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第一話 クズ勇者、改心する
その七
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「さあて、これからどうするかな?」
オレはそうつぶやく。
冒険者ギルドから除名されたその日、オレは王宮に行った。そこで勇者の称号を返上。フィリシア殿下との婚約も解消した。
本当になにもかも失ってしまったなあ……
なのに、とても清々しい気分だ。
「ごめん、ボクのせいで――」
またそんなことをマルタが言うので、オレはコイツの頭を撫でる。
「だから、オマエのせいじゃないって。泣くなよ」
「だけど、ボクがなにもできないから、役立たずだから、こんなことになったんでしょ?」
オレは「自分のことを役立たずなんて言うな」とヤツの頭を小突いた。
「イイか? オマエには間違いなく、スゴい能力を持っている。それはもう、この世界を変えてしまうような――オレが保証する」
前の人生では、人類を滅ぼすほどの男だったんだ。だから、オレはウソをついていない。
「そんなことより、まずはカネを稼がないとな」
この頃のオレは手に入ったカネを全部、遊びに使ってしまった。
カネなんて簡単に手に入る――そんなふうに思っていたからな。まさか、勇者どころか冒険者でもない、まったく身分が定まっていない状況が訪れるなんて、当時の自分なら想像もしてなかった。
だけど――
「なあに、田舎から出てきた頃に戻っただけじゃないか。なんとかなるさ」
マルタと二人で王都にやって来た頃、何をすればわからず右往左往していた。
自分に何ができるのかわからず、不安だったあの頃――それでも、奴隷より何万倍もマシな状況だ。なにより、仲間――マルタがいるもんな!
「おカネならボクが持っているから」そうマルタが言い出した。ギルドからもらった給料はほとんど使わず、貯めていたのだと言う。
「マジかよ。すごいな!」
そういえば、コイツが遊んでいるところを見たことがない。いつもなにかしら、仕事をしていた。
「それにパーティからもらったアイテムも全部残っているよ」
勇者パーティとして、三種の神器を集めるため、二つのS級ダンジョンを攻略した。
その時に、倒したモンスターからいろいろとドロップアイテムが手に入ったのだけど、その中で、あまり価値のないアイテムは全部マルタに押しつけたんだっけ?
「そうか。ありがとな」
今のオレは何一つ武器を持っていない。マルタにあげた武器はガラクタばかりだが、何もないよりはイイに決まっている。
「剣をひとつだけもらうよ。あとは、いらない」
「そんな、遠慮せずになんでももらってよ。そもそも、パーティの持ち物なんだし」
オレは頭を横に振る。
「全部、オマエにあげたものだ。だから、オマエが好きに使ってくれ。だけど――」
オレは顔の前で手を合わせる。
「わりい。しばらく、食事代を貸してくれ!」
ガチでカネがない! マルタはうれしそうな顔をして、「うん!」と返事をした。
オレはそうつぶやく。
冒険者ギルドから除名されたその日、オレは王宮に行った。そこで勇者の称号を返上。フィリシア殿下との婚約も解消した。
本当になにもかも失ってしまったなあ……
なのに、とても清々しい気分だ。
「ごめん、ボクのせいで――」
またそんなことをマルタが言うので、オレはコイツの頭を撫でる。
「だから、オマエのせいじゃないって。泣くなよ」
「だけど、ボクがなにもできないから、役立たずだから、こんなことになったんでしょ?」
オレは「自分のことを役立たずなんて言うな」とヤツの頭を小突いた。
「イイか? オマエには間違いなく、スゴい能力を持っている。それはもう、この世界を変えてしまうような――オレが保証する」
前の人生では、人類を滅ぼすほどの男だったんだ。だから、オレはウソをついていない。
「そんなことより、まずはカネを稼がないとな」
この頃のオレは手に入ったカネを全部、遊びに使ってしまった。
カネなんて簡単に手に入る――そんなふうに思っていたからな。まさか、勇者どころか冒険者でもない、まったく身分が定まっていない状況が訪れるなんて、当時の自分なら想像もしてなかった。
だけど――
「なあに、田舎から出てきた頃に戻っただけじゃないか。なんとかなるさ」
マルタと二人で王都にやって来た頃、何をすればわからず右往左往していた。
自分に何ができるのかわからず、不安だったあの頃――それでも、奴隷より何万倍もマシな状況だ。なにより、仲間――マルタがいるもんな!
「おカネならボクが持っているから」そうマルタが言い出した。ギルドからもらった給料はほとんど使わず、貯めていたのだと言う。
「マジかよ。すごいな!」
そういえば、コイツが遊んでいるところを見たことがない。いつもなにかしら、仕事をしていた。
「それにパーティからもらったアイテムも全部残っているよ」
勇者パーティとして、三種の神器を集めるため、二つのS級ダンジョンを攻略した。
その時に、倒したモンスターからいろいろとドロップアイテムが手に入ったのだけど、その中で、あまり価値のないアイテムは全部マルタに押しつけたんだっけ?
「そうか。ありがとな」
今のオレは何一つ武器を持っていない。マルタにあげた武器はガラクタばかりだが、何もないよりはイイに決まっている。
「剣をひとつだけもらうよ。あとは、いらない」
「そんな、遠慮せずになんでももらってよ。そもそも、パーティの持ち物なんだし」
オレは頭を横に振る。
「全部、オマエにあげたものだ。だから、オマエが好きに使ってくれ。だけど――」
オレは顔の前で手を合わせる。
「わりい。しばらく、食事代を貸してくれ!」
ガチでカネがない! マルタはうれしそうな顔をして、「うん!」と返事をした。
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