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第二章 ちょいとパーティー組む?

第28話 魔法実習

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「それでは、横一列になって、間隔を開けてもらってイイですか? そうですね。せっかく広いのですから、二、三メートルくらい離れてください」

 インストラクター、葛西かさいマコトこと『マコちゃん』の指示で、参加者が一定間隔で広がった。

「杖を持った反対の手を付き出すのが『マジックシールド』の発動条件になります。そして、頭の中でイメージしてください。それでは、全員で声を合わせて、『マジックシールド』と言いましょう! せーの!」

「「「「「マジックシールド!」」」」」

 参加者が一斉にマジックシールドを発動する!
 それを見ているだけで、実に壮観だった!

「「「「「おおーっ!」」」」」という、歓声が湧き起こる。

「すばらしい!」とマコちゃんが拍手する。

「もう、教えることはありません!」
 それで、また笑いが起こる。

 それにしても――

「ユミさんのマジックシールド、大きいですね!」
 ボクの倍ほどはあるだろうか――

「あ、はい。私もビックリしてます」
 そう目を丸くしているユミさん。なんとなく微笑ましい。

 こうしてみると、人によってマジックシールドの形や大きさが違っている。レベルの差もあるのだろうが、個性も影響しているようだ。

 中でも――
「おおう――」という、どよめきを呼んだのは――ゴスロリファッションの女性。
 ひときわ大きいマジックシールドが展開されていた。
 ほんのりピンク色のポリゴンなのだが、なによりも個性的なのはその形――

「……ハート?」
 たしかにハートの形をしていた!
 これって――?

「はい、みなさんすでにお気づきかもしれませんが、マジックシールドは術者がイメージしたシールドが発動するようです。なので、形や色はひとそれぞれなんですね」
 マコちゃんの説明で、参加者がざわつく。

 なるほど、術者のイメージが具現化するということか――ということは、あのゴスロリの女性は、あんなイメージをして――

「オレ、あのゴスロリ、ダンジョン内で何度か見たことがあるよ――」

 隣にいた見知らぬ男性が、そんなことをささやいているのが聞こえた。
 なんでも、夜の九時ごろになると、いつもいるのだとか――

「それにしても、あれってファンシーマギカに登場していた悪役のコスプレだよな?」
「ああ、オレもそう思った。シシリーとかいうヤツじゃなかったっけ?」

 なるほど、そういえばそうだ――と思う。確か二十年前くらいにヒットした魔法少女アニメだった。幼女向けの番組なのに、きわどい変身シーンとリアルな人間関係が話題になって、成年男性にも人気があったとか――

 それもそうだけど――やっぱり、あのひと――どこかで……

 そのとき、視線を感じた。その方向を見るとユミさんがこっちをじっと見ている。

「えっ? なに?」
 ボクがたずねると、ユミさんは「なんでもありません」と少しムッとしたような顔をしながら、目をそらした。

 ――ん?
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