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第三章 ちょいとこらしめる?
第46話 謝罪
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男は足を引きずりながら、無我夢中で逃げた。
「なんだよ。なんだっていうんだよ」
そうつぶやきながら、奥へと進む。
「アイツ、ゆるせねえ。ぜったいに殺す、殺す、殺す」
男の行く手を『進入禁止』という看板のかかったロープが遮っていた。
「ジャマだ! このやろう!」
男はそれを無視して、ロープをくぐる。
その先に、大きな鉄の扉があった。
「なんだ? ボクに黙って、こんなところを隠していたのか? どいつもこいつも勝手なことばかりしやがって、ゆるせねえ!」
男は扉にあったロックをはずすと、扉を開く。
中は真っ暗で何も見えない――
「なんだよ。ここは――」
そうつぶやきながら、奥に入ると、カタカタという音に気づいた。
「なんだあ? なにかいるのか?」
すると、赤い光が二つ。ボウッと光り始めた。
カタ、カタ――
その光が少しずつ近づいてくる。
「おい! 誰だ? ボクとやろうというのか?」
男は啖呵を切るのだが、その声は恐怖で震えていた。
やがて、赤い光の正体がはっきりと見えてきて――
頭蓋骨の目の部分から、その光は発していたのだ!
体全体が、白骨化しており、ボロボロのローブを着たその姿――
ゲームなどでは、こう表現されている。
アンデット――
「うわぁぁぁぁっ!」
この広いダンジョンで、男の叫び声を聞いたモノなど誰もいなかった――
*
「そうですか――それは、大変申し訳ございません」
あれからロビーまで戻ってきたボクたちは、受付の女性に状況を説明した。
「やはり、迷惑行為をしていた男でしょうか?」
「おそらくそうでしょう。わかりました。すぐにそのプレイヤーが逃げた方向を調べます」
女性は、受付に設置した受話器を手に取ると、なにやら連絡を取り合っている。
「ユミさん、具合はどう? 気持ち悪いようだったら、ムリしないで」
やはりショックだったのだろう。真っ青の顔をしているユミさんにそう声をかける。
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
彼女はそう言ってくれるのだけど、やはり心配だ。
「すみません、根津様、よろしいでしょうか?」
受付に呼ばれたので、ユミさんをロビー中央の椅子に座らせ、ボクひとりで向かう。
「PVによる経験値やアイテムの損失はなかったというとですが、迷惑をおかけした分として、経験値一万を運営側から付与させていただきます」
そんなのはいらないと言ったのだが、「運用ルールになってますので」と説明され、仕方なく受け取ることにした。
「また、情報提供のお礼として、根津様と落合様にはダンジョン通貨千ダルを振り込ませていただきました」
「はあ――」とボクは気の抜けた返事をする。
迷惑行為の客が悪いのだが、それを運営側が謝罪するというのは、なんとも不思議なことだ。
リリリリリリン!
突然、受付の電話が鳴る。受付の女性が受けると――
『大変です! リッチが逃げ出しました』
受話器からそんな声が聞こえた。
リッチ? それってたしか――
「いったい、どうゆうこと⁉ 部屋の扉は? プレイヤーが進入禁止をムシして、開けた?」
「――えっ?」
「なんだよ。なんだっていうんだよ」
そうつぶやきながら、奥へと進む。
「アイツ、ゆるせねえ。ぜったいに殺す、殺す、殺す」
男の行く手を『進入禁止』という看板のかかったロープが遮っていた。
「ジャマだ! このやろう!」
男はそれを無視して、ロープをくぐる。
その先に、大きな鉄の扉があった。
「なんだ? ボクに黙って、こんなところを隠していたのか? どいつもこいつも勝手なことばかりしやがって、ゆるせねえ!」
男は扉にあったロックをはずすと、扉を開く。
中は真っ暗で何も見えない――
「なんだよ。ここは――」
そうつぶやきながら、奥に入ると、カタカタという音に気づいた。
「なんだあ? なにかいるのか?」
すると、赤い光が二つ。ボウッと光り始めた。
カタ、カタ――
その光が少しずつ近づいてくる。
「おい! 誰だ? ボクとやろうというのか?」
男は啖呵を切るのだが、その声は恐怖で震えていた。
やがて、赤い光の正体がはっきりと見えてきて――
頭蓋骨の目の部分から、その光は発していたのだ!
体全体が、白骨化しており、ボロボロのローブを着たその姿――
ゲームなどでは、こう表現されている。
アンデット――
「うわぁぁぁぁっ!」
この広いダンジョンで、男の叫び声を聞いたモノなど誰もいなかった――
*
「そうですか――それは、大変申し訳ございません」
あれからロビーまで戻ってきたボクたちは、受付の女性に状況を説明した。
「やはり、迷惑行為をしていた男でしょうか?」
「おそらくそうでしょう。わかりました。すぐにそのプレイヤーが逃げた方向を調べます」
女性は、受付に設置した受話器を手に取ると、なにやら連絡を取り合っている。
「ユミさん、具合はどう? 気持ち悪いようだったら、ムリしないで」
やはりショックだったのだろう。真っ青の顔をしているユミさんにそう声をかける。
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
彼女はそう言ってくれるのだけど、やはり心配だ。
「すみません、根津様、よろしいでしょうか?」
受付に呼ばれたので、ユミさんをロビー中央の椅子に座らせ、ボクひとりで向かう。
「PVによる経験値やアイテムの損失はなかったというとですが、迷惑をおかけした分として、経験値一万を運営側から付与させていただきます」
そんなのはいらないと言ったのだが、「運用ルールになってますので」と説明され、仕方なく受け取ることにした。
「また、情報提供のお礼として、根津様と落合様にはダンジョン通貨千ダルを振り込ませていただきました」
「はあ――」とボクは気の抜けた返事をする。
迷惑行為の客が悪いのだが、それを運営側が謝罪するというのは、なんとも不思議なことだ。
リリリリリリン!
突然、受付の電話が鳴る。受付の女性が受けると――
『大変です! リッチが逃げ出しました』
受話器からそんな声が聞こえた。
リッチ? それってたしか――
「いったい、どうゆうこと⁉ 部屋の扉は? プレイヤーが進入禁止をムシして、開けた?」
「――えっ?」
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