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第二章 ちょいとパーティー組む?

第18話 パーティーへの誘い

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 翌日――大手町駅改札口。

 前をフラフラしながら歩いている茶髪頭を見かけ、声かけた。

「おはよう、どうした? 元気ないなあ?」
 茶髪頭――戸越レンは、クマを作ったうつろな目でボクを見る。
「おはよう――聞いてくれよ。結局、昨日は終電だったよ」
「はあ……」

 戸越の部署では新しい製品の開発プロジェクトを進めていたのだが、ライバル会社で同じような製品をこちらの予定価格より安く設定してくるという情報が入ったらしい。それで昨日、緊急会議となったそうだ。材料費、加工費、輸送費の見積もりをやり直され、取引会社と夜遅くまでネット会議を続けたとのこと。
 それでも、希望価格に達成せず、終電のためハードストップ。今朝から続きをするそうだ。

「それは大変だな」
 まあ、ウチの会社ではよくある話だけど――

「ああ――今朝なんか、いつのまにか自分がいて、部長に剣で斬りつけられる夢で起きたよ」
「そりゃあ、もう重症だな――」
 ご愁傷さま――としか言いようがない。

「それじゃ、明日は誘ってもムリだな」
 ボクはそう言うと、「何のことだ?」と戸越に言われる。

「いや、二日前に女の子とパーティーを組んだという話をしただろ?」
「ああ、カワイイと言っていたコだろ?」
 カワイイの部分しか頭に残っていないのか?
 まあ、イイ――

「そのコから、土曜日に『ちょいダン』でパーティーを組んでやりませんかって、LINがきたんだ」
「――へっ?」

 それは昨晩のこと。風呂からあがってきたらLINの着信があって、見るとユミさんからだった。
『会社の同僚が土曜日にちょいダンでパーティーを組まない? と連絡がきたのですが、一緒にどうですか?』
 そういう内容だった。

「おい! いつの間にLINの交換をしたんだ⁉」

 そう問いただされたので、昨日、そのコにまた会ったことを話す。
「くうっ……やっぱり、オマエは豪運ごううんすぎるよ。実は豪運せいから来た豪運星人せいじんだろ?」
「どこにそんな星があるんだよ? でな、それなら同僚も呼んでイイかとたずねたら、『ぜひ!』ってレスが返って来たんだ――」

 それで、戸越を誘うつもりでいたんだが――

「そんなに疲れているなら、さすがに明日はムリだな?」
 ヘタしたら、明日も臨出になるかもしれないし――

「バカ! 何を言っている! 行くに決まっているだろ!」
 なんか、いきなり元気になった。
「せっかく、、機会を作ってくれたんだろ? その恩に報わなければ、男じゃない!」
 うーん。実はたまたま、オマエの顔が頭に浮かんだ――なんて、とても言えない。

「いや、だけど――」
「大丈夫! そういうことなら、本気で仕事するわ!」

 普段から本気で仕事しろよ――と思ったが口にはしない。

「それじゃ、今晩、集合時間とかLINするな」
 ユミさんに、仲間からOKもらったと連絡しなければ――なんて考える。

「おう! 生きる望みが湧いてきたよ!」
 そこまで追い詰められていたのか?
 それはそれで、なんて言ってイイのか――

 と、いうことで、明日、ちょいダンに行くこととなった。
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