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第二章 盾職人は異世界の起業家となる
第33話 現行犯確保! となる
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夜中に忍び込んでいたのは、女の子だった!
一応、逃げないように手足を縄で縛る。落ち着いたところで――
「えーと……それで、キミの名前は?」
女の子はムスッとした顔のまま、なにも言わない。
「うーん。何か言ってくれないと、困るんだけど――」
ボクは頭を掻く。
アリシアも、「ココに入って、何をしようとしたの?」と彼女に声をかけるのだが、まったく応答がない。
「仕方ない……衛兵を呼んで連れてってもらうか?」
まさか、このままココに縛りつけておくわけにもいかない。
だけど、アリシアは「まだ子供なのにカワイそうです……」なんて言う。
「子供じゃない! もう、十八だ!」
いきなり大声で叫んだと思ったら、女の子はそんなことをぶっちゃけるのだった。
「えっ? 私より年上だったのですか⁉」
そう驚くアリシア。まあ、彼女も充分童顔なんだけど……
黒髪のベリーショート。肌は褐色でボーイッシュ。身長は百四十センチくらいの小柄、アリシアが『子供』とかん違いしてもおかしくないのだが、唯一『大人』な部分はム・ネ。小さなデニム生地のシャツの中で窮屈そうにしていた。やはりデニム生地の短パンを履いて、あぐらをかいている姿は、女の子というより、生意気なガキのよう――ムネ以外は……
ボクはその容姿で、前の世界で読んだラノベで得た情報から、こう彼女にたずねた。
「もしかして、ドワーフ?」
「ちがうわい! オレは人間だ!」
いきなり怒られた。「ごめん……」と一応謝っておく――なんか、どっちが被害者なのか、わからなくなってきた……
「えーと、それでキミはどうしてウチの工房に入ったの? なにを盗もうと?」
「――タバサだ。なにかを盗もうとしたんじゃない。使っている工具を見たかっただけだ」
相変わらず不愛想な顔でそう言う。えっ? 工具を見たかった?
「あのう、タバサさん? 工具をどうして?」
ボクが使っている工具は特に珍しいモノでもない。王都の工具屋で買えるモノばかりだ。そんなモノをどうして?
「商売がたきがどんな工具を使っているか――知りたかったんだ」
「――えっ?」
一応、逃げないように手足を縄で縛る。落ち着いたところで――
「えーと……それで、キミの名前は?」
女の子はムスッとした顔のまま、なにも言わない。
「うーん。何か言ってくれないと、困るんだけど――」
ボクは頭を掻く。
アリシアも、「ココに入って、何をしようとしたの?」と彼女に声をかけるのだが、まったく応答がない。
「仕方ない……衛兵を呼んで連れてってもらうか?」
まさか、このままココに縛りつけておくわけにもいかない。
だけど、アリシアは「まだ子供なのにカワイそうです……」なんて言う。
「子供じゃない! もう、十八だ!」
いきなり大声で叫んだと思ったら、女の子はそんなことをぶっちゃけるのだった。
「えっ? 私より年上だったのですか⁉」
そう驚くアリシア。まあ、彼女も充分童顔なんだけど……
黒髪のベリーショート。肌は褐色でボーイッシュ。身長は百四十センチくらいの小柄、アリシアが『子供』とかん違いしてもおかしくないのだが、唯一『大人』な部分はム・ネ。小さなデニム生地のシャツの中で窮屈そうにしていた。やはりデニム生地の短パンを履いて、あぐらをかいている姿は、女の子というより、生意気なガキのよう――ムネ以外は……
ボクはその容姿で、前の世界で読んだラノベで得た情報から、こう彼女にたずねた。
「もしかして、ドワーフ?」
「ちがうわい! オレは人間だ!」
いきなり怒られた。「ごめん……」と一応謝っておく――なんか、どっちが被害者なのか、わからなくなってきた……
「えーと、それでキミはどうしてウチの工房に入ったの? なにを盗もうと?」
「――タバサだ。なにかを盗もうとしたんじゃない。使っている工具を見たかっただけだ」
相変わらず不愛想な顔でそう言う。えっ? 工具を見たかった?
「あのう、タバサさん? 工具をどうして?」
ボクが使っている工具は特に珍しいモノでもない。王都の工具屋で買えるモノばかりだ。そんなモノをどうして?
「商売がたきがどんな工具を使っているか――知りたかったんだ」
「――えっ?」
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