い。
家で入る毎日の風呂は面倒なのに、こういう場所だとテンションが上がるのは何でだろうな。
さっさと体を洗って湯船に向かう。
浴槽の淵に腰掛けて、足だけ先に湯に入れた。
最初から肩まで浸かる人もいるのだろうが、俺は徐々に浸かりたい派だ。この後、半身浴、全身浴に移行する。
先に湯船に浸かっていたアウクトルが近寄ってきた。
真正面に来られて、俺は困惑した。
俺は男なので、ある程度足を開いた状態で座る。
手拭いで隠しているとはいえ、肩まで湯に浸かった彼に正面で陣取られると、とても気まずい。
「ちょっ! っと待て!」
彼は徐に俺の手拭いを奪うと、その形の良い頭を近づけた。
俺の位置からはその後頭部しか見えないが、何をされているのかは分かる。
唐突過ぎて、理由も目的も思いつかないが、これは駄目だ。
「ここはっ! …公共のっ! マナー!」
力づくで引き剥がしたいが、乱暴にしてうっかり噛み切られては堪らない。
弱点を抑えられたような状態の俺は、彼に対して強く出られない。
「湯を全て入れ替えれば良い」
手を動かしながら、先端を吸われた。
違う。そうじゃない。
信じられないことに、アウクトルは俺の出したものを飲んだ。
マジかよ、吐き出して湯で流していいんだぞ。
洗い場でうがいはマナー違反だが、もっと特大のマナー違反を俺たちはやらかしている。
彼のマナーの基準がわからない。
呆然とする俺を、アウクトルは湯船に引き込んだ。
意図せず彼の膝の上に乗っかる形になる。
退こうとするが、腰に回された手に引き留められた。
するりとやおらに指先が割れ目をたどる。一点に差し掛かると、確かめるように指の腹で軽く押される。
これはヤバい。
経験はないが、どういうものか知識はある。
嫌悪ではなく懸念が俺の頭を支配する。
まず思い浮かんだのが感染症のリスクだ。
ここは大勢が使用した湯船。体の表面を洗い流す分には良いが粘膜へ直接はよろしくない。彼にしても、避妊具のない状態で常在菌が生息する部位に接触するのは危険。
それにこういうのって、受け手が事前に準備しないと不味いんじゃないか?
腸内を直接刺激されるのだ、排便を促されるようなものである。滑りが良ければ何とかなる、という話ではないのだ。知らんけど。
全部あり合わせの知識による想像だけど、兎に角駄目だ!
アウクトルの意図とか色々考えなければいけないことはあるが、今俺が最優先であたるべきは事態の収束。
自分がして欲しい事を相手にする。
不意に頭を過った考え。一か八かかけるしかない。
アウクトルの体を抱えると、そのまま湯船の外に押し出した。先ほどの俺と同じ姿勢にさせる。
目に入ったものに怯みそうになるが、洗ったばかりなので、思ったより抵抗はない。
えずいてしまうので、彼にされたように奥まで含むことは無理だが、口の中に入れなければ大丈夫だろう。多分。
俺が何をしようとしているのか、察したアウクトルが戸惑う姿勢を見せる。
顔を近づける俺を止めようとする手を叩いた。
人にされて嫌なら最初からするな!!
主に手を使い、申し訳程度に舌先で先端と筋を舐める。しゃぶるのは無理なので、唇で軽く挟んで吸った。
俺が出したものは彼が飲んだが、彼が出してものは思い切り俺の顔に掛かった。一部は口の中に入ったが、顔を洗うふりをして吐き出した。
アウクトルが顔を近づけてきたので、指でその唇を押さえた。
「早く魔界に帰ろう」
先日キスへの不感症が発覚した俺だが、心理的に口淫した口でキスはいやだ。
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