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第一章 盾職人は異世界のゲームチェンジャーとなる
第4話 エルフを助けることとなる
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目の前で女の子がいきなり倒れたぁ⁉
さすがに、慌てる。
「キミ! しっかりしろ」
カラダを抱き上げ起こす。その時、長い耳が目に入った。
こ、このコ、エルフだ!
この世界には、エルフやドワーフ、獣人もいるらしい。『らしい』というのは、今まで見たことがなかったからだ。ボクの住むウィルハース王国の王都、ウィルハースシティの住民は人間が大多数。それ以外の人種はほとんど住んでいない。だから、エルフを見るのはこのコで最初だった。
透き通るような銀色の髪。真っ白な肌。頬がほのかにピンク色をしていて、美味しそうな白桃のようだ。そして、長いまつ毛――つまり、ものスゴい美少女でドキドキしてしまう――って、ちがーう! 今はそんなことを考えている場合じゃない!
「どこかイタいのか? 医者に連れていけばイイ?」
「オ……」
エルフの女の子が目を閉じたまま、そうつぶやく。
「……オ?」
「オナカが空いて……動けません……」
「……………………はい?」
そのまま、彼女は気を失ってしまうのだった。
さすがに放置するわけにはいかず、自分の工房まで彼女を背負って運ぶ。そして、自分のベッドに寝かせた。そういえば、自分のベッドに女の子が寝ているなんて……この世界はもちろん、前の世界を含めても初めてだな――そう考えると、妙に緊張してしまう。
寝息を立てているエルフの女の子を見て、ボクはため息をついた。
「オナカが空いていると言っていたよな……仕方ないか……」
当分の間、起きそうもうないので、ボクは彼女を置いて市場へ行きなおすことにした。
それから、一時間後――
「あれ? ここは?」
市場からもどってくると、料理というにははばかれそうな煮物を作る。できあがったところで、女の子の声が聞こえた。鈴を鳴らしたような、カワイイ声だった。
「あ、起きた?」そう声をかける。
「えーと、あなたは?」
「ボクは虹川ヒロト。ココで盾職人をしている召喚人だよ」
「えっ? 召喚人の方ですか?」
この世界はもう一万人以上の召喚人がいる。王都でもかなりの人数が暮らしているのだが、それでも現地人に比べたら圧倒的に少ない。だから、こういう反応もなれっコだ。
いきなり倒れられたので、背負ってココまで連れてきたと説明する。
「そ、そうだったのですか⁉ それは、ご、ご迷惑をおかけしまして――」
あわてて頭を下げるエルフの女の子に、ボクは「気にしないで」と言う。
「えーと、キミの名前をおしえてもらってもイイかな?」
テーブルに料理を並べながら、そうたずねてみた。
「あ、スミマセン。アリシア・リンと言います。私も召喚人です」
「……えっ?」
彼女も召喚人? しかし、それはオカシイ。
「あの……失礼だけど、キミはエルフだよね?」
「えっ? あ、はい。私、召喚のとき、女神様にエルフの姿にしてもらえないかとお願いしたんです」
「えっ? そんなお願いできたの?」
「はい。そうしたら『できますよぉ――』って……」
しまった。そんなことだったら、自分もカッコイイ姿にしてもらえばよかった――って、それはどうでもイイ。
「それで、どうして倒れるまで空腹だったの?」
そう質問してみる。
「実は……働いていた魔法研究所をクビになってしまって……」
「えっ?」
その時、彼女のオナカが鳴った。彼女の真っ白な顔が見る見る赤くなる。
「ハ、ハ、ハ……とりあえず、先に食べようか?」
「えっ? だけど……私、おカネとかなくて――」
ボクは頭を横に振る。
「イイんだ。こういう時はみんなで助け合わないと――」
「で、ですけど――」
そう躊躇するのだが、また彼女のオナカが鳴ってしまう。
「ね? 遠慮しないで」
「ゴ、ゴメンナサイ……お言葉に甘えさせてもらいます……」
さすがに、慌てる。
「キミ! しっかりしろ」
カラダを抱き上げ起こす。その時、長い耳が目に入った。
こ、このコ、エルフだ!
この世界には、エルフやドワーフ、獣人もいるらしい。『らしい』というのは、今まで見たことがなかったからだ。ボクの住むウィルハース王国の王都、ウィルハースシティの住民は人間が大多数。それ以外の人種はほとんど住んでいない。だから、エルフを見るのはこのコで最初だった。
透き通るような銀色の髪。真っ白な肌。頬がほのかにピンク色をしていて、美味しそうな白桃のようだ。そして、長いまつ毛――つまり、ものスゴい美少女でドキドキしてしまう――って、ちがーう! 今はそんなことを考えている場合じゃない!
「どこかイタいのか? 医者に連れていけばイイ?」
「オ……」
エルフの女の子が目を閉じたまま、そうつぶやく。
「……オ?」
「オナカが空いて……動けません……」
「……………………はい?」
そのまま、彼女は気を失ってしまうのだった。
さすがに放置するわけにはいかず、自分の工房まで彼女を背負って運ぶ。そして、自分のベッドに寝かせた。そういえば、自分のベッドに女の子が寝ているなんて……この世界はもちろん、前の世界を含めても初めてだな――そう考えると、妙に緊張してしまう。
寝息を立てているエルフの女の子を見て、ボクはため息をついた。
「オナカが空いていると言っていたよな……仕方ないか……」
当分の間、起きそうもうないので、ボクは彼女を置いて市場へ行きなおすことにした。
それから、一時間後――
「あれ? ここは?」
市場からもどってくると、料理というにははばかれそうな煮物を作る。できあがったところで、女の子の声が聞こえた。鈴を鳴らしたような、カワイイ声だった。
「あ、起きた?」そう声をかける。
「えーと、あなたは?」
「ボクは虹川ヒロト。ココで盾職人をしている召喚人だよ」
「えっ? 召喚人の方ですか?」
この世界はもう一万人以上の召喚人がいる。王都でもかなりの人数が暮らしているのだが、それでも現地人に比べたら圧倒的に少ない。だから、こういう反応もなれっコだ。
いきなり倒れられたので、背負ってココまで連れてきたと説明する。
「そ、そうだったのですか⁉ それは、ご、ご迷惑をおかけしまして――」
あわてて頭を下げるエルフの女の子に、ボクは「気にしないで」と言う。
「えーと、キミの名前をおしえてもらってもイイかな?」
テーブルに料理を並べながら、そうたずねてみた。
「あ、スミマセン。アリシア・リンと言います。私も召喚人です」
「……えっ?」
彼女も召喚人? しかし、それはオカシイ。
「あの……失礼だけど、キミはエルフだよね?」
「えっ? あ、はい。私、召喚のとき、女神様にエルフの姿にしてもらえないかとお願いしたんです」
「えっ? そんなお願いできたの?」
「はい。そうしたら『できますよぉ――』って……」
しまった。そんなことだったら、自分もカッコイイ姿にしてもらえばよかった――って、それはどうでもイイ。
「それで、どうして倒れるまで空腹だったの?」
そう質問してみる。
「実は……働いていた魔法研究所をクビになってしまって……」
「えっ?」
その時、彼女のオナカが鳴った。彼女の真っ白な顔が見る見る赤くなる。
「ハ、ハ、ハ……とりあえず、先に食べようか?」
「えっ? だけど……私、おカネとかなくて――」
ボクは頭を横に振る。
「イイんだ。こういう時はみんなで助け合わないと――」
「で、ですけど――」
そう躊躇するのだが、また彼女のオナカが鳴ってしまう。
「ね? 遠慮しないで」
「ゴ、ゴメンナサイ……お言葉に甘えさせてもらいます……」
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