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第三章 ちょいとこらしめる?
第44話 デート?
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ロビーに戻ると、服は元通り、火傷も直った。
「うーん、ほんとうにこれは不思議だな」
「無事に帰ってこれてヨカッタですね!」
ユミさんがホッとした表情を見せる。
「うん、ヨカッタ!」
死ぬことはないとわかっていても、やはり、ヤラレルのはイヤだもんな――
「そういえば――」
ボクは袋を下ろすと、中から本を取り出す。
「これって、どういうアイテムだろう?」
さっきから気になっていたんだよね。このボロボロになった本――魔法書のようなものだろうか?
それなら、ユミさんにあげるのだけど――
アイテム検索すると――
「呪いの書――えっ?」
いかにもヤバそうなアイテム名でドキッとする。
『いにしえの大賢者が、アンデットを封じ込めるために書いたとされる本。レア度――計り知れない』
説明はこれだけで、使い方も効果も書いてなかった。
「それにしても、レア度が計り知れない――って、どういう意味だ?」
それともうひとつ、ローブを取り出す。
「賢者のローブ? レア度☆☆。物理防御アップ、魔法防御アップ。これもなかなかな品物だな」
「このローブは綾瀬さんにあげませんか?」
ユミさんがそういう。
「そうだな。そうすれば、パーティーメンバーにひとつずつアイテムを分けることになるし――」
それじゃ、あとで渡すことにして、それまでボクがあずかることになった。
マイルームにドロップアイテムを置いてくると、ボクたちはまたダンジョンに入る。
「合流時間までDT一時間近くあるし、ちょっと、やりたいことがあるんだけど、イイかな?」
そうユミさんにお願いしてみる。
「はい、イイですけど、何をするんですか?」
「ユミさんとデートしたいなあ……って」
「――えっ?」
「――と、いうのは冗談だけど、時間まで中域のワープポイントを探して回りたいのだけどイイかな?」
ウィザードゴブリンが大変だったので、ちょっと戦うのは休みたいな――そう考えた。だけど、ただボーっとロビーで戸越たちを待っているのもなんだから、ゴブリンとの遭遇を避けながら、ワープポイントを登録していきたいと話す。
「そ、そうですか……」
なんか、ユミさんが残念そうな顔をしたので、「それとも、ゴブリン狩りを続ける?」とたずねる。
「い、いえ、ワープポイント探し、楽しそうですね!」
そう言って笑ってくれた。うーん、なんかムリに言わせちゃったのかなあ……
「その……ベツ……ニ……デート……シタイ……トカ……ソンナ……」
「え? なに?」
「い、いえ! なんでもありません!」
ミョーに、ユミさん慌てていたけど、なんだろう――まあ、いいか。
ということで、さっき、ウィザードゴブリンが出没したエリア近くのワープポイント、番号でいうとXXIVに戻ってくる。
「さっきは、あっちだったんで、こっちに行ってみようか――」
「はい!」
そこからだいたい五百メートルくらい先に進めば、別のワープポイントがあるはずだ。
アプリのマップを見ながら、最短距離を進むと――
「あ、いる――」
分かれ道の先にホブゴブリンが見えた。
「仕方ない、遠回りだけど、こっちから行くね」
「わかりました」
また、百メートルくらい行くと別のホブゴブリンが――
「うーん、すこし戻ってもいいかな?」
「はい、そうしましょう」
戦わないでワープポイント集め――というのも大変だ。狩りをしたいと思う時には、なかなかゴブリンが見つからないのに――
こういった現象って、なんって言ったっけ?
引き返すと、自分たちが来た方向から何かがやってきた!
まさか、ゴブリン⁉ 挟まれたのか⁉
「ねえねえ、ボクもパーティーに入れてもらえない?」
「うーん、ほんとうにこれは不思議だな」
「無事に帰ってこれてヨカッタですね!」
ユミさんがホッとした表情を見せる。
「うん、ヨカッタ!」
死ぬことはないとわかっていても、やはり、ヤラレルのはイヤだもんな――
「そういえば――」
ボクは袋を下ろすと、中から本を取り出す。
「これって、どういうアイテムだろう?」
さっきから気になっていたんだよね。このボロボロになった本――魔法書のようなものだろうか?
それなら、ユミさんにあげるのだけど――
アイテム検索すると――
「呪いの書――えっ?」
いかにもヤバそうなアイテム名でドキッとする。
『いにしえの大賢者が、アンデットを封じ込めるために書いたとされる本。レア度――計り知れない』
説明はこれだけで、使い方も効果も書いてなかった。
「それにしても、レア度が計り知れない――って、どういう意味だ?」
それともうひとつ、ローブを取り出す。
「賢者のローブ? レア度☆☆。物理防御アップ、魔法防御アップ。これもなかなかな品物だな」
「このローブは綾瀬さんにあげませんか?」
ユミさんがそういう。
「そうだな。そうすれば、パーティーメンバーにひとつずつアイテムを分けることになるし――」
それじゃ、あとで渡すことにして、それまでボクがあずかることになった。
マイルームにドロップアイテムを置いてくると、ボクたちはまたダンジョンに入る。
「合流時間までDT一時間近くあるし、ちょっと、やりたいことがあるんだけど、イイかな?」
そうユミさんにお願いしてみる。
「はい、イイですけど、何をするんですか?」
「ユミさんとデートしたいなあ……って」
「――えっ?」
「――と、いうのは冗談だけど、時間まで中域のワープポイントを探して回りたいのだけどイイかな?」
ウィザードゴブリンが大変だったので、ちょっと戦うのは休みたいな――そう考えた。だけど、ただボーっとロビーで戸越たちを待っているのもなんだから、ゴブリンとの遭遇を避けながら、ワープポイントを登録していきたいと話す。
「そ、そうですか……」
なんか、ユミさんが残念そうな顔をしたので、「それとも、ゴブリン狩りを続ける?」とたずねる。
「い、いえ、ワープポイント探し、楽しそうですね!」
そう言って笑ってくれた。うーん、なんかムリに言わせちゃったのかなあ……
「その……ベツ……ニ……デート……シタイ……トカ……ソンナ……」
「え? なに?」
「い、いえ! なんでもありません!」
ミョーに、ユミさん慌てていたけど、なんだろう――まあ、いいか。
ということで、さっき、ウィザードゴブリンが出没したエリア近くのワープポイント、番号でいうとXXIVに戻ってくる。
「さっきは、あっちだったんで、こっちに行ってみようか――」
「はい!」
そこからだいたい五百メートルくらい先に進めば、別のワープポイントがあるはずだ。
アプリのマップを見ながら、最短距離を進むと――
「あ、いる――」
分かれ道の先にホブゴブリンが見えた。
「仕方ない、遠回りだけど、こっちから行くね」
「わかりました」
また、百メートルくらい行くと別のホブゴブリンが――
「うーん、すこし戻ってもいいかな?」
「はい、そうしましょう」
戦わないでワープポイント集め――というのも大変だ。狩りをしたいと思う時には、なかなかゴブリンが見つからないのに――
こういった現象って、なんって言ったっけ?
引き返すと、自分たちが来た方向から何かがやってきた!
まさか、ゴブリン⁉ 挟まれたのか⁉
「ねえねえ、ボクもパーティーに入れてもらえない?」
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