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第四章 王宮
第四十八話
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エリオット達は王宮から百メートルほど離れた、空き家にいた。ギルバートから指定された場所だ。その地下に入ると鉄製の扉が見える。
「これだな」
エリオット――の憑依したジークフリードが、ギルバートから預かった鍵をその扉の鍵穴に差し込むと、カチッという音がした。
「よし、これで中に入れるぞ」
さて、それじゃあ……と、ジークフリードのカラダから抜け出ると、デブ御曹司のカラダがバタッ横たわった。
「あれっ? どうしちゃったのですか?」と、タバサが彼の顔をのぞき込む。その隣に現れたエリオットの幻影が、「ああ、寝ちゃったんだよ」と応えた。
「そういえば、エリオットさんに憑依されている間は何もすることがないので、眠っちゃうんですよね」
タバサも経験済みだった。そう言えば――気絶しているというより、気持ち良く眠っているという表情である。
(このまま、放置してもいいのだけど――)と思いながら、エリオットは念動力で、ジークフリードを少し浮かせて、そのままドスンッと落とした。
「うわっ!」と起き上がる、ジークフリード。
「ここはどこ!? ボクはなんでこんなところにいるの!?」と慌てる。
最初から説明するのは面倒と思ったエリオットは、「王宮近くにいる」とだけ伝えて――
「まあ、おかげで助かったよ。もう用は済んだから」
これから王宮へ侵入するにあたって、彼は邪魔だ。家へ帰るように言う。
「ボクを許してくれるの?」
『――えっ?』
許す? いや、そんなつもりはない。彼はそれだけのことをやったのだ。だからといって、物理的に傷めつける――というのも何か違う気がする。
(さて……なんて答えればイイのだろうか?)
言いあぐねているエリオットを兄は上目遣いで見つめてきた。
(……これがカワイイ女の子なら、萌えるんだけどなあ……)
丸々と太った二重顎の少年では萎えてしまう……
エリオットはため息をついて――
『兄さん、あなたには一生、弟殺しの罪を背負って生きてもらうよ。あなたの犯した罪で傷ついた人の心は、もう癒せないのだから――でもね兄さん、人生はいつでもやり直せるんだ。生きてさえいればね』
われながら説教じみた話をしてしまったと後悔する。
「さて……」
これからが大勝負だ――
エリオットはタバサを連れて、地下通路奥へと向かった。
「これだな」
エリオット――の憑依したジークフリードが、ギルバートから預かった鍵をその扉の鍵穴に差し込むと、カチッという音がした。
「よし、これで中に入れるぞ」
さて、それじゃあ……と、ジークフリードのカラダから抜け出ると、デブ御曹司のカラダがバタッ横たわった。
「あれっ? どうしちゃったのですか?」と、タバサが彼の顔をのぞき込む。その隣に現れたエリオットの幻影が、「ああ、寝ちゃったんだよ」と応えた。
「そういえば、エリオットさんに憑依されている間は何もすることがないので、眠っちゃうんですよね」
タバサも経験済みだった。そう言えば――気絶しているというより、気持ち良く眠っているという表情である。
(このまま、放置してもいいのだけど――)と思いながら、エリオットは念動力で、ジークフリードを少し浮かせて、そのままドスンッと落とした。
「うわっ!」と起き上がる、ジークフリード。
「ここはどこ!? ボクはなんでこんなところにいるの!?」と慌てる。
最初から説明するのは面倒と思ったエリオットは、「王宮近くにいる」とだけ伝えて――
「まあ、おかげで助かったよ。もう用は済んだから」
これから王宮へ侵入するにあたって、彼は邪魔だ。家へ帰るように言う。
「ボクを許してくれるの?」
『――えっ?』
許す? いや、そんなつもりはない。彼はそれだけのことをやったのだ。だからといって、物理的に傷めつける――というのも何か違う気がする。
(さて……なんて答えればイイのだろうか?)
言いあぐねているエリオットを兄は上目遣いで見つめてきた。
(……これがカワイイ女の子なら、萌えるんだけどなあ……)
丸々と太った二重顎の少年では萎えてしまう……
エリオットはため息をついて――
『兄さん、あなたには一生、弟殺しの罪を背負って生きてもらうよ。あなたの犯した罪で傷ついた人の心は、もう癒せないのだから――でもね兄さん、人生はいつでもやり直せるんだ。生きてさえいればね』
われながら説教じみた話をしてしまったと後悔する。
「さて……」
これからが大勝負だ――
エリオットはタバサを連れて、地下通路奥へと向かった。
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