31 / 60
第一章 盾職人は異世界のゲームチェンジャーとなる
第31話 下僕となる
しおりを挟む
武具屋のオヤジが帰ると、今度は馬車が止まる音が――外を見ると、昨日と同じ王族の馬車が見えた。
いったい、誰が?
――と思っていたら、中からシャルロット王女殿下が飛び出してくる――えっ?
「アリシア、あそびにきてやったぞ!」
そう言って、アリシアに抱きついた。いや、だからなぜ、ココに殿下が⁉
「いやあ、殿下がアリシアのところへ行くと言って聞かないので、連れてきてしまった」
「アーノルドさん⁉」
頭を掻きながら、アーノルドさんが殿下の後ろから現れる。
「だからって、こんな街中に殿下を連れてくるなんて……」
何かあったら大変だと言うのだけど――
「そのためにオレもついてきたのだけど……まあ、オレよりもっとスゴ腕の護衛が殿下にはついているからな」
スゴ腕の護衛?
「ヒロト・ニジカワ殿でありますね」
「――えっ? うわっ!」
突然耳元で女性の声が聞こえたので、振り向くと目の前に茶髪ボブカットの女の子が立っていた。白い軍服ということは騎士?
「だ、誰⁉」
慌てて離れると、女の子は頭を垂れた。
「突然の訪問で申し訳ございません。私は殿下の護衛の者です」
護衛? それじゃ……
「彼女はジェシカ・コルテーゼ。今言ったスゴ腕の護衛だよ」
「は、はあ……」とボクは気の抜けた返事をしてしまう。
「アリシア、遊ぼうぞ!」
シャルロット殿下が無邪気に、アリシアの袖を引っ張る。
「あ、あのう、殿下――ここではヒロトさんがお仕事するのに邪魔となってしまいます」
そう、ボクに気を使ってくれるのだけど――
「ヒロト? コヤツのことか?」
殿下がカワイイ指をボクに向ける。コヤツ――って、なんか、アリシアに比べて扱いがひどくない?
アリシアが「はい、そうです」と、応えると――
「コヤツはアリシアの何なのじゃ?」
「えつ?」
殿下に言われて二人は顔を赤くする。
ボクとアリシアの関係――簡単にいえば同居人。と、いうことは同棲相手⁉
いまさら、アリシアのことを意識してしまう……彼女はボクのことをどう思っているのだろう――
アリシアがどう答えるのか、ボクもドキドキして待ってしまう。
「ヒ、ヒロトさんは、そ、そのう……お仕事仲間です!」
アリシアがそう言うので、なぜかガッカリの気分に……まあ、仕事仲間なんだよね……
「そうか。と、いうことは、コヤツはアリシアの下僕ということだな?」
「――えっ?」
また、アリシアと一緒に声が出てしまう。げ、下僕⁉
「あ、あのう、殿下?」
「アリシアの下僕ということは、妾の下僕でもあるな。オマエ、名はなんと申す?」
「え、えーと……ヒロト・ニジカワです……」
一応、名乗った。
「そうか。喜べ、今日からヒロトは妾の下僕じゃ。ジェシカ、ソナタにコヤツの教育係を申しつける。とくときたえよ」
――――――――えっ?
「かしこまりました」
えっ? えぇぇぇぇっ⁉
「ハ、ハ、ハ! ヒロト、スゴいなあ! 昨日はマイスター、今日は殿下の下僕かぁ! どんどん出世するなぁ!」
いやいや、これって出世しているのかぁ?
「それじゃ、ヒロト、ビシビシ鍛えるので覚悟しとけ」
ジェシカさんがそんなことを言う。なんか、さっきと話し方が変わっているんですけど?
「うわぁぁぁぁ! カンベンしてくれ~!」
いったい、誰が?
――と思っていたら、中からシャルロット王女殿下が飛び出してくる――えっ?
「アリシア、あそびにきてやったぞ!」
そう言って、アリシアに抱きついた。いや、だからなぜ、ココに殿下が⁉
「いやあ、殿下がアリシアのところへ行くと言って聞かないので、連れてきてしまった」
「アーノルドさん⁉」
頭を掻きながら、アーノルドさんが殿下の後ろから現れる。
「だからって、こんな街中に殿下を連れてくるなんて……」
何かあったら大変だと言うのだけど――
「そのためにオレもついてきたのだけど……まあ、オレよりもっとスゴ腕の護衛が殿下にはついているからな」
スゴ腕の護衛?
「ヒロト・ニジカワ殿でありますね」
「――えっ? うわっ!」
突然耳元で女性の声が聞こえたので、振り向くと目の前に茶髪ボブカットの女の子が立っていた。白い軍服ということは騎士?
「だ、誰⁉」
慌てて離れると、女の子は頭を垂れた。
「突然の訪問で申し訳ございません。私は殿下の護衛の者です」
護衛? それじゃ……
「彼女はジェシカ・コルテーゼ。今言ったスゴ腕の護衛だよ」
「は、はあ……」とボクは気の抜けた返事をしてしまう。
「アリシア、遊ぼうぞ!」
シャルロット殿下が無邪気に、アリシアの袖を引っ張る。
「あ、あのう、殿下――ここではヒロトさんがお仕事するのに邪魔となってしまいます」
そう、ボクに気を使ってくれるのだけど――
「ヒロト? コヤツのことか?」
殿下がカワイイ指をボクに向ける。コヤツ――って、なんか、アリシアに比べて扱いがひどくない?
アリシアが「はい、そうです」と、応えると――
「コヤツはアリシアの何なのじゃ?」
「えつ?」
殿下に言われて二人は顔を赤くする。
ボクとアリシアの関係――簡単にいえば同居人。と、いうことは同棲相手⁉
いまさら、アリシアのことを意識してしまう……彼女はボクのことをどう思っているのだろう――
アリシアがどう答えるのか、ボクもドキドキして待ってしまう。
「ヒ、ヒロトさんは、そ、そのう……お仕事仲間です!」
アリシアがそう言うので、なぜかガッカリの気分に……まあ、仕事仲間なんだよね……
「そうか。と、いうことは、コヤツはアリシアの下僕ということだな?」
「――えっ?」
また、アリシアと一緒に声が出てしまう。げ、下僕⁉
「あ、あのう、殿下?」
「アリシアの下僕ということは、妾の下僕でもあるな。オマエ、名はなんと申す?」
「え、えーと……ヒロト・ニジカワです……」
一応、名乗った。
「そうか。喜べ、今日からヒロトは妾の下僕じゃ。ジェシカ、ソナタにコヤツの教育係を申しつける。とくときたえよ」
――――――――えっ?
「かしこまりました」
えっ? えぇぇぇぇっ⁉
「ハ、ハ、ハ! ヒロト、スゴいなあ! 昨日はマイスター、今日は殿下の下僕かぁ! どんどん出世するなぁ!」
いやいや、これって出世しているのかぁ?
「それじゃ、ヒロト、ビシビシ鍛えるので覚悟しとけ」
ジェシカさんがそんなことを言う。なんか、さっきと話し方が変わっているんですけど?
「うわぁぁぁぁ! カンベンしてくれ~!」
32
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異端の紅赤マギ
みどりのたぬき
ファンタジー
【なろう83000PV超え】
---------------------------------------------
その日、瀧田暖はいつもの様にコンビニへ夕食の調達に出掛けた。
いつもの街並みは、何故か真上から視線を感じて見上げた天上で暖を見る巨大な『眼』と視線を交わした瞬間激変した。
それまで見ていたいた街並みは巨大な『眼』を見た瞬間、全くの別物へと変貌を遂げていた。
「ここは異世界だ!!」
退屈な日常から解き放たれ、悠々自適の冒険者生活を期待した暖に襲いかかる絶望。
「冒険者なんて職業は存在しない!?」
「俺には魔力が無い!?」
これは自身の『能力』を使えばイージーモードなのに何故か超絶ヘルモードへと突き進む一人の人ならざる者の物語・・・
---------------------------------------------------------------------------
「初投稿作品」で色々と至らない点、文章も稚拙だったりするかもしれませんが、一生懸命書いていきます。
また、時間があれば表現等見直しを行っていきたいと思っています。※特に1章辺りは大幅に表現等変更予定です、時間があれば・・・
★次章執筆大幅に遅れています。
★なんやかんやありまして...
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる