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第二章 ちょいとパーティー組む?
第27話 魔法障壁(マジックシールド)
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「それではみなさん、集まってください!」
ボクは今、魔導士向けのオリエンテーションに参加している。
インストラクターで、ちょいダン運営会社、ダンジョンファクトリーのプレイヤースキル管理担当という葛西マコト、プレイヤーネーム『マコちゃん』がそう声をあげ、参加者が集まる。
「ここが、『ちょいダン広場』という場所になります」
将来的に、ダンジョン内で行われる、いろいろな催し物をおこなう場所になる予定――だと、マコちゃんは説明した。
「催し物って、どんなのでしょうね?」
ユミさんが小声でたずねてきたので、「お祭りとかやるのかな?」なんて言ってみる。
「なんか、おもしろそうですね」
彼女はそう言って、ニッコリ笑った。
そうだな――と、想像してみた。
この広い空間に、屋台が並ぶ状況――
その店を切り盛りしているのが、ゴブリンたち――
『おっちゃん、ヤキソバ二つ』
『あいよ。すこしサービスするな』
なんて、ゴブリンと会話する様子を思い浮かべる。
ハ、ハ、ハ――なんか楽しそうだ。まあ、そんなことがあったら、もうゴブリンを殺せなくなるな――
「それでは、全員が見られるようにボクを中心に、弧を描いて並んでもらえますでしょうか?」
マコちゃんの指示で、ボクらは彼の周りに並んだ。
全部で二十名。この広い空間だと、少人数に感じる。
「そうですね、そんな感じで――それでは、さっそく、魔法の説明から――」
現在、実装されている魔法は、『ファイア』、『ファイアボール』、『マジックシールド』の三つ――と説明される。ここまではチュートリアルと同じだ。
「この中で、『ファイア』と『ファイアボール』は、標的に杖を向けて、それぞれ名称を言えば魔法が発動するように調整してあります」
そうなんだ――と思う。それにしても『調整』ってどうやってやるんだ?
「ムズカシイのはマジックシールドだと思いますが、こちらを覚えると、戦いがとても楽になります。なので、今日はぜひ覚えていってください」
そういえば、マジックシールドは見たことなかったな――
「マジックシールドは、杖を持った反対側の手で発動させます。やってみますね」
そう言って、マコちゃんが右手に杖を持ち、左手を突き出す。
「マジックシールド!」
この広い空間に響き渡るくらい大声でそう唱えた。すると、左手の前に、六角形のポリゴンが、いくつか現れる。
「「「「「オオーッ!」」」」」という歓声が湧いた。
ファイアボールやファイアも初めて見たときは感動したが、マジックシールドは別の感動がある。キラキラとして、とてもきれいだ。
「はい、こんな感じです」
すると、誰からともなく拍手する。
「ありがとうございます。ちなみに、大声を出さなくても発動します。ご安心ください」
そう言われて、ドッと笑い声が溢れた。
「マジックシールドは大きさ、厚み、発動時間はレベルによって違います」
レベルが上がると、大きく、厚く、長く展開するらしい。
「つまり、防御範囲が広く、防御力が高く、長くなるんですね」
どれくらい違うかは、実際にやってみてほしいとのこと。
「ちなみに、ボクの魔導士レベルは十です。剣士は十二です。あ、これ自慢です」
社員特権で、プレオープン前にやり込みました――と悪びれず言う。
「また、詠唱ですが、こちらはレベルに関係なく、速く詠唱できる人は早く発動します。また、頭の中で詠唱をイメージしても魔法が発動できる人もいます」
誰かが、「無詠唱?」とつぶやくので、マコちゃんが「はい! そうです!」と応えた。
「できるひとは、意外とすぐに無詠唱で魔法が発動できるようになります。このように――」
マコちゃんが左手を突き出しただけで、ポリゴン状のシールドが現れ、また、「オーッ!」と歓声があがる。
「他の魔法も、無詠唱で発動しますよ」
そう言って、マコちゃんはくるっと半回転すると、誰もいない方向へ杖を向けた。
ボウッ!
いままで見たことのない大きな火の玉が現れ、まっすぐ飛んで行った!
またまた、歓声。
「こうして、驚いてもらえると気分がイイですね」
今度は爆笑――
インストラクターって、こんなふうに口も達者じゃないといけないんだな。ボクも見習わないと――
ボクは今、魔導士向けのオリエンテーションに参加している。
インストラクターで、ちょいダン運営会社、ダンジョンファクトリーのプレイヤースキル管理担当という葛西マコト、プレイヤーネーム『マコちゃん』がそう声をあげ、参加者が集まる。
「ここが、『ちょいダン広場』という場所になります」
将来的に、ダンジョン内で行われる、いろいろな催し物をおこなう場所になる予定――だと、マコちゃんは説明した。
「催し物って、どんなのでしょうね?」
ユミさんが小声でたずねてきたので、「お祭りとかやるのかな?」なんて言ってみる。
「なんか、おもしろそうですね」
彼女はそう言って、ニッコリ笑った。
そうだな――と、想像してみた。
この広い空間に、屋台が並ぶ状況――
その店を切り盛りしているのが、ゴブリンたち――
『おっちゃん、ヤキソバ二つ』
『あいよ。すこしサービスするな』
なんて、ゴブリンと会話する様子を思い浮かべる。
ハ、ハ、ハ――なんか楽しそうだ。まあ、そんなことがあったら、もうゴブリンを殺せなくなるな――
「それでは、全員が見られるようにボクを中心に、弧を描いて並んでもらえますでしょうか?」
マコちゃんの指示で、ボクらは彼の周りに並んだ。
全部で二十名。この広い空間だと、少人数に感じる。
「そうですね、そんな感じで――それでは、さっそく、魔法の説明から――」
現在、実装されている魔法は、『ファイア』、『ファイアボール』、『マジックシールド』の三つ――と説明される。ここまではチュートリアルと同じだ。
「この中で、『ファイア』と『ファイアボール』は、標的に杖を向けて、それぞれ名称を言えば魔法が発動するように調整してあります」
そうなんだ――と思う。それにしても『調整』ってどうやってやるんだ?
「ムズカシイのはマジックシールドだと思いますが、こちらを覚えると、戦いがとても楽になります。なので、今日はぜひ覚えていってください」
そういえば、マジックシールドは見たことなかったな――
「マジックシールドは、杖を持った反対側の手で発動させます。やってみますね」
そう言って、マコちゃんが右手に杖を持ち、左手を突き出す。
「マジックシールド!」
この広い空間に響き渡るくらい大声でそう唱えた。すると、左手の前に、六角形のポリゴンが、いくつか現れる。
「「「「「オオーッ!」」」」」という歓声が湧いた。
ファイアボールやファイアも初めて見たときは感動したが、マジックシールドは別の感動がある。キラキラとして、とてもきれいだ。
「はい、こんな感じです」
すると、誰からともなく拍手する。
「ありがとうございます。ちなみに、大声を出さなくても発動します。ご安心ください」
そう言われて、ドッと笑い声が溢れた。
「マジックシールドは大きさ、厚み、発動時間はレベルによって違います」
レベルが上がると、大きく、厚く、長く展開するらしい。
「つまり、防御範囲が広く、防御力が高く、長くなるんですね」
どれくらい違うかは、実際にやってみてほしいとのこと。
「ちなみに、ボクの魔導士レベルは十です。剣士は十二です。あ、これ自慢です」
社員特権で、プレオープン前にやり込みました――と悪びれず言う。
「また、詠唱ですが、こちらはレベルに関係なく、速く詠唱できる人は早く発動します。また、頭の中で詠唱をイメージしても魔法が発動できる人もいます」
誰かが、「無詠唱?」とつぶやくので、マコちゃんが「はい! そうです!」と応えた。
「できるひとは、意外とすぐに無詠唱で魔法が発動できるようになります。このように――」
マコちゃんが左手を突き出しただけで、ポリゴン状のシールドが現れ、また、「オーッ!」と歓声があがる。
「他の魔法も、無詠唱で発動しますよ」
そう言って、マコちゃんはくるっと半回転すると、誰もいない方向へ杖を向けた。
ボウッ!
いままで見たことのない大きな火の玉が現れ、まっすぐ飛んで行った!
またまた、歓声。
「こうして、驚いてもらえると気分がイイですね」
今度は爆笑――
インストラクターって、こんなふうに口も達者じゃないといけないんだな。ボクも見習わないと――
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